空の上で活躍する、キャビンアテンダント(客室乗務員)に憧れを持っている人も多いでしょう。飛行機に搭乗している際に目にすることが多いですが、それ以外にはどのような仕事を行っているのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、キャビンアテンダントの仕事内容、条件、なるための方法などキャビンアテンダントになりたい人が知っておきたい内容をご紹介します。
キャビンアテンダントとは?
キャビンアテンダント(客室乗務員)は、飛行機内部の業務を行う仕事です。
飛行機の外のお客様のアテンドをする「グランドスタッフ」と間違えられやすいですが、キャビンアテンダントは飛行機の「中」で業務をすることに違いがあると覚えておきましょう。
キャビンアテンダントの仕事内容
キャビンアテンダントは、飛行機内での「保安管理」「機内サービス」の主に2つの業務に携わっています。
「保安管理」「機内サービス」の業務の詳細について確認していきましょう。
保安管理
保安管理とは、安全を守るために点検や管理をすることを指します。キャビンアテンダントは以下のような保安管理を行っています。
- お客様の搭乗前の機内の安全確認
- 非常用設備の案内や点検
- 飛行機のドアの開閉作業
- 救急処置
- お客様にシートベルトをつけるよう連絡
- 手荷物が足元においてあるかチェック
- 天候悪化時やハイジャックなどが起こったときの機内の安全確保
保安管理をおろそかにしてしまうと、お客様の命に関わってしまう可能性があります。万が一緊急の事態が起こった場合でも、お客様の安全を確保し、保安要員として機内の安全を守ることがキャビンアテンダントの役割です。
機内サービス
キャビンアテンダントが飲み物や機内食の配布などをしているのを目にしたことがある人も多いでしょう。これらは「機内サービス」とよばれます。
キャビンアテンダントは、飲食の提供以外にも以下の機内サービス業務を行っています。
- 新聞や雑誌などの回収
- 寒そうなお客様への毛布の提供
- 免税品や飛行機内限定品の販売
- 入国書類の配布
- インファントの対応
インファントとは、旅行業界で使用される言葉で「2歳以下の幼児」のことを指します。小さな子供にも注意をはらい、快適な空の旅を過ごせるようにすることも重要な仕事です。
キャビンアテンダントの年収・給料の目安
「キャビンアテンダントの給料は安いの?高いの?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省によると、キャビンアテンダントの年収は「320.1万円」です。
国税庁によると平均年収は「461万円」。女性の平均年収は「280万円」とされています。
キャビンアテンダントは男性も増えていますが、大半が女性のため、平均年収よりは低いが、女性の中では比較的高い年収だといえるでしょう。
出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
出典:国税庁「II 1年を通じて勤務した給与所得者」
キャビンアテンダントに向いている人の3つの特徴
キャビンアテンダントは機内の中で華やかな存在感もありつつ、いざというときには保安要員としてお客様の安全を確保することが求められる頼もしい存在でもあります。
では、キャビンアテンダントにはどのような人が向いているのでしょうか。以下では、キャビンアテンダントに向いている人の3つの特徴をご紹介します。
1.コミュニケーション能力がある人
キャビンアテンダントに向いている人の1つ目の特徴は、コミュニケーション能力がある人です。
キャビンアテンダントはお客様だけではなく、キャビンアテンダントやパイロットなどとコミュニケーションを取る必要があります。会話が足りていないと、飛行機の安全が損なわれたり、重大なアクシデントが起こる可能性があったりします。
相手の伝えたいことを汲み取り、伝えたいことはしっかりと伝えられる人がキャビンアテンダントとして活躍できるといえます。
2.言葉遣いやマナーが身についている人
キャビンアテンダントに向いている人の2つ目の特徴は、言葉遣いやマナーが身についている人です。
人と接する業務であるため、言葉遣いや正しいマナーが求められます。航空業界では、敬語の使い方やお辞儀の仕方まで、細かなところまでチェックされます。
言葉遣いは、付け焼き刃の知識ではどうにもならないもの。日々使う言葉に注意しながら、敬語について学んでいきましょう。小説や新聞などの文字を読んだり、意識的に一流のサービスを受けたりしながら、マナーを身に着けていくことが重要です。
3.不規則な生活に適応できる人
キャビンアテンダントに向いている人の3つ目の特徴は、不規則な生活に適応できる人です。
キャビンアテンダントは、早朝出勤があったり、深夜便のために夜中まで働いたりと毎日バラバラの就寝時間は当たり前の仕事。不規則な生活に加えて、時差(ジェットラグ)などにも影響され身体的にもハードです。
体力に自信がある人や、セルフケアに優れている人がキャビンアテンダントとして長期間活躍できるといえます。
キャビンアテンダントに容姿・身長・視力・年齢などの条件はあるの?
