転職を何度も繰り返す「ジョブホッパー」。自分もジョブホッパーに当てはまるかどうか気になる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ジョブホッパーの定義や特徴、ジョブホッパーになる注意点をご紹介します。
ジョブホッパーの対義語の「キャリアビルダー」についても解説しているので、参考にしてください。
- ジョブホッパーの意味やジョブホッパーになる3つのメリット
- ジョブホッパーになりやすい人の5つの性格や特徴
- 「キャリアビルダー」になる5つのポイント
ジョブホッパーの意味とは?
短期転職を繰り返す人のことを「ジョブホッパー」とよびますが、仕事をそもそも何回程度転職をすれば、ジョブホッパーと呼ばれるようになるのでしょうか。
ジョブホッパーは一般的に、半年や1年などの短期間で退職をして、5〜6回程度の転職を繰り返す人のことをいいます。明確な定義がないので、20代のうちに複数回転職をしている人や、在籍期間があまりにも短すぎる人などもジョブホッパーと捉えられることもあります。
短期間での転職は、採用面接時にマイナスの印象となることも多く、求人では、転職回数◯回以内のような条件がつくこともあります。会社によって短期転職への考え方が違うことに注意しておきましょう。
リクナビNEXTの採用担当者に対するアンケートでは、転職回数は3回から気になる人が40%を占めています。多くの企業が3回を基準にしているので、3回を超える転職は就職に影響を与える可能性が高いです。
ジョブホッパーとして有名な著名人
「ジョブホッパー=悪いこと」のようなイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。しかし、キャリアを考えて複数回転職することは悪いわけではありません。
例えば、「“副業リーマン”moto」さんは、転職を4回繰り返し成功を掴んだ人として有名です。
彼の著書「転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方」では、年収240万から年収1000万にしたノウハウや考え方が紹介されています。
このようにキャリアを検討しての転職は、ジョブホッパーではなく「キャリアビルダー」ともよばれます。キャリアビルダーについては記事の後半で詳しく解説します。
ジョブホッパーになるメリットとは?
ジョブホッパーは、ネガティブなことばかり注目されがちですが、メリットもあります。
以下では、ジョブホッパーになるためのメリットについて詳しくご紹介します。
メリット1.様々なスキルを身につけられる
ジョブホッパーになるメリットの1つ目は、様々なスキルを身につけられることです。
ジョブホッパーの中には、全く違う業種に転職した経験がある人もいるのではないでしょうか。
今までとは畑が違う場所に転職することで、新しいことを学び成長できます。
ジョブホッパーは新しいことを学び身につけることに慣れるため、仕事を吸収して処理する力も成長するでしょう。
メリット2.キャリアアップ・ステップアップにつながる
ジョブホッパーになるメリットの2つ目は、キャリアアップ・ステップアップにつながることです。
キャリアアップをするために、ジョブホッパーになる人も多いのではないでしょうか。
ジョブホッパーは、他の会社の事情や仕事内容を理解した上で転職先を選ぶことが多く、よりスキルアップできる企業を見抜く力を持っています。
そのため、キャリアプランを考える上で自分に足りないスキルが身につけられる企業に入れるでしょう。向上心があるため、転職をすることでキャリアアップしていることも少なくありません。
メリット3.希望の職業につける可能性が高まる
ジョブホッパーになるメリットの3つ目は、希望の職業につける可能性が高まることです。
「営業職をしたかったのに、事務の仕事が多い」のように、なかなか自分の希望の部署に入れない人もいるのではないでしょうか。
転職する際に、自分の希望の職種に応募したり、面接時に伝えることで、やりがいを感じる仕事にたどり着けるでしょう。
ジョブホッパーになる前に知っておきたい注意点
ジョブホッパーはスキルアップの面ではプラスに働くこともありますが、一方でジョブホッパーに対してよくない印象を持っている企業があることや、注意するべき点があることも事実です。
以下では、ジョブホッパーになる前に知っておきたい注意点をご紹介します。
注意点1.職種に一貫性がない場合、転職で不利になるケースがある
ジョブホッパーになる前に知っておきたい1つ目の注意点は、職種に一貫性がない場合、転職で不利になるケースがあることです。
ジョブホッパーには、職業に一貫性があり、明らかにキャリアプランを考えて転職をしている人と、なんとなく仕事を辞めている人の2パターンが考えられます。
