やりたいことがあって希望していた職業に就けたとしても、入社後すぐにやりたいことができる人ばかりではありません。
「こんなはずじゃなかった」「いつになったらやりたい仕事ができるだろう」という思いで業務にあたっている人もいるでしょう。
株式会社プラチナム(ベクトルグループ)の森田健太郎さん(24)も、入社して間もなくは現状と担当したい仕事との距離が遠く、当初はモチベーションを保つのが難しかったと振り返ります。
しかし入社2年目となった現在は、PR活動の一環としてコピーライティングも担当、自身の関心事を活かして社内を横断したプロジェクトに関わるなどしています。
そういった働き方ができるようになったのは「自分だからこそできる“かけ算”」を意識しだしたからとのこと。仕事での心がけや現在のような働き方につながる考えの変化について、話を聞きました。
クライアントと社会の接点づくりをサポート
株式会社プラチナムは企業と社会をつなぐ、総合PR会社です。“PRの力で企業や商品、ブランドの価値を創り、社会に貢献する”という想いで、企業・商品のPRコミュニケーションをサポートしています。
森田さんの所属する第1コンサルティング局3部では主に自治体や外食に関する案件を担当。SNSを使ったコミュニケーションを中心にクライアントと社会の接点づくりの支援をしています。
アイデアの力で社会との「のりしろ」を見つけたい
-----森田さんがPRの仕事に携わりたいと思ったのはどのような経緯だったのでしょうか。
森田さん:アイデアの力を使えば、企業や社会の課題解決や、今はまだ受け入れられていない新しい考え方を広めることも可能と学んだ、ある企業のインターンがきっかけです。
以前から、広告予算をかけられないなどの理由で、本当に良い商品やサービスが十分に知られていない事実にもったいなさを感じてきました。新しい情報や価値観を一緒にニュース等でPRすれば、新たなブームを生み出し、風向きを変えることも可能です。アイデアの力ってすごいし、面白いなと思うんです。PRの考え方を使って本当に良いものと社会の「のりしろ」を見つけ、届けられる人になろうと就活しました。
-----「もったいない」を届けて解消したい思いが、就職活動での軸になっていたのですね。
森田さん:そうですね。周りに可愛がってくださる方が多いこともあり、いろいろな方にお話を伺っているうちに「もったいない」の解消法が見つかることは結構あります。自分の中にある情報同士が繋がって、「このサービス、以前話を伺ったあの人に届けたらもっとよくなるのに!」などと思い浮かぶとすぐに実現したくなってしまい、実現に向けて動いています。
「自分だからこそできること」で仕事を自ら創り出す
-----1年目から担当領域や部署を超えて働いていらっしゃると伺いました。中でも現在企画中のLINEを使ったコミュニケーションプランは、森田さんが提案したものなのですね。
森田さん:はい、大学時代に身につけたLINEに関する知識と、プラチナムで学んだPR視点を組み合わせ、PR会社だからこそのLINE公式アカウントのコミュニケーションプランを私主導で作成中です。
学生時代はLINEを使った就活サービスを提供する会社でのインターンで、LINE公式アカウントを運用していました。そこに入社後に身につけたPR視点を組み合わせたら、これまでにない公式LINE運用が可能になると考え提案したのです。私たちはコミュニケーションをサポートをする会社なので、情報を送るだけではなく、背景やストーリーも一緒に届けてファンになってもらえるような、PR会社に運用を任せるからこその公式LINEを実現させたいと考えています。
-----1年目で自ら提案というのは、なかなか簡単なことではないと思います。
森田さん:自分だからこそできることは何だろうと模索し、「LINE × PR」を見つけました。PR視点はまだまだ勉強中ですが、プラチナムは年次を問わず自分から提案をすれば聞き入れてくれる環境で、一緒に取り組んでくださっている局長もPRのプロなので心強いです。
-----「自分だからこそできること」を見つけようと思ったのはどのような経緯だったのでしょうか。
森田さん:入社半年ほどで、先輩からいただいたアドバイスがきっかけです。実は私、入社から半年ほどは低迷した状態でした。早く大きな仕事に携わりたいと思っている一方で、今自分自身がやらなければならない仕事に対して満足できる成果を残せていないこともあって。現実と理想の距離が遠く、モチベーションが保つのが難しく感じることもありました。
そんなときに、「プラチナムでは、全員が全項目で100点を取る必要はない。得意なことが10%あればそこを伸ばしていくから、森田君のやりたいことを考えよう」と言ってもらいました。まずはオールラウンダーにならなければと思っていたので、この言葉で肩の荷が下りました。オールラウンダーになるのはもっと後でいい、まずは自分だけの武器をつくろうと意識が変化したのです。現在社内を横断したプロジェクトに携われているのも、YouTubeやTikTokが好きだという強みを活かしたからこそです。
「自分が何に悩んでいるのか」だけは目を背けずに明確に
-----入社1年目から強みを活かして仕事を創り出してきた森田さんが、入社から半年ほどは仕事に悩んでいたというお話は意外でした。
森田さん:オールラウンダーを目指していたことの他、日々の仕事に意義を見出しづらかったことも原因でした。コロナ禍なので、クライアントさんとのミーティングもすべてオンラインで……。先輩たちから説明を受けて、クライアントさんの困りごとや目指すゴールは理解したつもりでいましたが、なかなか実感が伴わず、仕事に身が入りにくかったです。
-----その悩みは、どのように解消しましたか。
森田さん:クライアントさんに初めて直接お会いした際に解消されました。
何に困っているのか、目指していることは何なのか、将来的に一緒に取り組みたいプロジェクトの話などを直に聞き、「だからあの仕事が必要だったのか」と自然と腑に落ちました。全ての仕事がクライアントさんのためと思え、苦手としていた業務にもモチベーションを落とさず取り組めるようになりました。私に必要だったのは、仕事に対する手触り感だったのです。
-----仕事の意義を感じにくく、悩んでいる人は少なくないと思います。森田さんが意義を見つけ、悩みを解消できたのはなぜでしょう。
森田さん:悩んでいる間も、「何に悩んでいるのか」だけは目を背けなかったからでしょうか。何にモヤモヤするのか分からないままだと前に進むことはできません。原因だけははっきりさせようと悩みと向き合っていました。
私の場合「仕事に対する手触り感がない」というのが悩みだと分かっていたので、クライアントさんと話して解消できたのだと思います。悩みがはっきりしていれば、解決のためのヒントに気づきやすくなります。
“自分だからこそできるかけ算”を増やし、面白いものを届け続けたい
-----森田さんの今後の目標を聞かせてください。
森田さん:掛け合わせたら面白くなると思えたものは、一つでも多く実現して世の中に届けたいと思っています。対象のものと社会との接点を見つけ、広められたらうれしいです。
そのために、考える力・書く力・広げる力をさらに身につけていきます。例えば書く力。大学時代にコピーライティングに取り組んだのを活かし、仕事でキャッチコピーを書かせていただくことがあるのですが、PR会社の私だからこそ書けるコピーがあると考えています。
-----先日は、広告コンペ「クリエイティブ・アド」のファイナリストに選出されていましたね。
森田さん:はい、選んでいただき自信になりました。コピー応募の他、2021年に新設された1月12日の記念日「いいねの日」を広める活動や幼馴染との映像制作など、社外でもさまざまな活動をしています。
今後も様々な経験を詰んで“自分だからこそできるかけ算”を増やし、面白いものを社会に届け続けていきたいです。
意欲的な若手ビジネスパーソンでも、仕事にいつも前向きな気持ちで取り組めるとは限りません。思うようにいかず、悩んでしまうこともあるでしょう。
そんなときまずは、悩んでいるポイントを整理すること。そして、できることを掛け合わせて携わりたい仕事を創り出せないか考えてみること。
自分のできることと現在の仕事を組み合わせてみたら、意外な解決法が見つけられるかもしれません。
出典元:株式会社プラチナム
※株式会社プラチナムは、「U-NOTE」の運営会社である株式会社PR TIMESの関連会社です。
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