美味しいお菓子と幸せを届ける「パティシエ」にあこがれている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、パティシエを目指す人におすすめの資格の難易度や内容、要件などをご紹介します。資格を取るメリットも紹介しているので、パティシエの資格を取ろうか悩んでいる人も参考にしてくださいね。
パティシエになるために資格は必要?
「パティシエになるためにはどのような資格を取ればいいかな」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
実は、パティシエになるためには特別な資格は必要ありません。
資格がなくてもパティスリーや結婚式場、お菓子工場などに就職することで、パティシエになることが可能です。
しかし、実際にはパティシエやパティシエールは、次に紹介する様々なメリットのため資格を持っていることが多いです。
パティシエを目指すときに資格を取得しておく3つのメリット
パティシエを目指すときに資格を持っておくことには、たくさんのメリットがあります。
以下では、パティシエを目指すときに資格を取得しておく3つのメリットについてご紹介します。
メリット1.スキルを客観的に証明できる
パティシエを目指すときに資格を取得するメリットの1つ目は、スキルを客観的に証明できることです。
何も資格を持っていない人の「パティシエとして活躍できます」という発言は、根拠がないので信じがたいと思う人は多いのではないでしょうか。
パティシエを雇う側は、当然、スキルがあるパティシエを雇いたいと思っています。そのため、資格を持っていて客観的にスキルを証明できる人は就職でも有利になります。
もちろん、お客様にも「〇〇の資格を持っているパティシエ」と信頼してもらえる可能性も高いです。お客様に信頼してもらうことは、顧客の増加や売上の増加に繋がります。
スキルを客観的に示すためには、資格の取得が有効な手段だといえるでしょう。
メリット2.体系的に学習できる
パティシエを目指すときに資格を取得するメリットの2つ目は、パティシエに必要な知識を体系的に学習できることです。
「飴細工が楽しいからつい飴細工の練習ばかりしてしまう」「実技のほうが楽しいから筆記の勉強は嫌だ」など、個人で学習を進めるとついつい好きなことばかり練習してしまう人もいるのではないでしょうか。
もちろん得意なことを伸ばすのは素敵なことですが、現場で働くパティシエとして苦手なことは少ないほうがベターです。
資格を勉強することで苦手な範囲でも半強制的に勉強できるようになります。「苦手だけど後回しできない」という状況を作り出すことで、全体的に勉強でき知識が広がります。
メリット3.就業や留学のビザ取得に有利になる可能性がある
パティシエを目指すときに資格を取得するメリットの3つ目は、就業や留学のビザ取得に有利になる可能性があることです。
「本場のフランスでお菓子作りを学びたい」と思う人もいるのではないでしょうか。
フランスではパティシエになるための技術資格があるほど、地位のある職業です。経験が浅い人が「働かせてください」と言っても、働かせてもらえない可能性も高いです。
そのため、資格を取得して基礎的な知識を持っていることをアピールしたり、資格を取得するために「製菓専門学校」に入学することで、留学できる可能性が高まります。
将来的に海外に行きたいという人は、資格を取るための学校を選ぶ際に、留学プログラムや留学サポートなどがある学校を選んでみてはいかがでしょうか。
パティシエを目指す人におすすめの資格①製菓衛生師免許
ではパティシエを目指す人はどのような資格を取得したらいいのでしょうか。
パティシエを目指す人におすすめの資格の1つ目は、製菓衛生師免許です。
製菓衛生師免許の資格の内容
製菓衛生師免許とは、都道府県知事が認定する国家資格です。都道府県ごとに試験を行っているので、試験を受けたいと思う人は自分の都道府県のホームページを調べることをおすすめします。
製菓衛生師免許は、お菓子作りやパン作りだけではなく、衛生や栄養学についての知識を持っていることを証明できます。
製菓衛生師免許の試験では以下の内容が出題されます。
- 衛生法規
- 公衆衛生学
- 栄養学
- 食品学
- 食品衛生学
- 製菓理論
- 製菓実技
