HOME人口400人の町に若者が移住するのはなぜ?「過疎再生 奇跡を起こすまちづくり」発売中

人口400人の町に若者が移住するのはなぜ?「過疎再生 奇跡を起こすまちづくり」発売中

さえきそうすけ

2021/10/08(最終更新日:2021/10/08)


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「地方創生」というキーワードをよく耳にするようになりました。しかし、例えば人口がとても少なく高齢化が進む地域を活性化させるには、いったいどのようなビジネスを展開していけばよいのでしょうか。

総務省主催「令和2年度ふるさとづくり大賞」で内閣総理大臣賞を受賞したデザイナー・松場登美さんの著書『過疎再生 奇跡を起こすまちづくり-人口400人の石見銀山に若者たちが移住する理由』が発売中です。

地方の町づくりと事業の極意を伝授する一冊。「地方創生ビジネスに興味がある」「ずっと育ってきた地元を活性化させたい」そんな若手ビジネスパーソンにとって、教科書的な存在となりそうです。

地方の町づくりに悩む人のヒントに

「外から人を呼ぼうにもこの地域には何もない」「若い人が出ていって、町づくりの担い手がいない」といった、地方の町づくりに悩む人のヒントになるという同書。

登美さんは、島根県の世界遺産、石見銀山のそばにある人口400人の町・大田市大森町で、「群言堂」ブランドを中心としたアパレルや飲食、宿泊を営む株式会社石見銀山生活文化研究所所長を務めています。

登美さんが起業したのは、夫の大吉さんの故郷であるこの町に帰郷した約40年前。ここも閉山後の鉱山町の例に漏れず、過疎化・高齢化の道を辿っていたそうですが、登美さんは暮らしを楽しみながら、町にある宝を見つけて、事業や町づくりに生かしてきたそうです。

過疎化や高齢化による問題が山積していたに違いないこの町で、著者が起業した経緯や、その後の事業展開、町づくりの方法は、地方創生ビジネスに興味がある人や、その方面での起業を目指す人など、多くの若手ビジネスパーソンにとって注目に値するでしょう。

明日の仕事に活かせるヒントやアイデアが見つかるかもしれません。

事業と町づくりを成功に導く3つのポイント

同書によると、事業と町づくりのポイントは3つあるそうです。

地域の足元の宝を見つける

自分の足元にあるものは当たり前すぎて、その価値に気づきにくいですが、どこの地域にも、その土地にしかない気候風土や歴史、文化があるといいます。大森町の宝といえば、古い町並みや豊かな自然環境など。そのため登美さんは、町の中にある古民家を再生させ、本店や宿泊施設をつくりました。

何より、あなたが想う地域や町の宝を見つけることが先決であるようです。

有志と一緒に町づくりをする

帰郷後、登美さんご夫婦は同世代の仲間たちと、町の未来について考えて実践する会を発足し、コンサートやイベントを開催し、地域に人を呼び込んだとか。年に1度、町民全員が集合写真におさまる「町民元気カレンダー」は30年以上続く、小さな町ならではの素敵な取り組みです。

小さな町でも、いえ、小さな町だからこそ、有志を募れば仲間はきっと集まるはず。小さいからこそ、何かを企画し運営する際は町全体を動かしやすいというメリットもありそうです。

経済49%、文化51%

地方創生を考えると、すぐにでも経済を回そうとしてしまいがち。しかし、経済を優先させると文化的な魅力や地域独特の個性をなくし、その結果経済性も失いかねないといいます。

とはいえ事業を継続するためには、経済も無視できないので、そのバランスは「経済49%、文化51%」が理想としています。

群言堂が掲げる、昔から続くよきものを現代の価値に合わせて復活させる「復古創新」というコンセプトこそ、大きなヒントになりそうです。

大森町で暮らす若者の事業も紹介

登美さんの思いに敏感に反応したのは若者たちだといいます。大森町で働く社員の3分の2はU・Iターンの若者だそう。

同書は、実際にこの町で暮らす若者3人の事例を紹介しているので、地方創生ビジネスでの起業や、地方への移住を考えている若手ビジネスパーソンは興味深いのではないでしょうか。

地方へ移り住んだり、地方創生事業に取り組んだりする自身の姿を具体的にイメージできて、同書が夢に向かって一歩踏み出すきっかけになるかもしれません。

著者紹介など、そのほか詳細についてはプレスリリースをご覧ください。

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