「⼀流⼤学を卒業し、⼀流企業に就職すること」を期待され続けてきたけれど、ふとした瞬間に「これでいいのかな…」とモヤモヤしてしまうこと、ありませんか?
若杉萌さん(25)も、親の期待に応え、京都⼤学に⼊学しましたが、次第に「親が認めるいい⼦」であり続けることに疑問を持ち始めました。⾃分を⾒つめるための留学で進むべき道を⾒つけ、株式会社カメレオンで部署間連携や IT ツール導⼊でオペレーション改善を⾏う若杉さんに、これまでの⼈⽣観や、仕事に対する思いを伺いました。
オンラインコーチング事業を通して、⼈⽣の選択肢を増やす「カメレオン」
カメレオンは、市場価値の向上と⻑期的なキャリア形成を⽬的としたオンラインコーチングサービスを展開しています。年収アップのパーソナルトレーニング「キャリドラ」は、2022年7⽉に1周年を迎えました。
カウンセリング・セッション件数は増加傾向にあり、2022年7⽉に前年同⽉比1900%超を達成するなど、注⽬を集めています。
私が私であるために⾃我に⽬覚めた
-----若杉さんは、京都⼤学の出⾝ですね。どのような幼少時代を過ごしていましたか。
若杉さん:⽗親は教員で、⺟親も固い職業です。そんな家庭環境で育った私は、学校の中で評価されることをずっと求められていました。勉強が得意だったことが社会の要求に合致していて、それがたまたま京都⼤学の合格に繋がったという感じです。
-----教育学部のご出⾝ですが、親と同じ教員の道に進む予定だったのですか。
若杉さん:⼊学までは、「いい⼤学に⼊って、名が知れた企業に⼊社して...」と⾔った漠然としたビジョンがありましたが、次第に「これでいいのか」と思い始めました。親の⾔うことをよく聞く「いい⼦」を演じてきましたが、「いつまでこれを続ければいいんだ」と葛藤するようになり、ある⽇それが爆発しました。
-----⼤学⽣になって⾃我が⽬覚めたのですね?
若杉さん:周囲には学校の勉強はもちろん、⾃分の好きなことを⽣き⽣きと追求する同級⽣がたくさんいて、⾔われたことだけをこなす「いい⼦」では⾃分が満たされないことを突きつけられたような気がしました。両親は正しいことを⾔っているはずなのに、それが受け⽌められない。「正しい」⽣き⽅を求められる息苦しさは弟や妹にも及んでいて、家族関係が険悪になりました。我慢しきれずに「なんで私の⼈⽣ってこんなにつらいんだろう」と、これまでの鬱積を畳みかけたこともありました。
-----感情を閉じ込めていた蓋が開いてしまったのでしょうか。
若杉さん:そうですね。そこから両親と本⾳で話せるようになり、「これまでごめんね。これからはサポートするから好きなように⽣きてね」と理解してくれました。
韓国留学で⼈⽣が分岐、進むべき道が開ける
-----その後、韓国に留学していますね。
若杉さん:⼩さい時に家族の都合で韓国に住んでいたことがあり、⼤学3年の時に韓国に1年間交換留学に⾏きました。本⼼でいうと、慣れていた⽇本での⽣活から離れたかったんです。
-----⾃分を⾒つめる時間は必要ですね。
若杉さん:留学中に韓国で起業している⽇本⼈⼥性経営者に出会い、事業をお⼿伝いするようになりました。そこで様々な⽅ををご紹介いただき、これまで考えたことのない⽣き⽅をたくさん⽬の当たりにしました。その中で「⾃分たちの⼿で事業を発展させていく仕事は⾯⽩そう」と思うようになりました。働き⽅・⽣き⽅に対する当たり前が変わったのはこの経験があったからだと思います。
⾃分らしく⽣きることができる場所を発⾒
若杉さんは留学先でのインターンを半年間⾏い、帰国後3カ⽉間フルタイムでの就業経験を積んだ後、⼤学4年⽣への進級と同時に、インターンとして韓国で出会った経営者のアプリ開発のスタートアップにインターンとしてジョインしたといいます。
-----未経験のアプリ開発を担当することは、相当なプレッシャーがあったのではないですか。
若杉さん:いえ、むしろ好奇⼼やワクワクの⽅が強かったですね。プロダクトの0→1フェーズに関わらせていただいていたので、プロダクトが出来上がっていく様⼦を⾒るのがおもしろかったですし、⾃分が⼒を注いだことに対して「ありがとう」と⾔ってもらえことが嬉しくて「働くって楽しいな」と感じました。
-----⽣き⽣きとできる場所を求めていたのですね。
若杉さん:そうですね。「課題を少しでも良くするために、何ができるのか」「何をしたら⽬の前の⼈をびっくりさせられるだろう」ということを、いつも考えています。アプリを作る時も、実際に業務をされる⽅の使い勝⼿を理解するために、現場に⾜を運んで⼯場の⽅と⼀緒に作業しました。会社に「そこまでやりなさい」とは⾔われていませんでしたが、⾃分が関わっていることに価値を⾒出してカタチにするのが楽しかったです。
