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栄養士とは?資格を取得する方法・管理栄養士との違い・給料の目安・キャリアについて解説

U-NOTE編集部

2022/04/06(最終更新日:2022/04/06)


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栄養士は、名前から仕事内容がなんとなく想像つくものの、実際にどのような仕事をしているのかわからない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、栄養士と管理栄養士の違いや、栄養士の仕事内容、給料の目安、栄養士に必要な資格などをご紹介します。

将来、栄養士を目指している人や、栄養士の仕事に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • 栄養士とは?管理栄養士との違いも紹介
  • 栄養士の仕事内容・活躍シーン・年収
  • 栄養士になるための方法

 

栄養士とは?

栄養士とは、病気の人ではなく主に健康な人に向けた栄養指導や、栄養バランスの取れた食事の提案などを行う人のことをいいます。

また、栄養バランスの取れた食事の提案だけでなく、食事に必要な食材の準備や、調理なども栄養士の仕事です。

栄養士は給食施設で働いているイメージを持っている人が多いと思いますが、その他の施設でも活躍しています。幅広い場で活躍しているのも栄養士の特徴だといえます。

 

栄養士と管理栄養士の違い

栄養士と管理栄養士の違いがわからない人も多いのではないでしょうか。

栄養士と管理栄養士の違いは、栄養士が「都道府県知事」の免許を受けた国家資格であるのに対して、管理栄養士は「厚生労働大臣」の免許を受けた国家資格です。

栄養士が主に健康な人を対象に栄養指導をするのに対して、管理栄養士は病気の人や高齢者、健康な人など様々な人に栄養指導・食事指導を行います

管理栄養士は、栄養士よりも上位の資格でなので、栄養士の資格だけでは活躍の場が制限されることもあります。

管理栄養士の資格を取るためには栄養士の資格が必須なので、将来的に管理栄養士になりたい人はまずは栄養士になることを目標にしましょう。

 

栄養士の仕事内容

栄養士は、食事の栄養を管理・提案することで健康をサポートする仕事を行います。

栄養士の就職先は、栄養士の資格がなくてもできる就職先や、栄養士の資格が必須の就職先などがあります。

栄養士の資格をフルに活かせる仕事では、栄養士として培った知識で研究開発を行うこともあります。

また、栄養士の知識を使いながら医薬情報担当者(MR)や医薬品卸販売担当者として働いて高年収の仕事につくことも可能です。

 

栄養士が活躍している主な勤務先・働き方

栄養士の最も一般的な就職先は「給食施設」です。他にも栄養士は様々な場所で需要がある職業です。

以下では、栄養士が活躍している主な勤務先と働き方をご紹介します。

 

給食施設

栄養士と聞くと「学校や企業で給食を作ってくれている人」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。小学校や中学校、企業などの給食施設でも栄養士は働いています。

小学校や中学校、企業などで働いている栄養士は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。

栄養士は、成長期である子ども時代に栄養が足るように必要な栄養計算を行いながら献立を作成したり、給食で使用する食材を発注したり調理をしたりしています。また、給食を使う調理場や調理に使うものを清潔に保つことも栄養士の仕事です。

 

幼稚園・保育園・小中学校

幼稚園・保育園・小中学校での栄養士は、上記の内容に加えて、食育に関わったり栄養の大切さを教えたりすることもあります。

子どもに偏食や食べ合わせ、アレルギーなどの指導を行い、これからの健やかな成長を支えます。

また、アレルギーがある子には特別な献立を作るなど、一人ひとりに配慮した仕事を行うこともあるでしょう。

 

医療機関・福祉施設

老人ホームにいる人や病気の人などに対して、食べやすい食事を考えるのも「医療機関・福祉施設」で働く栄養士の仕事です。

例えば、手術後の弱っている患者では食べれないものを除いた献立を考えたり、咀嚼が少なくても食べれるものを作ったり、高血圧の人に減塩食を提供したりします。

 

