HOMEインタビュー たくさん失敗したから、気が付けた。READYFOR若手社員が「意見を持つことが信頼につながる」と語る理由

たくさん失敗したから、気が付けた。READYFOR若手社員が「意見を持つことが信頼につながる」と語る理由

白井恵里子

2022/02/27(最終更新日:2022/02/27)


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渡邊紗羅さん/提供:READYFOR株式会社

新卒入社した会社で前向きに仕事に臨んではいるけれど「失敗はしたくない」「なるべく失敗しないように、難しいことには挑戦しないようにしている」といったように、失敗を恐れすぎてしまうことはありませんか?

しかし本当に大切なことは、失敗からしか学ぶことはできないかもしれません。

READYFOR株式会社の3年目社員・渡邊紗羅さん(25)は、クラウドファンディングサービス『READYFOR』にて"プロジェクト実行者"の専任担当者(キュレーター)を務めています。入社当初は数々の失敗を経験したそうですが、今は担当している全プロジェクトの目標金額を達成させるなど、敏腕キュレーターとして大活躍しています。

渡邊さんの、過去の失敗経験とは?そこから具体的にどのような学びを得たのでしょうか。詳しく話を聞きました。

クラウドファンディングサービス『READYFOR』

READYFOR株式会社は、「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」をビジョンに、クラウドファンディングサービス『READYFOR』を運営しています。

2011年3月のサービス開始から、約2万件のプロジェクトを掲載し、100万人以上から250億円以上の資金を集めており(2022年2月時点)、中学生から80代まで幅広い人々の夢への一歩をサポートしています。

提供:READYFOR株式会社

プロジェクト実行者様の伴走者「キュレーター」

渡邊さんは、2018年10月頃に同社へインターン入社。キュレーターのサポート業務を務めた後、2019年4月に新卒として正式入社しました。

現在はキュレーター部にて、いきもの関連のプロジェクトを主に担当。プロジェクトページの作成、返礼品の内容提案、目標金額達成までの設計/戦略の立案など、プロジェクト実行者をサポートする役割を担っています。

-----入社の経緯について教えていただけますでしょうか。

渡邊さん:学生時代、大学の友人に誘われてNPO法人でインターンをしていたのですが、このNPOでプロボノとして活動されていたREADYFORの社員と出会ったことが始まりでした。

文章やイラストが好きなので、NPOではよくチラシのデザインなどを制作していました。それを見たREADYFORの社員が「うちでもやってみませんか?」と声をかけてくださったんです。

そうしてREADYFORでインターンを始めてみたところ、働いている人たちの人柄の良さや仕事のスピード感に魅了され、「ここで働き続けたい」と強く思うようになり正式入社を決めました。

-----キュレーターとはどのような役割なのでしょうか?

渡邊さん:プロジェクト実行者様の伴走者として、プロジェクト公開前から目標金額達成に向けてサポートさせていただく役割です。

公開前はページの作成や返礼品のご提案、公開中はプロジェクト発信のための広報サポートを行います。

担当していたプロジェクト例/提供:READYFOR株式会社

欠けていた視点を補うべく、ヒアリングを改善

READYFORのプロジェクトページでは、"実行者が支援者に向けて伝えたいこと"を効果的にまとめ、発信する力が必要になるといいます。

-----文章やイラストのスキルは、ページの作成にも活かせそうですよね。

渡邊さん:そう思っていたのですが、実際に仕事を始めてみると、これまでの考え方ややり方では通用しないと痛感する日々でした…。

私は「誰かの世界観を表す」ことを得意としていたので、ページの作成においても「いかに実行者様の世界観を表現できるか」「きれいに見せられるか」に重きを置きすぎてしまっていました。

「誰のためのプロジェクトなの?」「このページでは誰に何を伝えたいの?」といった視点が、入社当初の私には不足していたんです。

-----そのように気が付けたきっかけがあったのですか?