みんなの働きやすさをサポートするディフェンス部隊を⽬指す
-----そのあとに現在のカメレオンに⼊られていますね。
若杉さん:カメレオンには2021年10⽉にカウンセラーとしてジョインしましたが、2022年4⽉までダブルワークをしていました。カメレオンでフルコミットで仕事を始めたのは同年5⽉からです。カウンセリングをしてお客さんと向き合ううちに、「お客さんに近い環境でサービスを作り出してみたい」とか、「裏側の仕組みを整えたい」という思いが強くなっていました。
-----⽇本ではコーチングを専⾨にしている企業は珍しいですよね。
若杉さん:カメレオンでは、キャリアコーチングに特化しています。受講⽣とトレーナーが⼀対⼀で、オンラインでセッションを⾏ないながら、「どんな仕事が適しているのか」や、「受講者の強みは何だろう」という分析をプロの⽬線で⾏いながら、キャリアアプランを⼀緒に考え、キャリアアップを後押しします。その中でも年収アップにこだわり、受講者の市場価値アップに徹底的に寄り添うのが特徴です。
-----カメレオンでの最初の仕事はトレーナーですか。
若杉さん:当初はお客様と対⾯でカウンセリングをして、受講を決めていただくのが主な業務でしたが、2022年3⽉から事務局に移って後⽅⽀援を⾏っています。具体的には、ITツール導⼊を含む裏側のオペレーションの構築、受講満⾜度のアンケート設計および実装、受講者のサポートを担当しています。
-----トレーナーの⼿前、アンケートでは「良い」と解答していても、実際にそう思っているのか計り知れませんよね。
若杉さん:私どもも、それを危惧して新しい施策を⾏っています。アンケート結果を⾒ると、満⾜度がとても⾼いにもかかわらず、実際直接ヒアリングを⾏うと別の本⾳が出てくることもありました。乖離の理由を探るために、受講者と抜き打ち⾯談をしたり、トレーナーと関係ないところでリアルな声を聞かせていただいたり、新しい取り組みを始めました。
-----それによってトレーナーが介在した時のアンケート結果と異なる回答が得られましたか?
若杉さん:そうですね。もともと、アンケートを確実に回収すること⾃体が難しく、回収率をあげようとトレーナーが介在するフローにしたことで素直な意⾒が取れなくなってしまっていたんです。事務局が受講⽣の⽅から直接声を聞く機会を作ることで、よりリアルな声が得られるようになってきました。
-----アンケート結果をトレーナーにフィードバックする時は、どのようなことを心がけていますか。
若杉さん:私⾃⾝、⼈材業界に⻑くいたとか、コーチング経験が豊富なわけではないので、「トレーナーとしてどのように受講⽣に向き合うべきか」といったアドバイスはできませんが、その代わり「事務局とどのようなコミュニケーションがあれば相談・改善ががしやすくなるか」を常に考え、社内チャットの改善や勉強会の開催など、場としてソリューションを提供することをいつも考えています。
⼤きな失敗をしない慎重さが⾃分の⽋点
-----順調に仕事をスタートさせていますが、これまで⼤きな失敗はありませんでしたか。
若杉さん:⼤きな失敗がないことが、⼀番の失敗かもしれません。もっと振り切って仕事をした⽅が良いんだろうと、今の質問をされて思いました。
-----冒険をするために⾶び込んだ会社なのに、リスクを伴わない旅⾏になっている感じですか。
若杉さん:そんな感じです。安全運転ではなく、たまにアクセルを踏み込んでガードレールをぶち破るぐらいが合っている気がします。また、それができている時の⾃分が好きなので、もっとぶち破らないといけないなと思いました。
-----若杉さんが楽しめる「冒険」を期待しています。本⽇は有難うございました。
親の望む道から、⾃分の進むべき道に分岐した若杉さん。同じ悩みを抱える⼈たちに、こんなメッセージを送ってくれました。
「まずは⾃分の直感を⼤切にしてほしいです。そのうえで就職先を選ぶ際は、"AかBか"のような⼆軸で⾒るのではなく、情報を集めたうえで、⾃分の⼼に引っかかった要素を⾔語化していくことが⼤事なことだなと思います」
就職先選びにモヤモヤを感じている⼈は、⼀度⽴ち⽌まって若杉さんの⾔葉を参考にしてみてはいかがでしょうか。
出典元:株式会社カメレオン
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