日々のタスクに懸命に取りかかっていても、ふとした時に「理想に近づけているのだろうか?」「やりたいことができているのだろうか?」とモヤっとした気持ちになることはありませんか。
株式会社FABRIC TOKYOの向井 駿介さん(24)も、一時はそんな風にモヤモヤした気持ちに駆られたことがあるといいます。しかし、上長からのある一言がきっかけで、一念発起。「行動しないと何も始まらない」と思い直し、現在は行動力を高めながらマネージャーを目指し日々奮闘しています。
向井さんを奮い立たせた一言とは?そして、彼が実践する"行動力を高める方法"とは。詳しく話を聞きました。
オーダーメイドのビジネスウェア「株式会社FABRIC TOKYO」
株式会社FABRIC TOKYOは"Fit Your Life."をブランドコンセプトに、体型だけでなく、一人一人の価値観やライフスタイルにフィットする、オーダーメイドのビジネスウェアを提供するブランド。一度来店して採寸を行えば、体型データがクラウドに保存され、以降はオンラインからオーダーメイドの1着を気軽に注文することができます。
昨今、アパレル産業では、サステナビリティの観点からその環境負荷の高さが世界的に問題視されている状況です。そんな中、同社ではアパレル業界から持続可能な社会の実現を目指すためのチャレンジである「サステナブルアップデート」を実施。5月にはその一環として、パンツの破れ/擦れを軽減するカスタマイズオプション「股擦れ軽減加工」を追加しました。
アパレルの負の側面に衝撃を受け、就活を仕切り直し
向井さんは、2020年4月に同社へ新卒入社。入社後は研修期間を経て横浜支店へ配属され、2021年8月からは福岡支店に異動となりました。現在はコーディネーターとして来店客の採寸や生地の提案などを行っています。
-----入社の経緯について教えていただけますでしょうか。
向井さん:もともと「なんとなくファッション業界で就職したい」と思っていたのですが、とある繊維商社の説明会で「労働問題」「環境問題」といったファッション業界の抱える課題を知り、衝撃を受けたんです。同時に「知らなかった自分が情けない」と思いました。
そこで、一度就活を仕切り直すことに。大学4年生の5月頃でしたが、就活の軸を定め直し、このような課題に向き合っている会社を一から探し始めました。
-----そうして出会ったのがFABRIC TOKYOだったのですね。
向井さん:はい。FABRIC TOKYOが掲げている理念のひとつに「HI-SUSTAINABILITY」があります。
労働者の搾取、多様性の欠如、環境破壊などといったアパレル産業の負の側面に目を向け、「クリエイティブな発想で状況を大きく変えることができるはず」と明言しています。まさに私が感じていたビジョンと重なる部分がありました。
-----最終的に入社を決めた理由は?
向井さん:選考の面談は、「面談」というより「対話」という印象で、一時面談は「何を聞きたい?」から始まるなど、他社とは全く異なる雰囲気に驚きました。
まさに"Fit Your Life."(自分らしさ)を体現しているようなメンバーばかりで、とても興味を搔き立てられたのをよく覚えています。
中でも『FABRIC TOKYOでは、大きな船に全員が乗っているのではない。小さい一人用の船にそれぞれのメンバーが乗っているから、「自分の船は自分で漕ぐこと」が求められる』と言っていただけたことが決め手のひとつとなりました。
「ここで、裁量権を持たせてもらいながら、アパレル産業の課題に対するアクションも起こしていきたい」こう考えて入社を決めました。
社内プロジェクトに参加したものの、大きな成果は出せず
入社後は横浜支店に配属され、コーディネーターとしての仕事を始めた向井さん。
しかし、繁忙店ということもあり、接客だけで終わる日も多く、日々の仕事の目的は理解していたものの「目の前の業務とやりたいことのギャップ」に悩み、モヤモヤを感じるようになってしまいました。
-----そのモヤモヤは、何かを機に薄れていったのですか?
