訃報の連絡を受けた際には「お悔やみの言葉」を返す必要があります。とはいっても、どのような言葉を伝えたらいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お悔やみの言葉をメールで送る6つのマナーや、お悔やみの言葉の具体例などを紹介。上司や親族、友達などに送るお悔やみの言葉の文例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- お悔やみの言葉をメールで送る際の6つのマナー
- 一般的なお悔やみの言葉の言い方と使い方
- 上司・親族・友達に送るお悔やみの言葉の文例
そもそもメールでお悔やみの言葉を送ってもいいの?
手紙や電話などの連絡手段がある中、お悔やみの言葉をメールで送ってもいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
以下では、お悔やみの言葉を送る際の連絡手段について詳しくご紹介します。
訃報をもらった方法で相手にお悔やみの言葉を伝えるのが無難
訃報(ふほう)をもらうと、一般的には電報や手紙でお悔やみの言葉を伝えるのがよしとされています。しかし、電報や手紙に馴染みがなく、メールやLINEなどでお悔やみの言葉を伝えようとしている人もいるでしょう。
お悔やみの言葉を伝えるとき最も大切なのが、「気持ちがこもっていること」です。連絡手段が何であろうと、心のこもったメッセージが送れるものを選ぶことをおすすめします。
しかし、関係性によってはメールでお悔やみの言葉を伝えると、気分を害したり「失礼だ」と思ったりされる可能性があります。そのため、訃報をもらった方法で相手にお悔やみの言葉を伝えるのが無難であるといえるでしょう。
メールやLINEなどのチャットツールで訃報を伝えられたときには、同じ方法でお悔やみの言葉を伝えても失礼とはならないので安心してくださいね。
上司や目上の人には電話をするほうがいいときもある
特にお年を召した人の場合、メールでお悔やみの言葉を伝えるのは無礼な振る舞いだと考える人も多いです。
できれば直接対面して、お悔やみの言葉を伝えるのが賢明です。しかし、直接会いに行けない事情がある場合がほとんどでしょう。
訪問できない場合、メールよりもおすすめの手段が「電話」です。声を通して会話することでより自分の気持が伝わり、メールよりも丁寧な印象を与えられます。
ただし、大切な人が亡くなったばかりでは、電話の対応が心理的にできない・時間がないなどが考えられます。電話をするときは、相手の迷惑にならないように注意することを覚えておきましょう。
長々と電話をするのではなく、相手の気持ちを察して電話を早めに切り上げることも大切です。
お悔やみの言葉をメールで送る際の6つのマナー
メールで訃報をもらった人や、親しい人が亡くなった人で、メールでお悔やみの言葉を送ろうとしている人も多いでしょう。
以下では、お悔やみの言葉をメールで送る際の6つのマナーをご紹介します。マナーを守ったメールを作成して、相手に無駄な心労をかけないようにしましょう。
マナー1.件名は簡単にまとめる
お悔やみの言葉をメールで送る際の1つ目のマナーは、件名は簡単にまとめることです。
お悔やみのメールを受け取る側は、葬儀の連絡をしたり、他の人に連絡をもらったりと慌ただしく過ごしています。そのため、件名で「誰が・どんなメールを送ったのか」がわかるように書くのがいいでしょう。
例えば「山田太郎 お悔やみ申し上げます」のように完結に書くことをおすすめします。
また、「驚いています」「大丈夫ですか?」のような本文に書くべき内容を件名にするのは避けておきましょう。迷惑メールにありがちな件名であり、何を伝えたいのかわからないメールになってしまいます。最悪の場合、開封されない可能性もあるため、お悔やみの言葉だとわかるような件名にするようにしましょう。
マナー2.相手の心労を考えて、返信不要と伝える
お悔やみの言葉をメールで送る際の2つ目のマナーは、相手の心労を考えて、返信不要と伝えることです。
大切な人が亡くなり、最後のお別れの準備を粛々と進めている相手にとって、送ったメールに返信をするのは難しいことが多いでしょう。
相手の気持ちに寄り添って「返信は不要です」「返信のお気遣いは不要です」と伝えてあげることをおすすめします。
マナー3.誤字脱字がないようにする
お悔やみの言葉をメールで送る際の3つ目のマナーは、誤字脱字がないようにすることです。
突然の訃報に衝撃を受けて、動揺してしまうことは十分に考えられます。しかし、誤字脱字があるメールを送られてくると、読みにくいだけではなく推敲をしなかったことが感じられ「失礼だ」と思われることも。
メールを送るのは、心を落ち着けてからでも問題ありません。一度訃報を噛み締め、冷静になった上でメールを書くようにしましょう。
マナー4.忌み語を使わない
お悔やみの言葉をメールで送る際の4つ目のマナーは、忌み語を使わないことです。
日本では言葉に霊が宿り影響が与えると考えている人も多いもの。そのため、不幸を連想させる言葉や、不吉な言葉を使用するのは避けておきましょう。
例えば「また連絡します」の「また」も「不幸が続くことを想像させる言葉」なのでNGです。
以下では、ついつい使ってしまいがちな忌み言葉の例をご紹介します。メールを書いた後にもう一度忌み言葉を使用していないか確かめましょう。
- 浮かばれない
- 消える
- 再び
- 追って
- この先も
- ひき続き
- 続いて
