「自信がない」「未経験だから」と、新たな挑戦を躊躇ってしまうことは誰にでもありますよね。経験してみないと分からないことも多いので、是非えいっと飛び込んで、自分を試してみたいものです。
編集・執筆未経験でインターンを始めた株式会社かくしごとの守屋あゆ佳さん(22)は、入社半年で学生エディターのエースと呼ばれるほどに急成長。現在は複数のメディアで執筆を担当しながら、10代向けのメディア運営を中心となって支えています。
どうしたらそのような急成長が叶うのでしょう。詳しく聞いていくと、守屋さんの“新しい環境に入るときの心がけ”と“編集力”にヒントがありました。
「編集力」を活かし、様々な課題解決に最適なコンテンツを届ける
株式会社かくしごとは、編集者による言葉起点のクリエイティブ・エージェンシー。多数の媒体で執筆・編集を行いコンテンツ作成をしている他、読むチョコレート・Chocolate Libraryの商品企画、リアルイベントの企画など、「編集力」を活かして幅広く活動しています。
2022年4月よりインターンの学生エディターによる事業を本格化。学生ならではの視点・感性でつくるコンテンツを、シーンに合わせて世の中に広く提供していく考えです。
執筆した分だけ受けたフィードバックで急成長
以前の守屋さんは文章を書くのは学校の課題程度で、コンテンツ制作に携わるようになったのはインターンを始めてからとのこと。現在は、コンテンツ制作では量・質ともに貢献し、学生エディターの中でも大活躍だといいます。
-----執筆や編集の仕事には以前から関心があったのですか。
守屋さん:幼い頃からファッションや出版の業界に関心はありました。母の影響で小学2年生からファッション誌を読んでわくわくしていましたし、中高生の頃は複数の雑誌を購入して読み比べていたんです。雑誌によってアプローチや切り取り方が違うことを知って「雑誌をつくる仕事ってかっこいい!」と思い、作り手になりたいという気持ちがありました。
地元・秋田から上京後は、かくしごとに入る前からしているコミュニティマネジメントの仕事を通じて、人と話したり、それを伝えたりすることにも興味をもつようになりました。執筆をしたいと考えたことはなかったけれど、かくしごとのプレスリリースを見て、私も学生エディターとして活動したいと思ったんです。
憧れていたファッション誌の仕事もできますし、読者だった雑誌の編集長ともつながりのある会社で働けていることが光栄です。貴重な経験ができています。
-----仕事を始めて半年ほどで、エースと呼ばれるほど活躍なさっていることが驚きです。インターンを始めてから、どのように取り組まれてきたのですか。
守屋さん:文章を書くことに苦手意識がなかったのが大きいと思います。人の話を聞くのは好きだし、実際に執筆をしていくなかで、文字に起こして伝えることが苦ではないことに気づいたんです。おかげで量をこなせました。
書いた記事は弊社代表の黄さんが編集し、フィードバックをもらえるので書くほどに文章のコツが分かるようになりました。フィードバックを受ける機会が多かったことが、今に繋がっていると思います。
憧れの人の「生の言葉」に、大きく影響を受けている
-----現在メインとなって運営されている『Steenz』では各分野で活躍している10代の方のインタビューが掲載されています。運営ではどのようなことを意識しているのでしょうか。
守屋さん:運営メンバーで大切にしているのは、バランス感覚です。メディアのコンセプトに合うよう、ジャンルや業界の垣根なく、自分のスタイルで頑張っているティーンを取り上げるようにしています。
小学館の10代向けメディア『Steenz』は1日1人の10代を紹介していて、取材対象の人探しから取材・記事制作を、他のライターたちとも協力しながら担当しています。取材は土日にまとめて行うのですが、毎週刺激を受けています。夢のために路上ライブを頑張っている子、インスタで毎日作品を発信している子などアグレッシブでエネルギッシュな人が多いので、彼らの頑張りや活動の魅力を紹介しながら、私もまだまだ頑張らなきゃなと刺激を受けます。
-----22歳の守屋さんだからこそ、10代の方と近い目線で引き出せるものがあるのだろうと感じる記事でした。一方で、20代・30代の方の記事も制作されていますね。
守屋さん:『あの人に聞く、“私の10代”』という特集で、10代から軸をもって活動してきた方の考えを紹介していて、私も取材や執筆を担当しています。各業界で活躍している方から直接お話を伺えるのは勉強になることばかりです。
-----特に印象に残るお話を聞かせていただけますか。
守屋さん:株式会社arca代表でクリエイティブディレクターの辻愛沙子さんと、SILENT SIRENの山内あいなさんからは、特に大きく影響を受けました。お二人とも、以前から憧れていた方です。
辻さんは、実績のある人が使う「クリエイティブディレクター」という肩書を、経験が少ないうちから使うことに抵抗があったそうです。しかし、今の時代は視点も大切だし、そこに経験年数は関係ないと考えるようになったと伺い、ハッとしました。私自身、未経験から「学生エディター」と名乗ることに遠慮する気持ちがあったのですが、22歳の私だから切り取れる視点があるはずと、迷いがなくなりました。