向井さん:そうですね。福岡支店に異動になった時、当時の上長が「君のおかげでマネジメントに喜びを感じられた、ありがとう」と言ってくれたんです。その時はじめて「自分のタスクがちゃんとチームの貢献に繋がっていたんだ」と感じることができ、とても前向きになれました。
しかし、「やりたいことに対して階段を駆け上りたいのに、できていない」という感覚はゼロにはなりませんでした。
FABRIC TOKYOには、長期的な組織課題解決に向けて部署関係なく参加できる半期に一度の社内プロジェクトがあります。私もそのプロジェクトに参加したことがあり、SDGsの取り組みに挑戦したのですが、形に残る成果を出すことはできませんでした。
-----そうだったんですね。悔しいですよね。
向井さん:はい。でも、マネージャーの一人に「内省が足りていない」「このままではマネージャーにはなれないよ」と言われたことが大きな転機になりました。
このマネージャーは会社のバリューをまさに体現している人なので、この言葉をかけてもらった時は、もちろん悔しい気持ちもありましたが「これをバネに、期待を超えて行こう!」と、奮い立つような気持ちになりました。
叱咤激励の一言で、"行動する機会"を自分でつくるように
-----期待が込められた一言だったんですね。
向井さん:そう信じています(笑)。
具体的には「目的を見据えたうえでの目標設定ができるように」「未来のあるべき姿からの逆算思考」「自分たちが作っていくんだ!という強い意志、そして意志だけではなく成果へのコミットも伴わないと改革はできない」などのアドバイスをもらったので、今はそれらを念頭に置きながら、様々な改善案を提案するなど、マネジメントに繋がる業務に挑戦しているところです。
-----では今、向井さんが一番大切にしていることは?
向井さん:主体性ですね。仕事だけではなく、人生の責任はすべて自分が負っているので、「次に自分は何をするか」を常に自分に問いかけながら動くことを意識しています。
社内プロジェクトで形にあらわれる成果が出せなかった時を振り返ってみても、「自分はコレをがんばった!」と胸を張って言えることが見つかりませんでした。プロジェクトに参加することが目的ではなく、結局は自分次第なのに、改めて考えてみると「行動できていなかったんじゃないか」と…。
これまではインプットだけで終わってしまっていたことも多かったので、「行動しなきゃ何も始まらない」と自分を奮い立たせるようになりました。
「自分の船は自分で漕ぐ」の本当の意味がやっとわかってきた気がします。
-----「行動する」と決めても、なかなか難しい時もありますよね。行動力を高めるために工夫していることはありますか?
向井さん:「どうやれば自分を動かせるか?」を分析し、"行動する機会"を自分でつくることです。
「先に人を巻き込んでしまう」「あれ?と感じたことはすぐに発言してみる」など、自分がどういう人なのかを分析したうえで「動かざるを得ない状況」をつくっています。
常に自分を知っておくことは重要だと考えているため、入社後も定期的に自己分析を繰り返していますね。
メンバーの成長や売上に貢献できる役割を目指す
「以前は、全然行動できていなかった」と振り返る向井さんですが、今は行動力を高めながら、目標であるマネージャーへの階段を駆け上がっているようです。
-----最後に、今後の展望についてお聞かせください。
向井さん:定期的に行っている自己分析で、マネージャーという役割が一番自分の特徴を活かせるのではないかというキャリアの仮説が生まれましたので、今はそこに向かって修行中です。
より多くの人のメンバーにかかわって、メンバーや事業の成長に貢献できることが自分にとっての喜びなので…。ゆくゆくは地方店舗のマネージャーやチーム長などにも挑戦したいですね。
もちろん、社会課題に対してアプローチするプロジェクトや事業を立ち上げたいという気持ちもあります!
-----ありがとうございます。応援しています。
期待のこめられた叱咤激励を機に、向井さんは「このままではいけない!」と気持ちを奮い立たせました。
「自分の船は自分で漕ぐ」という言葉の通り、自ら行動を起こすべく奮闘している彼の姿からは、以前のようなモヤモヤした気持ちは全く感じられません。
このままでいいのだろうか…と不安に駆られた時こそ、「自分は行動を起こせているだろうか」「自分で漕げているだろうか」と自問してみたいですね。
出典元:株式会社FABRIC TOKYO
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