食品メーカー

栄養士は食品メーカーで働くことも可能です。

栄養のある食品を作る商品開発や、栄養のある商品を売るためどうすればいいか戦略を検討するマーケティングなどを行っている栄養士もいます。

特に現代では、ファーストフードやコンビニ飯などで栄養の偏った食事をする人が増えてきました。どうすれば簡単に栄養が取れる食事を作れるか・栄養のある食事を忙しい人にも体が弱い人にもみんなに受け取ってもらう方法はなにかなどを考え、実行するのが食品メーカーで働く栄養士の仕事の役割です。

 

研究機関

研究機関で働く栄養士は、食品の安全性を証明するための研究を行ったり、食品の成分を研究したりしています。研究の成果次第では、未知の化合物を発見したり、成分の新しい働きを見つけたりできます。

栄養士として学ぶ上で栄養の素晴らしさ・面白さに興味を持った人は、研究機関を選ぶこともおすすめです。

 

スポーツクラブ・インストラクター

スポーツ選手は食事から栄養を得て理想の肉体を作っていくため、体にあった栄養を取ることがとても重要です。トップアスリートの場合、専属の栄養士がついているほどです。

いい筋肉や体の状態を作るのに「食事」は切っても切り離せません。プロのスポーツクラブで活躍している栄養士も多いものです。

トップアスリート以外でもジムのインストラクターとして、ジムに来る会員に直接栄養指導をすることもあります。

 

栄養士の給料・年収の目安

求人ボックスによると、栄養士の正社員の平均年収は約312万円です。

20~24歳の平均年収は279万円、25~29歳の平均年収は325万円、50~54歳の平均年収は412万円です。

参考:求人ボックス「栄養士の仕事の年収・時給・給料

国税庁によると、1年を通じて働いた人の平均給与は461万円と発表されています。そのため、栄養士の給料や年収は平均年収よりはかなり低いのが現状です。

参考:国税庁「II 1年を通じて勤務した給与所得者

また、ドラックストア・小児科などの職場は給料が高い傾向があります。栄養士の中でもどこで働くかによって年収は変わるので、慎重に職場を選びましょう。

 

栄養士に向いている人の特徴

「栄養士として働きたいけれど、栄養士に向いているかな……」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

以下では、栄養士に向いている人の特徴についてご紹介します。

 

食に興味がある人

栄養士は単に栄養のことだけを考えるのではなく、食べ物に向き合う時間がとても多いです。そのため、食に興味がある人でないと「毎日食べ物のことを考えたくない」と憂鬱な気分になってしまう可能性があります。

食べ物や食べることが好きな人の場合「次はこういうメニューもいいな」「飽きずに食べるためにも違うメニューも調べてみよう」と楽しみながら仕事を行えます。

 

探究心がある人

世の中にはたくさんのレシピがあり、新しい調理法もどんどん開発されています。

自分の知っているレシピだけを作り続けるのではなく、新しいものを吸収できる探究心がある人が栄養士に向いているといえます。

探究心があれば、同じ豆腐とネギを使う料理でも、味噌汁にするか・麻婆豆腐にするか・新しい料理を作るかなどアレンジをして飽きさせない料理を作れるでしょう。

 

協調性がある人

栄養士は、調理師や患者、スポーツ選手など人と関わって仕事をすることが多いです。そのため、協調性やコミュニケーション能力が必要となる場面も多くなります。

一人で仕事を進めるだけでなく、周りの人と協力をしたり、食事をする相手のことを思いやって説明したりできる人が栄養士に向いていると言えます。

 

独学で取るのは不可能!栄養士に必要な資格

栄養士は、栄養士養成施設を卒業しなければ資格を取ることはできません

そのため、独学で資格の勉強をして取ることは不可能なことを覚えておきましょう。

栄養士養成施設を卒業し、栄養士免許申請をすれば試験を受けずに栄養士の資格が獲得できます。

 

栄養士養成施設でのカリキュラム例

「栄養士になるために行く栄養士養成施設ではどのようなことをするの?」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。

