起業を目指して会社員として修行を積んでいる若手ビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。デイブレイク株式会社の営業部門で働く北田倫一さん(22)もその1人です。
学生時代からインターンとしてデイブレイクで働いていた北田さんは、起業するためのスキルを積むために戦略コンサル会社への入社を志望していましたが、将来を見据えて思考を整理した結果、スタートアップであるデイブレイクに新卒入社しました。若手でありながら難しい仕事にも果敢に挑み続ける北田さんが、苦難を乗り越えられるのはなぜなのか?話を聞きました。
特殊冷凍を軸に、食にまつわる課題を解決するデイブレイク株式会社
デイブレイク株式会社は、特殊冷凍技術を軸に、冷凍事業に参入する企業のパートナーとして機械の選定から納品後の冷凍品質最大化、そして冷凍ビジネスの成功まで徹底的に寄り添う、フードテック系スタートアップです。
人手不足、フードロス、鮮度保持など、食をめぐり絡み合う課題をひとつひとつ解決し、作り手から食べ手までのより良い未来を創造することを使命に掲げています。
商社×コンサルでヒットしたデイブレイクにインターン入社
北田さんは2019年に学生インターンとしてデイブレイクに入社。マーケティング部門などを担当し、大学卒業後は新卒でデイブレイクの正社員となりました。現在は特殊冷凍機の営業として活躍しています。
-----デイブレイクに入社したきっかけを教えてください
北田さん:大学2年生の時に長期インターンでデイブレイクにジョインしました。
10代の頃から起業したいという思いをずっと持っていて、大学1年生の時に就活しようか起業しようか、漠然と考えていた時期があったんです。
そんな中、サークルの先輩が「インターンをやると、実際に働くイメージもつくし、就活にも活かせるよ」と勧めてくれたので、インターン先を探し始めました。
当時はあまり深く考えていなかったので、人気業種である商社かコンサル会社でインターンができればいいと思い、「商社」「コンサル」で検索をかけたところ見つけたのが、当時、特殊冷凍機の専門商社としてコンサル営業をしていたデイブレイクだったんです。特殊冷凍という分野での事業内容も面白そうだと思ったので、デイブレイクのインターンに応募することに決めました。
当時は営業の仕事に興味があったのですが、会社からは「マーケティングのほうが性格的に向いているんじゃないか」と言われ、マーケティング業務をすることになりました。
-----マーケティングの仕事での苦労はありましたか?
北田さん:結果が出るのにある程度時間がかかることですね。
オウンドメディアのSEO対策、コンバージョン向上施策などを担当したのですが、結果が出るまで3カ月ほどかかります。どうすればうまくいくのか考えて、ひたすら施策を繰り返していましたね。最終的には、きちんと効果測定での結果も見えたので、社内では評価をしてもらえました。
学生インターン主導で経営戦略の一部を主導
-----マーケティング以外には、どんな業務をしていましたか?
北田さん:会社のCSV(Creating Shared Value)策定を、私を含めた学生インターン2人で担当しました。CSVとは、企業の事業を通じて社会的課題を解決することで、社会的価値の創造と経済的な価値の創造を両立させるための経営戦略です。
デイブレイクは、特殊冷凍機などを使った販路拡大だけでなく、フードロス食材を使った冷凍フルーツの販売事業(2019年当時)など、多くの社会課題に向き合っています。
社長からは「デイブレイクのCSVの基盤を構築してほしい。会社が目指すCSVを全てのメンバーが理解した上で、さらに団結して力を注げるようにしてほしい」と言われました。この時点で私はCSV自体をあまり知らなかったので、他社事例や論文を読み込むなどして、知識を入れるところから始めました。
-----CSV作りで苦労した点はありますか?
北田さん:社内の意見集約に苦労しました。インターン2人で社内のメンバーの意見を聴き、会社の事業の現在地を把握した上で社会に対してインパクトを与えるようなメッセージを打ち出さなければなりませんでした。
ただ、メンバーそれぞれが持っている、会社や社会に対する思いが違うので、社内から出たさまざまな意見を集約するのはとても難しかったですね。そのため社内から見ると、私たち2人は頼りない存在だったかもしれませんが、半年ほどかけてCSVを作り込んでいきました。
こんなに大事な業務を任せてくれた社長には、感謝しています。CSVを担当した後は、提案力や実行力に自信がつき、もっと積極的に事業に関わるようになりたいと思い、社長にいろいろな提案をしました。
その一つとして、デイブレイクのフードロス削減事業との親和性を感じたアニメ作品とのコラボレーションを社内に提案し、アニメ作品の版権を持つ出版社との商談を実現することができました。
「スキルを10年先取りできる」戦略コンサル志望からデイブレイクの社員に
-----大学生活が進むにつれ、就活も脳裏に浮かんだと思うのですが、就活はしていたのでしょうか?
北田さん:外資系のコンサル会社やマーケティング会社の説明会には足を運んでおり、選考対策もしていました。
起業への思いもあったのですが、やりたい事業を実現するためには、交渉力など必要なスキルがまだまだ不足していると感じていました。そう思っていた頃、デイブレイクの社長に食事会などに誘ってもらえることが増え、まさに就活で志望していたような会社の役員クラスの方々と話す機会をいただけました。こうした人たちに自分の相談事を話すと、さまざまなアドバイスをもらうことができたのは貴重でしたね。
そしてある日、社長から「大学を卒業したら、デイブレイクに入社しないか?」と言われました。この言葉を聞いて、自分の状況と考えを整理してみました。
やりたいことを実現できるスキルを身につけるために、コンサル会社などに行くのも選択肢としては間違っていない。けれど、実際に食事会でお会いしたような方々から直接学べるようになるには、早くても10年はかかってしまう。実地での経験を積ませてくれる社長や、そういった方々と近い距離で働ける環境のほうが10年間の先取りができる。考えを整理した結果、このような結論になり、私はデイブレイクに入社することを決めました。
自分を見失わないように心がける
-----仕事をする上で大切にしていることはありますか?
北田さん:自分を見失わないように心がけています。先輩からたくさんのアドバイスをもらって、参考になることもありますが、全てをその通りにやり過ぎないようにしています。アドバイスの意味を納得できるまで考えて、腑に落ちたものから積極的に取り入れていくイメージですね。
あと、目標から逆算をして物事を考えるようにしています。これは仕事でも人生でも言えることで、目標を設定してちゃんと達成するための道筋を立てるようにしています。
マーケティングで結果が出なかったときやCSV作りの意見集約が大変なときもありましたが、これを乗り越えられたのはやりたい事業を実現するという目標から逆算したときに「今後の自分に活きる経験なんだ」と、自分を見失わない気持ちを持てていたからです。
将来の起業のために、まずは一人前の営業パーソンになる
-----今後のキャリアプランを教えてください。
北田さん:現在は営業のスペシャリストであるCOOの下で営業を学んでいます。COOには『営業で一人前になるには最短で3年はかかる』と言われているので、まずは3年後に一人前の営業パーソンになりたいと思っています。営業はビジネスの根本が肌でわかる仕事です。この営業という仕事を通じてビシネス自体への理解も深めていきたいと考えています。
将来的には、やはり独立して自分で事業を起こしたいと思っています。元々、起業したいと思ったのは、生意気な言い方かもしれませんが自分に自信があるからです。もちろん調子に乗ったり天狗になったりするような自信は持ってはいけないと思いますが、いい意味で自分を信じているので、最終的に結果を出して社会から認められるような存在になれると信じています。
ただ、デイブレイクはさまざまな業界の会社と取引があるので、色々な人の話を聞く度に自分の視野の狭さを感じて、まだまだだなと思います。もっといろんな事を吸収して、デイブレイクで一人前になれるよう成果を出しながら、来たるべき起業の日まで自分を磨き続けていきます。
-----ありがとうございました。
起業という大きな目標があるからこそ、そこから逆算してやるべきことが見えてくる。やるべきことが見えるからこそ、全力で取り組めるのです。
仕事をする上でなんとなく目標がないと感じている人は、1カ月後の自分、3カ月後の自分、半年後の自分と言ったように、目標を設定してから逆算で考えて動いてみるといいかもしれませんね。
出典元:デイブレイク株式会社
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