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インセンティブとは?制度の種類と、ワークさせるための3つのポイントを解説

U-NOTE編集部

2022/07/28(最終更新日:2022/08/25)


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従業員のモチベーションアップや行動促進の動機づけとなる「インセンティブ」。

達成した目標に応じて報奨金を渡す金銭的インセンティブ以外にも、やりがいや自己実現など、さまざま要素にアプローチする手法があります。

本記事では、インセンティブの種類や設定するメリット・デメリット、効果を高める運用方法を紹介します。

 

インセンティブとは

ビジネスシーンにおけるインセンティブとは、従業員のモチベーションの向上・維持を目的に、「行動するための動機づけ」をすることです。「動機」「刺激」「誘引」などを意味する、英語の「Incentive」に由来します。

インセンティブというと、「成績に応じて与えられる、通常の給料とは別の報奨金」をイメージする人も多いでしょう。たしかに金銭的なインセンティブもありますが、金銭以外のインセンティブを活用するケースも多いです。インセンティブにどんな種類があるのかは、記事の中盤で6つ紹介しています。

 

インセンティブと似た制度との違い

インセンティブと似た制度に、次のようなものがあります。それぞれどのような制度なのか、インセンティブとの違いと併せて解説します。

【インセンティブと似た制度】

  • 給与
  • 成果主義
  • 歩合制(フルコミッション)
  • ボーナス

 

給与の違い

給与とは、会社から与えられるすべての報酬のことです。基本給や残業代、各種手当を合わせたもので、インセンティブも給与に含まれます。

ちなみに、「給料」は給与から各種手当を除いたもので、基本給のことです。

 

成果主義との違い

成果主義とは、仕事の成果や成績に応じて待遇を決める人事制度のことです。勤続年数や学歴、職歴などにかかわらず待遇を決める制度であり、インセンティブも一種の成果主義といえます。

 

歩合制(フルコミッション)の違い

歩合制(フルコミッション)とは、仕事の成果によって給与額が決まる制度のことです。固定給に歩合で賃金が上乗せされるものと、完全歩合制といって、固定給のないものがあります。

インセンティブとの違いは、「報酬が支給される基準」です。インセンティブは目標を達成すると支給されるのに対し、歩合制では成果に応じて一律の割合で支給されます。

 

ボーナスとの違い

ボーナスとは、固定給とは別に支払われる給与のことで、賞与や特別手当とも呼ばれます。会社や個人の業績に応じて支給されるもので、夏と冬に1回ずつ支給する企業が多いです。

インセンティブとの違いは、支給の条件や時期にあります。基本的に、インセンティブは毎月、その月の目標を達成することでもらえるものです。ボーナスの支給は年1~2回であることが多く、目標を達成できなかった従業員にも業績に応じて金額が変わることはありますが、支給されます。

 

インセンティブの種類と具体例

インセンティブは「目標達成で与えられる報奨金」のイメージが強いですが、金銭以外のインセンティブもあります。インセンティブにはどんな種類があり、それぞれどう活用すればいいのか、具体例と併せてチェックしておきましょう。

インセンティブの種類

  • 物質的、金銭的インセンティブ
  • 金銭以外のインセンティブ
  • 評価的インセンティブ
  • 人的インセンティブ
  • 理想的インセンティブ
  • 自己実現的インセンティブ

 

物質的・金銭的インセンティブ

「物質的・金銭的インセンティブ」は、目標を達成した従業員に物や金銭的な報酬を与えるタイプです。一般的にインセンティブというと、物質的・金銭的インセンティブを指します。

インセンティブの支給条件である目標は、複数設定されていることが多いです。例えば営業職では、「新規契約10件で1万円」「20件で3万円」のように、達成した目標が高いほど支給額も大きくなっていきます。

 

金銭以外のインセンティブ

金銭以外のインセンティブには、次のようなものがあります。

  • 表彰
  • 物品支給
  • イベントや旅行への参加 など

優秀な従業員を集めたイベントや旅行に参加できるケースも多く、モチベーションアップにはもちろん、優秀者同士のコミュニケーションによるシナジー効果なども期待できます。

物品支給ではネクタイやボールペンなどの仕事に使うもののほか、家族旅行をプレゼントするようなケースもあります。

 

評価的インセンティブ

「評価的インセンティブ」とは、表彰や社内報への掲載、人事評価を活用したインセンティブです。「褒められたい」「認められたい」という、誰にでもある気持ちにアプローチするタイプです。

 

人的インセンティブ

「人的インセンティブ」とは、人間関係を軸にモチベーションを高める方法です。「尊敬している先輩に認められたい」「お世話になっている上司の役に立ちたい」といった気持ちにアプローチすることで、自発的な行動を促します。

異動の希望を出しやすくする、従業員同士の交流会を設けるといった方法を取ることもあります。

 

理想的インセンティブ

「理想的インセンティブ」とは、企業の理念やビジョンを軸にしたインセンティブです。金銭的な報酬よりも、やりがいやチームへの貢献を重視する人にききます。組織やチームが何を、何のために目指しているのか、丁寧に伝えていくことが大切です。

 

自己実現的インセンティブ

「自己実現インセンティブ」とは、従業員の夢や目標を軸にしたインセンティブです。仕事を通して成長し、なりたい自分になれる(自己実現)感覚を与えることで、モチベーションを高めます。

具体的には、1on1で従業員それぞれの目標や仕事観を深掘りしたり、そのために仕事を通して何ができるのか考えたりするのがいいでしょう。ここでわかったことを軸に、一人ひとりがやりがいを感じるであろう仕事を割り振るのも効果的です。

 

インセンティブを設定するメリット

インセンティブを設定するメリットは、「モチベーションの向上」と「評価基準が明確になる」ことの2つです。

 