また山内さんは、ガールズバンド・SILENT SIRENの活動休止について「休むことは、終わらせることではない。一度休んでも、本当に好きならまたそこに帰ってくる」とお話してくださいました。私も含めて今のZ世代は、早く何者かにならなくちゃと生き急いでいるように思います。選択肢の一つとして休むのは悪いことではないと気付けたから、2年ほど続けてきたコミュニティマネジメントの仕事を一旦お休みしようと決めることができました。その分の時間は、かくしごとでさらにいろいろなジャンルに挑戦したいと思っています。
過去の仕事と今の仕事をつないで、創り出したイベント
かくしごとで特に印象深い仕事は、小学館『Steenz』と外務省が一緒に開催したオンラインイベント「JAPAN CLIMATE CHALLENGE DAY 2022」とのこと。
-----気候変動問題がテーマのこのイベント、どのような経緯で開催に至ったのでしょうか。
守屋さん:以前お世話になった外務省の方とお会いして、一緒に何かできないだろうかとお話したところからイベントが生まれました。
私は高校卒業後、語学の専門学校に進学したのですが、在学中に、第7回アフリカ開発会議(TICAD 7)に学生メンバーとして運営に携わりました。その際にお世話になった外務省の方が、日本の気候変動に対する考えを若い世代に発信していくイベントを模索してらっしゃって。小学館の『Steenz』とコラボしてイベントが開催したいと思い、『Steenz』担当の方にも相談して実現したものです。
-----守屋さんの過去の外務省での経験と、かくしごとで現在担当していることがつながった形ですね。
守屋さん:はい、当時お世話になった方と一緒にお仕事できてうれしく思います。『Steenz』でつながった方がZ世代代表として出演したことなども、これまでやってきたことがつながった感覚があり、自信になりました。
飛び込んだら全力コミット。それが次につながっていく
-----過去の様々な経験がしっかりと今につながっているのが素晴らしいと感じるのですが、どのようなことを心がけているのでしょう。
守屋さん:かくしごとでもそうでしたが、興味をもって飛び込んだ先ではまず、量も質も全力でコミットしようと決めています。特に何かをつなげようと意識している訳ではないのですが、やりたい!面白そう!と新しい環境に飛び込んで、そこで身に付けたスキルや経験がつながっていくと、学んできたことが報われたように思います。
かくしごとでは学生エディターを中心に動画制作の朝活サークルを運営しているのですが、そこでは学生から人気雑誌の編集長まで、10代から50代の参加者が同じ目的でフラットにつながれるのがいいなと感じています。コミュニティマネジメントの経験も活かせますし。コロナ禍で上の世代と関わる機会が少なくなっている今だからこそ、人間関係を広げる機会もつくっていきたいです。
-----かくしごとの、編集力を新たな領域に展開していく取り組みを体現しているように感じます。今後実現したいのはどんなことですか。
守屋さん:今はいろいろなジャンルに挑戦し、かくしごとでのライティングや編集の力をつけたいです。外国語大学に在学しているので、語学ももっと磨いてプロとしてお仕事できるレベルにしたいと勉強に励んでいるところです。
将来この職業に就きたい、と定めているものはないのですが、自分にできることをひたむきに続けて、スキルを身に付けていけたら。いつか私も、誰かの「やりたい!」に編集者として貢献し、形にできたらうれしいです。
量も質も全力コミットする。そう決めて飛び込むことで、結果より多くのものを得られるのでしょう。
経験や情報、モノなどを集めて選び、必要なもの同士をつなぐ“編集力”は、文章に関わる人でなくても役立てられるものです。
自分の経験やスキルで、今の仕事や生活につなげられるものはないか……改めて考えてみると、今後のキャリアに活きるヒントが見つかるかもしれません。
出典元:株式会社かくしごと
出典元:Steenz(スティーンズ)
【関連記事】
憧れのキャリアアドバイザーへ転身!前職のマネジメント経験を最大限に活かした「介在価値の高め方」
セカンドキャリアを考え始めた時、「全く異なる業界や職種への転職は、現職の経験が活かせない」と思い込んでしまうことはありませんか? 未経験の業界へ職種に挑戦することは、本当に「ゼロから」のス...
「勝ち筋が見えなかった」ピボットも頭をよぎったモヤモヤ期を経て、若手起業家が再び立ち上がったその理由とは
目標があり、そこに向けて懸命に進んでいたとしても、「うまくいかないこと」「自信がもてないこと」に直面し、足取りを止めてしまうことは誰にでもあるでしょう。 あなたはそんな時、どのような行動を...
“自分だからできるかけ算”を積み上げる。入社1年目から、自分のやりたい仕事に携わるための思考法
やりたいことがあって希望していた職業に就けたとしても、入社後すぐにやりたいことができる人ばかりではありません。 「こんなはずじゃなかった」「いつになったらやりたい仕事ができるだろう」という...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう