「自分の好きな事を仕事にしたい」「好きなものを広めたい」そう考えて起業を志す人は多いのではないのでしょうか。
ただ、それを実際に叶えられる人はそう多くはありません。
CityCamp株式会社さんの代表・松池恭佑さん(26)は自身の趣味である「キャンプ」のハードルを下げたいという想いから起業。
現在は"なんでもできる街で、なんもしないをしませんか" をコンセプトに、都会でもオフになれるクラフトコーラ「OFF COLA am2:00/pm6:00」や、会員制のキャンプバー「CityCamp(シティーキャンプ)」などを展開しています。
好きなものを仕事にすることができる人と、そうでない人の違いは一体何なのでしょうか。自身の好きを仕事にした、松池さんを取材しました。
会員制のキャンプバー『CityCamp』
CityCampは焚き火(バイオエタノール暖炉)・観葉植物・バーカウンターなど、その名の通り"都会のキャンプ場"をイメージしたバー。
自社プロデュースのクラフトコーラブランド「OFF COLA am2:00/pm6:00」をはじめ、フードメニューにはCraftCurryBrothersの「クラフトカレー」、パティシエ 林巨樹プロデュース「CityCandy」に加え、「砂コーヒー」、「マシュマロ」、「ホットサンド」などキャンプを感じられるものが用意されています。
2021年10月に完全招待制でプレオープンし、同時に開始した会員希望者の先行受付では2000人以上が登録し、注目を集めました。
起業のきっかけは「キャンプのハードルを下げたい」という気持ち
かつては別の会社の創業に携わっていたという松池さん。しかし、CityCamp株式会社は「自分の好き」を形にした会社でした。
-----起業しようと思ったきっかけは何だったんでしょうか。
松池さん:僕自身が元々キャンプとかアウトドアが凄い好きなんです。
しかし、キャンプには車や道具などの準備が必要なうえ、"遠方へ行く"という前提があるため、ハードルが高くてチャレンジできない人が特に若者に多く見られます。
-----確かにキャンプはハードルが高いイメージがあります。
松池さん:アメリカはキャンプ人口が50%程度ですが、日本だと6%しかいないんですよね。でも、キャンプは体験してみると凄く楽しくていいものだから、行ったことのない人には是非体感して欲しいなと思ったんです。
とはいえ、行く時間も技術もないなら、近くで作るのがベストなのかなと。
-----それで“都会でキャンプする”なんですね。
松池さん:そうです。都会でキャンプできる場所を作ることは、キャンプに対するハードルを下げる事にもなるのでは…と思ったんです。
事業を通じて、少しでも若者や女性がキャンプをできるようになったらいいなと思ったのがきっかけですね。
-----好きなものをより多くの人に楽しんで欲しいという思いで起業したんですね。
松池さん:そうですね。あとは以前かかわっていた会社がファッションの会社だったので、ファッショナブルにそういう場所を作れないかなと思ったというのもあります。
その前は1年間だけ新卒でサイバーエージェントにいたので、ITの経験×アパレルの経験×キャンプの経験を掛け合わせ、今の形に自然と行き着きました。
新卒で大企業に入って得た経験
-----サイバーエージェントに1年間勤めたとのことですが、そこで得た経験で今に活きていることはありますか?
松池さん:大企業で働くって凄くいいことだなというのは感じました。
先代の人たちが何年も掛けて積み上げてきて、それが上手くフォーマットに落とされた形が会社の組織だったり、事業の動かし方だったりするので、それは今でも参考になってます。
-----会社を作る際の参考になったということですね。
松池さん:そうですね。新卒の時も「5年で役員になる」と周囲に宣言して「絶対実現させる!」という強い気持ちで仕事に臨んでいました。
とにかく時間を増やして、通常の2倍やれば単純計算で2年分だから、新卒1年終わった時に2年間仕事をやったとほぼ同義という形にしたいなと思ったんです。だから、「一旦は量をやってみるか」という気持ちでした。
-----凄い!アグレッシブですね。
松池さん:それが功を奏して、その時代は新人賞を受賞することができましたし、1カ月に1回のペースで賞を獲るくらい活躍できたので、このような成功体験が沢山できたのも自身の成長に繋がる貴重な経験でした。
最初のビジネスを始めるために1年程度で会社は辞めましたが、自分のある一定の指標の中で「ここは絶対譲れない」といった部分を定めたうえで「では、どうやってビジネスを進めるのか」という考え方や進め方は今でもとても参考になっています。
好きなものを仕事にするための秘訣
-----力不足や経験不足を感じた時に起こしてよかった行動について教えてください。
松池さん:プロフェッショナルと一緒に仕事をするということですね。
僕らは物づくりをやっているので、少しでも良くないものは世の中に出したくないという想いが強いので、何かを出すならクオリティの1番高い商品を出したい。
それにおいてどこで技術を担保するかというと、1つ1つプロフェッショナルの人に頼むことなんです。
-----なるほど。
松池さん:あとは素直であることですかね。きちんと謝ることだったり、感謝することだったり。
僕は「徳を積む」とよく言うんですが、徳を礼儀や感謝で積んでいくことで、自分が大変な時に助けてもらえるきっかけになるので、そういうのは大事にしたいと思っています。
-----仕事をする上で心がけている自分ルールはありますか?
松池さん:僕自身が前に進んでいないとモヤモヤするタイプなので、絶対目標に対して計量化して"1日どの程度進んでいるか"というのを明確に可視化するようにしています。
例えば抽象的な「ビットコインに詳しくなる」という目標があったとして、その目標に対してやることを考えたら「本を10冊読む」とか、「ビットコイン界隈の人に10人会う」とか、例えばそういうものになると思うんです。
それを1日に落とし込んだ時に「1日に何ページ本は読まなければいけないか」が分かってきますよね。そうやって、しっかりと目標を計量化していくことは、絶対どこの事業でもやります。自分の目標でもそうです。
-----目標や夢を達成するための秘訣みたいなものですね。
松池さん:CityCampのメンバーは特に夢がある人が多いんですよ。でも、夢を持った人って、全員が全員その夢を叶えられている訳じゃない。
何が重要かというと、"1日単位で少しずつでも進めること"だと思います。
行動していない人が多い中、その中で"行動する"ことがとても重要で、世間一般の人が行動していない分、行動できれば目標が達成しやすいんですよ。
そのため、まず“夢に対してどうやって進んでいくか”という最初の一歩目を決めるのが重要だと思います。
「ビジネスは全世界の人が参加するスポーツ」
-----なるほど。では、最後にキャリアにおける今後の展望に教えて下さい。
松池さん:そうですね。第一目標は上場することです。ビジネスは全世界の人が参加するスポーツみたいなものなので、その中で日本一、もしくは世界一になりたいという気持ちはあります。
そのため、一歩目としては、30代前半に上場したいです。自分の人生最短で上場する。
あとは、CityCampというブランドから、色んなプロダクトを展開していって「CityCampが出してるブランドって面白いよね」と言ってもらえるようになればいいなと思っています。
-----ありがとうございました。
好きなものを仕事にした松池さんへの今回のインタビューでは、これまで積み重ねてきた並々ならぬ努力の日々や、志の強さが感じられました。
夢を持って就活に取り組んでいる時も、目標に対して日々奮闘している時も、前に進めているのか不安になって挫けそうになることがあるかもれません。
ただそんな時こそ、彼が伝える目標を計量化して可視化するという方法をとることで、自分の努力が明確になり「自分が前に進めている」という何よりの自信や勇気になるのではないでしょうか。
出典元:CityCamp株式会社
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