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管理栄養士とは?仕事内容・資格を取得する方法・給料の目安・キャリアについて解説

U-NOTE編集部

2022/04/08(最終更新日:2022/08/25)


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管理栄養士」という職業に興味があるものの詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、管理栄養士の基礎知識について詳しく解説。栄養士の違いや、管理栄養士の年収、管理栄養士になるための方法などをご紹介します。

管理栄養士になりたいと思っている人はぜひ参考にしてください。

 

管理栄養士とは?

管理栄養士とは、栄養や食事などに関する知識の専門家です。

特に、病気になっている人にどのような食事を取ればいいか指導したり、お年寄りから子供まで栄養があり食べやすい食事を提供したりする仕事を行っています。

管理栄養士になるためには管理栄養士の免許が必要になります。免許を取るためには必ず国家試験を受ける必要があることを覚えておきましょう。

 

管理栄養士と栄養士の違い

「管理栄養士」とならんでよく耳にする「栄養士」との違いがわからない人もいるのではないでしょうか。

栄養士は都道府県知事の免許を受けた国家資格です。栄養士は国家試験を受ける必要がなく、専門学校や大学を卒業すると自動的に取ることが可能です。

一方、管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。また、管理栄養士は必ず国家試験を受ける必要があります。

また、管理栄養士は栄養士の資格を経てからのみなれる職業なので、管理栄養士を目指す人はまずは栄養士を目指す必要があります。

栄養士が主に病気でない人を対象に栄養指導や献立の組み立てをするのに対し、管理栄養士は主に病気の人や高齢者などに栄養指導を行うことにも違いがあるといえるでしょう。

 

管理栄養士の仕事内容

管理栄養士の仕事内容をより詳しく知りたい人のために、以下ではシーンに合わせた仕事内容をご紹介します。管理栄養士といっても、様々な仕事内容があることを覚えておきましょう。

医療関係の場所で働く場合、患者さん一人ひとりに合わせた栄養管理や献立の設定をします。例えば、糖尿病患者の食事の場合、カロリー計算や減塩などを考えたり、間食やアルコールなどに対する栄養指導を行ったりします。また、腎臓病がある場合は、タンパク質やカリウムの制限も考えなければいけません。

このように治療している内容や患者さんにあわせた献立を考えます。

食品メーカーで働く管理栄養士の仕事は、需要のある商品や研究開発です。

また、体を鍛える人やスポーツマンなどのために、体に必要な栄養素やカロリーを考えた食事メニューを提供・作成することもあります。

 

管理栄養士が活躍しているシーン・主な勤務先や働き方

管理栄養士は他にも様々なシーンで活躍しています。

以下では、管理栄養士が活躍しているシーン・主な勤務先や働き方をご紹介します。将来自分がどのような働き方をしたいか決める参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

医療機関

医療機関で働く管理栄養士は、患者さん一人ひとりの治療計画に合わせた献立の検討を行います。栄養が十分に取れる食事を考え提供するだけではなく、病気の知識も必要になるため様々な知識が求められます。

また、医者や看護師などと協力して「医療チーム」として患者さんと向かい合うこともあるため、栄養士としての知識だけでなく、チームとして働くコミュニケーション能力も必要になります。

 

給食施設

社会人のための社員食堂・大学生のための学生食堂などの給食施設でも管理栄養士は働いています。

様々な世代が働く社員食堂の場合、幅広い年齢層に合わせたメニュー作りが必要になります。どのようなメニューが好まれるか・栄養が取れる組み合わせはどれかなどと考え、新しいメニューを考案したり、おすすめの食べ合わせを提示したりすることもあります。

 

研究機関

直接的に食べ物に関わる印象はないかもしれませんが、「研究機関」でも管理栄養士は働いています。

例えば、特定の化合物を摂取するのにふさわしい時間を考える「時間栄養学」の研究をしている人もいます。晩御飯をたくさん食べるよりも、朝ごはんをたくさん食べたほうがいいのか・どのような栄養素を夜に食べないほうがいいのかなどを研究し、人々の生活に役立てることも可能です。

実際に、マウスにご飯を食べさせるタイミングを変え、どの時間帯にどの程度食事をするべきかという研究が行われています。研究結果としては、夕食よりも朝食をしっかり食べたほうが体内時計が整い肥満も防止されるとのことです。

参考:時間栄養学とはなにか 柴田 重信,平尾 彰子

好奇心が旺盛な人や、食事と科学を絡めたい人などは「研究機関」を目指してみてもいいでしょう。

 

幼稚園・保育園・小中学校

小学校の頃に給食室で働いてご飯を作ってくれている人を見たことがある人もいるのではないでしょうか。幼稚園・保育園・小中学校でも管理栄養士は、食事を提供したり、献立を考えたりする仕事を行っています。

また、幼少期に大切な「食育」や、アレルギーへの配慮をした献立の作成なども管理栄養士の仕事です。

アレルギーの子が誤って食べてはいけないものを食べないように特別なメニューを作ったり、糖尿病の子の食事に気を使った献立を検討したりします。

 

食品メーカー・スポーツクラブなどの企業

新しい商品を開発する「食品メーカー」やアスリートにふさわしい食事を提供する「スポーツクラブ」など企業に就職する管理栄養士もいます。

特にトップアスリートの場合、専属の管理栄養士を雇い、育てたい筋肉や体に効果的な食事を作るように依頼していることもあります。

また、スポーツクラブでも疲労の取れる食事を考え、食事のアドバイスを行うのも管理栄養士の仕事です。

このように管理栄養士は様々なシーンで活躍しています。

 

