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翻訳家とは?仕事内容・なる方法・収入や将来性について解説

U-NOTE編集部

2022/04/20(最終更新日:2022/08/25)


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翻訳家になりたいけれど、なり方がわからず困っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、翻訳家になるにはどうすればいいのか、翻訳家に必要な資格、年収などを紹介します。翻訳家のやりがいや仕事内容なども詳しく解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。

 

翻訳家とは?

そもそも翻訳家とはどのような職業のことをいうのでしょうか。

翻訳家とは、日本語の文章を外国語に直したり、外国語の文章を日本語に直したりする仕事のことをいいます。

翻訳をする対象は様々ありますが、小説やビジネス書を翻訳したり、映画の字幕を考えたりなどをすることが多いです。

翻訳家と似た仕事に「通訳」がありますが、通訳は書いてある文章ではなく口に出された言葉を訳す人のことです。

通訳に関しては、「通訳になるには?仕事内容や年収、向いている人の特徴、必要なスキルを解説」を参考にしてみてください。

 

翻訳家の仕事内容・活躍している場所

翻訳家の仕事内容は大きく分けて「文芸翻訳」「実務翻訳」「映像翻訳」の三種類あります。

以下では、翻訳家の仕事内容を3つの種類ごとに詳しくご紹介します。

 

文芸翻訳

文芸翻訳は、外国語で書かれた小説や雑誌を日本語に翻訳する仕事や、日本語で書かれた小説を外国語に翻訳する仕事のことです。

日本語で書かれた小説を理解するのは、日本の文化を知っている日本語が母国語の人間からすると簡単かもしれません。しかし、外国と日本の文化の違いを知り、ただ訳すだけでは伝わらない細部を丁寧に伝える必要があります。

また日本語の文章は主語を省かれることが多いですが、英語の場合主語を書く必要があり展開がわからないように曖昧にするような工夫も大切です。「俺」「僕」などの一人称の違いは外国語にはないことが多いので、それらの表現をどうするべきなのか・ダジャレや四字熟語などはどう訳すべきなのかなどを深く考えながら訳さなければいけない難しい仕事です。

また、外国語から日本語に訳す際は、「外国の文化」を知っておくことが大切です。スラングや外国のジェスチャーなど細かいところまで把握しておく必要があります。

例えば「I love you」のようなよく知られた言葉でも、海外ではとても親密な恋人や家族相手にしか使わないことや、そもそも告白という文化が海外にはないことが多いことなどを勉強していないと、理解ができない訳になってしまう可能性があります。

日本の文化だけではなく、海外の文化を知りつくしているからこそできるのが「文芸翻訳」だといえるでしょう。

 

実務翻訳

実務翻訳では、ビジネスの書類の作成・論文・ウェブサイトの翻訳などの仕事を行います。

企業や消費者に向けて翻訳をするため、少しでも翻訳にミスがあると重要な問題に発展する可能性があります。

また、実務翻訳は金融やIT、科学、医療などの専門的な分野を翻訳することも。

実務翻訳では、専門知識に加え、細部まで拘った丁寧な翻訳が必要になる難しい仕事だといえます。

 

映像翻訳

海外の映画やドラマを字幕で見ている人もいるのではないでしょうか。映画やドラマなどの「字幕」を作っているのも、翻訳家です。

映像翻訳は、短い間に意味がわかるように端的に言い換える必要がある翻訳です。日本語にすると意味が長くなるような文章を言っていたとしても、視聴者が読める範囲の長さにまとめなければいけません。

当然本のように注釈をつけることもできないので、翻訳者の言い換えの力が発揮されます。

文芸翻訳・実務翻訳・映像翻訳のどれも難しい仕事ですが、自分の言語力を発揮できるやりがいのある仕事だといえるでしょう。

 

翻訳家のやりがい

翻訳家は、自分の訳した作品や書類が目に見える成果としてできあがります。

翻訳した書籍が発行され誰かのもとに届いたときや、完成した作品を見るときなどにやりがいを感じるでしょう。

また、実務翻訳のように企業で働いている場合は、感謝されたり評価されたりすることもあり、やりがいを感じられるでしょう。

 

翻訳家の将来性

「将来AIが発展したら翻訳家の仕事がなくなるかもしれない」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。

しかし、人間の微妙な言葉の違いや文章と文章の間の空白にある意味などをAIで訳すことは難しいです。そのため、AIが活躍しようと「チェッカー」として翻訳家の仕事がなくなることはないといわれています。

