入社して間もなく大きなプロジェクトを任された時。未経験分野に転職を決めた時。「自分にはできない」「自信がない」とネガティブな気持ちになってしまうことはありませんか?
もしかしたらハードルを上げているのは、他の誰でもない自分自身かもしれません。
フォースタートアップス株式会社の久保田 匠海さん(24)は、第二新卒で同社に入社。代表の想いに共感してジョインを決めたものの、起業支援やスタートアップに経営人材の参画支援を行う「ヒューマンキャピタリスト」という職種に高いハードルを感じていたといいます。
しかし、あることがきっかけで「できる・できないは関係ない」と思考を転換することができ、それから徐々に成果も出せるようになっていきました。
久保田さんの、思考の転換のきっかけとは?そして、新たに掲げている目標とは?詳しく話を聞きました。
ハイブリットキャピタルでスタートアップの事業成長を支える「フォースタートアップス」
フォースタートアップス株式会社は、「世界で勝負できる産業、企業、サービス、人を創出し、日本の成長を支えていく」という考えのもと、2016年9月に設立。
成長産業領域で挑戦する起業家やスタートアップ企業に対して、経営人材の参画支援等の人的資本(ヒューマンキャピタル)と資金の側面から事業成長を支えるハイブリットキャピタルとして、スタートアップ ・エコシステム構築に取り組んでいます。この他、オープンイノベーションや産学官連携に取り組むPublic Affairsなどを提供しています。
学生団体活動の経験から「なぜやるか」「誰とやるか」の重要さに気付く
久保田さんは、2020年4月にブライダル業界のスタートアップに新卒入社。しかしコロナ禍の打撃を受け、数カ月で退職せざるを得ない状況となってしまいました。
その後、同年10月にフォースタートアップスに入社し、現在は成長産業支援事業におけるタレントエージェンシー事業のヒューマンキャピタリストとして、起業の支援やCxO人材(経営人材)のスタートアップ参画支援などを担当しています。
-----学生時代にはNPO団体で活動されていたそうですね。
久保田さん:はい。大学2年ぐらいまでは、とくに自分で何か行動を起こせていたわけでもなく、そのまま就活に突入していいのだろうか…と、焦りを感じていました。そんな時、知り合いから声をかけられ、政治家と一緒に活動を行うNPO団体のプログラムに参加することになったんです。
活動自体はとても充実していて「これまで興味のない分野だったけれど、知っているか・知っていないかで、こんなに感覚が変わるんだ」と新しい発見もありましたね。
ただ、「こうしたらもっといいプログラムになるのに…」と感じる場面も多々あって、それを自分の力で反映させたいなと思うようになったんです。
-----体験した学生ならではの視点があれば、プログラムを良い方向へ改善できそうですね。
久保田さん:まさにそう思って、プログラムを運営している学生NPO団体にジョインしました。
具体的には、「参加する学生の動機付け」と「プログラムの内容」の2点を改善すべく活動していました。
根本にあったのは、自分のように「何がやりたいかわからない」と思っている学生を減らしたいという想い。そのために、単に集客するだけではなく「心からやりたい」と思ってもらえるにはどうすればいいのかを考えて動いていましたし、団体スタッフにも「なぜこのプログラムを行うのか」を常に伝えるようにしていました。
プログラム内容も、議員の方の都合ではなく「学生にとってメリットのある内容」を追求するようになりましたね。
-----なるほど。そこでの活動が、その後のキャリア観を形作っていったのですか?
久保田さん:はい。学生団体の活動期間後半は、(当時住んでいた)広島県支部の代表として、メンバーと一緒に活動していました。
しかし、人間関係のトラブルや、私が支部のビジョンを明確に示せなかったことなどから、メンバーが段々と減っていってしまって…。結局、自分一人でできることは限られているので、きつくなって、最終的に逃げてしまいました。
自分にとって大きな挫折でしたね。ただ、振り返ってみると、「ヒト」の重要性を改めて感じる機会にもなりました。「なぜやるのか」だけではなくて、「誰とやるのか」がすごく重要だな、と。
-----それが就活の軸になったんですね。
久保田さん:はい。業界や職種、事業内容というよりも、「なぜ」「誰と」で就職先を選ぶようにしました。
ただ、新卒入社したスタートアップはコロナ禍で事業撤廃してしまって、すぐに別の就職先を探すことになってしまったのですが…。
経営人材と対話する仕事に、ハードルの高さを感じるように
転職活動で出会った企業のひとつがフォースタートアップス。久保田さんが入社を決めたのは、面接を担当したマネージャーの一言だったといいます。
-----どんな言葉だったのですか?