管理栄養士の年収の目安

求人ボックスによると、管理栄養士の正社員の平均年収は約309万円だとされています。

参考:求人ボックス「管理栄養士の仕事の年収・時給・給料

また、栄養士の正社員の平均年収は約312万円です。

参考:求人ボックス「栄養士の仕事の年収・時給・給料

栄養士と管理栄養士ではそれほど給料の差がないことがわかります。ただ、専門性が高い管理栄養士のほうが平均年収が低くなっていることを不思議に思う人もいるかもしれません。

栄養士として高年収を目指したい場合は、管理栄養士の資格が必須の職場を選んで就職することで高年収を目指しやすくなるでしょう。

 

管理栄養士に向いている人の3つの特徴

様々な働き方がある管理栄養士ですが、どのような人が管理栄養士に向いているといえるのでしょうか。

以下では、管理栄養士として活躍しやすい人の3つの特徴を紹介します。将来の仕事として長く勤められるか考えてみる参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

食への強い探究心がある人

管理栄養士に向いている人の1つ目の特徴は、食への強い探究心がある人です。

管理栄養士は、食べ物について考える時間が多い職業です。そのためあまり食に興味がない人は、食べ物について考える時間が苦痛になってしまう可能性があります。

食べることへの興味が強いことが、管理栄養士として活躍するための重要なポイントです。

普段から食事を作るときにアレンジをしたり、新しい食べ合わせを考えたりする自由な発想力がある人が管理栄養士に向いていると言えるでしょう。

 

自分自身を律してコントロールできる人

管理栄養士に向いている人の2つ目の特徴は、自分自身を律してコントロールできる人です。

管理栄養士として説得力を持って相手の食をサポートするためには、自分自身が食べ物の好き嫌いが多かったり、体調を崩していることが多く健康ではなかったりすると、相手からの信頼を得にくくなってしまいます。

自分自身がまず健康的にいられるように、セルフコントロールが求められます。

 

根気よく相手と向き合える人

管理栄養士に向いている人の3つ目の特徴は、根気よく相手と向き合える人です。

管理栄養士は、医療機関やスポーツクラブなどで働く場合第三者と話し合って食事のメニューを決める必要があります。

「この食事は食べたくない」と食事を拒否する人もいるかもしれません。自分の作った食事を食べられないことは悲しいことですが、それでも相手にとって最善な食事を作る努力を欠かさない人は管理栄養士に向いているといえます。

 

管理栄養士に必要な資格

管理栄養士になるためには「管理栄養士試験」に合格し、管理栄養士の資格を取得する必要があります。

また、管理栄養士の国家試験を受けるためには、栄養士であることが条件です。詳細は、「国家資格「管理栄養士」の資格取得方法|難易度・受験の要件などを解説」を参考にしてくださいね。

 

管理栄養士になるための方法

管理栄養士にはどうすればなれるのかわからない人も多いのではないでしょうか。

以下では、管理栄養士になるための方法をステップに分けてご紹介します。

 

STEP1.栄養士の資格を取得する

管理栄養士になるためには、まず栄養士の資格を取得する必要があります。

栄養士になるためには、「管理栄養士養成課程」もしくは「栄養士養成課程」のある大学や専門学校、短期大学を卒業することが必要です。

栄養士について詳しく知りたい人は「栄養士とは?資格を取得する方法・管理栄養士との違い・給料の目安・キャリアについて解説」を参考にしてみてください。

管理栄養士養成課程の学校に進学すれば、実務経験なしでも管理栄養士の国家試験を受けることが可能です。一方、栄養士養成課程の学校に進学すれば、管理栄養士の国家試験を受けるためには実務経験が必要になることを注意しておきましょう。

 

STEP2.管理栄養士の国家資格を取得する

学校を卒業した後は、「管理栄養士国家試験」を受検します。

管理栄養士国家試験自体の合格率は60%ですが、栄養士養成課程の学校を卒業した人や一度試験に落ちた人の合格率は20%です。また、管理栄養士養成課程の学校を卒業した人は90%合格しています。

始めから管理栄養士を目指している人は、体系的に管理栄養士について学べる「管理栄養士養成課程の学校」を検討してみてはいかがでしょうか。

管理栄養士の試験について詳しく知りたい人は厚生労働省の「管理栄養士国家試験」を確認するとよいでしょう。

 

管理栄養士のキャリアパス

管理栄養士は専門性が高い職業のため、別の職種に変わるのではなく、管理栄養士としての専門知識を深めていくことが一般的です。

管理栄養士としての知識を深めるためには、特定分野の研修を受けて新たな知識を身につけていくことが求められます。例えば「特定保健指導担当管理栄養士」「静脈経腸栄養管理栄養士」「食物アレルギー管理栄養士」など、特定分野の専門家になるのも一案です。

また、マネジメントを学び、管理栄養士を教える教師になる人も。

どのようなシーンで管理栄養士として活躍したいのか検討してみてはいかがでしょうか。

 

栄養に関するエキスパートを目指すなら管理栄養士

本記事のまとめ
  • 管理栄養士は栄養士の国家資格がないとなれない職業
  • 管理栄養士は医療機関や研究機関など様々な場所で働いている
  • 管理栄養士になるための学校選びは慎重に行う

の資格を取得しよう

本記事では、管理栄養士になるための方法や栄養士との違い、活躍しているシーンなどをご紹介しました。

一口に管理栄養士と言っても様々な働き方があるので、自分がどのような管理栄養士になりたいのか考えてみることをおすすめします。

また、短期大学に行って最速で栄養士を目指すのか、管理栄養士になるために知識をじっくりと身につけるのかなどを検討してみてはいかがでしょうか。
 

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