合格率が10%前後と難易度が高い行政書士試験に合格するためには、事前の情報収集が大切です。
本記事では、行政書士試験の難易度や合格率、スケジュールなどをご紹介します。行政書士試験に合格したいと思っている人はぜひ参考にしてくださいね。
行政書士試験の難易度とは?
「行政書士試験は難しい」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。行政書士の合格率は10%前後であり、難関の国家資格だといえます。
その他の国家資格である「宅建士試験」の合格率は「約15%」、「司法書士」の合格率は「3〜5%」です。行政書士の合格率は、宅建士と司法書士のちょうど間ぐらいに位置します。
人気の「ファイナンシャルプランナー試験2級」の合格率は「50%」であることから、士業の試験に合格する難しさがわかるのではないでしょうか。
行政書士試験の合格率
行政書士試験の合格率は、毎年「10%」前後の高難易度の試験です。
令和3年の試験結果は、受験者47,870人に対して合格者は「5,353人」、つまり合格率は「11.18%」でした。
平成26年度の合格率は「8.27%」、平成28年度の合格率は「9.95%」と多少合格率が下がる可能性もあります。
参考:行政書士試験研究センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」
行政書士試験の合格者層
「自分には行政書士試験を目指すのには遅すぎるかもしれない」「新しく勉強するのもな……」のようにネガティブな気持ちになっている人もいるのではないでしょうか。
令和3年度の行政書士試験に合格した最年少者の年齢は「14歳」、最年長者は「82歳」です。このように、何歳でもチャレンジをして受かっている人達もいるため、遅すぎることはありません。
行政書士試験にチャレンジしている最も多い年齢層は、40代です。続いて50代、30代、20代の順に行政書士試験に挑戦しています。
何歳になっても諦めず勉強すれば行政書士を取ることは可能なので、諦めずに勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
参考:行政書士試験研究センター
参考:行政書士試験研究センター「最近3年間における行政書士試験の受験者・合格者の属性」
行政書士試験の試験内容・科目と合格基準
行政書士試験の試験内容は「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」から出題されます。
「行政書士の業務に関し必要な法令等」からは択一式の問題が43問、記述式の問題が3問出題されます。
「記述式の問題は3問しか出題されないのか」と安心した人もいるのではないでしょうか。
択一式の問題の満点が「184点」であるのに対して、記述式の問題の満点は「60点」です。記述式の問題は一問20点と重たいので、必ず勉強しておきましょう。
「行政書士の業務に関連する一般知識等」からは、択一式の問題が14問出題され、満点が「56点」です。
行政書士試験の合格基準は、行政書士試験研究センターによると以下のとおりです。
(1) 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者
(2) 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者
(3) 試験全体の得点が、180点以上である者引用:行政書士試験研究センター「令和 3 年度行政書士試験合否判定基準」
行政書士試験は全体の点数に対して自分の点数が高ければ受かる「相対評価」ではなく、「絶対評価」で合格が決まります。
行政書士試験の日程・スケジュール
行政書士試験の日程は毎年変わるため、本記事では令和4年の試験をクローズアップしてご紹介します。
必ず自分の受ける試験の日程を確認し、それにあったスケジュールを立てるようにしてください。
受験申込受付期間に間に合うように、受験申し込みを行う必要があります。受験申し込みは、「郵送申込み」「インターネット申込み」があります。
郵送申し込みが令和4年7月25日~8月26日であるのに対して、インターネット申込みが令和4年7月25日午前9時~8月23日午後5時までであることに注意しておきましょう。
郵送申し込みをしたい人や試験案内を手に入れたい人は、令和4年7月25日~8月26日までの間のみ手に入れることが可能です。
センターに郵便で請求し郵送してもらったり、窓口で受け取ったりできるので、どちらかの方法を選びましょう。
試験は、令和4年11月13日の日曜日、午後1時~午後4時に行われます。日曜日が休みではない人は必ず有給をとって休めるようにしておきましょう。
合格発表は、令和5年1月25日に行われます。試験から合格発表までかなり時間がかかりますが、落ち着いて合格発表を待つことをおすすめします。
参考:行政書士試験研究センター
参考:行政書士試験研究センター「試験・申込手続きについてのFAQ」
行政書士試験に合格するための勉強時間の目安
行政書士試験に合格するための勉強時間の目安は、800~1,000時間だと言われています。
「800~1,000時間」は、全く法律に関して勉強したことがない人がかかる時間です。法律に関する知識がある人は「500~600時間」程度かかると言われています。
1年間毎日3時間程度勉強すると「1095時間」勉強することになります。1年で行政書士試験に合格したい人は、毎日3時間を目安に勉強を開始してみてはいかがでしょうか。
行政書士試験の受験資格
行政書士試験は、年齢や学歴などに関係なく、誰でも試験を受けることが可能です。特別な条件がないため、目指したいと思ったときからチャレンジできるのがメリットだといえるでしょう。
参考:行政書士試験研究センター
行政書士試験に必要な費用
受験手数料は、10,400円です。(2022年4月30日現在)
令和4年度行政書士試験から3,400円ほど値段が上がっているので、受験手数料の金額を間違えないように注意しましょう。
参考:行政書士試験研究センター
行政書士試験を独学で合格するための3つのポイント
「独学で行政書士試験に合格したい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
以下では、行政書士試験を独学で合格するためのポイントをご紹介します。自分の勉強に役立てる参考にしてみてください。
ポイント1.参考書を利用して知識を身につける
行政書士試験を独学で合格するための1つ目のポイントは、参考書を利用して知識を身につけることです。
いきなり過去問に手をつけるには知識が身についていない人も多いのではないでしょうか。
まずは、参考書を利用して体系的な知識をつけ、定着させましょう。
おすすめの参考書は「うかる! 行政書士 総合テキスト」です。覚えるべきところが赤字で書かれているため、自分でノートを作らなくても暗記がしやすいところがポイントです。
別冊六法もついているので、六方を買わなくていいところもおすすめポイント。
参考書はたくさんあるので、自分にあった参考書を選んで勉強することをおすすめします。
ポイント2.過去問を何周も解く
行政書士試験を独学で合格するための2つ目のポイントは、過去問を何周も解くことです。
知識がある程度身についた後は、過去問の演習を行いましょう。過去問を解くことで問題傾向を把握でき、自分の足りないところがわかります。
問題傾向が把握できると、どのように勉強すればいいのか・どこを重点的に復習すればいいのかなどがわかり、勉強に活かすことも可能です。
どのような問題が出るか確認したいという人は公式サイトの「過去の試験問題と正解」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
ポイント3.模試を受ける
行政書士試験を独学で合格するための3つ目のポイントは、模試を受けることです。
模試を受けると、自分のウィークポイントが明確になりどこをより勉強するべきかがわかります。また、自分では採点しにくい記述式の採点結果を知れるのもポイントです。
家にいるとダラダラと過去問を解いてしまう人もいるのではないでしょうか。模試を受験することで、本番さながらの緊張感で、本番の時間通りに試験を受けられます。
模試で学んだ時間の使い方は、必ず本番でも役に立つでしょう。
模試を受けたい人におすすめなのが「LEC模試」です。LEC模試は、業界最大規模の模試で問題的中を行っている信頼できる模試です。7月~10月の4ヵ月で、6回の模試が行われます。
開催されるすべての模試を受ける必要はありませんが、自分の能力を知るためにも、試験の緊張感に慣れるためにも受験してみてはいかがでしょうか。
スケジュールを練って行政書士試験に合格しよう
- 行政書士試験の合格率は10%前後
- 年齢・国籍・学歴問わず行政書士試験を受けられる
- 「毎日3時間1年間勉強する」のような目標を作り行動する
本記事では行政書士試験の難易度やスケジュールなどをご紹介しました。
行政書士試験に合格するのは簡単なことではありません。途中で挫折しないようにスケジュールを練って、毎日コツコツ頑張りましょう。
本記事を参考に行政書士試験の勉強計画を立て、難易度の高い資格を取得し、行政書士として活躍することを目指してみてはいかがでしょうか。
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