HOMECareer Runners 「周りの小さな変化も見逃さない」憧れの業界に一歩踏み出した若手に学ぶ、"必要とされる人"に近づく方法

「周りの小さな変化も見逃さない」憧れの業界に一歩踏み出した若手に学ぶ、"必要とされる人"に近づく方法

木村公洋

2022/06/21(最終更新日:2022/06/21)


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竹岡万里子さん/提供:三和建設株式会社

「この仕事を、あなたにお願いしたい」「あなたの力を借りたい」と、人に頼ってもらえることは嬉しいもの。「仕事で頼ってもらえる人」になるためには、一体どのような心がけが必要なのでしょうか。

三和建設株式会社の大阪本店・工事グループの2年目社員・竹岡万里子さん(24)は、ずっと仕事を教えてもらっていた先輩社員の退職がきっかけで余裕がなくなったように見られ、同僚から仕事を頼まれなかったことにショックを受けたことがあるといいます。

彼女が「もっと頼ってもらえるような雰囲気作りをしよう」と思い立ち、心がけていることとは?詳しく話を聞きました。

「真摯なるお客さま志向」が強みの三和建設

三和建設は、1947年の創立以来70年以上にわたり、サントリー山崎蒸溜所をはじめとした民間企業の工場や倉庫の建設に強みを持つ総合建設会社です。

「真摯なるお客さま志向」を強みに持つ三和建設は、顧客が自覚していない潜在的な願望さえも引き出し、実現する努力をしているといいます。

工事現場の様子/提供:三和建設

TV番組に影響を受け、建設業界に興味を持つ

竹岡さんは2021年春、東京の大学を卒業した後、三和建設に新卒入社し、大阪本店・工事グループに配属されました。現在は、見積書のチェックや会議資料の作成など、事務作業をほぼ1人でこなしています。

-----三和建設に入社した経緯を教えてください。

竹岡さん:建設業界に興味を持った原点は、小学生の時に見た、家を大改造する有名なテレビ番組です。建物ができるまでの過程やお部屋のインテリアなどに感動して格好いいなと思ったんです。番組が好きすぎて、この頃から習っていたピアノで番組のテーマ曲を演奏していたほどです(笑)。

中学・高校に進むにつれて、この業界で働いてみたいという思いが大きくなっていきましたが、将来を考えたとき、「私には難しいかも」とどこか自信が持てなかったんです。加えて、選択肢を絞らず色々なことを学びたいという思いもあったので、大学は文系の経営学科を選びました。

でも、大学在学中もずっと建築業界のことが気になっていたんです。就職活動の時期になって、建設業界以外の会社も見ていたのですが、「やっぱり自分の興味のある業界で働きたい」という思いが強くなっていきました。

-----建設業界にも数多くの会社がありますが、なぜ三和建設を選んだのでしょうか?

竹岡さん:他の会社の選考で私と話す社員はいかにもエリートな「選ばれし営業パーソン」という雰囲気の人が多かったんです。ずっと建設業界に興味はあったけれど、大学は文系で経営学科だし、建設業界に就職することへも不安も残っていたので、「やっぱり私には向かないのかな…」と思うこともありました。

しかし、三和建設の社員と話したとき、他の会社の方と違って、とても話が弾んで親しみやすい雰囲気だったんです。さらに、建設業界への不安を抱えてわからないことだらけの私に対して、「わかる/わからないの前に、まずは興味を持つことが大切だよ」と言ってくださったのは大きかったですね。

入社前でしたが、自分が働いているイメージを強く描けたので、「この会社なら大丈夫だな」と思いました。

忙しそうに見られて「頼られなかった」ことのショック

-----入社してから印象に残っている出来事はありますか?

