満を持して挑戦したことがうまくいかなかった時、あなたならどうしますか?「また再挑戦しよう」と思えたとしても、それまでに自分をどう成長させればよいのか、何を変えれば成功できるのか、ぐるぐると考えてしまって次の一歩が踏み出せないこともあるのではないでしょうか。
税理士法人アイユーコンサルティングの1年目・関 春樹さん(22)は、学生時代に起業を経験しましたが、資金繰りがうまくいかず一旦断念。その苦い経験を糧に、あえて苦手分野である財務コンサルタントの仕事に就くことを決意しました。
彼はなぜ、気持ち新たに財務のキャリアを切り拓くことができたのでしょうか。この先のキャリアプランとは?詳しく話を聞いていくと、「本当にやりたいこと」を叶えるための覚悟が垣間見えてきました。
中堅・中小・ベンチャー企業の成長を支援
税理士法人アイユーコンサルティングは、税理士と公認会計士を中心とした総勢94人で、中堅・中小・ベンチャー企業の成長支援を行っているコンサルティングファーム。
「今」の経営課題を解決するだけでなく、「未来」の経営の姿までを作り出すことを目的としており、創業9年で累計2000件以上の相続・事業継承案件を手掛けた実績を持ちます。
起業の失敗経験から、財務コンサルへ
関さんは、2020年10月に内定者アルバイトとして同社へ入社。今年4月、新卒社員として正式入社しました。
現在は、アイユーコンサルティンググループのMAS監査「ミライサイクル」(中小企業経営における経営理念に基づいた数値・行動計画の作成支援)にて財務コンサルタントの業務を行う傍ら、顧客企業の経理代行やアイユーコンサルティングの採用担当など幅広い仕事を担当しています。
-----なぜ財務コンサルタントを目指すようになったのですか?
関さん:大学3年の夏ごろに学生起業したのですが、資金面の知識が全くなかったため軌道に乗せることができず、一旦会社の運営をお休みして「働きながらお金の知識を身につけよう」と思ったことが始まりでした。
-----どのような事業で起業されたのでしょうか?
関さん:一言で表現すると「学生に向けたイベントの会社」です。私は茨城県内の大学に通っていたのですが、都心ほど交流が活発ではなく、人と話すことが好きな私でも「社会人ともっと話したい」「人と出会う機会が少なすぎる」と感じていたため、「出会う場がないなら、自分でつくろう!」と会社を立ち上げました。
メンバーは10人ほどの学生で、イベント参加費や地元企業とのタイアップにより生まれる報酬が主な収益でしたが、資金繰りが全くうまくいきませんでした…。
-----そのような経緯で就活を始められたんですね。アイユーコンサルティングに入社を決めたのはなぜですか?
関さん:就活では幅広い業界を見ていましたが、アイユーコンサルティングに決めたのは、会社説明会で出会った代表の岩永をはじめ、経営陣が輝いて見えたからです。
アイユーコンサルティングが掲げる「中堅・中小・ベンチャー企業の成長支援を通して日本のミライを創る」という企業理念に、就活生としてだけでなく、一人の起業家としても強く共感したんです。
お金より"人"に関することがやりたい
そうして財務コンサルタントとしてキャリアをスタートすることになった関さん。現在は1年目でありながら、採用業務も担当しています。
-----採用の仕事は、ご自身で希望されたのですか?
関さん:「採用担当がやりたいです!」と手を挙げたわけではありませんが、入社前から「お金より"人"に関することがやりたい」とは伝えていました。
もともと人と人との繋がりを生み出すため起業したこともあり、私は"人との関わり"が好きなので、財務の仕事だけでなく、採用や人事などの分野にも携わりたいと考えていたからです。
「それなら、まずは社内で採用をやってみたら?」と、中途採用委員会の委員長に抜擢していただきました。
-----中途採用委員会とは?
関さん:現在は人事担当者も入り中途採用を通年で行っておりますが、当時は専任担当者もおらず通年ではなかったため、必要な時期に採用プロジェクト(委員会)を立ち上げ、人員を配置していました。
委員長を務めていた当時は、各拠点でバラつきのあった採用方法等の統一化、契約しているエージェントの見直しや整理、応募者の情報の見える化などを実施。
その結果、3カ月で約150人の応募があり、6人の採用に結び付けることができました。
「すみません」よりも「ありがとう」で距離を縮める
関さんは、入社が決まってから簿記2級を取得するなど、財務の勉強を本格的に開始。苦手分野だと思っていた財務コンサルタントとしての仕事にも徐々に慣れ、経理代行業務も、入社当初の半分の工数でこなすことができるようになったのだそう。
積極的に"やりたいこと"を会社に伝え、苦手分野にも臆せず挑戦している姿が印象的ですが、そんな彼にも力不足や経験不足を感じ悔しい想いをすることがあると言います。
-----そんな時は、どのような行動を起こすようにしていますか?
関さん:同期や先輩に相談することはもちろんですが、役員にも相談するようにしています。
「悩んでいる時間があるなら、他の人の意見を聞きたい」と考えているため、自分の考えを整理したうえで積極的にいろいろな人へ相談するようにしていますね。そのため、役員との距離も、なるべく近く保とうと意識しています。
-----役員など目上の人と距離を縮めるコツがあれば教えていただけますでしょうか。
関さん:意識的に「感謝を伝えること」でしょうか。
私自身も以前は、何かアドバイスをもらった時など「あ、すみません!」という言葉が反射的に出てしまっていたのですが、ある時に上司から「謝る必要はないんだよ」と言っていただいて、ハッとしたんです。
「すみません」ではなく「ありがとうございます」が正しい答え方だ、と。
「すみません」と謝ってしまうことで、その人との距離がせっかく近づいていたのにまた離れてしまうかもしれない。そのため、まずは意識的に「ありがとうございます」を伝えるようにしています。
30歳までに「やりたいことができる会社」をつくる
-----今後のキャリアプランを教えてください。やはり将来は起業に再挑戦したいと思われますか?
関さん:はい!まず入社3年以内に社内で新規事業を立ち上げ、収益化させてグループ会社を1社つくりたいと考えています。その後、30歳までに2社目を創設することが目標ですが、こちらは「自分がやりたいことができる会社」です。
人と人が繋がる場所やきっかけを提供することで新たな価値観が生まれ、皆のビジョンが豊かになっていく…そんな流れをつくっていくことが私の夢なんです。
この夢は学生時代に起業した時から変わっていません。当時はお金の知識が足りずに、ビジネスとしては失敗してしまいましたが、財務の力を身につけて再挑戦できるなら、次こそは成功させたいですね。
関さんは、起業の失敗経験を「悔しい」「残念」で終わらせることなく、自分の足りない部分を客観的に把握したうえでそれを埋める努力をする決心をしました。そこには、「自分のビジョンや夢を実現したい」という確固たる覚悟が垣間見えます。
今まさに、挫折を経験している人や失敗から立ち直れない人は、まずは「何が足りないのか」を改めて考え、勇気を出して再挑戦に向けて立ち上がってみては。
成し遂げたい目標や叶えたい夢があるのなら、きっとまた自らチャンスを掴むことができるのではないでしょうか。
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