「主体的に動こう」「積極的に仕事をしよう」いくらこのような言葉をかけられたとしても、日々の仕事の中で「なかなか自分から手を挙げることができない」「やりたい仕事があっても、力不足が不安で"やりたい"と言えない」と悩む若手ビジネスパーソンも多いでしょう。
主体性や積極性を発揮している人は、一体どんなことを意識しているのでしょうか。
株式会社Kyashのエンジニア・日高尚輝さん(23)は、受託制作会社から転職し、2021年4月に同社へ入社。これまで一貫して「主体的に動く」ことを大切にしながら開発業務に臨んできたといいます。
日高さんが主体性を大切にしている理由とは?それを実践するために、具体的にどんなことを意識しているのでしょうか。詳しく話を聞きました。
デジタルウォレットアプリ「Kyash」
株式会社Kyashは、デジタルウォレットアプリ「Kyash」を提供しています。
アプリをインストールすると誰でもすぐにVisaカードを発行でき、銀行口座やクレジットカード、デビットカードをアプリに登録すると、Visaオンライン加盟店でお買い物が可能に。「Kyash Card」「Kyash Card Lite」を発行すると実店舗での利用もできます。
同社が目指すのは、人々のライフスタイルに寄り添いながら、人々の価値観や想いが自由に届けられる「新しいお金の文化」を創造すること。そのミッション実現に向け、今年3月には、シリーズDラウンドにおいて49億円の資金調達を実施しました。
「誰かのために仕事をしている」という実感を求めて転職
日高さんは、受託開発の会社でアプリの開発業務に携わったのち、2021年4月にKyashへ転職。現在はKyash Androidアプリの開発担当として、機能改善や追加機能の開発の仕事に従事しています。
-----そもそもエンジニアを目指したきっかけは?
日高さん:ブラッディ・マンデイというハッカーが主人公の漫画がきっかけでエンジニアに憧れ、大学入学直後からプログラミングを勉強しはじめたことがスタートでした。
プログラミングを学び始めると、通っていた大学の専攻分野よりも「楽しい!」と思うように。エンジニアとしてキャリアをスタートさせることを決意し、受託会社に就職しました。
-----転職の経緯についても教えてください。
日高さん:受託会社という性質上、案件があって、開発を行って、出来上がったものを納品したら、それで終わり…という仕事でした。クライアントのご要望を叶えられるよう誠心誠意、開発業務には取り組んでいましたが、段々と「物足りなさ」を感じるようになってしまったんです。
「もっと"誰かのために"仕事をしているという実感が欲しい」こう考えて、受託ではなく自社開発をしている会社への転職を考え始めました。
-----なるほど。エンジニアを求めている企業は数多くあると思いますが、その中でもなぜKyashを選ばれたのでしょうか?
日高さん:選考の中で代表の鷹取が、現在のお金に関する問題点やKyashのビジョンについて熱く語ってくれて、それに心を打たれたことが一番大きな決め手でした。
「誰かのために」という実感が持てるなら…と、特に業界は拘っていなかったのですが、フィンテックの領域から社会貢献ができると思うとワクワクしましたね。
大きなプロジェクトに参画、人に頼ることの大切さを学ぶ
こうしてKyashに入社を決めた日高さん。入社直後には、後払いで買い物ができる「イマすぐ入金」という新機能開発プロジェクトへアサインされました。
-----入社してすぐに、大きなプロジェクトに参画することになったのですね。
日高さん:そうですね。先輩と私の二人体制で、3カ月かけて開発を行っていきました。
入社直後だったので、技術や社内でのやり方など、基本的な部分のキャッチアップから始めなければなりませんでしたし、特にデザイナーから上がってきたデザインの実現がすごく難しく、その仕事だけで半月はかかりました。
3カ月後に無事にリリースし、ユーザーの方々からも温かいフィードバックをいただけたことで、やっと「"誰かのために"仕事ができた」と実感することができたのは嬉しかったです。
-----このプロジェクトの中で、特に学びになったと感じることはありますか?
日高さん:「然るべきタイミングで、不安なことや疑問点は誰かに相談すべき」ということです。
リリース前のテストで、Androidだけバグが多く出てしまったことがありました。想定外のバグもありましたが、確認不足によるものも多かったので、この機会に「どこを確認しておくべきか」を知ることができました。
ただ、「どこを確認したらよいか?」と事前に周りの人に聞いておけばバグも出なかったと思いますので、少しでも不安なことがあったら、周りに頼ることも大切だと学びましたね。
-----特に入社直後は「すべて自分がやらなければ!」と思ってしまうこと、ありますよね。
日高さん:そうですね。最初は「自分が任されたのだから、自分が全てやらないといけない」と思っていましたが、本来は「チームとして」「会社として」の仕事なので、そこまで一人で抱え込む必要はないんですよね。
このことに早い段階で気が付けたのはよかったです。実際、周りに頼りながら仕事を進めるようになって、スムーズにいくことが増えました。
主体性の先にある「メリット」に目を向け、発信し続ける
大きなプロジェクトも乗り越え、着々と実績を積み重ねている日々を振り返りながら、日高さんは「前職よりも積極的にプロダクトづくりに関われていることが楽しい」と話します。
-----仕事をするうえで一番大切にしていることは何ですか?
日高さん:一番は「主体性」を持つこと。「やりたいことには手を挙げる」「意見を持って、それを伝える」ことは、前職からずっと意識しています。
例えば、Kyashのエンジニアチームには、「業務のうち10%は、それぞれ好きに使ってよい」という「10%ルール」があります。
先日、モバイルエンジニアの中で「この10%ルールを使って、何か新機能を作ろう」という話になり、迷わず私も手を挙げて参加しました。
結果、ホーム画面にアプリ情報を表示させる「ウィジェット」を作ることになり、3月に無事にリリースもしています。
-----任意のプロジェクトにも、率先して手を挙げているんですね。
日高さん:はい。ただ、「これをやるから、誰かやりませんか?」「意見はありませんか?」と聞かれる前に、自分から「こういう技術を使ってみたい」「このような領域に挑戦してみたい」と発信することで、本当の意味での主体性が生まれると思っています。
-----「主体的に動こう」と思っても、なかなかそれができない人もいるかと思います。そんな時はどうすればよいと思いますか?
日高さん:メリットがわかれば、動けるのではないでしょうか。
自分以外の誰かが「やりたい」「挑戦したい」と思っていることは、その人が自分で発信しないとわからないですよね。
自分から「これをやってみたいと思っている」と発信することで、「私はこういう人間です」とアピールすることができ、その結果周りから「あなたはこういう人で、こういうことをやってみたいと思っているんですね」と理解してもらえる。そうすることで、仕事もしやすくなりますし、信頼関係の構築にもつながります。
主体性を持つことの先にある「メリット」に目を向けることができたら、自然と動くことができると思います。
挑戦を重ね、得意・不得意をもっと把握したい
-----最後に、キャリアにおける今後の展望についてお聞かせください。
日高さん:今後は技術の幅を広げていくことはもちろん、Androidのテックリーダーも目指したいですし、もっとサービス寄りのPM(プロダクトマネージャー)にも挑戦したいです。
そのために、今は色々なことに挑戦して、自分の得意・不得意をもっと把握していきたいですね。
「やりたいことはたくさんあります!」と目を輝かせながら今後の展望を語ってくれた日高さん。
その「やりたいこと」をどんどん発信していくことが、主体性を生み出し、信頼関係の構築やキャリアップにも繋がっていくのでしょう。
なかなか主体的に動くことができない…と悩んでいる人は、彼のように「その先にあるメリット」に目を向け、少しずつ自分の気持ちを発信することから始めてみてはいかがでしょうか。
出典元:株式会社Kyash
出典元:Kyash/イマすぐ入金
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