今、あなたが向き合っている仕事。自ら手を挙げて、望んで着手していることばかりではないかもしれませんが、そこにあなたの意思はありますか?
面白法人カヤックの入社3年目・藤野帆奈美さん(25)は、ゲームプランナーを経て、現在は同社が開発したコミュニティ通貨サービス「まちのコイン」のプロジェクトマネージャー(PM)として活躍中。「まちのコイン」への異動が打診された時は若手ならではの様々な葛藤があったと言いますが、今は迷うことなく前向きに今の役割を全うしています。
彼女は、様々な葛藤をどう乗り越えたのか?そう深堀りしていくと、「自分で決めること」「明確な意思を持つこと」の大切さが垣間見えてきました。
コミュニティ通貨サービス「まちのコイン」
面白法人カヤックは、固定観念にとらわれない発想力・企画力、形にしていく技術力を強みに、ゲームアプリや広告・Webサイト制作をはじめ、最新テクノロジーとアイデアを掛け合わせた新しい体験をユーザーに提供しています。
「まちのコイン」はひと・まち・地球にうれしい体験で地域をつなげるコミュニティ通貨サービス。
その地域だけで使える通貨が架け橋となり、地域内外の人のつながりを生み出したり、良好な地域コミュニティを形成したりと、地域の社会課題の解決や地域経済の活性に繋げることができるといいます。
大学の教授に勧められ、「いきなり社長面接」へ参加
藤野さんは、2019年4月に同社へ入社。アプリゲームのチームでプランナーとしてキャリアをスタートし、3年目となる今年8月に、「まちのコイン」開発チームのプロジェクトマネージャーに着任しました。
-----カヤックに入社された経緯について教えてください。
藤野さん:実はカヤックに出会ったのはほぼ偶然と言っても過言ではありません。
就活を意識しはじめた大学3年の時、漠然としたキャリアの不安について大学の教授に相談したことがありました。教授は、私の書いた論文を読みながら「文章を書くのが上手なので、ブログとかやってみたら?」とアドバイスをしてくれて、私はこれを機にブログでの発信を始めました。
自分の興味のあることについて面白く検証していくといった内容で、とにかく好きなように発信していた中で、Webコンテンツの楽しさに目覚めていきました。
そんな時、カヤックのユニークな就活イベント「いきなり社長面接」が、当時私が住んでいた福岡に来ることに。教授に「受けてみたら?」と言われて、何が何だかよくわからないまま社長面接を受けたんです(笑)。
-----そうして、文字通り、いきなりカヤックの社長と面接を?
藤野さん:そうなんです!何を話したのかと聞かれると細かくは思い出せないほど、フランクな内容で盛り上がった面接でした。ただ、その雰囲気がとても自分の肌に合っているという感覚や、好きになり始めていたWebコンテンツに携わることもできそう!といった気持ちから、入社を決めました。
異動時の葛藤に対し「自分の意思を決めた方がいい」
-----面白いスタートですね!入社後、最も印象に残ったことは何ですか?
藤野さん:ゲームチームから、「まちのコイン」プロジェクトマネージャーへと役割が変わった時です。
それまでの経験から、人をみたり誰かをサポートしたりといった仕事に興味は持っていたのですが、当時の私はまだ入社間もなかったため、「会社にとってリスクになるのでは…」といった不安や申し訳なさでいっぱいでした。
また、ちょうど異動が打診されたタイミングは、ゲームチームが新しい体制になったばかりで「これから、新しい体制でがんばっていこう!」と意気込んでいた時だったので、「そんな時に、このチームを離れてよいのか?」といった後ろめたさもありました。
実際、色々考えたうえで異動を承諾し、「まちのコイン」のメンバーも温かく迎えてくれたので、今は全く"申し訳なさ"や"後ろめたさ"といった感情はありません。
-----様々な葛藤とどう向き合って、どう気持ちを切り替えることができたのですか?
藤野さん:「しっかり自分の中で意思決定をしよう」と思えたことが、気持ちをうまく切り替えられたことに繋がったと考えています。
異動は辞令(=従うべきもの)ですが、プロデューサーは「あなたが選んでいいんだよ」と言ってくれました。でも、この先のキャリアにも大きく関わってくるであろう大きな決断に、本当に悩んでいました。そんな時、上司に「どちらにしても、まずは自分の意思をちゃんと決めた方がいい」と言われたんです。
-----どういうことでしょうか?
藤野さん:この言葉をかけてもらった時は意味がよくわからなくて、決断を急かされているような気持ちさえしてしまったのですが…。
よく考えると、後に振り返った時に"自分がなぜこの道を選んだのか"はっきりさせておくことは将来の自分にとって大切なことだと気が付いたんです。「言われたから来た人」と「自分で納得して決断して来た人」とでは、きっと雲泥の差が生まれるだろう、と。
-----なるほど、そうして自分で意思を固めたんですね。異動を決心できたのはなぜですか?
藤野さん:入社間もない若手だからこそ、好奇心があり、そのため新しいことをどんどん吸収できると考えたからです。
「まちのコイン」プロジェクトマネージャーという役割を、今の私が担うのと、数年後の私が担うのと、どちらが良いのか。こうして天秤にかけた時、吸収力や学びの大きさといった観点から、「チャレンジするなら今だ!」と結論づけることができました。
行先を示し、チームメンバーに伝える
1週間ほど悩んだ結果、異動を決心した藤野さん。チームのマネジメントにおいても、「意思を固めること」「それを言語化して提示すること」の大切さを身に染みて実感しているのだそう。
-----仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
藤野さん:「何がやりたいのか」「どうしたいのか」「どう在りたいのか」を言語化して、ちゃんと行先を決めてチームメンバーに伝えることです。
「意思のない人間には誰もついてこない」「行先が分からない船には誰も乗りたがらない」と考えているからです。
プロジェクトマネージャーのゴールは「安心・安全・期日通りにサービスがリリースできること」。これは、なかなか言語化して伝えることは難しいですよね。行動で示せる術が少ないんです。だからこそ、言葉で意思をはっきり伝え、"丁寧さ"や"違和感のなさ"などは行動で示すようにしています。
-----なるほど、行先を示すことがプロジェクトマネージャーの役割のひとつだと。
藤野さん:それだけではなくて、例えばメンバーが楽しく面白く働けるにはどうすればよいか?も常に考えています。
つくっている人が面白さを感じていなければ、"面白いサービス"は生まれないと思っているので、「楽しく働ける」「ちょっとしたことでも気軽にチーム内で共有できる」雰囲気づくりにも注力しています!
「誰かが楽しく働ける環境を作りたい」
このように、藤野さんが自身のキャリアにおける大きな転機で気づいた「意思を固めることの大切さ」は、今の仕事においても生きているといいます。
-----最後に、キャリアにおける今後の展望をお聞かせください。
藤野さん:チームメンバーをサポートする仕事は自分にとって天職だと思えますし、「もっと出来ることがあるんじゃないか」と可能性も感じられます。そのため、今はプロジェクトマネージャーとしての仕事に全力を尽くしたいです!
また「誰かが楽しく働ける環境を作りたい」という気持ちが大きいので、組織に属することにはこだわりながら、長期的にはこれから新しい歴史をつくりあげていく若手を育てるポジションを目指したいと思っています。
今、自分が向き合っている仕事には、どんな意思があるだろうか?
今まさに大きな決断を迫られている人や、仕事に対してモヤモヤを抱えている人、そして若手でありながらリーダーに挑戦しようと思っている人などは、改めてこう自問をしてみると、前向きに自信を持って日々の仕事に取り組むことができるかもしれませんね。
出典元:面白法人カヤック
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