人生という言葉のあとには、「山あり谷あり」ということわざがパッと頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
「うまくいっていない」と感じたとき、どういった行動を取るのかによって、その後の結果が違ってくることも多いものです。
株式会社ワークポートに勤務する田村章悟さん(26)は、部署異動で底辺の売り上げを経験するも、1年後にはIT専門のチームリーダーにまで昇格しています。
どのように舵を切り直したのか、詳しく話を聞きました。
IT・デジタル領域メインの転職支援
株式会社ワークポートは、人材紹介サービス事業を展開。田村さんは現在、ITやデジタル領域をメインに求職者への転職支援をおこなっています。
求職者との面談からはじまり、内定後のアクションまで対応。職種や業界によって求職者への対応は異なるそうですが、田村さんは書類選考の段階から、メールではなく電話でのやり取りを大事にしていると言います。
このように求職者との距離を縮めてサポートする心構えは、「人間力を大切にする」というワークポートの企業理念によるもの。この理念は、田村さんの入社の決め手ともなりました。
自分の輝ける場所を見つけたと感じた入社面接
-----ワークポートの企業理念が入社の決め手になったようですが、具体的にはどのようなところに惹かれましたか?
田村さん:人間力をとても大切にしているところです。たとえばワークポートには、「立派なビジネスパーソンである前に立派な大人であれ」という教育哲学があり、お客様から信頼を得るためにはまず「人間としての魅力」を高めることが大切だという考えがあります。
-----人間としての魅力、素敵なワードですね。たとえば、どのようなことでしょう?
田村さん:「人を見下さない」「遅刻をしない」「初心に返る」などです。こういった、当たり前のことを当たり前にできる大人であるために、55の大切なことをまとめた「行動指針55箇条」というものがあります。
-----理念への共感には、田村さんの過去のご経験なども影響しているのでしょうか?
田村さん:はい。実は私、福島県の出身で、東日本大震災の原発事故の関連で引っ越しを余技なくされた経験があります。そのとき、当たり前の日常が変わってしまうということを経験し、今後は当たり前であることに感謝しながら生きていきたいと考えていたのです。そういった私の考え方と会社の理念がマッチしたというのも嬉しく、入社の決め手になりました。
本社から異動して味わった底辺
-----理想の企業ということもあり、希望を胸に抱いて入社されたと思うのですが、実際に入社してみていかがでしたか?
田村さん:社員それぞれの個性を大切にしてくれ、頑張りたいと努力している人の背中を押してくれる会社だと肌で感じました。また、チャレンジできる環境を与えてくれるほか、やり方も任せてくれるので自由度が高いです。そのため、どんどん頑張りたい人には嬉しい環境だと思いますが、手取り足取り教えてほしい人は厳しい環境だと感じるかもしれません。
-----では、田村さんにとっては理想の環境だったのですね。
田村さん:はい。ただ、やっと本社での業務に慣れてきた頃に横浜支社への異動が決まり、寂しさや不安もありました。異動して3カ月は本当にきつかったです。また、定期的に発行される社内報には、同期入社した社員の営業ランキングが記載されるのですが、私の名前がありませんでした。あとで単なる記載漏れだったとわかりましたが、目立った成績が出せていなかったから忘れられたのだと大きなショックを受けました。
けれどその経験があったからこそ、“見落とせないくらい大きな成果を上げるしかない”と奮起できたのです。そして、同期のみならず、横浜支社内でもトップを取ることができました。
-----異動した同じ年に、5~6年も上の先輩の営業成績を抜き、堂々の1位。トップに君臨されていますね。
田村さん:はい。そして、異動から1年後の2021年には、IT職専門のチームリーダーに昇格しました。
「話し方が軽々しい」と思われた過去も
-----お話を聞く限り成功の階段を駆け上がったようにも感じますが、そんな田村さんでも力不足や経験不足を感じたことはありますか?
