HOMEインタビュー 1年目からPdMに抜擢!「自信がないから仕事が頼みづらい」を乗り越えるために磨いたコミュニケーション4技能

1年目からPdMに抜擢!「自信がないから仕事が頼みづらい」を乗り越えるために磨いたコミュニケーション4技能

木村公洋

2022/07/26(最終更新日:2022/07/26)


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三木さん/提供:株式会社オトバンク

大きなプロジェクトや仕事を任されたとき、周りにいる先輩社員を巻き込むときに「自分は未熟だから頼むのに気が引けてしまう…」と感じる若手ビジネスパーソンもいるのではないでしょうか。

株式会社オトバンクで新卒時からプロダクトマネージャー(PdM)のポジションで働く、社会人2年目の三木悠夏子さん(23)もその1人。

会社のビジネス課題の解決や、プロダクトを通じて顧客の満足度を上げるために年の離れた先輩に物事を頼むときに心理的なハードルを持っていました。どのようにハードルを越えていったのか、お話を聞きました。

「audiobook.jp」を運営する株式会社オトバンク

株式会社オトバンクは、音声コンテンツを中心とした事業を展開し、「聞き入る文化の創造」「目が不自由な人へのバリアフリー」「出版文化の振興」の達成を目指しています。

主な事業として、オーディオブック配信サービス「audiobook.jp」でのオーディオブックの聴き放題サービスの運営や、音声コンテンツの制作などを行っています。

2022年4月には「audiobook.jp」で新たに毎月もらえるチケットで好きな本と交換できる「チケットプラン」を開始したほか、同年6月には「audiobook․jp」会員数が250万人を突破しました。

提供:株式会社オトバンク

「満員電車禁止」ユニークな人事制度でオトバンクに興味を持つ

-----オトバンクに入社した経緯を教えてください。

三木さん:大学3年生で就職活動を始めたときに、変わった人事制度を紹介している記事を見つけたんです。その中に、社員の心身の負荷を減らすため、満員電車時間帯に電車に乗ってはいけない「満員電車禁止令」を掲げている会社がオトバンクでした。ユニークな制度だなと思ってさらに調べたら、audiobook․jpを運営している会社と知ったんです。

私は大学に入ってからaudiobook․jpを使っていたので、「面白いことをしている会社だな」と、より親近感を持つようになりました。

私は元々、本を読むのが好きで、大学では文学部で小説の研究をしていたほどです。オトバンクで働くことができれば、新しい本との関わり方ができそうだなと思うとワクワクしたんです。当時は中途採用しか募集がなかったのですが、中途採用枠に「えいや!」で申し込んだところ、案の定人事担当者から丁重にお断りされました(笑)。それでも諦めきれず、Twitterでオトバンクの広報担当者のアカウントを見つけて、「オフィスにお邪魔しても良いですか?」とダイレクトメッセージを送りました。

オフィスにお邪魔して社長にオトバンクへの思いを伝え、どうしても入社したい旨を伝えました。その結果「今年は会社として新卒採用の予定がないので、半年後の翌年4月になっても入社を検討しているようであれば改めてご連絡ください」と言ってくれました。

-----そこから半年待ったんですか?

三木さん:さすがに半年待っているだけではもったいないので、就活もして内定をもらった会社もありました。ところが、2020年春にコロナが始まって、内定先の会社が観光系だったこともあり、取り消し通知を受けてしまったんです。

「どうしよう…」と思っていたとき、オトバンクが「4月になったら連絡して」と言ってくれていたのを思い出し、再びオトバンクに連絡して自分の状況を説明して「選考していただけますか?」とお願いをしました。念願叶って4年生の7月から学生インターンとして入社し、SNS運用を担当しました。大学卒業後はそのままオトバンクの社員になりました。

提供:株式会社オトバンク

未知の業務「プロダクトマネージャー」への戸惑い

-----社員になってから印象に残っている出来事はありますか?

三木さん:社員になってすぐにプロダクトマネージャー(PdM)という役職を任されたことです。それまで聞いたことがないポジションで、全くの未知の領域でした。先輩社員から業務内容のレクチャーはありましたが、教える側も教わる側も手探り状態。私もPdMに関する本を読みあさったり、PdMの体験談が掲載されたサイトを見たりしてインプットに努めました。

-----PdMの仕事で三木さんが苦労した点はありますか?

三木さん:PdMは課題解決のためにあらゆるメンバーを巻き込んで指揮をとる立場です。場合によっては10歳以上も離れた先輩方に実現方法や工数を聞いて「この作業をお願いします」と依頼したり、作業の進捗管理をしたりすることに最初は萎縮していました。

プロ中のプロであるエンジニアやデザイナーに対し、知識も経験もない私が指揮をとることに心理的なハードルが上りました。先輩方からは厳しい反応や冷たい対応があるわけではなく、むしろ私には優しく接してくれました。私が勝手にプレッシャーから壁を作っていた感じでしたね。

-----その心理的ハードルはどのように乗り越えていったのですか?

三木さん:入社してずっとオンボーディングをしてくれている先輩PdMが半年ほどたった頃、「遠慮はもったいないよ。三木さんは今の自分にできることをやればいいんじゃないかな」と言ってくれたんです。

さらに、「PdMにとってのコミュニケーションはデザイナーにとってのデザイン、エンジニアにとってのコードだと思う。業務上のslackのスムーズなやり取り、手早くわかりやすい作るドキュメント、メンバーが話しやすい雰囲気作りといったコミュニケーションでの気配りもPdMの仕事。まずはそれを磨いてみたら?」と言ってくれました。

それを聞いた私はコミュニケーションの基本となる「読む・聞く・書く・話す」の技能をもっと磨いていこうと思いました。

-----4技能を磨くために心がけていることはありますか?

三木さん:ミーティングのとき、AとBで議論が割れていたとします。私はPdMとして話をまとめる中心的な立場にいるので、議論をフラットに見て、感情を入れずどちらかに肩入れしないように心がけています。

PdMとして自分ならどう意思決定するかという考えは持ちつつ、数字など客観的なデータを見て結論を感情や人に紐付かないように意思決定をするようにしています。おかげさまで、今は吹っ切れてきちんと仕事を頼めるようになりました。

規模が大きくない会社なので、新卒でもPdMのような裁量権のあるポジションを任せてもらえて社会人としての経験値は同世代の人よりも積ませてもらっていると感じています。

提供:株式会社オトバンク

アウトプットよりアウトカムを大切に

-----仕事をする上で大切にしていることはありますか?

三木さん:アウトプットよりアウトカムを大切にしています。

例えばテレアポ100件はアウトプットですが、実際にアポにつながったのは何件だったのか、仕事をする上でアウトカムを見るのは大切だと思うようになりました。

社会人になる前は学生団体の運営に関わっていたのですが、成果主義というよりは成果を出すまでのプロセスを大切にしていたんです。でも、社会人になって、先輩社員と四半期ごとに仕事の振り返りをする中で、プロセスやアウトプットも大切だけど、成果が出なかった場合、成果を出すにはどうすればいいかを考えるようになりました。

一方で、成果ばかりを求めていてもダメだと思うんです。仕事は自分事にしないとただの苦労や苦行になります。何のためにこの仕事をするのか、この仕事をやる理由を自分事にすると、楽しみながら仕事ができると思うんです。その先に成果を出せば、チームメンバーと喜びを分かち合えるので、PdMとして求められるコミュニケーションをもっと磨いていきたいです。

一人前のPdMになって多くの旗を立てていく

-----今後のキャリアにおける展望を聞かせてください。

三木さん:オトバンクでひとつのプロダクトチームのリーダーを任せてもらえるようになりたいです。いまはまだ新米のPdMなので、先輩についていきながら仕事をしています。今年4月にはaudiobook․jpの新サービス「チケットプラン」の開発にPdMとして関わりました。

PdMという仕事の定義は人それぞれあると思いますが、私が思うPM像は「プロダクトの成長に責任を負う人」です。いいものを作るために妥協せず、できることはなんでもする。今までずっと読書が苦手だった人や老眼で文字が見づらくなった人が、オーディオブックを使い始めて人生が変わったという声を頂くたびに、本当に嬉しくてもっと頑張ろうと思えます。

私は仕事を人生の一部に組み込んでいて、プロダクト開発も人生も終わりの見えないマラソンだと思っています。少し先に見える山に向かって、途中の風景を楽しみながら、コツコツ走っていくイメージです。まずは一人前のPdMになって1つでも多くの旗を立てていきたいです。

-----ありがとうございました。

提供:株式会社オトバンク

知識も経験も未熟だから、先輩に何かを頼むのは気が引けるという気持ちは若手ビジネスパーソンには付きものです。でも、自分にできることは何なのかがわかった上で自信を持って接してみると、先輩も「頼りがいのある後輩だな」と信頼をしてくれるでしょう。

過去の三木さんと同じような悩みを抱えている人は、先輩を尊敬する気持ちを持ちつつ、年齢やキャリアを過度に意識しないフラットな関係を目指してみてはいかがでしょうか。

出典元:株式会社オトバンク

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