- また
マナー5.繰り返す言葉は使わない
お悔やみの言葉をメールで送る際の5つ目のマナーは、繰り返す言葉は使わないことです。
「重ね重ね」「いよいよ」などの言葉を「重ね言葉」といい、不幸が重なることを暗示させます。
以下では、使ってしまいがちな重ね言葉をご紹介します。忌み言葉と同様に使用しないように注意しましょう。
- またまた
- まだまだ
- いよいよ
- 返す返す
- 次々
例えば「まだまだ一緒にいてほしかった」という表現は「ずっと」などの言葉に言い換えて、重ね言葉を使用しないようにしましょう。
マナー6.なるべく丁寧な言葉を使う
お悔やみの言葉をメールで送る際の6つ目のマナーは、なるべく丁寧な言葉を使うことです。
たとえ亡くなった人と親しくても、「親しき人にも礼儀あり」です。特に親族の人は感情が不安定な状況なので、言葉の一つひとつに気をつけましょう。
例えば「死ぬ」「生前」などの生死に関わる言葉を使用する際は注意が必要です。「逝去」や「元気だった頃」などとなるべく直接的な表現をしないようにすることをおすすめします。
一般的なお悔やみの言葉の言い方と使い方
お悔やみの言葉を送るメールを書きたいけれど、どのような言葉を使えばいいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
以下では、一般的に使われるお悔やみの言葉の言い方や使い方をご紹介します。
ご愁傷さまです
「ご愁傷さまです」という言葉を葬儀やお通夜で伝える機会も多いのではないでしょうか。
「ご愁傷さまです」は、口頭でのみ使用される言葉なので、メールで使用するのはNGです。
相手が気の毒で心苦しいという気持ちをメールで伝えたい場合は、以下の表現を参考にしてくださいね。
お悔やみ申し上げます
「お悔やみ申し上げます」は、「ご愁傷様です」とは違い文語でも使用できる言葉です。
弔電にもよく使用され「ご逝去(せいきょ)の報に接し、心からお悔やみ申し上げます」のように使用します。
「謹んで」や「心より」をつけることで、自分の気持ちが伝わりやすくなりますよ。
ご冥福をお祈りします
「ご冥福をお祈りします」は、遺族に伝える言葉ではなく故人に対する「亡くなった後も幸せにね」という気持ちを伝える言葉です。
書き言葉なので、遺族に直接伝える言葉としては避けておく必要がありますが、メールで使用可能です。
しかし、「冥福」は仏教用語です。キリスト教や神道を信仰している人に伝えるのは避けておいたほうがいいでしょう。
相手の宗教がわからない場合は「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」のような、どの宗教でも使える言葉を使うことをおすすめします。
哀悼の意を表します
「哀悼(あいとう)の意を表(ひょう)します」は、「故人を思うと胸が張り裂けそうなほど苦しい」という気持ちを伝えるときに使用します。
「哀悼の意を表します」も、口語ではなく文語なことに注意しておきましょう。
「哀卓」「哀棹」のように漢字を間違えやすいので、「哀悼の意を表します」を使用する場合は漢字のチェックをすることをおすすめします。
上司に送るお悔やみの言葉の文例
よく使用されるお悔やみの言葉をご紹介しました。実際にメールではこれらのお悔やみの言葉をどのように使用するのでしょうか。
以下では、上司に送るお悔やみの言葉のメールの例文をご紹介します。メールを送る際の参考にしてくださいね。
- 件名:お悔やみ申し上げます(山田太郎)
◯◯さん
ご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。略儀ながらメールでご連絡させていただきます。
どうかご無理をなさらず、ご自愛ください。故人の安らかな眠りを、心からお祈り申し上げます。
なお、返信のお気遣いは不要です。
親族・親戚に送るお悔やみの言葉の文例
以下では、親族・親戚に送るお悔やみの言葉のメールの例文をご紹介します。
- 件名:山田太郎より、お悔やみ申し上げます
◯◯さん
突然の悲報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
どうかお力落としのないように。何か手伝えることがあれば、いつでもご連絡くださいね。
なお、お忙しい時期かと存じますので返信は不要です。
友達・友人に送るお悔やみの言葉の文例
以下では、友達・友人に送るお悔やみの言葉のメールの例文をご紹介します。
- 山田太郎:お悔やみ申し上げます
◯◯さん
ご身内に不幸があったこと、とても驚いています。
〇〇さんも心身ともにつらい時期だと思いますが、どうかお力落としのないように。
体調には十分気をつけてね。返信不要です。
心のこもったお悔やみの言葉を伝えて、相手の心に寄り添おう
- メールでお悔やみの言葉を送るかどうかは、相手との関係性にもよる
- 件名は簡潔にし、返信不要を伝えることを忘れない
- 「ご愁傷様です」ではなく「お悔やみ申し上げます」「ご冥福をお祈りします」を使用する
本記事では、お悔やみの言葉をメールで伝える際のマナーやお悔やみの言葉の種類などをご紹介しました。
突然の訃報で心が苦しくなるかもしれませんが、メールを作成するのを後回しにせず素直に自分の気持ちを伝えましょう。
本記事を参考に、お悔やみの言葉を使ったメールを作成してみてはいかがでしょうか。
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