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2年目で社運を左右するサービスのPMに!キャパオーバーの経験から得た「200%より120%」への思考

木村公洋

2022/07/31(最終更新日:2022/07/31)


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西埜植拓海さん/提供:株式会社シノプス

突然大きなプロジェクトを任され、戸惑いやプレッシャーを感じる若手ビジネスパーソンもいるのではないでしょうか。株式会社シノプスで働く社会人3年目の西埜植拓海さん(24)は、入社2年目の夏に会社の新しいサービスのプロジェクトマネージャー(PM)に抜擢されました。

気持ちの切り替えはできたものの、仕事量が当時の自分の限界を超えてしまいそうだったという西埜植さん。どのようにして、乗り越えていったのでしょうか。お話を聞きました。

需要予測・自動発注サービスを提供する株式会社シノプス

株式会社シノプスは「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、倉庫や店舗にある在庫をリアルタイムで把握するサービスや、惣菜やパンなど賞味期限が短い商品の自動発注も可能になる需要予測・自動発注サービス「sinops(シノプス)」を開発・販売しているソフトウェアメーカーです。

あらゆる無駄は“在庫”に起因するという信念のもと、ITソリューションによって「人」「もの」「金」「時間」「情報」といった限りある資源の最適化を目指しています。

2020年6月には「sinops」を1店舗・1機能から、低価格で利用できるクラウド型サービス「sinops-CLOUD(シノプスクラウド)」をリリースしました。

提供:株式会社シノプス

「世界中の無駄を10%削減する」ビジョンに惹かれて入社

西埜植さんは大学を卒業後、2020年4月にシノプスに入社。技術部開発科に配属された後、2021年9月からsinops-CLOUDのPMを務めており、入社3年目ながら、多くの先輩を巻き込んで活躍しています。

-----シノプスに入社したきっかけを教えて下さい。

西埜植さん:企業側から求人オファーが届くスカウト型の就活サイトを通じて、シノプスの採用担当者からダイレクトメッセージが届いたことがきっかけでした。こうしたメッセージは、画一的なものが送られてくる場合も多いのですが、シノプスからのメッセージは、私のプロフィールや経験などをきちんと見てくれたであろう、とても熱量の高い内容だったのです。会社のことはあまり分からないけれど、この人に会って話を聞いてみたいなと思いました。

そこから会社のリサーチをすると、シノプスが掲げる「世界中の無駄を10%削減する」というビジョンにとても惹かれました。学生の頃から「自分も世の中の役に立つこができるかもしれない」という漠然とした思いを持っていたので、社会に対して貢献するための具体的なビジョンを掲げているシノプスなら、自分も世の中に役立てる仕事ができるかもしれないと思ったんです。

会社説明会に参加した後、「面接をしてみませんか?」と言っていただいたので、面接を受けて最終的にはかなり早い時期に内定を頂きました。でも、入社を決断するまで実は1〜2カ月悩みました。

-----スムーズな就活というイメージですが、なぜ悩んだのですか?

西埜植さん:就活サイトに登録したのは、自分の中で「プレ就活」の時期だったんです。実はその時まだ「これがやりたい」という意識はそこまで強く持っていなくて、サイトを通じていろいろな業界のことを知って、それから本格的な就活をしようと思っていたんです。ほかの会社を受けないで、このまま決めてしまっていいのか、将来を左右する重要な決断なので、自身の考えをまとめるのに時間がかかりました。

-----そこからどのようにして入社の決断に至ったのですか?

西埜植さん:中学時代の恩師である先生に相談したとき、「どんな道を選んでも、いつかどこかで後悔するタイミングはやってくる。大切なのは、後悔を感じてから前向きに乗り越えたいと思えるような決断かどうかだよ」と言ってくれたんです。

私はそれまで、「どんな会社を選んでも後悔しないような決断をしないといけない」と思っていました。でも、「どんな会社を選んでも後悔する日が来る」という言葉は、これまでの価値観がひっくり返る一言でした。さらに、先生は「本当は何がしたいか決まっているでしょ」と、私が背中を押してほしかった気持ちを見抜いたかのような言葉もかけてくれました。先生の一言で、ようやく決断ができました。

入社2年目で社運を左右するサービスのプロジェクトマネージャーに

-----シノプスに入社してから、最も印象に残っていることは何ですか?