竹岡さん:入社して数カ月、私の指導役として仕事を教えてくださった10年先輩の女性が退職してしまったことです。私はその先輩をとても尊敬していて、どんなに仕事を任されても嫌な顔ひとつせずに業務をしている姿がすごいなと思っていたんです。

退職の話を聞いたとき、先輩の偉大さを肌で感じていた私は、「このままだと絶対に仕事が回らない」と思って上司に「私たちの部署、今後は大丈夫なんですか?」と聞きに行ったほどでした。

先輩が辞めることになって、私は1カ月間で仕事を引き継ぎました。その後、別のメンバーと一緒に仕事をしていたのですが、やはり先輩の存在は大きくて私の仕事が忙しくなっていきました。

先輩が辞めて1〜2カ月が経ったある日、同僚に「最近の竹岡さんは忙しそうだから、仕事をあまり頼まないようにしているんだよね」と言われてしまったんです。

私としてはまだまだキャパシティがあると思っていたのですが、そうじゃなかった。動きや表情から「竹岡さんは忙しそう」と思われてしまったことにショックを受けました。「私はまだまだだったんだな」と。

-----尊敬できる先輩のようにいかないのは、無理もないと思います。

竹岡さん:でも、会社の人に少なからず心配をかけてしまったのは、やっぱり申し訳ないと思いました。だから、私は「次の日から周りに頼ってもらえる雰囲気作りを心がけよう」と決意を新たにしたんです。

もちろん周りの同僚の助けが必要なときは手を差し伸べてもらっていますが、自分の理想の7割くらいはできていると思っています。

先輩が辞めてからは、違う部署のメンバーに声をかけてもらうことが増えました。残業中に「大変だけど、頑張ってね」と何気ない言葉をかけてもらうたび、「いろんな人に気にかけてもらっているんだな」とありがたい気持ちでいっぱいになります。どんなに忙しくても支えてくれる人がいるのは心強いですね。

打ち合わせの様子/提供:三和建設

周りの"小さな変化"にも気付き「必要とされる人」を目指す

周りに頼ってもらえる雰囲気作りを意識しながら、日々の仕事に取り組む竹岡さん。決意を新たにしてから、どのようなことを心がけているのでしょうか。

-----竹岡さんが仕事をする上で大事にしていることはありますか?

竹岡さん:「小さい変化」に気づける人であることを心がけています。例えば現場から帰ってきた社員とやり取りをする中で、「気丈に振る舞っているけど、もしかして体調が良くないのかもしれない」と思ったら積極的に声をかけています。

違う部署の先輩方が私に声をかけてくれているのは、きっと私の微妙な変化を読み取ろうとしてくれているからだと思うんです。だから私も一緒に仕事をしている社員や同僚の小さな変化を察知できる人になっていきたいですね。

仕事をする上での当面の目標は、仕事を教えてくれた先輩にちょっとでも近づくことです。先輩は工事グループの中でも母親的な存在だったので、そんな役割を担えるようになっていきたいですね。

-----竹岡さんが今後描いているキャリア像を教えてください。

竹岡さん:もっと誰かに必要とされる人になりたいですね。私が必要だと思ってもらえると嬉しいですし、ますますやりがいを感じるんです。

実は今年10月から異動で、大阪本店から東京本店に勤務することが決まっています。

東京本店でどんな業務をするかは未定ですが、三和建設は「社員の成長を促したい」「自分に合った仕事を見つけてほしい」という思いから積極的に複数の職務を経験できる「ジョブローテーション」を積極的に活用しています。

私は今の仕事もとてもやりがいを感じているのですが、今のままでは仕事を効率的にこなすだけになってしまうのではないかという心配もあるんです。そうなると仕事に面白味を感じなくなってしまうので、東京に行くまでにやりたい業務が見つかれば志願したいという気持ちもあります。

でも、大阪を離れたくないという思いも少しあるんです(笑)。生まれも育ちも東京で就職を機に大阪に住み始めましたが、温かい人たちばかりですごくいい街だと感じています。

そんな素敵な大阪の街で自分のキャリアの可能性を探りながら、同僚の皆に必要とされるようにもっと仕事を頑張っていきたいですね。

-----ありがとうございました。残り少ない大阪での仕事も楽しんでくださいね。

憧れの業界でファーストキャリアの一歩を踏み出した後も「周囲から必要とされる人」を目指し、日々奮闘している竹岡さんの姿からは勇気をもらえそうです。

「なぜもっと周りから頼ってもらえないのだろう」と思った時は、自分自身がキャパオーバーになっていないか、自分が周囲のことを意識できているか、彼女のように改めて振り返ってみてはいかがでしょうか。

出典元:三和建設株式会社

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