日々の仕事の中で「このタスク、苦手なんだけどな…」「なるべくあの作業は避けたい」と感じることは、誰にでもあるのではないでしょうか。
しかし、考え方を少し変えるだけで、そんな感情がポジティブに転換されるかもしれません。
株式会社Azitの福井貫太さん(23)は、ある仕事に向き合っている時に言われた「辛いと思うタスクでも、そのひとつひとつの行動が会社の未来をつくっている」という言葉にハッとした経験があるといいます。
「自分の視座の低さに気が付いた」と当時を振り返る福井さんに、詳しく話を聞きました。
ラストワンマイル配送プラットフォーム「CREW Express」
株式会社Azitは、創業当時モビリティプラットフォーム「CREW」を運営をしていましたが、2020年に事業を転換。現在はラストワンマイル配送プラットフォーム「CREW Express(クルーエクスプレス)」を運営しています。
このサービスは、フードデリバリーのような「お客様の元に今すぐに届けたい」配送から、オフィスや店舗間の「企業内配送等の当日配送」まで、事業に必要なラストワンマイル配送の一括構築とDXを可能にします。
スタートアップ好きな学生時代に、成長を求めてインターン開始
福井さんは大学時代、半年間休学をしてフィリピンのセブ島で海外インターンを経験。その後、2020年10月より「CREW Express」立ち上げ段階にあった同社にてインターンを開始し、そのまま翌年10月に新卒として正式入社しました。
現在は「CREW Express」の配送車両やその稼働状況を管理するオペレーターのマネジメント業務などに携わっています。
-----海外やAzitでインターンを始めようと思ったのはなぜですか?
福井さん:大学時代から起業を志していて、とにかくスタートアップ領域が好きだったんです。
特に海外のスタートアップ情報を意識的にキャッチアップしていたのですが、当時は東南アジアのユニコーン企業が続々と誕生しており、純粋に「実態が知りたい」「実際に現地の人の暮らしはどう変わっているんだろう」と興味がわいたことがきっかけでした。
海外に行った経験がなかったので「まずは行ってみよう!」と思って、セブ島で日本人向けにプログラミングや英語を教えるスクールを運営している会社でインターンを始めました。
-----現地の人たちの暮らしが見てみたかったんですね。実際に行かれてどうでしたか?
福井さん:半年間ではありましたが、やはり現地の生活は大きく変化していると感じ、「この国が、数年後の世界をけん引していくかもしれない」とすら思えました。同時に「日本はこのままで大丈夫だろうか…」と焦燥感も抱きましたね。
-----その後、Azitでインターンを始めることに?
福井さん:はい。もともと「既存産業をテクノロジーで良くする」といった事業に関心を持っていたため、当時の「CREW Express」にも大きな可能性を感じ、「ここでインターンできたら自分はすごく成長できるんじゃないか」と思ったことがきっかけでした。
「辛い」と思った仕事も、視座を高めることでポジティブ転換
こうして、Azitにジョインすることになった福井さん。当時はまだ「CREW Express」の配達パートナーが少なかったことから、マネジメントのみならず自らが配達員として稼働するなど、まさに「立ち上げメンバー」の一員として戦力となっていきました。
-----正式入社を決めた理由は?
福井さん:インターンを始める前は「自分の成長のため」という気持ちが大きかったのですが、仕事を続けるうちに、徐々に「この人たちと一緒にサービスを伸ばしたい」と思うようになりました。
事業責任者である上司からも「会社の成長を考えている人が、結局は成長する」と言われたことがあり、マインドの変化が入社の大きな決め手ですね。
-----正式入社後、行き詰まることや力不足を感じることもありますか?
