保育士とはどのような仕事なのか、給料や、向いているかどうかを知りたい人も多いのではないでしょうか。また、保育士に憧れを抱いている人の中で、保育士になる方法を具体的に探している人もいるのでしょう。
本記事では、保育士になる方法や仕事内容、給料など保育士になる前に知っておきたい内容をご紹介します。
将来保育士になるための参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 保育士とは?保育士と幼稚園教諭の違いも紹介
- 保育士の仕事内容・給料などの知っておきたいポイントを紹介
- 保育士に向いている人の特徴5選
保育士とは?
保育士とは保護者の代わりに子どもたちの世話をする仕事のことをいいます。
児童福祉法第18条の四によると、保育士は以下のように定義づけられています。
この法律で、保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
引用:児童福祉法第18条の四
保育士と幼稚園教諭との違い
保育士と幼稚園教諭の違いがわからない人もいるのではないでしょうか。
保育士は、上記でご紹介したとおり「児童福祉法」により定義づけられている一方で、幼稚園教諭の場合は「学校教育法」「教育職員免許法」により定義づけられています。
また、保育士は0歳〜18歳未満・幼稚園教諭は3歳〜小学校就学前を対象にする違いもあります。
特に大きな違いは、保育士は「保育」を目的としているのに対し、幼稚園教諭は小学校の前準備としての「教育」を目的としているところです。
保育士としても幼稚園教諭としても働けるように「保育教諭」を目指す人もいます。
保育士の仕事内容
保育士とは、具体的にどのような仕事をするのだろうと疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
以下では、保育士が普段行っている仕事内容について詳しくご紹介します。
子どもに対する仕事内容
保育士の仕事としてイメージしやすいのが子どものお世話です。
保育士は、朝の挨拶から子どもたちの様子がいつもと変わりないかチェックすることから始まります。また、お昼ごはんを食べさせたり、遊ばせたり、絵本を読んだりお昼寝を見守ったりもします。
保育士は、保育所保育指針にある「保育の5領域と呼ばれる「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」に基づきながら、子どもたちの成長を見守り、手伝っているのです。
保護者に対する仕事内容
保育士は子どもたちだけではなく、保護者に対しても仕事をする必要があります。
例えば、保育園での過ごし方や子どもの成長の様子を口頭や連絡帳を使って伝えます。
保護者からすると、大切な我が子がどのように過ごしているか気になるので丁寧に伝える必要があるでしょう。
その他付随する仕事内容
保育士は子どもたちが過ごす空間を清潔に保つため、朝早くに来て掃除をしたり換気をしたりなど環境を整えたりといった清掃を行うことも仕事です。
また、子どもたちと過ごす計画を立てたり、イベントを計画したりなども重要な仕事。
また、保育士として成長するために、保育士のキャリアアップ研修を受けに行き勉強することもあります。
子どもと接するだけではなく、保護者や同僚とのコミュニケーションを取りながら仕事を進めていきます。
保育士が活躍している勤務先
保育士は保育園のみで働くわけではありません。
例えば、放課後や長期の休みなどの子どもの居場所である放課後児童クラブや、親元から離れて生活する児童養護施設などでも働くことが可能です。
保育士として働く際は、保育園や認定こども園だけではなく、放課後等デイサービス・児童発達支援なども考慮に入れてみてはいかがでしょうか。
保育士の働き方・休みはいつ?