田村さん: ITやデジタル領域は横文字が多く、専門用語や内容を深く理解していないと、求職者様に最適な職場を紹介できません。また、求職者様は私よりも年上で、前職などでの経験が豊富な方が多いです。そのため、私の知識不足でリレーションが崩れてしまったこともあります。
過去には、「話し方が軽々しい」というようなことも言われました。敬語で話してはいても、学生時代のコミュニケーションが抜け切れていなかったのだと思います。
-----それはショックですね。そんなとき、起こしてよかった行動や思考の転換などがあれば教えてください。
田村さん:経験豊富な求職者様から知識をインプットし、そのあと自分で勉強をして、ほかの面談でアウトプットするように。また、書籍などを参考にしてコミュニケーションスキルを磨き、話し方や接し方にも気を配るようになりました。
先輩からの教えも糧にポジティブ思考で乗り切る
-----先輩や上司にかけてもらった言葉で、とくに役に立ったものがあれば教えてください。
田村さん:いろいろありますが、そのひとつに、「求職者様の立場に立った伝え方をするといいよ」といったアドバイスがありました。
たとえば、求職者様に「いついつまでに連絡くださいね」と期日だけを伝えるのではなく、「こちらの案件は応募者が多いので、求人が早めに終了してしまうかもしれません。応募を確実にするためにも、〇日までには必ずご連絡ください」と理由を添えて説明することで、求職者様がご自身の現状を把握しやすくなり、うっかり応募の機会を逃さずにすむようになります。
また、上司からの「結果にこだわれ」「自分の地位を守るために頑張れ」という言葉も、結果を出すために自分を戒め、頑張る原動力となっています。
-----田村さんが仕事をするうえで大切にしていることも教えていただけますか?
田村さん:会社の理念である「人間としての魅力」を高めることです。ほかにも、インプットした知識はできるだけ早くアウトプットし、記憶に残すよう努力しています。
また、「キツイ」「しんどい」などネガティブな思考になったときには、「でも、もう少し頑張ってみよう」「頑張ったからお弁当食べよう」など、末尾にポジティブな言葉を付け足すようにしています。そうすると、次の行動が取りやすくなるからです。
これからは市場価値をもっと高めたい
-----キャリアにおける今後の目標などがあれば教えてください。
田村さん:今年4月、名古屋へ転勤しました。名古屋には自動車メーカー「トヨタ」もあり、これからまだまだ伸びていく可能性が高い都市です。挑戦したいと思い異動を受け入れましたが、失敗する可能性のほうが高いかも?という不安もあります。
-----2021年度分の営業成績についても高い成績を出し、2年連続トップを取られたとか。横浜支社にいれば安定のポジションがあったのにもかかわらず、名古屋への転勤を受け入れるには、覚悟が必要だったのではないでしょうか?
田村さん:そうですね。本当は私、仕事・勉強・スポーツにおいては「絶対安心だ」と思えるような、「勝つべくして勝てる勝負しかしたくないタイプ」なんです。しかし、これまで積み上げてきたものをいったんリセットして成長できるのは、若いうちしかできない特権だと思いました。
そのため異動先では、これまでの経験を糧にしつつ自分の市場価値を高めたいと思っています。名古屋には強力なライバル会社もありますので、1年以内には肩を並べられるぐらいになりたいです。
-----1年?すごく短期で考えられているんですね。もしかしたら、その後の目標もすでにあるのでしょうか?
田村さん:はい。名古屋で任されている仕事を200%実行し、1~2年後には横浜支社に戻り、今度は拠店長を務めたいと考えています。
-----貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。
物事がうまくいかないときこそ、いまの状況を見つめ直して初心に返ったり、会社の理念を思い浮かべて見直したりするという田村さん。
また、ネガティブなことを考えてもポジティブなワードを語尾に付け足し、やる気スイッチを入れる努力もしていることがわかりました。
うまくいかないときはつい、環境や人のせいにしたくなってしまうもの。けれど、そんな時こそ田村さんのように前向きに考え、職場の方たちの力も借りて舵を切ることが成功するための大切なポイントとなるかもしれません。
出典元:株式会社ワークポート
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