栄養士だから毎日ご飯を作っているというわけではなく、様々な栄養に関する内容を勉強しています。

以下では、栄養士養成施設でのカリキュラム例をご紹介します。学校によってカリキュラムが異なるので、自分の行きたい学校のカリキュラムを調べてみてはいかがでしょうか。

 

栄養指導論

栄養指導論」では、栄養士が栄養指導をする相手の栄養状態を分析し、どのような栄養が必要か判断する方法を学びます。

また、相手とのコミュニケーションのとり方や、ヒアリングの方法、食事指導をする方法なども副次的に学びます。

 

給食管理

給食管理」では、給食施設で行われる材料の下処理や盛り付け、お皿や調理器具の消毒などを実践しながら学びます。

料理をするだけではなく、衛生管理の方法なども学習していきます。

 

調理学実習

調理学実習」では、実際に料理を作ることを中心に行います。様々な調理法を勉強したり、世界各国の食べ物を作ったりして多種多様な調理方法を学びます。

 

食品加工学

食品加工学」では、加工食品の製造方法や正しい保存方法を調べたり、自分で作るためにはどうすればいいかを考えたりします。

実際に自分たちで味噌やバターなどを作り、実践することもあります。

 

臨床栄養学

臨床栄養学」では、食事と病気の関連を知り防ぐためにどうすればいいかなどを考える授業です。

栄養バランスの取れた食事や年齢・性別・疾患などに合わせたメニューなどを考えることもあります。

 

栄養士になるための方法

栄養士になるためには必ず「栄養士養成施設」を卒業する必要があります

以下では、栄養士になるための流れをステップに分けてご紹介します。

 

STEP1.栄養士養成施設を卒業する

まずは、栄養士になるために栄養士養成施設に入学し卒業する必要があります。

栄養士養成施設は昼間部のみのため、夜間の学校に通いながら社会人を続けるといった方法は取れません。

栄養士養成施設は、4年制の大学・短大・専門学校などの施設を選ぶことが可能です。

短大を選ぶと、最短で2年で栄養士養成施設を卒業できます。

 

STEP2.栄養士免許を取得する

栄養士養成施設を卒業したあとは、各都道府県知事に申請をすることで栄養士の資格を取れます。

栄養士免許は特別な試験をすることはなく、申請をするだけで取ることが可能です。

すでにご紹介しましたが、栄養士養成施設を卒業しない限り栄養士免許は取れないことに注意しましょう。

 

栄養士のキャリアパス

栄養士として成長するためには「管理栄養士」の資格を取ることをおすすめします。

管理栄養士養成施設を卒業した人は、実務経験無しで管理栄養士の試験の受験資格を取得できます。

4年制の養士養成施設を卒業した人は1年の実務経験で管理栄養士の試験の受験資格を得ることが可能です。3年制の場合2年の実務経験、2年制の場合3年の実務経験が必要です。

また、研究機関や食品メーカーなどの企業に就職した場合でもさらなる知識をつけるために管理栄養士の資格を取るのも一案です。

 

食生活のアドバイザーとして活躍したいなら栄養士を目指そう

本記事のまとめ
  • 栄養士は栄養士養成施設を卒業しなければ取れない資格が必要
  • 栄養士として働く場所は給食施設から研究機関まで様々な場所で働ける
  • 栄養士として成長するために管理栄養士の資格を取得するのもおすすめ

本記事では、栄養士になる方法や、年収、栄養士が活躍している場所、栄養士養成施設でのカリキュラム、栄養士に向いている人の特徴などを詳しくご紹介しました。

食は人間から切っても切り離せないものなので、栄養士はあらゆる人の役に立てる仕事です。

栄養士としての働き方は、給食施設やスポーツクラブ、研究機関、食品メーカーなど様々です。自分がどのような栄養士になりたいのか考え、将来自分が目指したい方向性に近い内容が学べる栄養士養成施設に入学してみてはいかがでしょうか。
 

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