福井さん:行き詰ったこと、あります…。
「CREW Express」配達パートナーが、稼働を始めた時や配送を完了した時などに私たちに報告してくれるためのアプリがあります。
そのアプリで「これから仕事を始めます」と配達パートナーが報告してくれると、私たちやクライアント側で「予定通り稼働していること」が確認できますし、仮にその報告がもらえなかった場合は、状況を確認するために配達パートナーへ架電することもあります。
しかし事情によりアプリの一部機能がうまく作動しなかった期間があり、配達パートナーの稼働状況が私たちやクライアントに見えなくなってしまったんです。
-----それはクライアントも不安になってしまいますね。
福井さん:そうなんです。そのため、オペレーターが都度配達パートナーとコンタクトをとって、予定通り稼働している旨をクライアントに電話でお伝えする…という、とても大変な作業が発生してしまいました。
もちろん私もその対応にあたっていましたが、実は昔から電話にはすごく苦手意識があって…。しかも、こちらの不具合ですので、厳しめのご指摘をくださるクライアントも多く、「辛い…」と思いながら業務にあたっていました。
-----同時に何十台も稼働することもあるそうですね。想像するだけでも大変そうです。それを、どのようにして乗り越えたのでしょうか?
福井さん:事業責任者である上司との1on1で、そのことを正直に伝えたところ、「辛いと思うかもしれないけど、そのひとつひとつの行動やトランザクションが会社の未来をつくって、結果的に福井に何千何百倍になって還元されるんだよ」と言ってくれたんです。
その言葉を聞いた時にハッとしました。「辛いなんて言っていられない」「なんて視座が低かったんだ」と。
私たちにとって、ひとつひとつの「配達完了」が未来の企業価値、ひいては自分の価値の一部に繋がっていくんです。そう思考を転換した途端、架電にも前向きに取り組めるようになり、「辛い」と思わなくなりました。
常に"企業価値の向上"を考えることで自分も成長できる
-----視座を高めて物事を捉えられるようになったんですね。
福井さん:はい。それ以来、何かタスクに取りかかる時も、言われた通りにこなすのではなく、「何のためにやっているのか」「何ができたらよいのか」を、"企業価値の向上"という観点で考えるようになりました。
そうすることで、例えば「この方法よりも別の方法がよいのでは?」と、当初想定していたものとは別の解決法が生まれることもあります。
「企業価値を高めるためにすべきこと」を考えて、それを実践していくことで、結果的に自分が成長できる。これに気が付けたことは、自分にとって大きな出来事でした。
-----実際、インターンを始める前の自分と比べて、成長を感じることはありますか?
福井さん:そうですね、以前は「事業立ち上げ」を実現するためには、何か一つ"強い武器"がいるのかな…とか、スキルの面ばかり考えてしまっていましたが、「実際はそういうことではない」と、身を持って知ることができたのは成長できた部分じゃないかなと思います。
実際に立ち上げに携わって「自動化されていること以外はすべてやる泥臭さ」なども経験したことで、解像度が上がりました。
守備範囲を広げ、サービスの伸びに直結する貢献がしたい
-----最後に、キャリアにおける今後の目標についてお聞かせください。
福井さん:まずは「CREW Express」の初期に福井がいたから成長角度が変わったよね、と言われるぐらい、サービスの伸びに直結する貢献がしたいです。
スタートアップに必要なのは、スキルや経験と言うよりも「物事の吸収の速さ」だと上司教えてもらったことがあります。そのため、貢献度合いを上げていくために「守備範囲の広い」人になりたいですし、ゆくゆくは経営にも携わってみたいです。
長期的には、Azitでの経験を活かして、何か社会の負を解決できるサービスを立ち上げたいです!
-----ありがとうございました。
福井さんはAzitでの経験を通じ、一段上の視座から物事を捉えることの大切さを学んだことで、ひとつひとつのタスクに取り組む姿勢も大きく変わったと話します。
「このタスクが未来の企業価値をつくっている」と思考を転換し、どんな時でも前向きに走り続けることで、自分自身もきっと成長できるはず。
今もし目の前のタスクに苦手意識があったり、「やりたくないな…」と思ってしまったり、ネガティブな感情にとらわれてしまっている人は、自分なりに視座を高めて「このタスクが積み重なった先にどんな未来があるのか」を想像してみてはいかがでしょうか。
会社の目指すミッションに共感できていれば、きっと「やってやろう!」という気持ちになれるでしょう。
出典元:株式会社Azit
出典元:CREW Express
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