Googleスプレッドシートでは、作業を自動化できる「マクロ」機能が使えます。元々はExcelに搭載されており、なかにはプログラミング言語を扱うから苦手という方も多いでしょう。
実はGoogleスプレッドシートでマクロを使う場合、プログラミング言語は不要。本記事では、マクロでできる3つのことに加え、簡単にマクロを実行できるボタンの作成・適用方法なども解説します。
- マクロを使ってできること
- Googleスプレッドシートでのマクロの使い方
- oogleスプレッドシートでボタンを作成してマクロを実行する方法
そもそもマクロとは?VBAとどう違うの?
マクロとは、データの集計や分析をしたり、ある条件でソートをかけたりと本来手作業でやっていたことを自動化できる機能のことです。通常こうした操作をコンピューターに実行するよう指示を出すには、プログラミング言語を使用します。
ただし、Googleスプレッドシートでは、「マクロ」という拡張機能を使い、プログラミング言語なしで簡単にプログラムを作成可能です。
マクロと混同されがちなVBAですが、両者は異なるものを指しています。マクロが自動化の機能そのものであるのに対し、VBAはマクロでデータを処理する際に使用するプログラム言語のこと。VGAを使えば、より複雑な自動化も実現できます。
ExcelのマクロとGoogleスプレッドシートのマクロの違いは?互換性はあるの?
元々マクロは、Excelに搭載されていた機能です。Googleスプレッドシートには、2018年4月に新機能として追加されました。
Excelのマクロには、VBAが用意されています。一方、Googleスプレッドシートには、Google Apple Script、略してGASと呼ばれるものを採用。ベースの言語にも違いがあり、ExcelはVisual Basic言語を、GoogleスプレッドシートはJava Script言語をそれぞれ使用します。
2つは互換性があり、マクロ付きのExcelファイルをGoogleスプレッドシート上でも利用可能。重いExcelファイルでのやりとりがなくなるのがメリットです。
ただし、ExcelファイルをGoogleスプレッドシートにインポートした際、デザインが崩れる可能性があります。互換性は完全ではないため、変換した後の扱いには注意してください。
Googleスプレッドシートのマクロでできること
Googleスプレッドシートのマクロは、簡単なプログラムから複雑なプログラムまでを設定可能。ビジネスで活用するのにおすすめなGoogleスプレッドシートのマクロでできる3つのことをご紹介します。
できること1.業務の自動化ができる
Googleスプレッドシートのマクロでできること1つ目は、業務の自動化です。
マクロでは、毎月のように手作業で行っていたような業務を全自動で実行できるようになります。膨大な量のデータから指定したデータのみを収集し、グラフにまとめる作業も自動化可能です。
基本的には、Googleスプレッドシート内でできることであれば自動プログラムを設定できます。
できること2.プログラミングなしでマクロを組める
すでに紹介したように、Googleスプレッドシートではプログラミングを使用しなくてもマクロが使えることが特徴です。
Googleスプレッドシートには「マクロ」という拡張機能が予め用意されています。マクロを記録・実行するとコードが発行されます。コードには手を加えなくても問題なく、必要な場所にインポート・実行するだけを作業内容が簡単。
操作方法が分かっていれば、プログラミングができなくても使用できることが大きな特徴です。
できること3.データを自動送信・自動生成できる
Googleスプレッドシートのマクロでできること3つ目は、データの自動送信・自動生成です。
Googleスプレッドシートのマクロを活用すれば、自動送信も可能。例えば、毎月決まった日に決まったアドレスにデータを送る必要がある場合に便利です。プログラムでは、送信時間も設定できます。
さらに、データの自動生成も可能です。単純なマクロの使い方よりやや設定の難易度があがるものの、例えば、日次のデータを収集し月次データを作成することができます。毎月作成する必要があるデータ作成を自動化するので、その分の時間をほかの業務にあてられます。
Googleスプレッドシートでのマクロの使い方
Googleスプレッドシートでのマクロの使い方は主に3つ。記録・実行・編集です。編集ではコードを見る必要があるためやや難易度が高いものの、操作自体は非常に簡単。Googleスプレッドシートでのマクロの使い方を解説します。
1.マクロを記録する方法
Googleスプレッドシートでのマクロの使い方1つ目は、マクロを記録する方法です。
マクロを実行するGoogleスプレッドシートを開いたら、「拡張機能」>「マクロ」>「マクロを記録」と進みます。
すると、ページ内の下部にポップアップが表示されます。この間に、記録したい作業を行います。
ポップアップには、「絶対参照を使用」と「相対参照を使用」の2つが表示されているのえ適した方を選びましょう。セルを固定したい場合は絶対参照、特にセルの固定がない場合は相対参照で問題ありません。