渡邊さん:担当したプロジェクトの目標金額を達成させることができなかったことです。

なぜ達成できなかったのか?を振り返った時に、「目の前にいる実行者様を満足させたい」という気持ちが先走ってしまい、「支援者の皆様にプロジェクトを支援したいと思ってもらうためにはどうすればよいか」という視点が抜けていたことに気が付いたんです。

この視点が抜けていたら、いくら実行者様の世界観がきれいに表現できていたとしても、最終的には実行者様を満足させられる結果はついてきません。

そのため、思考を切り替え、実行者様へのヒアリングを徹底的に改善し、どういう人に何を訴求するのか把握し、それを自分自身のなかでしっかり理解してから、プロジェクトページや返礼品に反映させるようにしていきました。

-----ヒアリングは具体的にどのように改善していったのですか?

渡邊さん:まずは同じようなプロジェクトを担当したことのあるメンバーに相談したり、他メンバーのヒアリングに同席したり…。あえてオフィスのオープンな場で、社内の皆さんに聞こえるような環境でヒアリングを行い、その後フィードバックをもらうようにしていた時もあります。

-----なるほど!どのようなフィードバックが印象に残っていますか?

渡邊さん:とある実行者様からお叱りを受けてしまった時、私は「とにかく謝る」を続けていたのですが、あるメンバーから「申し訳ないと思っている部分は謝ったほうがいいけれど、自分の役割や、今後の改善策に関する自分の意見もしっかり先方に伝えるべき」と言われたことが今でも心に残っています。

実行者様の意図をしっかり汲み取ったうえで、理解者として自分の意見を明確に持ち、それを実行者様に伝える…これこそが本当の意味での「伴走者」であり、信頼してもらえる秘訣なのだと、いただいたフィードバックからも学ぶことができました。

取材の様子(オンライン)

「意見を持つ」ことを意識すると、成果も出るように

-----ヒアリングを改善し「意見を持つ」ことを意識し始めてから、何か変化はありましたか?

渡邊さん:ありました。まず、担当している実行者様から「渡邊さんでよかった」と言っていただくことができました。

理由を尋ねると、「プロジェクト内容について相談できる人があまりいない中、あなたの"意見"を聞けたことがとても貴重だったし、励みになった」とのことでした。意見を持つことの大切さを改めて感じられた瞬間でしたね。

-----それは嬉しいですね。担当するプロジェクトの目標金額も達成できるようになってきたのでしょうか。

渡邊さん:はい。一昨年1月頃に初めて、当時公開中の担当プロジェクト10件すべての目標金額を達成することができました。その時にやっと「実行者様とこうして寄り添えばよいのか」と、自分に自信を持てるようになりました。

実行者の方々はたいてい不安な気持ちでプロジェクトをスタートするので、キュレーターとして「挑戦に対する一番の理解者でありたい」と思っています。それを、ようやく体現できるようになってきたかな、と。

「一番の伴走者」「一番の理解者」で在りたい

-----これまでで一番印象深いプロジェクトはありますか?

渡邊さん:担当したいきもの関連のプロジェクトで、支援金額が伸び悩んでいたところから挽回して目標が達成でき、終了後に実行者様が涙を流していらっしゃったことです。

このプロジェクトは、走り出し時点でなかなか支援金が集まらず、目標金額まで到達できるか案じていらっしゃいました。しかし、公開中に改善を行い続けたことにより、最終的に目標金額を上回る支援金を集めることができました。

実行者様の涙を見た時には「こんなに不安な想いをさせてしまっていたんだ」という不甲斐なさと、達成の喜びが交じり合った、複雑な感情に包まれました。

-----素敵なエピソードですね。最後に、今後の目標についてお聞かせください。

渡邊さん:目の前の実行者様にも、その先にいる支援者の方々にも喜んでもらえるよう、プロジェクトを確実に成功に向けて導いていきたいです。

そして、せめてプロジェクトに挑戦している期間だけでも、実行者様の「一番の伴走者」「一番の理解者」で在りたいと思っています。

提供:READYFOR株式会社

プロジェクトの目標が達成できない悔しさをバネに思考を転換し、積極的に改善に努めたからこそ気が付けた、一番大切なこと。渡邊さんにとって「理解者として意見を持つこと」は、本当の意味での"伴走者"になるための最初の一歩だったのでしょう。

「失敗はしたくない」と挑戦から逃れている人は、大切なことに気が付く機会をも失っているかもしれません。「失敗をしたら、それが糧になる」そう思えるようになれば、あなたの成長スピードもぐっと上げることができるのではないでしょうか。

出典元:READYFOR株式会社
出典元:READYFOR

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