ベンチャー企業やスタートアップに入社すると、「社内に同期が数人しかいない」「同世代が一人もいない」という人も少なくないでしょう。そのような環境では、つい見えない"社外の同世代"と比べ、漠然とした不安を抱えてしまうことはありませんか?
株式会社BOKURAに唯一の新卒社員として入社した倉島隼人さん(23)も、そんな風に悩んだことのある一人です。
しかし、スタートアップ新卒社員だからこその"やりがい"を体感した経験などから、「他と比べる必要はない」と気が付いたのだそう。倉島さんに詳しく話を聞きました。
ファンマーケティング支援を行う「株式会社BOKURA」
株式会社BOKURAは「神対応であふれる社会に」をミッションに掲げ、ファンマーケティング支援を行っています。
ファン創りの戦略立案~立ち上げ、運用、目的達成までの一気通貫した支援を強みとし、資産となったファンが導く売上拡大・コスト削減などの健康経営を実現。これまでの実績は一般企業約250社、スポーツチーム27チームにのぼります。
同社は6月1日(水)に5000万円の資金調達を発表。今後は今夏にリリース予定のファン管理ツールの開発をさらに加速させるとともに、人材の採用・組織拡大を図っていくとしています。
大手志向から軸を転換、スタートアップへジョイン
倉島さんは、大学4年時の2020年5月から、業務委託として同社にジョイン。その後、2021年4月に唯一の新卒社員として正式入社しました。
現在はスポーツチームや大手飲食会社、地方の中小企業など幅広い業界のクライアントに対し、SNS運用を中心とした"ファンとのコミュニケーション"におけるサポートを行っています。
-----業務委託としてジョインした経緯について教えてください。
倉島さん:自分が「Jリーグ」の大ファンなので、ファン繋がりの知人から、BOKURAを紹介してもらったことがきっかけです。
当時は「やりたいこと」が定まらずキャリア観もボヤっとしていて、なんとなく就活をしている状態でした。
そんな時だったからこそ、「何かの熱狂的なファンであること」を重要視しているBOKURAでファンマーケティングに挑戦できるのは面白い!と思い、まずは業務委託として仕事を始めることにしました。
-----同時並行で就職活動も行っていたのですね。
倉島さん:はい、実はもともと大手志向で、スタートアップは選択肢に入っていなかったんです。
ただ、BOKURAで仕事をしていくうちに、考え方がどんどん変わっていきました。仕事の進め方や効率化について私が何か提案すると、すぐにそれが社内の方針などに反映されることが多く、スタートアップならではの"やりがい"を感じるようになりました。
まだ色々と整っていない環境だからこその「当事者意識」をBOKURAでは持つことができたんです。
-----そうして大手志向から軸を転換し、BOKURAに正式入社することにしたんですね。
倉島さん:そうです。BOKURAに業務委託として関わらせてもらえるようになったのは本当に貴重な縁でした。ジョインしてからは何もかも刺激的で、「ここでもっと活躍したい」「ミッション実現に貢献したい」と思うようになり、入社を決めました。
違和感を発言したら、スピーディーに社内で反映
スタートアップならではの"やりがい"に魅了され、BOKURAをファーストキャリアとして選んだ倉島さん。具体的にはどのような提案を行ってきたのでしょうか。
-----入社後、最も印象に残っていることは?
倉島さん:BOKURAでは、SNSでのUGCをもとに、「ファン度合い」を測定しており、その指標の大きな割合を占めていたのが「売上」でした。
つまり、その商品やサービスに言及している人が、どれぐらい「売上」に貢献してくれているかを大きな「ファン度合い」の基準としていたのです。
逆に言えば、「高級車が大好きだけど、今は買うことができない中学生」などは「ファン度合い」的には"低い"とみなされてしまうわけです。
私はこの点に違和感を抱き、「買えなくても、その商品やサービスに関する知識を持っていたり、周りの人に強く推していたりしたら、高いファン度合いだと言えるのではないか」と、新卒入社して1カ月後に社長のいるミーティングの場で伝えたことがあります。
すると、「確かに、そうだよね」「実は自分もそう思っていた」とメンバーが同意してくれて、指標を見直すプロジェクトが立ち上がり、2カ月ほどで新しい指標として反映され、運用が始まりました。
「入社したばかりの自分の意見に、こんなに耳を傾けてくれるんだ」「すぐに反映してくれるんだ」と、とても驚いたと同時に「これからもちょっとした違和感はどんどん発信しよう」と前向きな気持ちになれました。
-----2カ月ほどで反映されるスピード感もスタートアップならでは、ですね。
倉島さん:そうですね。以前から自分の意見は伝えるようにしていましたが、この成功体験があってから、より意識していくようになりましたし、当事者意識も育っていったと思います。
今自分がいる場所だから得られるものがある
-----入社後、力不足や経験不足を感じて悔しい思いをしたこともありますか?
倉島さん:もちろん、ありますね。唯一の新卒社員ですから、周りのメンバーは皆、自分より年齢も上で、経験値も高いので…。キャパオーバーになっても自分からそのことを相談できなくて、悩んだ時期もありました。
しかし内定式の時に代表の宍戸から「バカになることが大切」という言葉をかけてもらったことが、大きな支えとなっています。
-----どういう意味でしょうか?
倉島さん:新卒社員なのだから、わからないことがあって当たり前。わからないことを聞くことは恥ずかしいことではないし、貪欲になっていいんだ、という意味です。
泥臭くてもがむしゃらに、常に考え続けることはやめない。周りに経験値の高いメンバーがたくさんいるのなら、バカなフリをして自分を出し、どんどん吸収していく。自分だけで解決しようとしない。
このようなことを心がけ、新卒社員として日々奮闘する毎日です。
-----とは言え、社内に同期もいない中、不安になることもあるのではないでしょうか。
倉島さん:最近、ふと「自分の成長度合いは、社外の同世代と比べてどうなんだろう」と漠然とした不安に駆られる時がありました。
しかし社内メンバーから「スタートアップにいるからこそ磨かれている能力がある」「標準化されていない尖ったスキルがきっと身についている」と言ってもらって、勇気づけられましたね。
今自分がいる場所だから得られるものがあって、それは他と比べられることじゃないんだと気が付きました。
社内で意見したことがすぐに反映されるといった経験も、今ここにいる自分だからこそ味わうことができたんですよね。そう考えると、抱いていた不安もスッとなくなっていきました。
新卒第1号としてBOKURAを代表するメンバーになりたい
-----最後に、今後の展望についてお聞かせください。
倉島さん:新卒第1号としてBOKURAを代表するメンバーとなり、BOKURAがファンマーケティングのリーディングカンパニーとなるために貢献したいです。
ゆくゆくは新規事業をゼロイチで立ち上げてみたいという気持ちもありますが、直近の課題はマネジメント。1年目は自分で手を動かすことが多かったのですが、2年目になって"人に動いてもらう"ことが増えました。
レクチャーをはじめ「人に伝えること」、そして「人の悩みを察すること」に課題感があるので、相手へのリスペクトを忘れずに、いかにうまくマネジメントできるか…今まさにトライしているところです。
-----応援しています。ありがとうございました。
スタートアップの中にいる新卒社員だからこそ得られる数々の貴重な経験。「"他と比べる必要はない"とわかると、とてもスッキリした」と倉島さんは語ります。
見えない「社外の同世代」と比べてしまい不安に駆られてしまっている人にとって、彼の気付きは大きな励みとなるのではないでしょうか。
出典元:株式会社BOKURA
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