Wordの文字が重なって消えるときの直し方｜印刷やPDF化すると消えるときの対処法も紹介

Wordでテキストを入力しているとき、既存の文字が打ち込んだ文字に上書きされるトラブルが起こることがあります。通常使用している挿入モードが、なんらかの操作により「上書きモード」に切り替わってしまっていることが主な原因です。

今回は、文字が重なって消えてしまう場合の対処法をWindows版・Mac版ともにご紹介。印刷やPDF化するときの問題点や解決法も併せて解説します。

Wordの文字が重なって消える原因とは？

通常Wordでは、「挿入モード」により、打ち込んだ文字がカーソルの位置に挿入されます。ただし、意図せぬ操作ミスにより「上書きモード」に切り替わっていると、打ち込んだ文字によって既存のテキストが上書きされてしまう現象がごく稀に発生します。 

例えば、「あいうえお」という文字列があり、「あ」の隣にカーソルを入れて「こんにちは」と打ち込んだ場合、通常のモードなら「あこんにちはいうえお」と表示されます。

「上書きモード」と呼ばれる設定の場合、同じ状態で「こんにちは」と文字を打ち込むと、「あこんにちは」となってしまいます。新たに打ち込んだ「こんにちは」という単語によって、元々入力されていた「いうえお」の文字が消えるのです。

この「上書きモード」は、2022年時点ではWindows版Wordにのみ適用される機能であり、Mac版Wordでは適用されません。Windowsではキーひとつで挿入モード・上書きモードの切り替えができるため、突然、文字が上書きされてしまうトラブルが起きてしまうのです。

Wordの文字が消えていくときの直し方

既存のテキストが打ち込んだ文字で消えてしまう場合は、上書きモードを解除し挿入モードに切り替えましょう。Windowsでの対処法と、万が一Mac版でトラブルが起こった場合の対処法を解説します。

方法1．Windows版の場合

Windows版の場合は、「Insertキー」によって上書きモードと挿入モードを切り替えることで、文字が消えてしまうトラブルを解消できます。

突然トラブルが起こると対処に時間がかかってしまい作業がストップしてしまうので、Insertキーを押してもモードが切り替わらないよう設定の変更も行っておくのがおすすめです。

設定を行う手順は、「ファイル」タブ >オプションの順番にクリックし、表示されたダイアログボックスから「詳細設定」を行います。ダイアログボックス内の「上書き入力モードの切り替えにInsキーを使用する」のチェックをオフにし、OKボタンでダイアログボックスを閉じれば設定は完了です。

方法2．Mac版の場合（1）

Mac版Wordの場合も、上書きモードになった場合の対処法は簡単。ステータスバーに「上書きモード」と表示されているので、その文字をクリックすれば、入力を素早く挿入モードに戻せます。

方法3．Mac版の場合（2）

ステータスバーから上書きモード・挿入モードを切り替えられない場合、ほかの方法も試してみてください。

上部のメニューバーから「Word」>環境設定の順番にクリックします。

「Word環境設定」のダイアログボックスが表示されるので、「編集」を選びます。

「編集」の設定画面を開いたら、「入力するときに既存文字列を置き換える（上書き入力モード）」のチェックをオフに変更します。これで通常の挿入モードへの変更は完了です。

Wordを印刷・PDF変換すると文字が消えるときの対処法

Wordでは、編集時には画面上に表示されているのに、印刷やPDFに変換すると文字が消える「隠し文字」という機能が搭載されています。Windows版では隠し文字、Mac版では「非表示」という機能名です。

この「隠し文字」機能がオンになっている場合の対処法をご紹介します。

「隠し文字」機能が適用されている箇所は、文字下に点線が表示されています。解除するには、まず点線が付いている文字を選択しましょう。

選択した状態のまま右クリックで、コンテキストメニューを呼び出します。メニュー内の「フォント」を選びましょう。

すると「フォント」のダイアログボックスが現れます。「フォント」タブを選び、「文字飾り」の設定のうち「非表示」に付いているチェックをオフに。

これで隠し文字が解除され、印刷やPDF変換時に文字がしっかりと表示されるようになりました。

Wordの不調は知らずのうちに設定を変更していることが多い

文字を入力しているときや、ほかの作業を行っているとき、気付かないうちに不要な設定をしてしまっていることがあります。上書きモードの適用も多く起こりうるトラブルのひとつです。

焦って操作をしてしまうとどんどん文字が書き換わってしまいます。上書きモードという存在を知っておくと、いざというときにも対処方法がわかります。本記事を参考にして、落ち着いてトラブルを解消してくださいね。