つい周りの人と比べてしまい、自信がなくなってしまうことはありませんか?
学生インターンを経て、大学院卒業後にTURING株式会社に新卒入社した塩塚大気さん(24)は、自分が進みたかった業界へ進むことに対し、「自分では実力が足りない」と考え、一度は諦めました。
しかし、TURING株式会社のCEOに言われた“ある言葉”で、挑戦することを決意。塩塚さんをそう思わせたきっかけは何だったのか?詳しく話を聞きました。
完全自動運転車の開発を行うTURING株式会社
TURING株式会社は、完全自動運転車の実現を目指し研究開発・販売に取り組んでいます。2021年8月の設立以降、自動運転AIアルゴリズムの開発や走行実験を行っています。
自信がなかった自分にかけてくれた言葉
塩塚さんは、2021年秋から同社にインターンとして参加。2022年4月に正社員として入社し、現在は自動車の制御と機械学習モデルによる自動走行の実験業務を行っています。
-----入社の経緯やきっかけを教えてください。
塩塚さん:共同代表の山本が、Twitterにて「私と話してみたい人、いいねしてみて」とフランクな感じで投稿をしていて、それに対して私がアクションを起こしたのがきっかけです。
もともと私は、東京大学の大学院で自動運転の研究や機械学習、AIに関わることを学んでいたので興味はあったのですが、自動運転はアメリカや中国の企業の勢いが凄いことや、自動運転の研究は“天才たちの領域”だと思いこみ「私はそこに入れないだろうな」と考えていたことから、全く別業界の会社へ就職を決めていたんです。
しかし、お話をしている中で「本気で自動運転を実現させる」という山本の強い決意を目の当たりにして、凄く魅力を感じたんです。
-----それで、インターンとしてジョインすることを決めたのでしょうか。
塩塚さん:実は、私の実力ではTURINGで活躍できないと考えて、一度はお断りしました。しかし、その時に山本が「素敵な勘違いをしよう」と言ってくださったんです。
これは「“自分たちでもできる”という勘違いをしよう」という意味なのですが、その時に私も、「今は力は及ばないかもしれないけれど、素敵な勘違いをしたいな」と思って、インターンとして一緒に働くことを決めました。
入社は、インターンをしていた期間がとても充実していて、徐々に「"自分でもできる"と思っていいのでは」と思えたことが大きな理由ですね。
大学院とインターンを両立しながら、デモ運転に成功
-----実際に働いてみて、最も印象に残ってることは何ですか?
塩塚さん:学生のアルバイトインターンとして働いていた時のことを挙げると、その時一緒に仕事をしていた学生4人のメンバーで、私有地を完全自動運転で走行するデモが成功したときは凄く感動しました。
山本がAI、もう一人の共同代表である青木が自動運転で凄く有名な方なので、2人から見たらもどかしい状況が多かったと思うんですが、一歩引いて任せてくれたこともあって自由に開発ができて、凄くワクワクしましたし、楽しかったです。
-----凄いですね。どれくらいの期間でデモに成功されたのでしょうか?
塩塚さん:11月から12月の2カ月間です。正社員が1人もいなかったので、卒業間際のメンバーなど、それぞれ学業と並行させながら空いた時間を見つけて、皆で開発を進めました。
創業したばかりの会社で、メンバーが全員フルタイムではないにもかかわらず、車の制御から機械学習、何から何まで、一気に進んで行ったことには、正直「こんなに早く進むんだ」という衝撃を受けました。
そのスピード感を目の当たりにした時に「こういう会社が、日本の未来を変えていってくれるんだろうな」と、純粋に思いましたね。
-----学業との両立は大変ではなかったですか?
塩塚さん:自分の修士論文も追い込みの時期だったので、正直かなり苦労しました。しかし、大学での研究も、TURINGも、本当に毎日楽しく取り組めたんです。そのため、体力的にキツイと感じることはあっても、気持ちが辛くなることはなかったですね。何より、TURINGのメンバーは優秀な人が多いので、とにかく刺激があって、学ぶことも多かったですね。
それから、共同代表である2人がかなり自分たちのケアをしてくれて、その時に「この会社だったら正しく頑張れそうだな」と思ったことも、入社を決めた理由のひとつでした。
新卒で最初の社員に
-----新卒でスタートアップの企業に入社するというのは、勇気のいる決断ではなかったですか?
塩塚さん:そうですね。最初の社員として、新卒でスタートアップに入るという選択は、特殊なケースかもしれません。私を含め、そのそれぞれの社員は一人ひとつずつプロジェクトを持っていて、「そこにインターンが入って一緒に動く」という感じなので、新卒なのに中間管理職みたいな感じです。
-----入社してから間もないのに、もうインターン生の指導も行っているんですね。マネジメントにおいて気をつけている部分などはありますか?
塩塚さん:安全を担保することは特に気をつけています。車を扱う仕事なので、色々と危険が伴う分、何かあった時の最終的な責任は自分が取れるようにしています。そのうえで、学生が楽しく開発できるような環境にしたいですね。
また、社員とインターンの線引きはしないようにしています。優秀な人たちが良いパフォーマンスを発揮できるように、変な上下関係は絶対に作らないように、教えてもらいたいことは私も素直に聞いています。
”天才じゃない”なりの戦い方を見つける
-----入社後に力不足や経験不足を感じたエピソードはありますか?
塩塚さん:力不足や経験不足というのは、1日何十回も感じています。本当に周りが優秀な人ばかりなんですよ。単純なエンジニアとしての能力もそうですし、考える力もある。そんな凄い人たちがたくさんいる中で、自分がどういう風に価値を出せるか…ということはよく考えています。
私も大学院まで自動運転や機械学習を学んできたんですが、会社の中で私より知識がある人も、優秀な人もたくさんいます。これまでは、勉強をして大学に入って、成績もよくて、大学院の中でも、論文などを多く出していたので、それなりに頑張ってきたかなと思っていたんですが、TURINGに入って「こんな凄い人たちがいるんだ」と衝撃を受けました。今のメンバーと出会った時は、"知らない世界を見た"ぐらいの感覚でしたね。
-----そんな中で、起こしてよかった行動やかけてもらってよかった言葉はありますか?
塩塚さん:山本に「天才じゃなくても、天才じゃない自分なりの戦い方を見つけてみたら」という言葉をかけてもらいました。「メンバー全員が本当に凄い天才でも、絶対に抜けている部分はある。だから、塩塚さんが"自分は天才じゃない"と思っているなら、それを自覚した上での戦い方っていうのを考えていこう」と。
青木も「無理だ」「できないよ」などネガティブなことを絶対に言わないんですよ。「何かやってみたら?」と言って、できた時に「やればできるじゃん!」と、基本的にポジティブなことしか言いません。そのため私も、現状は把握するけれど、ネガティブにはならないように心掛けています。
-----キャリアにおける今後の目標について教えてください。
塩塚さん:正直あまり考えていないんです。キャリアを考えるのはもう少し先でいいかなと。今できることを精一杯やった結果が、成功につながると思いますし、そうすることで、自然に自分のレベルが上がっていくと思います。
今は、まずはTURINGとして、自動運転機能が付いた電気自動車の販売を実現するために頑張りたいです。
-----ありがとうございました。
「最初は“自分には無理だ”と思っていたんですが、入ってみると、本当に凄く刺激があって、成長できるいい環境でした」と語ってくれた塩塚さん。インタビュー中も「開発の仕事は凄く楽しい」と笑顔を見せてくれました。
自分を客観視して、「何ができるか」を考えることは大切です。しかし、時には塩塚さんのように「“自分にもできる”という素敵な勘違い」をすることで、可能性は大きく広がっていくかもしれません。
出典元:TURING株式会社
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