過去を振り返ってみて、「何か行動を起こそう!」と思い立つ時は、どんな状況が多いでしょうか。
その傾向がわかれば、行動を起こすきっかけも、自ら掴み取れるようになるかもしれません。
株式会社スリーシェイクのSREエンジニア・戸澤涼さん(25)は、情報工学系の大学に通っており、学生時代からプロダクト作りに励んでいました。
学生時代は大学院進学も視野に入れながら、複数社でインターンやアルバイト経験を積んでいましたが、その中で自身の力不足を痛感。「卒業していく先輩たちに追いつくためにも、早く実務に挑戦したい」と思うようになり、就職の道を選んだといいます。
「早い段階に力不足を痛感できたから、すぐに行動を起こしてファーストキャリアに踏み出せた」と話す戸澤さんに、その経緯や仕事の向き合い方の変化について話を聞きました。
SRE特化型コンサルティング事業「Sreake」
株式会社スリーシェイクは、「社会に蔓延る労苦(Toil)をなくすプラットフォーマーになること」をビジョンに掲げ、2015年に創業。
SRE特化型コンサルティング事業「Sreake(スリーク)」を主軸に、データ連携プラットフォーム「Reckoner」やフリーランスエンジニア特化型人材紹介サービス「Relance」などのサービスを提供しています。
「先輩に追いつきたい」大学院進学ではなく、就職へ
戸澤さんは、大学を卒業後、2020年7月に同社へ新卒入社。現在はSreake事業部にて、SREエンジニアとしてチームリーダーを担いつつ、社内体制の改善や採用面にも携わっています。
-----SREとは、どういったお仕事なのでしょうか。
戸澤さん:「パブリッククラウドの活用やサービスの信頼性を高めたい」という課題をお持ちのクライアントに対し、技術的なご支援やカルチャー面でのご支援をさせていただいています。カルチャー面というのは、例えば「SREの文化を作るために、会社としてこれに取り組まなければならない」といったご提案ですね。
「サービスの信頼性に焦点を当てた支援」という性質上、銀行のサービスなど金融系のプロジェクトが中心です。
-----なるほど。学生時代にはどのようなキャリアを思い描いていたのですか?
戸澤さん:中学生の頃からずっとエンジニアを志望していたので、大学も情報工学系に進学し、学生同士でチームをつくって数々のプロダクトも作っていました。
学内で人気だったのはフロントエンドやアプリ開発の領域でしたが、私は「インフラが好きな人たちで面白いことをしたい」と思っているグループに属していました。
-----大学院進学も視野に入れていたとか?
戸澤さん:はい。大学2年の頃から複数社でインターンやアルバイトを経験していて、自分の実力不足を肌で感じていたんです。
最初は「このまま社会に出るのではなく、大学院に進学してもっと知見を深めよう」と思っていたのですが…3年生になり、尊敬していた先輩がどんどん卒業していくのを間近で見て「早く実務経験を積んで尊敬する先輩たちに追いつき追い越したい」という気持ちが上回るようになりました。
それで、大学卒業が迫っていましたが、就活を始めることにして、転職サイトに登録しました。
-----就活ではなく転職サイトに登録したんですね。
戸澤さん:学生時代に作った色々なプロダクトを一覧で公開しているページから「転職偏差値」を出してくれるサイトでした。今までのアウトプットを会社側にも知ってもらったうえで選考に進みたかったからです。
そうして出会ったのが、スリーシェイクでした。私が携わってきた技術領域とスリーシェイクが必要としている技術領域が一致していたことから、代表の吉田から「話してみたい」と連絡をもらいました。
-----吉田代表とはどんな話をしたのですか?
