悲しいことやショックな出来事があったとき、まわりが見えないほどふさぎ込んでしまうことはありませんか?そうすると、目の前に訪れたチャンスもつかみ損ねてしまうかもしれません。
株式会社チェンジ・ザ・ワールドの入社2年目・香山勇斗さん(23)も、過去にそのような経験をしたうちの一人。しかし、苦境にもくじけず目の前に訪れたチャンスをつかみ、現在は昔から興味のあった仕事に邁進しています。
香山さんの"新たな挑戦"について、詳しく話を聞きました。
再生可能エネルギーを身近にするチェンジ・ザ・ワールド
株式会社チェンジ・ザ・ワールドは、本社を山形県に置き、東京都や千葉県に支社を持つ企業です。「グリーンエネルギーの発展にみんなが参加できる社会の実現」を掲げて事業を展開しています。
具体的には、誰でも簡単に約300円から太陽光発電所をはじめとする再生可能エネルギー発電所を小口購入することができるウェブサービス、「ワットストア」を提供。現在は、はじめての世界進出を目指して動いています。
香山さんは経営企画室で海外展開というプロジェクトに携わり、「ワットストア」を米国市場に参入させるため、「どの州で太陽光発電所を建設するか?」「どのインセンティブやレギュレーションのもとで太陽光発電事業をおこなうのか?」といったリサーチ、企画などを行っています。
経営企画室で海外展開事業を主導
-----海外展開に向けたリサーチや企画などグローバルなお仕事をされているようですが、主に使用している言語は英語ですか?
香山さん:はい。両親ともに日本人ですが米国に住んでいて、私も米国育ち。日本へ来たのは1年半前なので、日本語よりも英語のほうが得意です。日本語の日常会話は問題ありませんが、ビジネス用語になると難しいですね。とくに、再生可能エネルギー関係の専門用語は難しいので苦労します。
-----では、間違えないための工夫などもされているのでしょうか?
香山さん:はい。まずは、日本語よりも得意な英語でしっかりと情報をインプットし、それを日本語で説明できるよう意識しています。
具体的には、米国の方とのやり取りや書類のインプットが多いです。そのなかでも一番大変なのは、書類を日本語に訳して情報共有することです。主な担当者は私一人なので、間違いのないよう慎重に行う必要があります。
入社のキッカケは外資系企業のレイオフ
-----チェンジ・ザ・ワールドへはどのような経緯で入社されたのですか?
香山さん:実は私、チェンジ・ザ・ワールドへ入社するまでのあいだにフードデリバリー関係の外資系の企業に新卒入社し、3カ月ほど勤めていました。ところが、ポジションがクローズしてしまい、その流れでレイオフ。一時解雇されてしまったのです。
私にとってはじめての仕事だったこともあり、自分の力不足を責めました。精神的にもキツかったです。そんなときに声をかけてくれたのが、私がインターンでお世話になった社長の友人であり、チェンジ・ザ・ワールドの代表取締役、池田さんでした。
-----それで、入社することになったわけですね。インターンでも、現在と同じような仕事をされていたのですか?
香山さん:いいえ。インターン時代は、仙台の会社でインバウンドマーケティングを担当。2011年の東日本大震災で被害を受けた東北の街のために、「どうやったら海外の観光客を引き寄せられるか?」ということをテーマに、マーケティングコンテンツを作成していました。
また、東日本大震災による津波の影響で、大きな被害を受けた名取市のメモリアルや地震の歴史を翻訳し、外国の方たちにも「3.11」で何があったのかがわかるように、博物館や施設に提供していました。
初仕事は、アクセラレータプログラムへの代表者としての参加
-----チェンジ・ザ・ワールドは、インターン時代や新卒入社した企業の仕事とは業種が違いますが、抵抗はありませんでしたか?
香山さん:昔から興味のあった環境貢献を軸とした事業内容だったので、抵抗はありませんでした。入社したいと思ったのは、山形にある本社を1週間ほど見学した時、働いているメンバーが環境貢献に対して熱心で情熱的だと感じたからです。
-----実際に入社されて、いかがですか?
香山さん:入社してすぐ、イスラエル大使館と東北のスタートアップ企業が連携し、海外展開を目指して事業内容をブラッシュアップする「イスラエルアクセラレータプログラム」へチェンジ・ザ・ワールドを代表して参加することになり、驚きとともに動揺しました。
まわりは、スタートアップの代表や取締役の方ばかり。「そのなかに、入社1年も経っていない私が代表として参加してもいいのか?」と、最初は自信もなく、このような雰囲気のなかでやっていけるのかという不安がありました。
-----入社後すぐに任された大きなタスク。その時の不安な気持ちを和らげてくれたのが、社長の言葉だったとか?
香山さん:社長からの「失敗を恐れず、もしも失敗したときは原因をみつけて反省し、その後の成功につなげればいい」「失敗してもいいから頑張って」という心強い励ましの言葉がモチベーションになり、自信を持って仕事ができました。
-----では、最初からスムーズだったのでしょうか?
香山さん:いいえ。主にイスラエルの投資家や起業家にチェンジ・ザ・ワールドのビジネスピッチや海外展開の事業計画などのプレゼンを行う内容だったのですが、最初は私のピッチに対して聞き返されたり、首を傾げられることも多かったです。
-----自信がなくなりそうですね…
香山さん:はい…。でも社長の言葉を胸に、自分なりに気持ちを高めて努力し続けました。最終的には自分が納得できる内容で発表できましたし、ビジネスモデルについて深く学ぶことができる貴重な体験になったと思っています。
イスラエルの投資家や起業家の方たちからは、さまざまなフィードバックをいただき、ブラッシュアップもできました。また、「すばらしい!」「成長した」といったお褒めの言葉もいただいて、8カ月間のプログラムは先月無事に終えています。
理想的な職場環境だから大切にしたいこと
-----大きなタスクが終了し、プレッシャーからも解放されたのでは?
香山さん:そうですね…。実は今、海外展開という大きなプロジェクトを主に一人で担当しています。事業計画も立てるのですが、方向性が合っているのかわからず自信が持てなくなることもあります。
-----孤独を感じることもありますか?
香山さん:それはないですね。相談できる先輩がたくさんいますし、経営陣にも相談しやすい雰囲気です。事業計画の発表などでは、社長からお褒めの言葉や励ましの言葉もかけてもらえます。
ファミリー感のあるすばらしい環境なので、孤独を感じることはありません。また、失敗を恐れずチャレンジした「イスラエルアクセラレータプログラム」の体験で、私自身が少し強くなれた部分もあるように思います。
-----すばらしい職場環境ですね。
香山さん:はい。そのため、失敗を恐れず、リソースを活用したり先輩方に質問や相談をしたりしています。ただ、社長や役員に資料などを確認してもらう時は、話の概要をまとめてからアプローチするなど、相手の貴重な時間を無駄にしないことを大切にしています。
マルチカルチュラルな自分を活かす
-----大きなプロジェクトが完了したばかりですが、次の目標などはありますか?
香山さん:海外の市場に参入するビジネスディベロップメントには、非常に興味があります。そのため今後も、米国と日本それぞれの文化を経験したマルチカルチュラルとしてのバックグラウンドを活かし、チェンジ・ザ・ワールドのグローバル市場展開を実現していきたいです。
-----マルチカルチュラルな香山さんだからこその目標ですね、頑張ってください。貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。
香山さんは、新卒入社した会社でポジションクローズやレイオフといった不遇な経験があったからこそ、昔から興味のあった環境貢献に熱心な企業に就職することができたと前向きに捉えています。そして、失敗を恐れずに大きなタスクへも挑戦。日々邁進しています。
もしもいま不遇な状況にあると感じている人がいるなら、それはチャンスをつかむための準備期間かもしれません。明るい未来を拓くためには、塞ぎこまずに自分を磨いてチャンスをモノにし、香山さんのように失敗を恐れずチャレンジすることが大切と言えるのではないでしょうか。
出典元:株式会社チェンジ・ザ・ワールド
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