現実的な年収の話でいうと、フリーランスとして働く翻訳家が増え安価に仕事を受け持つ人が増加しました。その影響で、これからの翻訳家の年収は下がるといわれています。

しかし、専門的な知識を身につけることで、金銭的にも安定することはできるでしょう。

 

翻訳家の年収の目安

求人ボックスによると、翻訳家の年収は「約467万円」です。

給料の幅が314〜874万円であることから、スキルや経験によって年収が変わってくることがわかります。

国税庁による1年を通じて働いた人の平均給与の発表によると、日本の平均年収は461万円です。翻訳家の仕事は、平均年収よりも高い仕事だといえます。

参考:求人ボックス「翻訳の仕事の年収・時給・給料

参考:国税庁「II 1年を通じて勤務した給与所得者

 

翻訳家に向いている人の特徴

「自分は将来翻訳家としてやっていけるだろうか」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。

翻訳家に向いている人は、「コツコツ努力をし続けられる人」です。

日本語でも「ぴえん」「えもい」のような新しい言葉ができているように、今ある知識に満足して言語の勉強をしないと翻訳ができない状態になってしまいます。

そのため、毎日コツコツと新しい言葉を身につけたり、言葉の語源を調べたりして言葉だけではなく文化の深いところまで理解する必要があります。

また、仕事の幅を増やすために専門的な知識を勉強している翻訳家もいるでしょう。

誰に強制されることなく、自分から勉強できる人が翻訳家に向いているといえます。

 

翻訳家に必要な資格・スキル

翻訳家は、薬剤師や看護師のように国家資格は必要ありません。

しかし、言語に関する知識を持っていることを顧客に表すために資格を取っておくことは重要です。

例えば英語の資格の場合、TOEIC・英検などがあります。TOEIC◯点以上だと、翻訳家として名乗れるというわけではなく、あくまで言語の知識を持っていることを表すための資格なことを覚えておきましょう。

翻訳家・通訳の人におすすめの資格を知りたい人は「通訳になりたい人におすすめの資格とは?国家資格や難易度について解説」を参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

翻訳家になるための3つのSTEP

「翻訳家になりたいけれどどうすればなれるかわからない」という人もいるのではないでしょうか。

以下では、翻訳家になるための方法を3つのステップに分けて紹介します。

 

STEP1.語学力を身につける

翻訳家になるためには、まずは語学力を身につける必要があります。

語学力を身につける方法として、海外留学をする、大学や短大に通う、翻訳専門学校に通うなどの方法があります。

もちろん独学で勉強することも可能ですが、自分の翻訳があっているかわからず翻訳家として成長できないというデメリットがあります。

体系的に語学力をつけるためにも、学校に通って勉強する人が多いです。

 

STEP2.翻訳会社・クラウドソーシングに登録する

新卒で企業に就職したいという人もいるのではないでしょうか。翻訳家の正社員としての就職は翻訳の経験が必要とされることが多く、実務経験なしで企業に就職することは難しいと言われています。

そのため、まずは単発の仕事を請け負い、実務経験を作る必要があります。

翻訳会社やクラウドソーシングサイトに登録し、自らを売り込み、仕事をもらい成果を出します。地道な作業になりますが、翻訳家として活躍するためにも一つひとつ丁寧に仕事をしましょう。

 

STEP3.翻訳家としてさらに活躍する

実務経験を積んだ翻訳家になると、企業や個人から仕事を依頼されることも増えます。

また、翻訳家の先輩として翻訳家を育てたり、ノウハウを共有したりする活動方法もあります。

自分がどのような翻訳家になりたいか考え、努力を積み重ねましょう。

 

翻訳家のキャリアパス

翻訳家は専門性が高い職業ですが、外国語を強みとしているため翻訳家としての専門性を磨くだけではなく、他の職種にチャレンジする人もいます。

まずは、専門的な分野の知識を身に着けて、専門性を磨くことがおすすめです。

また、翻訳家にとらわれず言語を使った仕事にチャレンジしてみるのも一案です。例えば、日本人に英語を教えたり、海外で日本語を教えたりすることも可能です。

外国語を使えるアドバンテージを最大限に活かし、活躍の幅を広げていきましょう。

 

どのような翻訳家になりたいか考え努力する

本記事では、翻訳家のなり方や年収、必要な資格などをご紹介しました。

一口に翻訳家といっても様々な働き方があります。自分がどのような翻訳家になりたいのか、何を専門としたいのかなどを考えてみましょう。

また、翻訳家として活躍するために、必要な知識を考え努力して身につけることをおすすめします。

本記事を参考に、翻訳家になるための努力を始めてみてはいかがでしょうか。

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