入社して1~2年が経つと、徐々に仕事には慣れてくるものの「リーダーとしてチームやプロジェクトを引っ張るためには、何かが足りないような…」と、もう一段階レベルアップしたい気持ちに駆られることもあるのではないでしょうか?
株式会社揚羽で営業リーダーを務める小黒 ひかるさん(25)は、上司から「この案件を、あなたはどうしたいの?」と聞かれた時、自分に足りていなかったのは"自らの意志で考えて引っ張っていく行動"だと気が付きました。
現在はプロフェッショナル意識を高く持って仕事に前向きに取り組んでいる小黒さんに、仕事において大切にしていることを聞きました。
コーポレートブランディング支援を行う「株式会社揚羽」
株式会社揚羽は、ブランディングにおけるコンサルテーション、クリエイティブ、ソリューションまで一気通貫できるパートナーとして、コーポレートブランディング支援を行っています。
また、就活中の学生と企業の採用担当者のギャップを可視化する調査サービス「BiZMiL SURVEY(ビズミルサーベイ)」などの提供を通じ、クライアントの採用支援も手掛けており、今年6月には、企業へ入社前の内定者向け自己紹介プラットフォーム「内定者図鑑」もリリースしました。
NPO法人でメンバーの意識改革に挑んだ学生時代
小黒さんは、2020年4月に同社へ新卒入社。3カ月間の研修、インサイドセールスの部署を経て、2020年10月に営業部へ異動。現在は営業部のリーダーとして日々活躍しています。
-----学生時代にはNPO法人の活動やインターンなど、さまざまなことに取り組まれていたそうですね。
小黒さん:大学1~2年の頃は、学生向け海外インターンを企画・運営するNPO法人で広報ブランド統括の活動をしていました。
小学生の頃、インドに単身赴任中の父を訪れた時、現地で目の当たりにした貧しい子どもたちの姿が忘れられなくて、「いつか自分以外の周りのことを考えられるようになったら、世界のために役立つ何かをやってみたい」と思うようになっていたんです。そうした思いがベースにあり、始めた活動でした。
-----広報ブランド統括とは、具体的にどのような活動でしょうか?
小黒さん:まずは、インターンに参加してくれる学生の集客ですね。学生に向けて、団体のイメージをどう形づくっていくか、そしてどれだけの学生を集めることができるのか、常に考えて行動に移していました。
申込学生数のKPIは最終的に達成できたのですが、それ以上に達成感が得られたのは、活動メンバーの意識の変化だったように思います。
30~40人ものメンバーがいましたが、彼らに対して理念に関するセッションや、メンバー個人の目標と団体理念の紐づけを行うワークショップなど、いわゆる「インナーブランディング」のような活動も率先して行っていました。
これまで行っていなかった取り組みに挑戦していたわけですが、結果的にメンバーそれぞれが発信の意識や自分自身のモチベーション向上に興味を持ってくれたのは、大きな成果でしたね。
国内の社会問題の深刻さにも衝撃を受け、揚羽に入社
-----難しい領域なのに、目に見える成果を出せたなんて、すごいですね。ご自身も海外インターンに行かれたことがあるのでしょうか?
小黒さん:はい、大手日系コンサル会社のインド支社で2カ月間インターンをしていました。実に10年ぶりに訪れるインドで、自分自身何を感じるのか確認してみたいという思いもありました。
インド人の同僚にも、スラム街のことや貧しい子どもたちのことなど、どう思っているのか聞きましたが、当たり前ですが十人十色の意見がありましたね。
日本人としては理解ができない部分もあり、「世界のために何かしたい」という気持ちは単なるエゴなんじゃないか…という不安を抱えたままの帰国となりました。
-----そのような学生時代を経て、揚羽に入社した経緯について教えてください。
小黒さん:インドでのインターン時に担当した案件の中に、海外に拠点を持つ企業の、20年後のビジネスモデルを考えるというものがありました。その一環で課題先進国日本の社会問題について調べる機会があったのですが、調べてみると「日本にもこんなに課題があるんだ!」と衝撃が…。特に祖母の介護を経験していた原体験もあり、高齢者の介護問題には危機感を抱きました。
そこから「色々な領域を見て国内の課題をまずは解決したい」と思い、就活ではコンサル含め幅広い業界を見ていたんです。
その中で出会ったのが揚羽です。いくつかある自分の中の軸とマッチしていたことや、インナーブランディングからアウターブランディングまで一気通貫して携われることなどから、入社を決めました。
「この案件を、小黒はどうしたいの?」自分に足りない部分に気付く
学生時代にインナーブランディングの難しさや醍醐味を体感していたこともあり、「ここだ!」と思い入社を決めた小黒さん。記念すべき初受注は1年目の夏のことでした。
-----どんな初受注だったのですか?
小黒さん:コンサルのベンチャー企業のお客様で、「内定までは至るけれど、BIG4など大手コンサルに流れてしまって、辞退されてしまうことが多い」という採用課題をお持ちでした。
そのため採用の映像制作の案件だったのですが、私の周りにはまさにBIG4に入社した友人が数多くいたので、「彼らにヒアリングしてみたい」と申し出たんです。
上司からもGOサインが出て、なぜBIG4に入社を決めたのかなど9人にヒアリングし、提案資料にまとめました。それをもとに映像の企画や構成も考えてお客様にご提案したのですが、「プロセス部分を最も評価したい」と言っていただけて、コンペで勝つことができました。
しかも、弊社が負け続けていたライバル会社をおさえての初受注。最終的に納品した映像の評判も良いそうで、とても印象深いお仕事でした。
-----素晴らしいですね。ご自身の中でターニングポイントとなったような出来事はありますか?
小黒さん:揚羽では「営業」を「プロデューサー」と呼んでいて、それほど「プロジェクトを引っ張っていくこと」が求められているのですが、2年目の春頃に上司から「この案件を、小黒はどうしたいの?」と聞かれてハッとしたことがあります。
今携わっている営業という立場は、お客様と制作メンバーの架け橋的存在でもあります。しかし学生時代の活動とは違って、関わる人の職種も違えば、立場も違う中、ともすれば「伝書鳩」になってしまうこともあるんです。
でも、上司からの問いかけで、自分に足りていなかったのは"自分の意志で考えて引っ張っていく行動"なんだと改めて認識しました。自分で決めて、「これでいきます!」と言えるぐらいの勢いで進めていかないと、責任感も伴わないですよね。
-----これまでのお話を聞いていると「責任感を持って仕事がしたい」というお気持ちがすごく伝わってきます。
小黒さん:昔から、そういうタイプなんです(笑)。学生時代のNPO法人でも「外に向けての発信だけではなく、メンバーの意識改革も必要だ!」と思って責任感を持ってインナーブランディングに取り組んできましたし、揚羽を選んだのも、クライアント企業のご支援を責任を持って行いたいと思ったからです。
ただ、先ほどの上司の言葉をきっかけに「責任感を持つためにも、自分の意志が欠かせない」と改めて気が付きました。
将来は介護業界の課題解決にも携わりたい
-----今後は介護問題の解決にも貢献したいと思っていらっしゃるんですよね。
小黒さん:そうですね。介護問題の中でも、とりわけ「介護従事者のメンタルヘルス」に着目しており、この問題解決には介護業界のイメージをどう変えるか?といった、インナーブランディングと近しい考え方やアプローチも必要だと思っています。
このような思いを社内でも発信しているため、少し領域は異なりますが、先日、女性の活躍や女性特有の精神的/身体的症状であるPMSの改善に関するサービスのブランディング案件に声をかけてもらいました。クライアント企業へのブランディング支援という形で、いつか介護業界の課題解決にも貢献できると嬉しいですね。
-----最後に、キャリアにおける今後の展望についてお聞かせください。
小黒さん:今はブランドコンサルタントを目指しています。具体的には、コーポレートブランディングの案件にアサインしてもらってプランを提案するような、上流部分に携わりたいですね。
長期的にはやはり、日本や世界に存在している課題に対して少しでも貢献できるような仕事がしたいなと思っています!
-----ありがとうございます。応援しています。
学生時代には数十人のメンバーを引っ張っていた小黒さんも、社会人になり、さまざまな立場の人を引っ張ることに難しさを感じていました。
そんな中、彼女が学んだ「自分の意志を持つことの大切さ」は、これからマネジメントやリーダーを目指している人にとっても貴重な気付きとなるのではないでしょうか。
出典元:株式会社揚羽
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