HOMEビジネス ソムリエ資格の難易度は?2種類の試験の合格率や受験資格を詳しく解説

ソムリエ資格の難易度は?2種類の試験の合格率や受験資格を詳しく解説

U-NOTE編集部

2022/04/11(最終更新日:2022/08/25)


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ソムリエを目指している方や、ソムリエとしてさらに成長したい人の中には、「ソムリエに関係する資格にはどのようなものがあるのかな」と探している人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ソムリエ初心者から上級者まで、ソムリエとして成長するために取得したいおすすめの資格をご紹介します。

資格の難易度や受験するために必要な要件もご紹介するので、資格を探す参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

ソムリエとは?

「ソムリエ」という職業を聞いたことがあるけれど、よく知らないという人のために、まずはソムリエの仕事について紹介します。

ソムリエとはワインの専門家で、レストランでワインの給仕を行う人のことをいいます。
「野菜ソムリエ」「果物ソムリエ」のように使用される「〇〇ソムリエ」は、専門家という意味で使われていますが、正式な呼称ではありません。

また、ソムリエを代表する「日本ソムリエ協会」のソムリエの見解は以下のとおりです。

ソムリエとは飲食、酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関、酒類製造のいずれかの分類に属し、酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有するプロフェッショナルを言う
引用:日本ソムリエ協会

男性のソムリエのことを「ソムリエ」女性のソムリエのことを「ソムリエール」といいます。パティシエとパティシエールのように、男性と女性では名称が異なっています。

ソムリエは、ワインに関する知識を有するだけでなく、特定の料理や飲む人の好みに合わせてどのようなワインが合うか、マリアージュするのか検討するのも仕事です。

海外ではソムリエの国家資格があるほど、専門的な職業で深い知識が必要です。

 

ワインソムリエの資格を取得するメリット

ソムリエは、資格がなくても飲食店で働くことは可能です。

ただし、ソムリエの資格を取得することにはメリットがあります。以下では、ワインソムリエの資格を取得するメリットについてご紹介します。

 

メリット1.ワインに関する幅広い知識を身につけられる

独学でワインの勉強をすると、特定の分野については知識を得られても、ワイン全般の知識をもれなく身につけるのはなかなか難しいことです。

ワインソムリエの資格を勉強する際には、体系だって学習を進められるため、ワインに関する幅広い知識を身につけられます。

また、ワインだけではなく他のお酒の歴史や保存方法などの知識をつけられ、他と比較してワインを更に深く知ることができます。ソムリエとして知っておくべき代表的料理も勉強するので、料理にあったワインを勉強するのにも役に立つでしょう。

「何から勉強したらいいのかわからない」という場合は、資格取得の学習がガイドラインとなりえます。

 

メリット2.顧客からの信頼を得られる

ソムリエの試験では、ワインの知識だけではなくワインソムリエとしての振る舞い方なども審査されます。そのため、実践にも即役立つのが嬉しいポイントです。

また、ソムリエの資格を取ると「ソムリエバッジ」をつけられるので、顧客は知識を持っていることがわかり安心してワイン選びを任せられます。

実践にも使える知識を有していることや、客観的にスキルを示せることで、就職するときにも有利になりやすいことも資格を取得するメリットだといえます。

 

ソムリエを目指す人が取得しておきたい資格

日本ではソムリエの国家資格はありませんが、日本ソムリエ協会、そして全日本ソムリエ連盟が資格を認定しています。

2つの団体の資格はどのような特徴があるのでしょうか。以下では、簡単に日本ソムリエ協会、全日本ソムリエ連盟の資格についてご紹介します。

 

日本ソムリエ協会(JSA)

日本ソムリエ協会のソムリエ資格は「JSAソムリエ」とも言われ、ソムリエの資格として最も有名な資格です。

1985年からソムリエの試験を始めたJSAは、全日本最優秀ソムリエコンクールを開催したり、ソムリエのための雑誌を発行したりもしています。

JSAでは、ソムリエだけではなくワインエキスパートと呼ばれる資格もあります。ワインエキスパートは、職業としてのソムリエを目指す人ではなく、ワインが好きで極めたい人におすすめの資格です。

また、専門家のためのソムリエとして、ソムリエよりも難易度が高いソムリエ・エクセレンス(旧シニアソムリエ)の資格もあり、レベル感に合わせて難しい資格にも挑戦できることも特徴です。

>>日本ソムリエ協会の公式サイトはこちら

 

全日本ソムリエ連盟(ANSA)

全日本ソムリエ連盟は、日本ソムリエ協会よりも敷居が低く、受検要件も満たしやすいところが特徴です。

また、ソムリエ、ワインコーディネーター、ワインナビゲーター、ワイン検定の資格があり、自分のレベルに合わせた資格を受験できます。

徐々に知識を身につけていきたいという人は、全日本ソムリエ連盟の資格を受けてみてはいかがでしょうか。

>>日本ソムリエ連盟の公式サイトはこちら

 

日本ソムリエ協会(JSA)の資格の詳細

詳細に資格について知りたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

以下では、日本ソムリエ協会(JSA)のソムリエ資格について、資格の内容や難易度、費用などについて詳しくご紹介します。

>>日本ソムリエ協会の公式サイトはこちら

 

日本ソムリエ協会(JSA)認定ソムリエの資格の内容

日本ソムリエ協会認定のソムリエ資格は「ワインエキスパート」「ソムリエ」の大きく分けて2つの資格があります。

ワインエキスパートの資格は、ワインについて詳しく勉強したいと思っているワインが好きな愛好家におすすめの資格です。ワインエキスパート試験はソムリエ試験とは違い、一次試験・二次試験のみ行われます。