保育士は、7時〜16時の早番・9時〜18時の中番・10時〜19時の遅番のように3つの時間帯でシフトを組むことが多いです。
また、働く場所によっては延長保育・夜間保育などがある場合もあります。
休みといえば「土日祝日」のイメージがある人も多いのではないでしょうか。
働く場所によって異なりますが、休園日でも預かり保育があり、土日祝でも出勤することがあります。週1~2日の休みはもらえますが、土日祝や夏休みがない可能性も高いです。
どのような働き方をしたいのかを検討し、条件にあった勤務地を探す必要があります。
保育士の給料・年収の目安
求人ボックス 給料ナビによると、正社員の保育士の平均年収は314万円です。
20〜24歳の平均年収は293万円、25〜29歳の平均年収は337万円です。50〜54歳のベテラン世代の平均年収は400万円と、年収は大幅には増加しないことがわかります。
参考:求人ボックス 給料ナビ「保育士の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
国税庁によると、1年を通じて働いた人の平均給与は461万円と発表されているので、平均年収よりはかなり低いのが現状です。
参考:国税庁「II 1年を通じて勤務した給与所得者」
保育士に向いている人の特徴
「自分は保育士に向いているのかな」「子どもが好きだという理由だけで保育士を目指してもいいのかな」と、不安に思う人もいるのではないでしょうか。
以下では、保育士に向いている人の特徴を5つご紹介します。
1.子どもと関わること、成長を見ることが好きな人
保育士に向いている人の特徴の1つ目は、子どもと関わることや子どもの成長を見ることが好きな人です。
保育園では保護者やその他の仕事があるといえども、ほとんどが子どもと関わる仕事です。
「子どもと接することが苦手」という人は保育士の仕事はストレスを感じやすく、向いていないと言わざるを得ません。
子どもと触れ合うことに喜びを感じたり、毎日成長していくこどもを見守れることにやりがいを感じたりする人は保育士に向いているといえるでしょう。
2.共感力がある人
保育士に向いている人の特徴の2つ目は、共感力がある人です。
子どもはあれやこれやと自由に新しい発想をするもの。自由な考えに対して「それは違う」と真っ向から否定するのではなく、受け入れ共感してあげることが大切です。
また、自分の意思をうまく伝えられない子どもも多いので、子どもの立場にたって考えることも重要です。
子どもを認め、共感できると、子どもの自我や思考力の成長を促進できるでしょう。
3.臨機応変に対応できる人
保育士に向いている人の特徴の3つ目は、臨機応変に対応できる人です。
保育士は毎日のルーティンワークをこなすだけの仕事ではありません。
毎日刻一刻と変わる状況の中、何をするべきか考え、行動する必要があります。「他の子はこれで良かったから」と適当に事を成すと、深刻なアクシデントが起こる可能性もあります。
様々な危険やリスクなどを考えながら、一人ひとりの子どもや状況に合わせて臨機応変に対応できる人が保育士に向いているといえるでしょう。
4.体力がある人
保育士に向いている人の特徴の4つ目は、体力がある人です。
保育士は、朝から晩まで子どもの世話をする必要があり、ときには子どもと一緒になって遊ぶなど体力を使う仕事です。
また、子どもたちが寝ている間でも連絡帳を書いたり、午後の用意を行ったりする必要があり、ゆっくりと休む時間はありません。
このように、保育士はかなり体力が必要な職業です。体力に自信がない人は、運動や筋トレをするなどして体力をつけておくことをおすすめします。
5.保護者や同僚と信頼関係を構築できる人
保育士に向いている人の特徴の5つ目は、保護者や同僚と信頼関係を構築できる人です。
大切な子どもを預かる身として、保護者からの信頼を得ることは必要不可欠です。保護者からの信頼を得て、コミュニケーションを取ることで子どもに関する情報をやり取りできるようになり、より細やかな対応ができるようになります。
また、同僚との関係性も重要です。綿密に連携することで、より安定した保育を行えます。
子どもだけではなく、大人との信頼関係も重要なことは覚えておきましょう。
保育士に向いていない人の特徴
ここまで保育士に向いている人の特徴を紹介しましたが、反対に保育士に向いていない人はどのような特徴があるのでしょうか。
保育士が向いているのか不安な人は、以下の特徴に当てはまっていないか確認してみてください。絶対に保育士になると決めている人は、以下の特徴を改善する方法を探ることをおすすめします。
