HOMEビジネス あなたの「ガクチカ」大丈夫?面接で求められているのは"華々しさ"ではなく、自分自身の行動軸

あなたの「ガクチカ」大丈夫?面接で求められているのは"華々しさ"ではなく、自分自身の行動軸

kenta nakai

2022/05/20(最終更新日:2022/05/20)


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イメージ画像/AdobeStock

新型コロナウイルスの影響で生活様式もすっかり変わり、就職活動も一変。オンラインで大学生活を送ってきた学生の中には、「リアルな場を前提とした学生生活に制限が加わり、なかなか行動できない」「そもそも企業が何を求めているのか、何をアピールすべきかわからない」と悩む人も多いでしょう。

しかしそもそも、企業が「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」を聞く理由とは何なのでしょう。そこに求めている真意を考えてみることで、就活への向き合い方が変わるかもしれません。

コロナ禍の就職活動は、理系より文系が不利?

2022年4月に株式会社ネオキャリアが23年新卒へおこなった調査によると、面接対策に次いでエントリーシート(志望動機・ガクチカ・自己PR)に苦戦している学生が多いようです。

また、理系に比べて文系学生の方が、就活についての悩みを持っているということが明らかに。

ゼミや研究などで継続的に学習をしていく機会の多い理系学生と比較すると、そうした機会の少ない文系学生の方が、エントリーシートに記載するガクチカの内容が乏しくなる傾向があるようです。

コロナ前であれば留学やボランティア、サークル活動などを盛り込むことができたものの、コロナ禍ではそれも難しくなりました。

そうした背景もあり、「話せるエピソードがない」と頭を悩ませてしまう学生も多い現状。しかし実は「ガクチカ」のそもそもの意図について、誤解をしている学生も多いことがわかっています。

学生の持つ「ガクチカ」に対する2つの誤解

ネオキャリアグループ・就職エージェント事業部で副部長を務める橋本 健一さんは、「ガクチカが書けない」という就活生は2つの誤解を抱いていると指摘します。

1つ目は、「他の就活生よりインパクトがある話を盛り込まないといけない」という誤解。エピソードを盛ってしまい、追加の質問で答えられなくなってしまったという話はよく聞くかもしれません。2つ目は、「こう答えれば合格するという正解がある」といった誤解。過去に通過した回答をそのまま自分の面接で言うことで、果たして本当に納得いく結果に繋がるのでしょうか?

この2点の誤解はコロナ前からあったそうですが、コロナ禍で活動が制限されたことで、拍車がかかってきたといいます。

これらの考え方が誤解なのだとすると、企業側が「ガクチカ」を聞く真意とは一体何なのでしょう。

華々しさを重視するのではなく、自分自身の行動軸を言葉に

人事が面接を通して把握したいことは、「入社後、自社の仕事で活躍できるか」だといいます。

会社によって事業内容や仕事、そのために必要なスキルは異なりますが、いきなり面接で「当社が求めるスキルをあなたはお持ちですか?」と質問しても、当然、経験も知識も少ない就活生は簡単には答えられません。だからこそ、別の質問を通して入社後をイメージできる情報を聞き出すしかないのだそう。

そこで登場するのが「ガクチカ」です。他にも「自己PR」や「強み」といった言葉に変わることがありますが、基本的にはこれまでの人生で「何をやったか」という行動を問います。さらに「なぜその行動をとったの?」「その後どうなった?」「どう感じて次はどのような行動をした?」など深堀ることも。

そうした会話を通じて、その人の性格や行動パターンを想像し、入社後のイメージを膨らませたいと、面接官は考えているのです。

そう考えると、「華々しさは不要」「正解はない」といった言葉にも納得がいきますね。「ガクチカ」の真の意図を知り、自らの誤解に気づいた学生の方も多いのではないでしょうか。

「コロナだから話すことがない」とエピソードの大小に頭を悩ませるのではなく、「その行動に至るまでにどう考え、どのような過程を踏んできたか」と、自身の思考や体験を深掘っていくことが重要かもしれませんね。

【調査概要】

調査期間:4月1日(金)~8日(金)
調査対象:2023年3月に卒業予定の大学3年生413人(理系は大学院修士課程1年生含む)
文理比:文系376人、理系37人
地域:北海道5人、東北9人、関東222人、中部61人、近畿83人、中国・四国2人、九州31人
調査方法:インターネット調査

ネオキャリアグループ HP:https://www.neo-career.co.jp

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