ビジネスパーソンが経営者になるためには、どのようなことが求められるでしょうか。社内昇進で経営者のポストにたどり着く、起業して一国一城の主になる。いずれにしても、どこかで経営者のノウハウを学ぶ必要があります。
WealthPark株式会社の金子拓未さん(22)は、同社への入社理由を「経営者になるために必要なビジョンを、この会社から感じた」と言います。憧れていたエンタメ業界への就職を考えなおし、ビジネスの世界に飛び込んだ理由と今後の展望を伺いました。
不動産オーナーと管理会社をアプリでつなぎ利便性を向上
WealthPark株式会社は、不動産オーナーと管理会社をアプリでつなぐ業務支援システムを開発しています。不動産管理会社にはクラウド型システムを、オーナーにはオーナーアプリ(スマホ用アプリやWEBサイト)を提供。収支報告や売買提案などを簡単かつスピーディに行うことを可能にしています。
金子さんは、2022年4月に同社へ新卒入社。現在は研修期間中で、新卒採用や不動産会社に向けたコンサルティング業務の補助のほか、テレアポや飛び込み営業も行うなど、社内の様々なセクションで研鑽を積んでいます。
自立を重んじる家庭と演劇が人生を位置づけた
-----金子さんのパーソナリティを語るうえで、家庭環境と演劇を避けて通ることはできません。事前に頂いた資料にも「自由と責任を重んじる家庭環境で育ち、演劇によって人生が激変した」とセンセーショナルな文字が踊っています。
金子さん:子どもの頃の小遣いは、月ごとに決まった額を渡されるのが一般的だと思いますが、私の家庭では毎年1月1日に1年分のお小遣いを渡されて、自分で年間の使い方を考えなさいと言われていました。今思えば「自由には責任が伴う」ということを教えたかったのでしょう。そのおかげで早期から自分の頭で考える習慣がつきました。
-----素晴らしい教育方針ですね。他の小学生とは違う成長を遂げそうですね。
金子さん:そうかもしれません。私は小学生の頃に体操を始めました。自分で言うのも恥ずかしいですが、当時は運動神経がよく成績も抜群でした。その後、中高一貫校に進学し、すべてが順調に進むと思っていた矢先に、人生で初めて挫折を味わいます。
-----そのような環境では、ライバルが多そうですね。
金子さん:同級生は地域のトップクラスばかり。全体のレベルが高く、テストの結果が思わしくないこともありました。体操部でもよい結果が出せず、顧問の先生の指導も素直に聞くことができなくなり、「自分の意思を押さえつけられている」と辛くなりました。
-----それがきっかけで演劇部に入部されたのですか。
金子さん:はい。高校1年生の時に体操部を辞めて演劇部に入部したことで、ものの見方が変わりました。これまでは「得点が高い」など、人を数字で図ることが絶対条件でしたが、演劇は数値化できない表現力が求められます。
-----人と争うのではなく、自分の内面を磨くことがパフォーマンスに繋がりますよね。
金子さん:この人の表現は柔らかい、この人は優しいなど、演劇に出会ったことで、楽しさや嬉しさでも自分を評価できるようになりました。
「本当にやりたいことは何か」就職活動で逡巡
-----WealthParkとの接点は、どこから始まるのですか。
金子さん:筑波大学に進学してからも演劇に打ち込んでいましたので、就職活動もエンタメ業界を中心に行っていました。しかしその一方で「自分は演じる側になりたいのか、作り手になりたいのか」という迷いが生じてきました。違和感を抱えたまま就職活動を続けていたところ、第一志望の会社の選考に不合格になり、エンタメ業界への思いがプツっと切れてしまいました。
-----そこから路線を変更したのですね。
金子さん:すでに6月になっていましたが、内定をすべて辞退して就職活動をやり直すことにしました。「アイデアをゼロから形にする仕事は何か」と考えたときに、「起業」や「経営」というワードが浮かびました。そして、自分の可能性を広げられそうな業種をIT業界に絞って2カ月間で約40社の選考を受けました。
-----その中の一つがWealthParkですね。
金子さん:経営者になるためには、どこかでビジネスの経験を積む必要があります。WealthParkの「選択の自由が当たり前の世界を創る」というビジョンや、細かな戦略に「社会を変えることができる会社である」と確信しました。
-----他の企業と、どのようなところに違いを感じたのですか。
金子さん:大きなビジョンを掲げていても根拠を感じない話が多い中で、WealthParkの説明は納得できる内容でした。今は不動産関係の会社ですが、「投資のプラットフォームを広げてWealthParkの輪を作っていこうとしている」など、目標を達成するための戦略を丁寧に説明してくれました。
-----そこにリアリティを感じたのですね。
金子さん:WealthParkは新入社員であっても個人の考えを重んじる社風があり、選考でも「あなたはどうしたいの?」という問答を行ってくれました。ふたつの要因が入社を決断する決め手になりました。
失敗から成功が生まれることを認めてくれる社風
-----現在は研修期間中とお聞きしましたが、どのようなことを行っていますか。
金子さん:現在はインターンを経て、約3カ月間の社内研修を行っています。様々な部署を経験することで会社全体を把握させるとともに、適性に合った部署に配属する狙いがあるようです。
-----とても人材を大事にしている会社ですね。
金子さん:手厚い育成を行ってもらっているので、配属後の不安はありません。研修中の業務は様々で、インターンの面接や交流の機会の設定にくわえ、営業にも同行しました。見ず知らずの会社に飛び込み営業した時は少しドキドキしましたし、何度かけても結果が出ない電話でのアポ取りは精神的にきつかったです。
-----研修中の失敗談はありますか。
金子さん:インターンを対象としたカジュアルなランチ面談では力不足を感じました。念入りに企画したのに参加者はゼロ。フリートークにしたことが参加者を戸惑わせてしまったようです。あらかじめテーマを決めてそれに対して自由に話し合う方法にすればよかったと反省しました。
-----会社からの評価はどうでしたか。
金子さん:WealthParkでは失敗は成功のためのプロセスと考えられており、先輩から次にチャレンジするための温かい声をかけてもらいました。
-----金子さんと同期入社の方もいらっしゃるのですか。
金子さん:同期は3人います。WealthParkでは初めて新入社員を複数採用したそうです。毎週自主的にミーティングを行い、「研修はどう?」という話をしています。それぞれにタイプが異なっていて、励まされることも学ぶことも多いよき友人です。
自由とは責任を持つこと。日々の緊張感を楽しむ
-----この一年で学生から社会人になり、環境が大きく変わったのではないでしょうか。
金子さん:環境は変わりましたが、大きなギャップもなくすんなりと社会人となった自分を受け止めています。WealthParkは若手でも裁量権を持たせてくれるので、自由に提案できる一方で責任も伴います。家庭環境や演劇での経験が活かされ、プレッシャーを感じながらも、それを楽しむことができていると思います。
-----最後の質問です。どのような経営者を目指していますか。
金子さん:WealthParkで事業を任せていただくことかもしれないですし、異なる業種での独立開業かも知れません。また、独立した企業とWealthParkがパートナーシップを結ぶ関係になるかもしれません。スタートしたばかりなので、未来に向けて様々なことを吸収したいと思います。
-----ありがとうございました。
自分の気持ちに正直に向き合った結果、就活を仕切り直してまで出会った会社。「自分はどうしたいのか」を常に考えながら行動を起こし続ける金子さんなら、きっと将来は芯のある経営者へと成長することができるのではないでしょうか。
出典元:WealthPark株式会社
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