西埜植さん:入社2年目の夏に「sinops-CLOUD(シノプスクラウド)」のPMに抜擢されたことです。ある日、上司から「sinops-CLOUDのPMをしてほしい」と言われたんです。

sinops-CLOUDは2020年6月にリリースしたサービスで、これまで開発してきたパッケージ型のソフトウェアと違い、コロナ禍に合わせて作られたサービスです。

会社としては大きな方向転換であり、社運を左右するサービスと言えるものです。そんな重要なサービスのPMを入社2年目で任されるなんて考えもしなかったので、電話が終わった後に戸惑いやプレッシャーといった感情が同時に湧き上がってきました。「これからいったい何が起きるのだろう」と気が気でない状態でしたね。

-----気持ちの切り替えも大変だったのではないですか?

西埜植さん:前任者との引き継ぎ期間が1週間あったのですが、その中で徐々に気持ちを切り替えていきました。PMをする上で大切な要素の1つであるコミュニケーションに関しても問題はないと思いました。いい意味で開き直って前向きにやるしかないなという気持ちに落ち着きました。

提供:株式会社シノプス

「200%頑張る→120%頑張る」に思考を切り替える

-----実際、PMの業務を始めてからスムーズに行きましたか?

西埜植さん:これまでの開発業務から格段に業務量が増えたので、一気にキャパオーバーになりました。私は良くも悪くも完璧主義なところがあって、業務もなるべく自分が納得できるまで完璧にしないといけないと思っていました。結果的に抱え込む仕事が増えてしまって、キャパオーバーになってしまったんです。

どうすれば良いかを考えた結果、たどり着いたのが「200%頑張る」を「120%頑張る」に思考を切り替えることでした。入社してからずっと、仕事に対しては200%頑張って成果を上げようと考えてきたのですが、これだけ大きなプロジェクトでいつも200%頑張ろうとしてしまうからキャパがあふれてしまう。それなら120%に切り替えて、より持続的に仕事に臨もうと考えたんです。

-----とはいえ、200%から120%に切り替えるのは勇気がいりますよね?

西埜植さん:最初は勇気がいりました。「今日からやろう」と思ってもすぐに実行するのは難しかったので、まずはマインドセットから始めました。そこから徐々に、仕事に対して優先順位をつけて、先輩に相談したり、同僚に仕事を頼んだりと、具体的な方法も工夫しながら実行に移していきました。

それまではとにかく業務を詰め込んでいたので、空いた時間で仕事の整理をするようにしました。元々、考えること自体が好きだったので、業務をどうすればうまく回していけるかを自ら深く考えられるようになったのは成長した部分だと思います。

自分の与える影響範囲を広げていきたい

-----キャリアにおける今後の展望を教えて下さい。

西埜植さん:自分が与える影響の範囲を広げていきたいと思っています。今はPMという立場ですが、まだ自分では技術も知識も経験も全く足りない状態だと感じていて、周りの方々にたくさんサポートをしてもらっています。もっと技術を磨いて知識を入れて経験を積んで、会社の成長の中心に居られるような、社内で重要と思われる人になりたいです。

業務外でコーディングをしてみたり、他社が提供するクラウド関連の製品を調べたり、できることはたくさんあります。PMという立場である以上やらざるを得ないし、そうすることが自分のためになると思っています。

その上で大切にしているのは、仕事を楽しむことです。自分が楽しいと思える仕事でないと、最大限のポテンシャルは発揮できないと思っています。仕事を楽しむためには、とにかく考えてから行動する。もし、考えて失敗したと思ったら、成功だと思えるまで何度も考えればいい。PMをしていて、これを繰り返していくことが「楽しむ」という成功への一つの道だと感じています。

私には人生を通して意識していることがあります。それは好きな海外ドラマで使われた「あるがままではなく、あるべき世界を見ろ」というメッセージです。目の前にある事が全てではなく、これから世界はどうあるべきか、その世界に向かうためにはどう行動をしていくべきなのか、自分はどう関わるべきなのかを常に問いかけ、考えています。

まずはシノプスの社員として「sinops-CLOUD」をもっと世に広めたい、そのために製品の価値を上げるべく尽力していきます。

-----ありがとうございました。

提供:株式会社シノプス

仕事を頑張ることはとても大切ですが、役割に合わせた業務や、その量は人それぞれです。

手を動かすだけでなく、思考の整理も立派な仕事。自分の役割が変わった時には、西埜植さんのように、手を動かす時間と考える時間のバランスを一度見直してみると良いかもしれませんね。

出典元:株式会社シノプス

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