マクロに名前をつけて、「保存」ボタンをクリックします。
データ量によって保存にかかる時間は異なるものの、少ない情報量であれば数秒で保存が可能。左下に「マクロを保存しました」と表示されれば、マクロの記録は完了です。
2.マクロを実行する方法
Googleスプレッドシートでのマクロの使い方2つ目は、マクロの実行です。
マクロを実行する際には、「拡張機能」>「マクロ」>「実行したいマクロを選択(今回は「無題のマクロ」)」と進みます。
すると「承認が必要」のポップアップが現れます。「続行」をクリックしましょう。
使用するアカウントを選択し、「Google アカウントへのアクセスをリクエスト」を許可します。
一度書式スタイルをリセット。再度、「拡張機能」>「マクロ」>「無題のマクロ」と進みます。
上部に「スクリプトを実行しています」というポップアップが表示されるので、終了まで待機します。
「スクリプトが終了しました」の表示に変わったら、マクロの実行は終了。データを複製するという作業がしっかりと行われたので、実行は成功です。
3.マクロを編集する方法
Googleスプレッドシートでのマクロの使い方3つ目は、マクロの編集です。
編集する際には、「拡張機能」>「マクロ」>「マクロを管理」の順番に進みます。
管理しているマクロの右側に三点マークがあるのでクリック。表示されたメニューから「スクリプトを編集」に進みます。
「Google Apps Script」のエディタが表示されました。コードが作成されているので、この部分を編集していきます。コードに手を加えたら、[command]+[s]で保存します。これでマクロの編集は完了です。
ボタンを作成してマクロを実行する方法
作成したマクロはスクリプトエディタ上から実行できますが、より操作を簡単にしたい場合は、ボタンを作成してマクロを実行する方法がおすすめです。
まず、Googleスプレットシート上に、マクロの実行に使えるボタンを作成します。「挿入」>「図形描画」と進みます。
ポップアップ表示された「図形描画」から、図形一覧を呼び出し、ボタンに使用したいデザインを選びます。
ボタンを作成できたら「保存して終了」をクリック。
作ったボタンは、Googleスプレッドシート内に自動で挿入されます。
このボタンに実行機能を持たせます。挿入した図をクリックすると、右上に三点マークが表示されているので、クリックしてください。
表示されたメニューから「スクリプトを割当」を選びます。
「どのスクリプトを割当ますか?」と書かれたポップアップが表示されます。入力欄には、すでに作成したfunctionの関数名を入力してください。
関数名は、スクリプトエディタの「myFunction」から確認できます。今回は、そのまま「myFunction」を割り当てます。
Googleスプレッドシート画面に戻り、ボタンをクリック。「スクリプトを実行しています」というポップアップが表示され、マクロでの設定が反映されていれば、ボタンを使ったマクロの実行は成功です。
Googleスプレッドシートのマクロを学ぶためのおすすめの本
マクロは一度覚えると、業務理効率化を叶えてくれるとても便利な機能のため、体系的に学んでマスターしたいという方も多いのではないでしょうか。体系的な知識を身に着けたり、基礎から実践まで幅広く学びたい人には書籍もおすすめです。
『詳解! Google Apps Script完全入門 ~Google Apps & G Suiteの最新プログラミングガイド~』は、Googleスプレッドシートのマクロに初めて触れる方におすすめの書籍です。
通称GASと呼ばれているGoogle Apps Scriptを、非常にわかりやすく解説しています。基本的な仕様やGASで使用するJavaScriptに関する基礎知識も網羅。そもそも、GASが何でできているのかを把握することで、GASの利用ハードルを自然に下げられます。
基礎を学ぶ以外に、実践的な内容が含まれているのもポイント。Googleスプレッドシートのマクロを使うための知識を体系的に学習できる1冊です。
Googleスプレッドシートでもマクロを活用して毎日の作業を自動化しよう
- Googleスプレッドシートではプログラミングを使用しなくてもマクロが組める
- マクロを簡単に実行するためにはボタンを設置する
- 体系的に学びたいなら書籍がおすすめ
Googleスプレッドシートでは簡単に作業ができるよう、あらかじめ「マクロ」機能が搭載されています。初めてマクロを組む際には難しく感じてしまいますが、実際に操作しながら覚えていけば、さまざまなシーンで活用可能。毎日・毎週・毎月の固定されている業務をマクロで自動化すれば、その分の時間を別の作業にあてられます。
本記事を始め、体系的に学べる書籍も参考に基礎を身に付けつつ実践を重ねて、マクロの使い方をマスターしていきましょう。
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