インターンや座談会は、企業の”リアル”を知る絶好の機会です。ただ漫然と参加するのではなく、積極的に質問することで自分にとって働きやすい企業を見極められるでしょう。
本記事ではインターンや座談会での質問について、質問をするメリットやマナー、内容ごとの質問の仕方を例文付きで紹介します。
- インターンや座談会で質問をするメリットは4つ
- どんな質問が、自分に合った企業探しや自己PRに役立つのか
- 質問内容によっては、聞き方に気をつける必要がある
インターンや座談会で質問をするメリット
インターンや座談会は、その企業の社員や役員などの「普段は直接話せない人たち」と話せる貴重な機会です。ここできちんと質問したかどうかで、企業選びも、入社後の満足度も変わってくるでしょう。
インターンや座談会で質問することには以下のようなメリットがあります。それぞれの詳細を確認していきましょう。
- オンラインではわからない、社員の生の声が聞ける
- 社員との接点をつくれる
- 自分と企業の相性がわかる
- 自己PRになる
オンラインではわからない、働いている人の生の声が聞ける
インターンや座談会で質問をする1つ目のメリットは、「オンラインではわからない、働いている人の生の声が聞ける」ことです。
企業HPや採用ページに、従業員インタビューを掲載している企業は多いです。社員や役員のSNSをチェックすれば、その企業のリアルな姿がある程度はわかるでしょう。
しかし、このようなオンラインの情報からは見えてこない、「リアルな情報」というものもあります。社員の生の声が聞けるインターンや座談会は、リアルな情報を集めるまたとない機会です。
オンライン上で探しても見つからなかった情報は、ぜひ直接聞いて情報収集するようにしてください。
社員との接点をつくれる
インターンや座談会で質問をする2つ目のメリットは、「社員との接点をつくれる」ことです。インターンや座談会にただ参加するよりも、積極的に質問した方が社員との関わりが深くなります。
「気になることを聞く」という意味でも質問は大切ですが、社員との接点づくり、関係性を深めるきっかけにもなることを覚えておきましょう。
自分と企業の相性がわかる
インターンや座談会で質問をする3つ目のメリットは、「自分と企業の相性がわかる」ことです。働く企業を選ぶうえで気になることは、人それぞれ違うでしょう。自分にとって気になることが、企業HPや採用ページからは見えてこないこともあります。
また実際に働いている人との対話を通して、自分との相性をなんとなく感じることもあるでしょう。
自分にとって気になること、重要なことをピンポイントで知るには、インターンや座談会で質問するのが一番です。
自己PRになる
インターンや座談会で質問をする4つ目のメリットは、「自己PRにもなる」ことです。質問をするということは、その企業に興味を持っているということです。質問の内容によって、理解度の深さや志望度の高さが現れます。
逆に「調べたら簡単にわかる」「サイトに掲載されている」といった内容を質問すると、逆効果になる可能性があることに注意しておきましょう。
インターンで質問をしないと印象は悪くなるの?
インターンで積極的に質問することには、「自分と企業の相性がわかる」「自己PRにもなる」というメリットがあります。裏を返せば、質問をしないと志望度が低いと思われるかもしれません。
ただし、何でもかんでも質問すればいいわけではありません。記事後半では「どんなことを質問すべきか?」「してはいけない質問はあるのか?」について解説しているので、参考にして、「印象の良くなる質問・聞き方」を身につけましょう。
インターンでの質問の聞き方
インターンや座談会で質問をするときは、最初に名乗りましょう。特に社員と学生が集まり、対話をする場である座談会では、次のような手順で質問するのがマナーです。
- 挙手をする
- 指名されるのを待ち、必要に応じて席を立つ
- 座談会に参加させてもらったことに対し、お礼を言う
- 大学名、学部、名前を伝える
- 質問をする
- 回答を聞きながら、相槌を打ったり、わからなかった部分があれば深堀りする
- 質問させてもらったことにお礼を言い、着席する
ただし、時間短縮や個人情報に対する配慮から、「名乗らなくていい」と言われることもあります
インターン中に質問するときも、名乗ったりお礼を言ったりなどのマナーは守りましょう。
【カテゴリ別】インターンや座談会では、どんな質問をするといい?