久保田さん:「日本はもう延命治療している場合ではない」と言われました。世界で勝負できる産業や企業をもっと生み出していかなければいけない、という使命感のある言葉ですよね。
過去を振り返った時、「現状維持をする大人」に違和感を覚えることが多かったので、この言葉にはズドンと強く共感して、「ここだ!」と思い入社を決めました。
-----では、気合十分で入社!だったのですね。
久保田さん:もちろんそうだったのですが、実は内心「社会人経験もそんなにない若手の自分が、いきなり起業支援や経営人材の参画支援なんて、ハードルが高すぎるんじゃないか」と思っていた部分もありました。
そう思っていたからか、入社直後は、同じ時期に入ったメンバーがどんどん成績を上げていくのを横目に悔しい思いをしたことも…。しんどい時期でしたね。
「できる・できないより、やろうとする姿勢が大事」
-----そうだったんですね。そこから、何か変化はあったのですか?
久保田さん:昨年、業績上位数名だけが参加できる合宿に、私も参加できる機会を得ることができたんです。
それ自体はとても嬉しいことだったのですが、周りのメンバーは皆優秀ですし、怖気づいてしまって、ミーティングでは全く発言ができませんでした。
その時、取締役からこんなことを言われました。「そんなんじゃ、次は選ばれないよ」「できる・できないより、発言しようとする姿勢が大事なんじゃないか」
ハッとしました。若手で経験も浅いからこそ「やろうと思う気持ち」が大切なのに、それすらどこかに置いてきてしまって、自分で勝手にハードルを高くしてしまっていたな、と。
そこからアクセルが入るようになり、「他の誰かと比べるより、昨日の自分と比べよう」「まずは一つ一つミッションをクリアしていこう」と前向きに考えられるようになりました。
-----まさに思考の転換ですね。そこから、成果も出せるようになったのですか?
久保田さん:はい。今年に入ってお一人、CFO候補のご支援をすることができました。
実は一度ご本人が転職先の選択を迷われた時期もありましたが、一貫して「あなたにとって良いキャリア選択にしてほしい」という気持ちで対話を続けた結果、納得のうえ入社を決めてくださいました。
最終的に、その方が将来どんな姿を目指していて、何のために仕事がしたいのか、本音を聞くことにも成功し、自分の自信にもつながりました。
実は最近、その方に再会する機会があったのですが、「久保田さんがいなかったら、人生変わっていた」と嬉しいお言葉をかけてくださったんです。
「自分にはできないんじゃないか」「ハードルが高い」と思い込んで怖気づいていた以前の自分からは、考えられない結果ですね。
「人ってこんなに成長できる」を、教育現場にも還元したい
-----「今この瞬間、できる・できないじゃなくて、やろう!」と心を決められたからこその結果ですね。最後に、今後の展望についてもお聞かせいただけますでしょうか。
久保田さん:フォースタートアップスは、さまざまな過去の経歴やバックグラウンドの持ち主で成り立っており、私自身も含めて「人ってこんなに成長できる」を体現している組織だと思います。
そのため、ゆくゆくは「人って変われる」「何者でもない自分が、努力すれば何者かになれる」という私たちの信念を、学校や大学など"教育の場"に還元できたらいいなと考えています。
例えば専門学校を卒業した学生は、そこで学んだ分野の仕事にしか就けないと思い込んでしまうケースが多く、途中で「やっぱりこの道、自分に合っていないな」と思った時に、どうすればいいかわからなくなってしまうんですよね。それってすごくもったいないな、と思うんです。
「今の自分に何ができるか」でキャリアを選ぶのではなく「将来自分は何がしたいのか」で選べれば、闇雲に現状維持を続ける大人も減っていくのではないでしょうか。
-----とても素敵な考え方ですね。ありがとうございました。
大学時代に「何がしたいかわからない」と思っていたとは感じられないほど、まっすぐに今後の展望を語る久保田さんからは、まさに「人はこんなに成長できる」というメッセージを受け取ったような気がします。
「今、この瞬間できる・できない」ではなく「やろうと思えるかどうか」が大事。この姿勢さえ持っていれば、どんなバックグラウンドであろうと、何でもチャレンジできそうな気持ちになれそうす。
出典元:フォースタートアップス株式会社
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