製菓実技は、和菓子、洋菓子、製パンの3つの分野から1つ選び試験を行います。
いずれかの教科で0点をとってしまうと不合格になってしまうので、全体的に勉強しておくことをおすすめします。
製菓衛生師免許の難易度
都道府県によって異なりますが、製菓衛生師試験の合格率は60%前後です。
参考:令和3年度製菓衛生師試験実施結果(令和3年8月6日実施)
専門学校を卒業した人の合格率は高く、学校を卒業した人と比べて独学の場合の合格率は低い傾向があります。
独学で合格することは不可能ではありませんが、しっかり勉強する必要があるといえるでしょう。
製菓衛生師免許の取得に必要な費用
製菓衛生師免許の取得に必要な費用は、東京都の場合「9,500 円」です。(2022年3月31日現在)
都道府県によって異なるので、自分の受検する都道府県のホームページを調べることをおすすめします。
製菓衛生師免許を取得するための要件
製菓衛生師免許を取得するための要件は、厚生労働省によると以下のように規定されています。
次のうちいずれかに該当すること
1. 学校教育法(昭和22年法律第26号)第57条に規定する者であって、都道府県知事の指定する製菓衛生師養成施設において1年以上製菓衛生師として必要な知識及び技能を修得したもの
2. 学校教育法第57条に規定する者であって、2年以上菓子製造業に従事したもの引用:厚生労働省「製菓衛生師試験」
1と2の条件を両方クリアする必要はなく、どちらか一方で受験資格を得られます。
しっかりと基礎から勉強したい人は製菓衛生師養成施設に行くことをおすすめします。
パティシエを目指す人におすすめの資格②菓子製造技能士
パティシエを目指す人におすすめの資格の2つ目は、菓子製造技能士です。
菓子製造技能士の資格の内容
菓子製造技能士とは、「技能検定」と呼ばれる試験に合格した人に与えられる国家資格です。
菓子製造技能士は、2級・1級と2つのレベルに分かれています。どちらのレベルも受験するためには一定の実務経験が必要です。
試験は学科試験と技能試験があります。学科試験では、和菓子・洋菓子の一般的な知識のマルバツ問題と4肢択一問題が出題されます。
技能試験では1ヵ月前に発表された課題を研究し、作業時間内に指定の作業を終わらせる試験です。
学科試験と技能試験を一度に受ける必要はなく、どちらかを順番に受ける方法もあります。
菓子製造技能士の難易度
菓子製造技能士の試験は、学科試験だけではなく実技試験があるため難易度が高い資格だといわれています。
まずは、菓子製造技能士2級の合格を目指して実務経験を積むことをおすすめします。
菓子製造技能士の取得に必要な費用
国に依頼され試験問題の作成を行っている中央能力開発協会によると、標準的な費用として「実技試験18,200円・学科試験3,100円」と発表されています。(2022年3月31日現在)
しかし、試験を実施する各都道府県によって異なるので必ず試験を受ける都道府県の費用を調べた上で申し込みをしましょう。
参考:中央能力開発協会
問い合わせをしたい人は、以下の都道府県職業能力開発協会の連絡先を参考にしてくださいね。
菓子製造技能士を取得するための要件
菓子製造技能士を取得するためには基本的に「実務経験」が必要です。
菓子製造技能士2級を取得するためには2年。1級を取得するためには7年の実務経験が必要になります。
職業訓練歴、学歴などにより短縮される場合もあるので、「技能検定の受検に必要な実務経験年数一覧」を見て受験資格があるか把握してみてください。
「技能検定の受検に必要な実務経験年数一覧」の見方がわからない人は、都道府県職業能力開発協会に連絡してみるのも一案です。
国家資格である菓子技能検定に興味がある人は以下の公式サイトを活用してみてはいかがでしょうか。
パティシエとしてスキルアップするには資格取得も有効
本記事ではパティシエとしてスキルアップするための資格についてご紹介しました。
資格は自分のスキルを客観的に証明するものなので、取っておいて損はありません。また資格の学習を通じてお菓子作りに必要な知識を体系的に学べることも、資格の学習をするメリットだといえるでしょう。
本記事を参考に、パティシエとして活躍するための資格を取得してみてはいかがでしょうか。
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