インターンや座談会では、次の内容について質問しましょう。これらに関する質問は、自分と企業の相性を知るために重要ですし、やる気を示すためにも役立ちます。
- 仕事内容に関すること
- 会社のビジョンや仕事のやりがい
- 戦略や経営計画に関すること
- 職場やチームの雰囲気
- 福利厚生に関するポジティブな質問
- どんな人材が求められているか
ここからは、内容別にどんな質問をすればいいのか、例文を紹介します。
仕事内容に関すること
まずは仕事内容に関する内容の質問方法について紹介します。
- 1日の仕事の流れを、おおまかに教えてください
- 仕事をしていてどんなことに悩み、どう解決しましたか?
- 新入社員だった頃、仕事を覚えるためにどんなことをしていましたか?
- どんな仕事をしているときが、一番楽しいですか?
- 学生時代やアルバイトの経験で、どんなものが仕事に役立ちましたか?
- 今までしてきた仕事の中で、もっとも難しかったのはどんな仕事ですか?
- 印象に残っているミスや失敗はありますか?
- 仕事をしていて「成長できた」と実感したのは、どんな瞬間ですか?
- (業務内容がイメージしづらい仕事について)○○の仕事では、具体的にどんなことをするのですか?
- 仕事をするとき、どんなことに気をつけていますか?
- 新入社員はどんな仕事をしていますか?
会社のビジョンや仕事のやりがい
次に、会社のビジョンや仕事のやりがいに関する内容の質問方法について紹介します。事前に会社のビジョンや企業理念についてはコーポレートサイトを見て確認しておきましょう。
業界に関する内容も、「あなたはどう思っていますか?」など聞き返される可能性もあるため、自分なりの意見を準備して質問するようにしてください。
- 企業理念の○○という部分に感銘を受けました。このような理念に至った経緯が知りたいです
- (創設者に質問できるなら)創設時の想いや、業界の中でどう在りたかったかが知りたいです
- 新しい事業部をつくるとして、どんな事業を、どんな理由で起こしたいですか?
- 今の業界について、どう思っていますか?
- 業界の中で、御社はどんな役割を果たしていますか?
- 社会や業界に対して、どんな影響を与えたいと考えていますか?
- ○○さんは、チームの中でどんな役割を担っていますか?
- ○○さんは、チームメンバーに対してどんな想いで仕事をしていますか?
- (マネージャーや役職者に質問できるなら)自分のチームや部署を持つのは、どんな気持ちですか?
- 5年後のビジョンについて教えてください
戦略や経営計画に関すること
次に、戦略や経営計画に関する内容の質問方法について紹介します。これらの内容は、コーポレートやIR情報に記載されていることも多いので、事前に内容を確認しておくことも重要です。
- 今、もっとも力を入れている事業は何ですか?
- 今後、力を入れていきたい事業は何ですか?
- 御社の強みを教えてください
- 御社の弱みはどんなもので、それを強化するために何をしていますか?
- ○○事業について興味があるのですが、その事業を起こした経緯が知りたいです
職場やチームの雰囲気
次に、職場やチームの雰囲気に関する内容の質問方法について紹介します。
会社のSNSやオウンドメディアで感じた雰囲気などを伝えたうえで質問をすることで、リサーチをした上で質問していることを伝えられます。
- 仕事中、先輩方に質問をするとき、どんなことを意識したらいいですか?
- 社員同士のコミュニケーションは活発ですか?
- 社員同士で仕事を教え合う風土や機会はありますか?
- 社員同士でモチベーションを高め合うために、どんなことをしていますか?
- 異なる部署やチーム間での交流はありますか?
- 飲み会はよくありますか? また、そこではどんな話をしていますか?
- 休日に社員同士で過ごす人は多いですか?
- 社内ではどんな言葉がよく使われていますか?
- 年齢や性別、役職に関係なく、発言しやすい雰囲気ですか?
- 働きやすい環境をつくるために、どんなことを意識していますか?
福利厚生に関するポジティブな質問
次に、福利厚生に関する内容の質問方法について紹介します。
この後説明しますが、待遇に関してネガティブに捉えられる質問の方法は避けたほうがベターです。スキルアップしていくことを前提としたうえでの質問は、意欲の高さもアピールできます。
- 産休や育休を取得した方は、どのくらい復職されていますか?
- 資格取得の支援制度はありますか?
- 社内勉強会や研修制度などはありますか?
- 将来、育児や介護が必要になったとき、リモートワークや時短勤務で仕事を続けられますか?
