新しい知識やスキルを学ぶことを意味する「リスキング」という言葉を聞いたことはありますか?「しなければと思ってはいるけれど、日々のタスクに追われてしまい、できていない…」という若手ビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
株式会社パーソル総合研究所は、20~59歳の正社員3000人を対象に、「リスキング」に関する調査を実施。7月21日(木)にその結果を公開しました。
「一般的なリスキリング経験」のある人は3割前後
新しいツールやスキル、知らない領域などを学ぶ「一般的なリスキリング経験」は、3割前後の人が持っていました。一方で、デジタル領域の新しい技術やデータ分析スキルなどを学ぶ「デジタル・リスキリング経験」のある人は2割にとどまる結果に。
新たな知識をインプットしたり、新たなスキルを習得したりといったリスキングの意識は、全体的にはそれほど高いとは言えないようです。
リスキリングが盛んな業種は「情報通信業」職種では「IT系技術職」など
では、業種や種別で見てみると、どうでしょうか?
調査結果によれば、リスキリングが盛んな業種は「情報通信業」「教育、学習支援業」「金融業、保険業」など。職種では「IT系技術職」「経営・経営企画職」「営業推進・営業企画職」「商品開発・研究職」「企画・マーケティング職」などが目立ちました。
日々移り変わりの激しい領域で働いている人に、リスキングの傾向が強く見られるようですね。「自分の業種や職種が入っている!自分もリスキングを習慣づけなくては!」と刺激を受ける若手ビジネスパーソンもいるかもしれません。
日頃から「このツール、使ってみようかな」「勉強してみたい分野があるけれど、忙しくてなかなか…」と思っている人は、この機会に新しい知識を身につけてみてはいかがでしょうか。
リスキングと大きく関係している「アンラーニング」にも注目
とは言っても、忙しい毎日。モチベーションを上げるためにはどうすればよいのでしょうか?
組織内におけるリスキング促進のカギとして、同社はいくつかの要素を挙げています。
人事制度や人事管理の在り方においては「目標の透明性」「キャリアの透明性」「処遇の透明性」などがポジティブに影響しているのだそう。上司と目標について話し合う機会が多かったり、社内のキャリアパスが明確に示されていたり、昇格・降格基準を明確に共有していたり…このような職場の制度が個人のリスキングのモチベーションを向上させているようです。
また、興味深いのは、リスキングと大きく関係している「アンラーニング」という学ぶ特性。アンラーニングとは、これまでの仕事にかかわる知識やスキル、考え方を捨て、新しいものに変えていくことを指します。
リスキングを支えるひとつの要素であるアンラーニングは、例えば顧客とのトラブルなどの「業務上の修羅場」、他組織との共同プロジェクトや副業・兼業等の「越境的業務」、新規事業やプロジェクト立ち上げといった「新規企画・新規提案業務」などによって促進されるといいます。
つまり、仕事上で修羅場や新しい業務の経験をすることで「これまでのやり方ではうまくいかないから、新しい学びを取り入れよう」と思考が移り変わっていく傾向があるということですね。
リスキングのモチベーションを高めるために
「リスキングという言葉は聞いたことがあるけれど、必要性が感じられないし、なかなかモチベーションが上がらない」という若手ビジネスパーソンも多いでしょう。
そんな時は、上司と目標について頻繁に話し合ってみたり、キャリアパスを改めて見つめ直してみたり、新しい仕事に挑戦してみたり…「もっと上を目指したい!」と思える原動力を見つけてみてはいかがでしょうか。
全体の3割の中に自分が入ることができれば、より一層自信を持ってキャリアを突き進むことができそうですね。
なお、調査結果の詳細についてはプレスリリースをご確認ください。
出典元:パーソル総合研究所/リスキリングとアンラーニングについての定量調査
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