戸澤さん:学生時代のことをベースに話しましたが、学部生の頃からエンジニアとしての力不足や他者とチーム開発をする上での苦悩を感じていて、そこでの経験から「社会で実務を通しより成長したい」と思って就活に臨んでいる姿勢を評価してもらえたようでした。
その後、当時私が住んでいた北海道の函館まで吉田が来てくれまして、直接話して、入社を決めました。
1年目でチームリーダーに抜擢「来るもの拒まず」の姿勢を持とうと決意
戸澤さんは、入社直後から重要な案件を任され、早速「これが現場のリアルか…」と実感したといいます。
-----入社後は、良い意味で「中途社員」のような扱いだったそうですね。
戸澤さん:そうですね。ただ私自身が、入社当初は「不慣れなこともありますが、学ばせていただきますので、よろしくお願いします」という新卒っぽい姿勢で臨んでしまっていたんです…。
でも、ある時上司から「お客様から見たら、どのメンバーもプロなのだから、もっとプロ意識を持って」と言われた時、ハッとしました。
社内のどのメンバーが対応したとしてもお客様からしたら変わらないのだから、このままの姿勢ではダメだ、と思い直しましたね。
それからは、お客様が実装に困っていることがあれば自分の開発知識を総動員して一緒に考えるなど、足りない部分は他の知識で補いながら、積極的にかかわっていけるようになりました。
-----とは言え、社会人になって間もない頃は、力不足を感じる場面もあったのではないでしょうか。
戸澤さん:もちろん、ありました。でも「なぜ今、創業間もないベンチャーで、こんなに大きな裁量権を持たせてもらって仕事をしているのか」と立ち返った時に、やっぱり「あの尊敬する先輩たちに追いつき追い越したいから」なんです。
入社当初は、知らないことや、やったことのないことに対して「できません」と言ってしまうことが多かったのですが、内省の結果「来るもの拒まず」の姿勢を持とうと思考を切り替えました。
就活や社会人としての経験を通じて、「自然とチャンスが降ってくることなんてない」と実感していたこともあり、毛嫌いせずにできることは何でもやって、チャンスは自ら掴もうと思うようになりましたね。
-----それから具体的に、どんなことに挑戦するようになったのでしょうか?
戸澤さん:1年目でチームリーダーに着任してから、社内の業務効率化や採用面など社内体制についても積極的に意見し、携わるようになりました。
当初「自分では無理」と思っていたような仕事も積極的に手を挙げられるようになったのは、自分の中でも大きな変化だったと思います。
-----エンジニアの業務とは異なる仕事をするようになって、仕事に対する意識の変化はありましたか?
戸澤さん:入社1年目は、会社としての売上まで考えることはできておらず、とにかく我武者羅だったように思います。その点、社内の体制について真剣に考えるようになってから、"売上"と"メンバーの稼働"のバランスを考えながら受注することの難しさを実感しています。
今稼働できるメンバーはこれぐらいだから、受注できる件数はこれぐらい…とか、これぐらい受注したいから、メンバーをどれだけ増やさないといけないのか…とか、入社3年目でこれだけ会社の体制について考えられる機会はそうそう無いのではないかと思いますね。
-----まさに社会に出る道を選んだから、得られている経験と言えそうですね。
戸澤さん:そうですね。学生時代に「将来どんなエンジニアになりたいか?」と考えた時、トップエンジニアと戦うのではなく、マネジメントレイヤーの経験も積みつつ、できることの幅が広いエンジニアになりたいという結論に至りました。
今まさに、そのための経験ができています。しかも、思ったよりも早く実現しているな、と。
これからは「チャンスを自ら作る」ことにも挑戦したい
-----最後に、今後の展望についてお聞かせください。
戸澤さん:直近では、チームリーダーとして新しいプロジェクトを立ち上げ、その結果を半年以内に出すという目標があります。
また、現在のスリーシェイクはインフラを中心にご支援していますが、「もっと幅を広げて、基盤~アプリケーション開発まで支援してみたい」「自社プロダクトも作ってみたい」といった気持ちもあります。
これからは「チャンスを掴む」だけでなく、「チャンスを自ら作る」ことにも挑戦したいです!
-----ありがとうございました。応援しています。
学生時代に力不足を肌で感じたからこそ、すぐに社会に出る道を選んだ戸澤さん。その結果、積みたいと思っていた経験を、早い段階で積むことができています。
力不足を感じるその瞬間は悔しく、苦しくもありますが、その経験があるからこそ行動を起こせるという側面もあるのではないでしょうか。
裏を返せば、「スキルアップやキャリアアップに向けて行動を起こすきっかけがほしい」と思った時は、自分が力不足を痛感するほどのチャレンジングな場に身を置いてみるとよいかもしれませんね。
出典元:株式会社スリーシェイク
出典元:Sreake
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