どんな人材が求められているか
最後に、求められている人材に関する内容の質問方法について紹介します。
リクルートサイトに記載されているケースも多いので、予め内容を確認しておきましょう。
- 御社で活躍しているのは、どんな人ですか?
- どんなことを意識して働くと、評価されやすくなりますか?
- 新入社員の間は、どんなことを意識すると良さそうですか?
- 今のうちに身につけておいた方がいいスキルはありますか?
- ○○の仕事がしたいのですが、配属はどう決まりますか?
- ○○の役職を目指しているのですが、何年くらいかかりますか?
- ○○の役職を目指しているのですが、どんなことを意識すればなれるでしょうか?
【カテゴリ別】インターンや座談会で聞き方に注意したい質問集
働くうえで、給与や残業、福利厚生は重要です。しかし、これらに関する質問は、聞き方によっては印象が悪くなります。
これらに関することは、募集要項である程度確認できます。基本的には募集要項に書かれたことを参考にし、インターンや座談会では質問しない方が無難でしょう。
ただ、これらの条件や待遇は長く勤めるうえで重要なことです。どうしても気になることがあるなら、聞き方に気をつけて質問しましょう。
内容ごとにどんな聞き方をすればいいのか、NG例とOK例を紹介します。
給与に関すること
給与に関する内容は「給与だけで企業を選んでいる」と思われないように質問の仕方に工夫が必要です。将来のことを考えた上で、金銭面での不安をなくすための質問は、聞き方に注意して質問しましょう。
【NG例】
- 給与は手取りでどのくらいもらえますか?
- 入社1年目だと、ボーナスはどのくらいもらえますか?
- 3年間でどのくらい昇給しますか?
【OK例】
- 将来、家庭を持つことも考えているので、昇給や昇進するために心がけるべきことが知りたいです
- 入社後も仕事に関する資格を取ったり勉強したりしたいのですが、先輩方は、給与のうちどのくらいを勉強費にあてていますか?
残業や離職率のこと
残業や離職率は、職場環境を具体的に示すため気になるポイントです。ただし、直接聞いてもはっきりした回答は得られないケースも多いため、聞き方を工夫しましょう。
【NG例】
- サービス残業はありますか?
- 残業はどのくらいありますか?
- 離職率はどのくらいですか?
【OK例】
- 何月ごろが繁忙期ですか?
- 長く勤めたいと考えているのですが、どんな人が離職しやすい印象ですか?
- 勉強時間や家族との時間も大切にしながら、長く勤めたいと考えているのですが、残業時間の目安が知りたいです
福利厚生に関するネガティブな質問
福利厚生について、ネガティブに捉えられるような聞き方は避けるのがベターです。
【NG例】
- 有給は取れますか?
- 有給取得時は理由を伝えなければなりませんか?
- 産休や育休は取れますか?
【OK例】
- 社員の方々は、どんなときに有給を取得していますか?
- 有給を取らなければならないときは、どんなことに気をつければいいですか?
- 子どもが生まれた後も仕事を続けたいのですが、産休や育休後の復帰率はどのくらいですか?
