「大手の企業に行くか、ベンチャーに行くか」「自分が本当に進みたい道はどちらなのか?」就職を前にした時、一度は悩んだことがあるの人も多いのではないでしょうか。
関根海さん(23)は大手企業の内定を辞退し、大学院を2年生の秋に中退。インターンとして働いていた企業に、新卒での入社を決意しました。
大学で学んできた分野とは全く別の未経験の業界へ進むことを決意するまでには、多くの葛藤もあったと言います。
それでも悩み抜いた末に決断を出した、その決め手は何だったのか?関根さんを取材しました。
出張撮影サービスと写真教室事業
株式会社ラブグラフは出張撮影事業として「撮りたい」カメラマンと「撮られたい」お客様を繋ぐ、新しい出張撮影サービス「Lovegraph」を日本全国で展開。
また、教育事業として初心者から上級者まで幅広いレベル層に向け「Lovegraphアカデミー」と称した写真教室を全国主要都市やオンラインにて開催しています。
きっかけはビジョンへの共感と人を喜ばせたい気持ち
関根さんは2021年の4月頃から同社にインターン入社。同年9月に大学院を中退、大手企業への内定を辞退して、2022年の4月から新卒として正式入社する事を決意しました。
現在は、関根さん自身もトップカメラマンとして活躍している出張撮影サービス「Lovegraph」のカメラマン採用責任者として働いており、四半期のMVPも受賞。確実に実績を残しています。
-----インターンを始めた経緯を教えてください。
関根さん:「Lovegraph」のカメラマンになったのが大学3年生の11月で、今でちょうど3年ほど経つのですが、当時からビジョンが好き、自分の強みが生かせる、写真で人を楽しませるという点で共感していたのが、まずカメラマンになったきっかけでした。
-----カメラマンとして入ったのが始まりだったのですね。
関根さん:はい。そこからインターンとして入った理由なのですが、僕自身がカメラマンとして活動している時から本社側に「ここはこうした方が良いのでは?」と意見を言っていたんですね。
でも、意見を言っているだけで自分で変えられる訳ではない。それだったら「自分で変えたい」と思ったのがきっかけです。
募集のタイミングもありましたし、インターンでの仕事がカメラマンの採用ということで、自分のカメラマンとしての視点も活かせるのではないかと思いました。
-----インターンとして入ってからはどういったことを行っていたんですか?
関根さん:ベンチャーと言うこともあり、「採用全部やってみて」といった感じで任されたので、とにかく自分で考えて自分で手を動かしました。
裁量がとにかく大きいので、自分で試行錯誤をして、どうすれば採用数を増えるかを考えて、試しました。かなり泥臭い感じでしたね。
-----採用責任者を担われているのは凄いですね。
関根さん:最初は全く採用のこともわかりませんでしたし、やったこともありませんでした。
むしろ、大学院は完全に理系で、ロボット系の分野。昨年3月には大手企業に内定ももらっていたので、最初は「1年間しかインターンはできないけれど、大学院で研究ばかりしているのも面白くないからやってみようかな」くらいの気持ちでした。
ただ、インターンを続けているうちに気持ちが変わってきたんですよね。
挑戦したことで見えた新しい道と葛藤
-----何かきっかけはあったのでしょうか?
関根さん:自分は理系の大学院で研究しかしてこなかったので、他のことができるとも思っていなかったんです。
自分の強みは研究しかないし、今まで研究しかやってこなかったから、ファーストキャリアは研究しかないだろう」と思っていたのですが、やってみたら思っていたよりできた。何よりやっていて楽しかったんですよね。
-----新しい道を発見したと言う感じですね。
関根さん:また、ラブグラフはベンチャーなので、社員のみんながどこかで成果を上げていて、本当に優秀な人が多いです。尊敬できる優秀な人と直接仕事できるのが凄く楽しいし、成長も感じられました。それも大きいですね。
-----これまでやってこられた研究職の内定を辞退することに抵抗はありませんでしたか?
関根さん:凄くありましたし、正直悩みました。周りからも反対はありましたね。
元々6年間理系で、大学院もあと半年と言うところで辞めることを決めたので、「今辞めるの?」「最初は大企業行っておいた方が安定だよ」と言うのが周りの意見で、自分の中でもそれを完全に否定はできませんでした。
-----そうやって悩んだ末に、新しい場所に飛び込む決意をした理由は何だったのでしょうか。
関根さん:本当に自分が1番やりたいことは「ラブグラフに入ること」と心のどこかで決まっていたし、思ってはいたんです。
ただ、周りの目や「普通こうするよね」と言ったような、他人の意見が邪魔しているのに気付いたんですよね。「自分の心は完全にこっち(ラブグラフに入ること)だな」と、しっかり気づけたことが大きいです。
インターン生ながらもMVP受賞
-----インターン中に、最も印象に残っていることはありますか?
関根さん:ラブグラフには1カ月に25人カメラマンを採用するという目標があります。でも、僕が入る前までは10人程度。正直、目標を達成するなんて無理なのでは…と思っていたのですが、色んな試行錯誤を経て、今年6月に初めて採用目標を達成した時は、嬉しかったですね。
そこからどんどん採用人数が増えていって、9月に過去最高の45人を採用するところまで行くことができました。
インターンとして入ってからずっと、かなり泥臭いことを続けていましたが、結果として数値に現れたのは嬉しかったですね。
-----インターンでありながらMVPも獲られたんですよね。
関根さん:6月と9月に採用チームとしてMVPをもらいました。凄く嬉しかったですし、自分にスキルが何もない状態で、行動力だけで入ったので、それが結果として現れて評価してもらえたのは嬉しかったです。
-----力不足や経験不足を感じた時に、かけてもらってよかった言葉はありますか?
関根さん:自分に突出したスキルがないことから、「自分の強みは何だろう?」と悩んでいたのですが、上司に「大切なのはスキルを持つことではなくて、結果を出すこと」「スキルは結果を出すための手段に過ぎないよ」と言ってもらったことは印象に残っています。
それが自分の中での思考の転換点でしたね。僕はどちらかというとジェネラリストタイプなので、「何か突出したスキルや強みはなくても、結果を出せれば大丈夫」と思えるようになりましたし、自分に自信が持てるようになりました。
「誰でもできる」と思っていたことが、自分しかできないことだと気付くことができたので、結果を出すために必要だと思うことに対しては、「今、自分ができるかできないか」という軸ではなく、「必要かどうか」という軸で考えて挑戦できるようになりました。
同じように悩む人に伝えたいこと。
-----では最後に、関根さんと同じように将来進むべき道について悩んでいる同世代へアドバイスをお願いします。
関根さん:僕もまだ人にアドバイスできる立場ではないのですが、悩んだことは自分にとって凄くプラスだったと思っています。
悩まずに就職先をベンチャーに決めてしまっていたら、ベンチャーで何か辛いことが合った時に「どうしてこっちを選んだんだろう?」と後悔してしまうこともあるかもしれない。
けれど、自分なりに大手からベンチャーに行った人や色々な人に話を聞いて、その上で悩んだ結果、自分の中で改めて「なぜベンチャーに行きたいのか」「ラブグラフに入りたいのか」が言語化できたんです。
悩んだからこそ言語化できたし、悩んだからこそ、自信を持って「この道に行って良かったな」と思うことができました。
色々な人と話して、しっかり悩むことで、自分がやりたいことを言語ができるようになるので、思考がまとまるのかなと思います。
-----ありがとうございました。
自分が本当に進みたい道が心の奥で決まっていたとしても、他人の目や未来への不安から、「この道でいいのだろうか」と人は迷ってしまうもの。「悩んでいる時間が勿体無い」と、決断できない自分に憤りを感じることも、悩み過ぎて自分の心が分からなくなることもあるかもしれません。
しかし、これまで歩んできた道とは全く別の道への一歩を踏み出すことを決意した関根さんは、「悩んで決めたことだからこそ、後悔しない道を選べる」と教えてくれました。
「色々な人と話して、しっかり悩むことで、自分がやりたいことを言語化できるようになる」同じように悩んだからこそ、悩むことを否定しない彼の言葉は、悩むことに疲れてしまいそうになる人への救いになるのではないのでしょうか。
出典元:株式会社ラブグラフ
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