モチベーションの向上

インセンティブを設定する1つ目のメリットは、「モチベーションの向上」です。「どんなにいい仕事をしても、もらえる給与は同じ」という環境では、従業員のやる気が削がれる可能性があります。

お金ではなく、やりがいや人とのつながり、組織への貢献度でモチベーションを高める従業員もいます。どんなインセンティブを設定するかは、自社の社風や業界・業種を軸に考えましょう。

例えば営業職には「とにかく稼ぎたい」と感じる人が多く、金銭的インセンティブが有効といえます。一方、クリエイティブ職には自己実現的インセンティブや、理念的インセンティブの方が響くかもしれません。

 

評価基準が明確になる

インセンティブを設定する2つ目のメリットは、「評価基準が明確になる」ことです。

特に物質的・金銭的インセンティブや評価的インセンティブには、具体的な目標と、達成した目標に応じた報酬・評価が設定されています。どの点が評価されるのかが明確で、従業員も行動を起こしやすくなるでしょう。

 

インセンティブを設定するデメリット

インセンティブを設定することには、「成果が出ていない場合にプレッシャーになる」「チームワークが乱れる可能性がある」などのデメリットもあります。それぞれの詳細と解決策を紹介するので、自社でインセンティブを設定するときの参考にしてみてください。

 

成果が出ていない場合にプレッシャーになる

インセンティブを設定する1つ目のデメリットは、「成果が出ていない場合にプレッシャーになる」ことです。

例えばインセンティブの支給を前提に基本給を設定している場合、目標を達成できなかった従業員は、十分な給与をもらえません。

同僚たちがインセンティブをいくらもらえそうか、どのくらいを目指したいかの話で盛り上がっているとき、興味のない従業員や目標達成できなさそうな従業員はプレッシャーを感じるでしょう。

特に、上司からの「そのままじゃインセンティブをもらえないけど、それでいいのか?」のような叱責は、プレッシャーになりやすいです。管理職への指導も徹底し、インセンティブがプレッシャーにならない環境をつくりましょう。

 

チームワークが乱れる可能性がある

インセンティブを設定する2つ目のデメリットは、「チームワークが乱れる可能性がある」ことです。

例えば「チーム目標を決め、それを達成できたら報奨金を支給する」ようなインセンティブを設定すると、チーム内の成績の良くない従業員との関係性が悪くなる可能性があります。

また、理想的インセンティブや人的インセンティブを重視しすぎると、これらに価値を感じない従業員が、組織に馴染めないでしょう。

このような事態を防ぐには、インセンティブの支給条件を個人単位に設定すること、何に価値を感じるのかは人それぞれであると意識することが大切です。

 

インセンティブ制度をうまくワークさせる3つのポイント

従業員のモチベーションを高めるには、自社に合ったインセンティブを設定し、適切に運用しなければなりません。そのために重要な3つのポイントを紹介します。

インセンティブ制度をうまくワークさせる3つのポイント

  • 納得感のある公平な基準を制定する
  • 従業員にとって魅力的なインセンティブを用意する
  • 定期的に制度の見直しを行う

 

ポイント1.納得感のある公平な基準を制定する

インセンティブ制度をうまくワークさせる1つ目のポイントは、「納得感のある公平な規準を制定する」ことです。置かれた環境により不公平がうまれたり、従業員同士の争いにつながったりするような基準になっていないか、精査しましょう。

例えば営業職の場合、担当エリアごとに有利・不利がうまれやすいです。新規と既存のエリアをバランスよく割り振り、リストに被りが出ないようにしましょう。

「チーム対抗戦」のようなインセンティブも、不満をうみやすいです。「自分のチームは優秀者が少なくて不利だ」「あの人がチームの足を引っ張っている」といった不公平感やトラブルにつながりかねません。

 

ポイント2.従業員にとって魅力的なインセンティブを用意する

インセンティブ制度をうまくワークさせる2つ目のポイントは、「従業員にとって魅力的なインセンティブを用意する」ことです。物質的、金銭的なものだけが、インセンティブではありません。「とりあえず、高い報奨金を設定しておけばいいだろう」という考え方は失敗の元です。

特に人的インセンティブや理想的インセンティブに高い魅力を感じる人は、物質的・金銭的インセンティブに感じる魅力が小さい傾向にあります。物質的・金銭的インセンティブを設定するとしても、ほかの要素によるインセンティブもつくれないか、考えてみることが大切です。

1on1を軸にした自己実現的インセンティブなら、一人ひとりに合った目標を設定したり、やりがいを考えたりできます。小さな組織なら、これを軸にするのもいいでしょう。

 

ポイント3.定期的に制度の見直しを行う

インセンティブ制度をうまくワークさせる3つ目のポイントは、「定期的に制度の見直しを行う」ことです。

運用開始後に、思わぬトラブルが起こったり、制度がうまく機能しなかったりということはよく起こります。制度に効果はあったのか、逆効果になっていないかは、定期的に見直しましょう。

 

従業員によってモチベーションとなるインセンティブは異なる

本記事のまとめ
  • インセンティブは従業員が行動を起こすための「動機づけ」
  • インセンティブは自社の社風や従業員に合ったものに設定する

インセンティブは、従業員のモチベーションやエンゲージメント(組織に対する貢献意欲)を高めるためのものです。自社に合ったインセンティブを設定できれば、頑張りが正当に評価されていると感じ、成績アップだけでなく、離職率の軽減やリファラル採用の促進にもつながるでしょう。

そのためには、自社の社風や従業員の価値観を知り、それに合ったインセンティブを設定しなければなりません。まずは1on1や社内アンケートなどで、従業員の生の声を集め、何をインセンティブに設定するのが効果的なのか検証するところから始めてみてはいかがでしょうか。
 

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