インターンや座談会で質問するときの注意点
インターンや座談会で質問することは、自己PRにもなります。ただし、次のようなことに気をつけないと、かえって印象が悪くなるかもしれません。
次に、質問するときに気をつけておきたい注意点についてチェックしておきましょう。
- 自分ばかり質問しない
- 答えにくい質問はしない
- 質問しながらメモを取る
- 気になることを深堀りする
- 質問するタイミングに気をつける
- 相手の目を見て、適度に相槌を打つ
自分ばかり質問しない
インターンや座談会には、ほかの就活生も参加しています。ほかの人も質問しやすいよう、自分ばかり質問してはいけません。
ほかの就活生の質問に対して深堀りしたくなる部分があれば、その就活生の質疑応答が終わってから、手を挙げて質問をしましょう。
答えにくい質問はしない
企業の悪評や不祥事に関するもの、その社員ではわからないことなど、答えにくい質問をしてはいけません。相手の気持ちや立場も考え、その質問が「今聞くべきことなのか」を判断しましょう。
相手が答えにくそうにしている場合は、無理に聞き出すことは避けるのがマナーです。
質問しながらメモを取る
質問をしながら、できるだけメモを取りましょう。自分の質問への回答だけでなく、ほかの就活生が質問しているときもメモを取ります。
メモを取っていると、話をちゃんと聞いているとのポジティブな印象になるだけではなく、なんとなく聞き逃してしまうことを防げます。
ただ、メモを取るのに夢中になってはいけません。相手の目を見たり相槌を打ったりしながら、要点をメモしましょう。
気になることを深堀りする
質問に答えてもらっているとき、よくわからない部分や、もっと深く知りたくなることが見つかるかもしれません。そんなときは、相手の話を遮らないように気をつけながら、深堀りをしましょう。話を深堀りすることでやる気をアピールできますし、回答者も「自分の話に興味を持ってもらえた」と好感を持ってくれます。
ただ、無理に深堀りする必要はありません。自己PRのために無理やり深堀りしても、相手に伝わってしまいます。本当に深ぼりしたい部分がある場合は、遠慮せずに追加で質問するとよいでしょう。
質問するタイミングに気をつける
インターンで質問するときは、相手が忙しくなさそうなタイミングで質問をしましょう。インターンの最後に質問タイムがあるなら、そこでまとめて質問するのもいいかもしれません。
座談会でも、そのときの話題に合った質問をすること、ほかの就活生や社員の話を遮らないことを意識しましょう。
相手の目を見て、適度に相槌を打つ
質問に答えてもらっているときは、相手の目を見て、適度に相槌を打ちましょう。メモを取ることも大切ですが、視線をなるべく落とさないようにし、相手の話に注意を割きます。
ほかの週活生の質問中も、話している人を見て、適度に頷きながら聞くことを心がけましょう。
インターンや座談会で、質問をする前にすべきこと
インターンや座談会で質問をする前に、次のような準備をしておきましょう。準備が不十分だとせっかくの機会を活かせないかもしれませんし、かえって印象が悪くなることもあります。
最後に、インターンや座談会の質問前に準備しておきたい内容を紹介します。
- 企業HPやSNSでリサーチし、メモしておく
- 想定される答えや、自分の考えをまとめておく
企業HPやSNSでリサーチし、メモしておく
インターンや座談会に参加する前に、企業HPやSNSでその企業についてリサーチし、気になったことをメモしておきましょう。リサーチが不十分だと、調べればわかることを質問してしまい、「自分で調べられない人」と思われるかもしれません。
リサーチを進めるうちに、気になること、質問したいことも増えていくはず。興味を持った部分や質問したいことは、当日スムーズに聞けるよう、メモしておきましょう。
想定される答えや、自分の考えをまとめておく
スムーズな質疑応答をするために、質問ごとの想定される答えや、自分の考えをまとめておきましょう。受け答えがスムーズになるだけでなく、自分とその企業の相性を見極めたり、質問を深堀りしたりするためにも役立ちます。
インターンや座談会を活用して、働きやすい企業を探そう
- 質問は自分に合う企業を探すためにも大切
- 質問や受け答えの仕方で、自己PRもできる
- 質問するときは、相手や周りの気持ちをよく考える
インターンや座談会は、自分に合った企業を探すための絶好の機会です。この機会を最大限に活かすために、積極的に質問しましょう。
質問内容はその場で考えるのではなく、企業HPやSNSをチェックして、気になることを事前にまとめておきます。リサーチと準備を徹底することで、本当に知りたいことを聞けますし、不用意な質問をして印象を悪くするリスクを下げられます。
本記事を参考に、インターンや座談会の質問タイムに備えてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】
【ケース別例文付き】インターン選考に受かる!自己PRの書き方を紹介
インターン選考において、自己PRはとても重要です。時間と手間をかけた自己PRからは熱意が伝わりますし、自社との相性も見えてきます。 本記事では自己PRに盛り込むべき要素や書き方を紹介し、何...
【テンプレートあり】自己紹介カードの書くべき内容や作り方は?手作りする方法・例・ポイントを紹介
就活では、自己紹介カードの提出が必須の企業も存在します。また、インターンシップや、グループディスカッションの際に自己紹介カードを準備することも。 本記事では、ただの名刺とは違う自分の魅力を...
転職や就活が有利になるIT資格18選!難易度、国家資格など自分に合わせた資格を見つけよう
転職や就活に役立つIT資格や、スキルアップに使えるIT資格を取りたい人も多いのではないでしょうか。 本記事では、IT資格を習得するメリットや選ぶポイント、国家資格や民間資格などを紹介します...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう