「整体師」という職業を聞いたことがあるものの、どのような仕事をしているのかよく知らないという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、整体師の仕事内容、理学療法士・柔道整復師などの違い、年収、やりがいなど整体師について詳しくご紹介します。
整体師になりたいと思っている人はぜひ参考にしてくださいね。
整体師とは?理学療法士・柔道整復師との違いとは?
整体師をマッサージしてくれる人や、骨格の歪みを改善してくれる人というイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。整体師は、医療に準ずるカイロプラクティックやリフレクソロジーなどの技術を駆使して、体の歪みを矯正する仕事を行います。
整体師は、国家資格ではなく、民間の資格を持った人が施術を行うことが多いです。資格を取らずに整体師を名乗ることは可能ですが、施術をするためには資格を持っていたほうが安心です。
整体師と似たような仕事をしているとして知られている、理学療法士や柔道整復師などを名乗るには国家資格が必要になります。民間資格である整体師には、施術できないことが多々あることに注意しましょう。
整体師とは、例えば柔道整復師の資格が必要な「柔道整復」は行なえません。柔道整復とは以下のようなものをいいます。
「柔道整復師によって、骨・関節・筋・腱・靭帯などに加わる外傷性が明らかな原因によって発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの損傷に対し、手術をしない「非観血的療法」によって、整復・固定などを行い、人間の持つ治癒能力を最大限に発揮させる施術」
引用:日本柔道整復師会
また、あん摩マッサージやハリ、きゅうなども整体師では施術できません。
自分がどのような施術をしたいのか・それが整体師の資格で施術できるかなどを調べておくことが大切です。
整体師の仕事内容
整体師が施術することが許されていない内容をご紹介しました。では、整体師はどのような仕事をできるのでしょうか。
整体師は、医療に準ずるカイロプラクティックやリフレクソロジーなどの技術を駆使して、体の歪みを矯正する仕事を行います。
カイロプラティックとは、西洋医学に基づきアメリカで考えられた療法のことです。カイロプラティックは歪んでいる場所だけではなく全体的にアプローチして体全体のバランスを整えていきます。
リフレクソロジーとは、別名「反射学」ともいい、自然治癒力を引き出すことを行います。
例えば、足にあるツボを押すことで内臓の疲労を改善したり、美容効果を高めたりすることなどを行うのが「リフレクソロジー」です。
このように体に関する様々な知識を身につけて、整体師は整体を行っています。
整体師が活躍している場
整体師は、日本中の様々な場所で働いています。
整体師は「整体院」と呼ばれる施設で働くことが多いです。また、整体とカイロプラクティックを取り入れた「カイロプラクティック整体院」で働く人もいます。
鍼灸と整体のように複合的に施術をする場所も多いので、整体師を目指す人はいろいろな知識を持っておくことが大切です。
整体師の将来性
整体師の需要は、高齢化や在宅勤務に伴い徐々に高まってきています。肩こりや腰の痛みに悩む人が整体師だけではなく、美容のためにも整体を訪れる人は増えています。
女性のお客さんの場合、女性の整体師に施術をしてほしいと思う人が多いので、女性の整体師の需要が特に高まっています。
また、国家資格を持っていなくても独立でき、高収入を狙えるようになるのも整体師が人気の理由です。
整体師のやりがい
整体師のやりがいは「お客様の笑顔を見れること」にあると考える整体師は多いです。
体に不調を抱えていたり悩みがあったりする顧客に対し、自分の施術によって顧客の体調が良くなったり、目に見えて体の歪みが改善されたりしたときに役に立てたことを実感してやりがいを感じます。
また、努力次第で様々な範囲の知識を身につけられるので、成長を感じられるところも整体師のやりがいのひとつです。
整体師の年収の目安
将来の仕事を決めるとき気になるのが「年収」な人も多いのではないでしょうか。
求人ボックスによると、整体師の平均年収は「約370万円」です。
整体師は独立をすると年収が上がるといわれています。例えば人気の整体師になれば多くの人に来院してもらえるようになります。
また、自分の施術方法を広めたり、整体院の経営者として活躍したりすることで年収アップすることも可能です。
年収にこだわる人は、独立をして経営者になることを視野に入れてみてはいかがでしょうか。
参考:求人ボックス「整体師の仕事の年収・時給・給料」
整体師に向いている人の3つの特徴
「自分は整体師としてやっていけるのかな」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。
以下では、整体師に向いている人の特徴についてご紹介します。整体師になりたい人は以下の特徴を持っているか確かめてみてはいかがでしょうか。
体力がある人
整体師に向いている人の1つ目の特徴は、体力があることです。
施術は体全身の重みを上手に使ったり、細かい手の動きを使ったりすることが必要とされます。一回の施術だけでも体力をかなり使うので、体力や気力があることはとても大事です。
整体師を目指しているけれど体力に自信がないという人は、体力をつけるために運動やトレーニングをすることをおすすめします。
好奇心が旺盛な人
整体師に向いている人の2つ目の特徴は、好奇心が旺盛なことです。
整体師は自ら知識を学び入れることが必要です。特に就職した後は、学校のように受動的に学ぶのではなく、能動的に学び新しい技術を身に着けなければいけません。
自ら新しい施術方法を考えたり、情報を集めたりできる人が整体師に向いているといえるでしょう。
誰かに喜んでもらいたい人
整体師に向いている人の3つ目の特徴は、誰かに喜んでもらいたいと思っていることです。
整体師は、顧客の悩みを聞いたり、問題のある部位の痛みを改善したりする仕事です。
顧客の悩みを取り除いてあげたいという気持ちがあることで、施術に身が入り丁寧な施術が行なえます。
誰かの役に立ちたいと思えるだけではなく、実際に行動に移せる人が整体師に向いているといえます。
整体師に必要な資格・スキル
整体師になるために、特別な資格は必要ありません。
しかし、顧客に「この整体院に通いたい」と思ってもらうためにも整体師に関する資格を持っておくほうがいいでしょう。
以下では整体師に必要な資格をご紹介します。「このスキルをつけたい」と自分が思う資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
整体セラピスト
日本セラピスト認定協会による整体セラピスト検定は、整体についての知識を持っていることを証明する資格です。
整体セラピストとは、日本セラピスト認定協会によると以下のように規定されています。
認定協会が定める整体セラピストとは、体の筋緊張による歪みを取り除き、痛みを緩解し、自律神経の流れを整え、自然治癒力を高める施術が行えると同時に、心のケアも意識して症状にアプローチできる施術者
引用:日本セラピスト認定協会「整体セラピストとは」
3級〜1級に分かれており、3級を受けるためには特定のスクールを卒業するか、カリキュラムを終わらせる必要があります。
3級は学科・実技を行い、受験料は1万2千円です。(2022年3月31日現在)
参考:日本セラピスト認定協会「検定料」
整体セラピスト資格に興味がある人は、以下の公式サイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。
国際ホリスティックセラピー協会認定整体師
国際ホリスティックセラピー協会認定の整体師の資格は、細かくジャンルごとに分かれているので「この分野の知識をさらに身につけたい」と思っている人におすすめの資格です。
出典:国際ホリスティックセラピー協会「認定資格一覧」
整体の資格だけでも上記の画像のように沢山の種類があります。
特別な学校に通わなくても試験を受けることは可能ですが、1万5千円の年会費を払うIHTA有料会員にならなければ試験を受けられないことに注意しましょう。(2022年3月31日現在)
参考:国際ホリスティックセラピー協会「よくある質問」
筋膜リリースやメディカルトレーナーなどの勉強をしたいと思う人は、国際ホリスティックセラピー協会の資格を受けてみてはいかがでしょうか。
>>国際ホリスティックセラピー協会認定整体師の公式サイトはこちら
あん摩マッサージ指圧師
整体に関わる資格で国家資格を取りたいと思う人は「あん摩マッサージ指圧師」の資格をおすすめします。
「マッサージ屋」のように屋号にマッサージをつけるためには、この資格が必要です。
あん摩マッサージ指圧師の試験を受けるためには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する養成施設に入学し学ぶ必要があります。
第29回のあん摩マッサージ指圧師の合格率は「84.1%」と高く、学校で真剣に学んでいれば受かることは十分可能な資格です。
参考:第29回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験
専門的な国家資格を取りたいという人は、以下の公式サイトを参考にしてくださいね。
整体師になるための方法
「どうやったら整体師になれるのか」と疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。
整体師になるためには、整体院やサロンに就職する必要があります。整体院に就職した後、施術や体の構造などを勉強する方法もありますが、完全に未経験の場合就職するのは難しいです。
整体院に就職するために、一般的には整体師になるための学校に通うことが一般的です。学校に通って体系的に整体に必要な知識を身につけた後、就職活動を開始します。
学校に通っていると、学校に整体院からオファーが来ることもあり就職に有利になることもあるでしょう。学校を選ぶ際は、進学実績や勉強内容などをよく調べた上で選ぶことをおすすめします。
あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師などの他の国家資格を取得することを視野に入れている場合は、それらの資格の受験要件を満たす大学に進学する必要があります。
将来的にどの資格を取りたいか考えた上で、大学や専門学校、短大を選びましょう。
整体師のキャリアパス
整体師として成長するためにはどのようなことをすればいいのか気になる人もいるのではないでしょうか。
整体師は専門性が高い職のため、さらに技術力を磨いていくことが一般的です。具体的には、国家資格を取ることや学校に通うことなどが考えられます。
例えば、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師などの資格を持っていると「技術を持っている整体師さん」と顧客に信頼してもらえます。また、客単価を上げることで、給料が上がることも。
また、体系的な知識が身についていない人や、国家資格を受けるための要件を満たしていない人は整体師のための学校に通うのも一案です。
また、整体師として独立して、経営者になる人もいるでしょう。
どのような働き方をしたいのかにあわせて、様々なキャリアを検討できる職業です。
整体師になるために取りたい資格を決めて勉強を始めよう
本記事では、整体師とはどのような仕事をしているのか・整体師の年収ややりがいは何なのかなどをご紹介しました。
整体師になるためには特別な資格は必ずしも必要ではありませんが、就活や顧客の信頼を得るためにも資格を取得し、技術力を磨いていくことが重要です。
本記事を参考に、整体師としてどのような施術を行いたいのか検討し、将来取りたい資格を決め、要件を満たす方法を考えて行動に移してみてはいかがでしょうか。
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