HOMECareer Runners 入社後こそ「自己分析」が大切。2年目でプロジェクトリーダーに抜擢、若手社員が見つけた"課題があっても邁進できるコツ"

入社後こそ「自己分析」が大切。2年目でプロジェクトリーダーに抜擢、若手社員が見つけた"課題があっても邁進できるコツ"

木村公洋

2022/06/24(最終更新日:2022/06/24)


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檀上絢子さん/提供:平和酒造株式会社

大きな仕事を任されたものの、「なかなかうまくいかない」「納得いく成果が出せない」と、思い悩む若手ビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。

和歌山にある酒蔵・平和酒造株式会社で社会人3年目として働く檀上絢子さん(24)は、入社2年目で任されたプロジェクトで思うような役割を果たせず、思い悩むこともありました。しかしその後、大きなプロジェクトを成功させた檀上さん。つらい時期をどのように乗り越えていったのでしょうか。詳しく話を聞きました。

和歌山県にある酒蔵「平和酒造株式会社」"紀土"などを製造

平和酒造は1928年創業、和歌山県海南市にある蔵元。 日本酒「紀土(キッド)」・リキュール「鶴梅」・クラフトビール「平和クラフト」を製造しており、2022年6月には東京に「平和どぶろく兜町醸造所」をオープンしました。

「手づくりの日本酒」を造れることに日々感謝し、日本酒業界の発展に寄与しています。

平和どぶろく兜町醸造所/提供:平和酒造株式会社

誇りと責任を持って働く先輩社員に感銘を受ける

檀上さんは2020年春に平和酒造に入社。3年目を迎えた現在は総務企画部にて、金融の街として知られる東京都中央区の「兜町」に2020年6月にオープンした「平和どぶろく兜町醸造所」のプロジェクトリーダーを務めています。

-----平和酒造に入社したきっかけを教えてください。

檀上さん:大学3年生のとき、平和酒造のインターンに参加したことです。

私は和歌山県出身で、東京の大学に進学しました。東京での就職も考えていた一方で、地元に戻って働くことも視野に入れていました。そんな中、たまたま平和酒造のインターン募集を知り、「日本酒の酒蔵がインターンを募集しているって、どういうことだろう」と興味を持ち、参加してみようと思ったんです。

-----もともとお酒には興味があったのですか?

檀上さん:実はインターンに参加するまで、興味はありませんでした。でも、インターンを通じて、先輩社員のみなさんが日本酒の魅力や日本酒造りの魅力を教えてくれました。

特に学生インターンのアテンドをしてくれた当時社会人4年目の女性社員は、私たちに分かりやすく仕事の話をしてくれました。その姿がとてもイキイキとしていたのを鮮明に覚えています。

インターンでは日本酒をつくるお米の田植えや日本酒のテストテイスティングにくわえ、冬になると、麹造りも体験しました。社員みんながお酒を愛していて、いいお酒を作るために自分の仕事に誇りと責任を持って働いている。そんな姿を見て、「私もこんなふうに働きたいな」と思いました。大学4年生になって就職活動をするときには、平和酒造が第1希望でした。

-----インターン経験がある分、自信を持って選考に望めたのではないでしょうか。

檀上さん:正直、採用していただけるかは不安でした。私はどちらかというと、「縁の下の力持ち」のタイプだと思っているのですが、平和酒造が社員に求める人物像が「自発的に前に出てリーダーシップを取ることできる人」だったんです。

もし、平和酒造で働くことができたら、長い目で見て「自発的に前に出る人間になること」は大きな課題になると思っていました。でも、内定をいただいたときはホッとしましたね。

入社2年目で任された大きな仕事への不安と悩み

こうして無事に平和酒造に入社した檀上さん。1年間はトレーニング期間の位置づけとして様々な業務のサポートにあたりましたが、2年目からは環境がガラッと変わり、戸惑いや不安を感じてしまったそうです。

-----どのように環境が変わったのでしょうか?

檀上さん:責任のある仕事に携わるようになりました。平和酒造は社員の平均年齢が30歳前後と若く、若手社員にも積極的に責任のあるポジションを任せてもらえます。

私の場合、平和酒造のコンセプトショップ「平和酒店」の副店長を任されました。バーも併設していて、スタッフとしてシフトに入りつつ、メニューやディスプレイの企画、SNSでの発信など売り上げを伸ばすための施策に取り組みました。店舗運営の基本から接客まで、お店の全体を見るので毎日が勉強の日々。慣れないうちは大変で、悩むこともありましたね。

-----責任あるポジションはやり甲斐もありますが、不安や悩みも抱えてしまいがちですよね。

檀上さん:学生時代から、もともと人に悩みを打ち明けるタイプではなかったんです。

でも、社会人になって責任あるポジションに就くと、多くの先輩方とともに仕事をするので、自己完結の難しさに気づきました。そこで、思い切って自分の不安や悩みを先輩に相談したら、「私も2年目は大変だったよ」「1人で抱え込まないで私たちに遠慮なく相談してね」と言ってくださり、安心しましたね。

自己分析を繰り返して原因を知ることで、邁進できる

2年目の途中からは、東京の兜町にどぶろく醸造所を作るプロジェクトのリーダーに抜擢された檀上さん。新しいことへの不安もある中、仕事を邁進するコツをつかんだそうです。

-----邁進するコツとは何でしょうか?

檀上さん:一言で言うと「自己分析」です。平和酒造では正社員に向けたキャリアプログラムの社外研修があり、その中で自分自身の状態や気持ちを分析する機会があります。

例えば仕事で落ち込んでいる時期があったとき、「なぜ私は落ち込んでいるのか」の原因を考えるんです。原因が理解できると解決方法が導き出されるので、そこに向かって邁進していくことができる。この繰り返しができるようになったのは大きいですね。 

仕事をする中でモチベーションが高いときと低いときがあっても、「低いときはどんな状態なのか」を分析すると、高いときとの違いもわかるようになります。自分自身という人間を理解することで、成長度も理解することができますし、新しい問題に直面したら自己分析は欠かさないようにしていますね。

-----自己分析はどんな方法で取り組んでいますか?

檀上さん:私の場合は散歩などをして考えながら自己分析をします。歩きながら考えると、自分の考えが整理される感じがするんです。あとは自宅や職場から離れたカフェに行って、考えることもあります。敢えて遠くに行って考えることで、普段とは違う気付きが得られることもありますね。

平和どぶろく兜町醸造所のカウンターに立つ檀上さん/提供:平和酒造株式会社

仕事をする上で「私の役割を」常に考える

自己分析を繰り返すことで、ビジネスパーソンとしてのキャリアを着実に積み重ねている檀上さん。半年以上かけて取り組んだ「どぶろく醸造所」もオープンしました。

-----仕事をする上で大切にしていることはありますか?

檀上さん:目の前の仕事をこなすだけでなく、仕事を通じてどうすれば会社と自分の成長に寄与できるかを常に考えています。

どぶろくのプロジェクトに関しても「なぜ会社はこの仕事を私に任せたのか。私にできることは何なのか」を考えます。与えられた仕事に対して期待以上の成果を出すためには、私1人では無理です。そのため、周りを巻き込み、メンバーに協力してもらうために私自身はどう動けばいいのか、どういう立ち位置でコミュニケーションを取ればいいのかを考えるようにしています。

周りにたくさん助けてもらったこともあり、どぶろく醸造所もオープン初日から多くのお客さまに来ていただいています。醸造所を造るにあたり、税務署に行って免許をもらうところから始めたので、オープン初日は感慨深いものがありました。オープンのために和歌山から1カ月ほど出張に来ていたのですが、多くのお客さまの喜ぶ顔を見たときは本当にうれしかったですね。

どんな仕事もできるオールラウンダーになりたい

社会人3年目として、大きなプロジェクトを成し遂げた檀上さん。今後、どんなキャリアプランを描いているのでしょうか。

-----檀上さんの仕事やキャリアにおける今後の目標を教えてください。

檀上さん:平和酒造の社員はオールラウンダー的な役割が求められます。数あるプロジェクトを成功させてきた先輩社員のように、私も早くオールラウンダー的な存在になりたいです。そうなるためには、もっと自発的に前に出る人間になる必要があると思っているので、成長できるように頑張りたいです。

後輩社員の育成にもいずれは関わりたいという思いもあります。私がインターンの時にアテンドをしてくれた先輩女性社員のように、平和酒造に興味を持ってくれた学生に「平和酒造って、社員がみんなワクワク・イキイキしながら働いているんだな」と思ってもらえる社員でありたいですね。

-----ありがとうございました。

提供:平和酒造株式会社

「なぜ、私がこの仕事に取り組むのか」という視点はとても大切。任された仕事をこなすだけになってしまうと、楽しいと思えることも少なくなりますし、考えることもしなくなってしまいます。

就活では当たり前のように行っていたであろう「自己分析」ですが、社会人になってからも意図的に行う必要がありそうですね。自分の性格や考えを分析することで、「目指すべき道」がクリアになり、目の前の仕事にもより一層邁進できるのではないでしょうか。

出典元:平和酒造株式会社

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