ジョブ型人事制度の普及をはじめ、個人の専門性やスキルが重視されるようになってきた昨今。大半を占める“一般社員”といわれる若手ビジネスパーソンとしては、今後、自身のどの能力をどのように磨いていくべきなのか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
株式会社ラーニングエージェンシーは、2021年10月11日(月)~12月13日(月)の期間中、ビジネスパーソン5099人を対象に「組織・チームのあり方の変化に関する意識調査」を実施。その中から「一般社員(非管理職)に期待されることの変化」に関する結果を公開しました。
一般社員に求められるスキルへの理解、および自身が進むべき方向性を定めるうえで、参考にしてみてはいかがでしょうか。
ビジネスパーソンの大半を占める“一般社員”への期待はどのように変化した?
昨今、専門性の高い新入社員を高年収で採用することや、ジョブ型人事制度・リスキリングのように、個人が高い専門性を身につけたり、変化したりすることが重要視
専門性の高い人を活かす組織づくり実現に向けたマネジメント力や、組織を変革させるリーダーシップが求められるようになった一方、ビジネスパーソンの大半を占める“一般社員”への期待は、この10年でどのように変化したのでしょうか。
同社は「一般社員への期待の変化」について、約5000人のビジネスパーソンにアンケート調査を実施。調査の結果、50%を超えるビジネスパーソンが、「10年前と比べて一般社員に期待されることが変わった」と回答したといいます。
個人としての成果よりも、チームにおいて発揮する能力が期待されている
では「具体的に私たちに期待されていることは何?」と思っている若手ビジネスパーソンも多いでしょう。
調査の結果、 一般社員が携わる業務は、定型業務から非定型・プロジェクト型業務へと変化し、個人としての成果よりも、チームにおいて発揮する能力が期待されていることが明らかになりました。
「周囲を巻き込みリーダーシップをとる」も増加傾向にあるなど、部門や部署を超えた人が集まり、チームで遂行する業務能力が期待されるようになってきたようです。
一方、10年前と比べ、一般社員に期待されることで最も減少したのは、「定型的な業務を確実に遂行する」「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」「個人として成果を上げる」など。
チームで業務を遂行し成果を期待されていることから、今後ますます周囲との協調性や共感力、コミュニケーションスキルなどが必要となりそうです。
また、ルーティン業務のように、定型的に対応する業務を確実に遂行することのみならず、ゼロベースで考えることや、上司に頼らず、時に自らの責任で判断・行動することも期待されているようです。
一般社員はその変化に追い付いておらず、現在は移行期にあるとみられる
同調査では、状況の変化や顧客・マーケットのニーズ多様化により、一般社員に対する期待が変化していることも併せて明らかになっています。では、一般社員であるビジネスパーソンは、すでにその期待に応えらえているのでしょうか。
調査結果では、実際はその変化に追い付いておらず、移行期にあることが分かりました。
一般社員に期待されていることと、実際担っている役割の間にはズレがあり、最も差があったのは「周囲を巻き込みリーダーシップをとる」との結果に。60.5%が「一般社員に期待される」と回答したものの、23.3%しか「実際に担えていない」と答えたとか。
同様に「非定型的な業務・プロジェクト型の業務で役割を遂行する」「自ら現場で判断し、行動する」「チームで協力して成果を上げる」でも、期待と実態が乖離していたといいます。
「タイムマネジメント」や「言語化する力」「共感力」を磨くべし
現在移行期にあるとはいえ、一般社員は早急にこれらの期待に応えるべきであるのは明らかでしょう。具体的に、一般社員に求められるようになってきたスキルや知識が何なのか気になりませんか?
一般社員に求められるようになってきたスキル・知識は、「タイムマネジメント」が55%と1位に。「言語化する力」や「共感力」など、コミュニケーションに関するスキルも求められていることが分かっています。
タイムマネジメントについては、働き方改革による残業時間削減など、短い時間で効率的に成果を上げることが求められてきたという背景があるとか。
また、チームで成果を上げるためには、多様なメンバーとのコミュニケーションを通して関係性を構築する必要があることから、「言語化する力」や「共感力」といった、知識やスキルも重要視されるのでしょう。
同調査結果より、一般社員に期待されることが「1人で成果を出せる優秀な個人」から、「チームを巻き込んで成果を出せる個人」へと変化しており、現在はその移行期にあるということが読み取れるといいます。
若手ビジネスパーソンとしては、日々の業務や定型業務を確実に遂行しつつ、さらに周囲のチームメンバーとも良い影響を与え合いながら、組織としての成果に貢献できるよう心がける必要がありそうです。
【調査概要】
- 調査対象者:同社主催の研修(会場型・オンライン型)、オンライン講演の受講者
- 調査時期:2021年10月11日(月)~12月13日(月)
- サンプル数:5099人
同調査の詳細についてはプレスリリースをご覧ください。
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