「キャビンアテンダントになるには、美人で身長も高くないといけないイメージがある……」と思っている人も多いのではないでしょうか。
実際にキャビンアテンダントになるための身体的な条件は存在します。
例えば、JALの客室乗務員職の応募資格には、身体的な条件は以下のように記載されています。
呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、脊椎等が航空機乗務に支障なく、必要な体力を有し、心身ともに健康な方。裸眼またはコンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上の方。
引用:JAL「客室乗務員職:応募資格」
JALの客室乗務員職では、身長や年齢などの条件がないことがわかります。
他の航空会社では、荷物を高い場所に置く必要があることもあり、アームリーチの条件が付く場合もあります。実際に、アームリーチの条件があるソラシドエアの応募資格のひとつは、以下のとおりです。
緊急時に高さ190cmの場所にある機器の操作に支障がない方
引用:ソラシドエア「客室乗務職:応募資格」
このように、視力やアームリーチなどの条件がついているケースもあるので、募集要件や応募資格をよく確認するようにしてください。
キャビンアテンダントに必要なスキルや資格
次に、キャビンアテンダントになるために必要なスキルや、取得しておいたほうがいい資格などについて確認していきましょう。
語学力
特に国際線の場合は、海外のお客様が搭乗することも多いため、キャビンアテンダントは、語学力、特に英語を話す力が必要だとされています。
例えば、JALの応募資格には以下のように記載されています。
TOEIC600点以上、または同程度の英語力を有することが望ましい。
引用:JAL「客室乗務員職:応募資格」
TOEICで英語力を図るエアラインが多いので、できればTOEICのスコアを出しておくとよいでしょう。
手話技能検定・救命講習
キャビンアテンダントになるためには、英語以外の特別な資格は必要ありません。
最も大切な英語に余裕がある人は「手話技能検定」「救命講習」などの資格をとっておくことも一案です。
手話技能検定を取ることで手話で話せることを提示できると、就活でも有利になります。飛行機は音声でのアナウンスが多い中、耳が聞こえないお客様とスムーズに意思疎通が取れたり、案内ができることで、安心して飛行機に搭乗してもらいやすくなります。
また、保安要員として、飛行機内で病人が出たときに救命活動ができることは大切です。もちろんキャビンアテンダントになったあとでも学ぶことは可能ですが、先取りで学んでおくのもいいでしょう。
キャビンアテンダントになるための方法
「キャビンアテンダントになるには大学に行かなければいけないの?」「どの学部にすすめばいいの?」と将来の進路に悩む人もいるのではないでしょうか。
キャビンアテンダントの多くの求人は、大学・専門学校・短期大学以上の学歴が必要になります。ごく少数の航空会社では高卒でも求人を申し込めますが、高卒で採用されることは少ないことに注意しましょう。
また、どの学部・学科でもキャビンアテンダントになることは可能です。そのため、興味のある学部に入り、一般教養や知識、語学力をつけることをおすすめします。
キャビンアテンダントになるために有利な学部は、強いて言えば「語学系の学部」です。
キャビンアテンダントは語学力が求められており、実践的に英語が使える人は就活でも有利です。
どの大学・専門学校・短期大学に入るかは自由なので、将来のことを考えた上で選ぶことをおすすめします。
キャビンアテンダントのキャリアパス
キャビンアテンダントとして業務を行う際は、まずはエコノミークラスのサービスから始めることが多いです。その後、ビジネスクラスやファーストクラスなどのサービスに移ります。その後は、責任者やチーフとしてキャリアを築いていくことが一般的です。
また、キャビンアテンダントとして磨いた、マナーや教養を生かして、マナー講師やサロンなどを開設する人もいます。
接客業のプロとなることで、他の業界で活躍することも可能だといえるでしょう。
キャビンアテンダントになるための条件を満たそう
- キャビンアテンダントは「保安管理」「機内サービス」を担当する
- キャビンアテンダントは、視力・健康・英語力などの条件がある
- 大学・専門学校・短期大学以上の学歴が必要になることが多い
本記事では、キャビンアテンダントになるための方法や、年収、条件などを詳しくご紹介しました。
視力や健康状態、英語力などの条件を満たすことは簡単なことではありません。毎日英語の勉強をしたり、健康的で丁寧な生活をするように意識しましょう。
本記事を参考に、キャビンアテンダントになるための努力を始めてみてはいかがでしょうか。
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