一方、ソムリエの資格は飲食店やバーなどの仕事で活かしたい人におすすめの資格です。

ソムリエ試験は、一次試験から三次試験まであり、三次試験に合格すると書類審査が行われます。一次試験は、教本の範囲から出題されるテストでCBTと呼ばれるコンピュータを使った試験です。二次試験はテイスティング、三次試験はワインの開栓や接客などの実技試験が行われます。

書類審査では、受験資格を満たしているか、必要書類が過不足ないかなどが調べられます。

ソムリエの試験は、ワインの幅広い知識やテイスティングなどが問われるプロのための高難易度の試験です。初心者の場合はワインエキスパートの資格からチャレンジすることがおすすめです。

 

日本ソムリエ協会(JSA)認定ソムリエの難易度

日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートの資格は、合格率が40%前後。ソムリエ資格の合格率は、25〜40%。年度により合格率が変わっていることに注意しましょう。

また、ソムリエ資格の上位資格であるソムリエ・エクセレンスは10%前後、ワインエキスパートエクセレンスは25%前後の合格率です。上位資格は合格の難易度も上がっていることがわかります。

参考:日本ソムリエ協会「合格率一覧

 

日本ソムリエ協会(JSA)認定ソムリエの取得に必要な費用

日本ソムリエ協会認定のソムリエ資格を受けるためには、会員でない場合25,440円かかります。

また、認定登録料として20,570円かかるので、試験を受けるために5万円ほど必要になります。(2022年3月31日現在)

 

日本ソムリエ協会(JSA)認定ソムリエを取得するための要件

日本ソムリエ協会認定ソムリエを取得するためには、ある種の要件を満たしていることが必要になります。

主にワイン愛好家が受けるワインエキスパート試験は、満20歳以上であれば誰でも受けることが可能です。テイスティングでお酒を飲む必要があるので、未成年は受けられないことに注意しましょう。

ソムリエ試験を受けたい人は、以下の要件を満たしている必要があります。

以下のいずれかの職務を通算3年以上経験し、開催年度の基準日(8月31日)においても従事し、月90時間以上勤務している方

酒類・飲料を提供する飲食サービス
酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、製造、教育機関講師
酒類・飲料を取り扱うコンサルタント業務

引用(一部抜粋):日本ソムリエ協会の公式サイト
 

日本ソムリエ協会の会員を2年以上続けている場合は、職務経験2年以上で要件を満たせます。

 

全日本ソムリエ連盟(ANSA)の資格の詳細

日本ソムリエ協会(JSA)認定ソムリエの資格を取得するためにはまだ職務経歴が足りないという人は、全日本ソムリエ連盟の資格を受けてみるのも一案です。

以下では全日本ソムリエ連盟の資格の内容や、難易度、費用などをご紹介します。

 

全日本ソムリエ連盟(ANSA)認定ソムリエの資格の内容

全日本ソムリエ連盟(ANSA)認定ソムリエの資格は自分の実力に合わせて難易度を選べることが魅力です。

全日本ソムリエ連盟の資格は、ワインの基礎知識だけではなくセールスプロモーションまで勉強でき、必要であれば講師に教えてもらうこともできます。

「自分一人ではまだ理解できないことが多い」というワイン初心者はeラーニングや通信授業を受けてから試験を受けることをおすすめします。

セミナーを受け認定問題を解き取得できる「ワインナビゲーター」や、ワインの知識を図れる「ワイン検定」などがワイン初心者にはおすすめです

職業としてソムリエになりたい人には、「ワインコーディネーター」もしくは「ソムリエ」と呼ばれる資格を取得することをおすすめします

 

全日本ソムリエ連盟(ANSA)認定ソムリエの難易度

全日本ソムリエ連盟認定ソムリエは、

  • eラーニングコース
  • 通信コース
  • 2日間集中コース
  • 在宅コース
  • 3日間特別コース

の5つのコースから選択できます。


出典:全日本ソムリエ連盟

上記の画像のように、eラーニングコースや通信コースは課題をクリアするだけで合格できます。一方、2日間集中コース・在宅コース・3日間特別コースは会場で受験する必要があり、難易度はコースによって異なります。

どのコースを選ぶか、費用や自分の知識レベルを考えて選んでみてはいかがでしょうか。

 

全日本ソムリエ連盟(ANSA)認定ソムリエの取得に必要な費用

全日本ソムリエ連盟認定資格の取得に必要な費用は以下のとおりです。

なお、以下の金額は認定会員ではない一般会員の費用です。また、認定料・入会金・年会費も含まれています。テキストやワインのテイスティング費用が含まれる場合もあります。

  • eラーニングコース:128,700円
  • 通信コース:136,300
  • 2日間集中コース:137,100円
  • 在宅コース:116,700円
  • 3日間特別コース:234,500円

参考:全日本ソムリエ連盟

 

全日本ソムリエ連盟(ANSA)認定ソムリエを取得するための要件

全日本ソムリエ連盟認定資格は特に受検要件は定められておらず、年齢が20歳以上の人だと誰でも受けられます。

まだ未成年の場合はどの資格も受けられないので、資格を受けるための勉強をしておくことをおすすめします。

>>日本ソムリエ連盟の公式サイトはこちら

 

ソムリエを目指すなら資格の取得を通して知識を深めよう

本記事では、ソムリエを目指す人におすすめの2つの資格の内容や、難易度などをご紹介しました。

日本ソムリエ協会のソムリエ資格は日本でも特に有名なので、実用的な資格を取得したい人は日本ソムリエ協会認定の資格を取ることをおすすめします。

実務経験が浅い人や、ソムリエとしての全般的な知識を身に着けたい人は、全日本ソムリエ連盟の資格を取得するのもおすすめです。

資格を習得することによりワイン全般の知識を身につけ、お客様から信頼してもらえるソムリエになってみてはいかがでしょうか。

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