1.柔軟に対応できない人
保育士に向いていない人の1つ目の特徴は、柔軟に対応できない人です。
保育士はときには同時多発する様々な問題に対処する必要があります。そのため、何から取りかかればいいかわからずパニックになり柔軟に対応できないと、子どもに害が及ぶ可能性があります。
決まったルーティンに沿って働きたい人は、保育士の仕事にストレスを感じやすいかもしれません。
2.潔癖症な人
保育士に向いていない人の2つ目の特徴は、潔癖症な人です。
保育士の仕事中には、子どもが口に含んで落とした食べ物のそうじや、おむつの取り替えなども発生します。また、子どもたちと遊ぶ際に、泥や虫などを触らなければいけないことも。
子どもにも触れられないと仕事ができないことがほとんどなので、過度な潔癖症の場合は保育士に向いてない可能性が高いです。
3.コミュニケーションを取るのが苦手な人
保育士に向いていない人の3つ目の特徴は、コミュニケーションを取るのが苦手な人です。
保育士は、子どもや保育士の同僚、保護者などと密にコミュニケーションを取る必要があります。一人で黙々と仕事をしたい人は保育士の仕事には向いてるとはいえません。
コミュニケーションを取るのが苦手な人は、普段から人と話すことを意識して行うことをおすすめします。うしてもコミュニケーションが苦手な人は「【15選】1人でも働ける!人と関わらない仕事を選ぶ3つのポイント」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
保育士に必要な資格
保育士になるためには、「保育士資格」と呼ばれる国家資格が必要となります。
保育士資格はどのような人でも取れる資格ではなく、特定の保育士養成機関を卒業するか保育試験を受ける要件を満たした人のみが受けることが可能です。
詳細は、「国家資格「保育士資格」を取得する方法は?難易度や受験要件について解説」からご確認ください。
保育士になるための方法
保育士になる方法は、大きく分けて2つ存在します。それぞれの方法について確認しておきましょう。
1.保育士養成機関を卒業する
保育士になるための1つ目の方法は、保育士養成機関を卒業することです。
都道府県が指定する保育士を養成する学校を卒業した場合、保育士資格試験を受けることなく保育士資格を獲得できます。
保育士養成機関は、4年制大学や短大、専門学校などがあります。
4年間でじっくり保育士になるために学びたい人は大学を、短い期間で保育士になりたい人は短大や専門学校をおすすめします。
2.保育士資格試験に合格する
保育士になるための2つ目の方法は、保育士資格試験に合格することです。
保育士資格試験は合格率が20〜25%程度の難易度が高い試験です。独学で勉強することも可能ですが、資格を取るためには100時間以上こつこつ勉強する必要があります。
また、実技の試験では楽器を弾いたり、絵を書いたりしなければいけないので、独学では手が回らない可能性もあります。
保育士資格試験を受けるためには、「大学に2年以上在学し、62単位以上修得した人」や「知事による受験資格認定がある人」など様々な条件が課せられます。
詳細は「国家資格「保育士資格」を取得する方法は?難易度や受験要件について解説」からご確認ください。
保育士のキャリアパス
保育士は専門性が高い仕事のため、他の職種へと転職するのではなく、保育士としてキャリアを磨く人が多いです。
保育士としてキャリアアップするためには「キャリアアップ研修」を受けることがおすすめです。例えば、食育・アレルギー対応について学ぶと、食事摂取基準値を考えたりアレルギーの子に寄り添った保育ができるようになるでしょう。
また、マネジメント研修では、メンタルヘルス対策や組織マネジメントの理解を学びます。
保育士になる前に必要な資格や給料、仕事内容などを調べておこう
- 保育士は保護者や同僚、子どもなどとコミュニケーションをとることが必要
- 保育士の平均年収は314万円・50〜54歳の平均年収は400万円
- 保育士になるためには保育士資格が必要
本記事では、保育士になる前に知っておきたい資格や給料、向いている人の特徴などをご紹介しました。
保育士は子どもを慈しみ成長を手助けする仕事です。日々成長する子どもに、自身も成長させてもらいながら楽しんで仕事ができることが何よりも仕事のやりがいになります。
本記事を参考に、保育士としてどのような働き方をしたいのか検討してみてはいかがでしょうか。
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