後者の場合、転職をする際に「すぐに辞めてしまう人」と思われてしまい、転職で不利になることも。
「どうして前職を辞めたのか」は、面接で聞かれる可能性が高い質問なので、必ず理論的に答えられるように考えておきましょう。
注意点2.辞め癖がついてしまう
ジョブホッパーになる前に知っておきたい2つ目の注意点は、辞め癖がついてしまうことです。
一度退職をすると、何か嫌なことがあったらすぐに退職という選択肢が出てきてしまう可能性があります。人によっては些細なことで嫌気が差してしまい、仕事を1ヵ月たたずに辞めてしまうこともあるかもしれません。
あまりに短期間での退職や、自分本意な理由での退職は、次回の就職時に悪影響を及ぼしがちです。
仕事を辞める前に、本当に辞める理由は正当なのかまずは考えてみることをおすすめします。
注意点3.スキルが最後まで身につかない可能性がある
ジョブホッパーになる前に知っておきたい3つ目の注意点は、スキルが最後まで身につかない可能性があることです。
短期間での転職は幅広いスキルを身につけられる一方で、器用貧乏になってしまい、何もかも中途半端になってしまう可能性があります。
その職業で学べることはすべて学んだのか、自分勝手な理由で辞めるのではないかなどを考えてから転職をすることをおすすめします。
ジョブホッパーになりやすい人の5つの性格や特徴
実は、ジョブホッパーになりやすい人には、ある性格や特徴があります。
自分の性格や特徴を理解することで、ジョブホッパーになる理由を把握してみてはいかがでしょうか。
特徴1.行動力・実行力がある
ジョブホッパーになりやすい人の1つ目の特徴は、行動力・実行力があることです。
日本では終身雇用制度を採用している企業も多く、ひとつの会社で骨を埋めることを当たり前のように考える人も多いのが現状です。
ジョブホッパーになる人は、古い考えにとらわれず、自分がやろうと思ったことは成し遂げられる行動力にあふれています。
ジョブホッパーを卒業したい人は、その行動力を仕事に活かせられる仕事を見つけることが大切です。
特徴2.向上心が高く、自分なりの信念を持っている
ジョブホッパーになりやすい人の2つ目の特徴は、向上心が高く、自分なりの信念を持っていることです。
ジョブホッパーは「この会社では自分は成長できないかもしれない」と、自分のためになるかどうかを冷静に考えられる能力を持っています。自分の理想像が定まっているからこそ、成長できない環境から脱出しようとするのです。
ひとつの会社に落ち着いて働きたい人や、長期間勤め上げたい人は、転職する前によく調べた上で務める会社を決めることをおすすめします。
内部の情報がわからずに、入社後に「なんか違う」と違和感を抱いてしまいがちな人は、入社前に社員との面会の時間を取ってもらったり、見学をしたりしてよく社内の雰囲気を見極めるようにしましょう。
就活生の場合は、OB・OG訪問をすることをおすすめします。OB・OG訪問について詳細を知りたい人は「就活でのOB・OG訪問のメリットや探し方は?やり方・流れ・注意点などを紹介」を参考にしてください。
特徴3.好奇心旺盛
ジョブホッパーになりやすい人の3つ目の特徴は、好奇心旺盛なことです。
好奇心旺盛で、自分の知識欲を満たすため興味のある仕事を経験するうちに、結果的にジョブホッパーになることも。
新しいことにワクワクして、いろいろな職業を楽しめる現状を気に入っているのなら、無理にジョブホッパーを改善する必要はないかもしれません。
しかし、ジョブホッパーから卒業したい人は、表面的な新しいことではなく、職業を詳しく知った人しか見い出せない深い知識に興味を向けてみてはいかがでしょうか。
特徴4.就活・転職の軸が定まっていない
ジョブホッパーになりやすい人の4つ目の特徴は、就活・転職の軸が定まっていないことです。
仕事選びの軸が定まっておらず、何を基準にして企業を選べばいいのかわかっていない人もいるのではないでしょうか。
軸が決まっていないと、自分が何をしたいのかがあやふやになってしまいます。その結果、条件がいい求人に飛びついてしまう、なんてこともあるかもしれません。
まずは、就活の軸を決めて、自分がしたいことは何か考えてみることをおすすめします。就活の軸を考えてみたい人は「【例一覧】就活の軸とは?決め方や、面接での答え方、見つからない場合の対処法などを紹介」を参考にしてください。
特徴5.飽き性
ジョブホッパーになりやすい人の5つ目の特徴は、飽き性なことです。
ジョブホッパーは、うまくいかないことや思い通りにならないことに飽きやすい傾向があります。
誰でも最初はうまくいかないもの。繰り返していくうちに知識や技術が自分のものになっていきます。就職したにも関わらず短期間で「自分には合っていない」と辞めてしまうと忍耐力がないと思われてしまいがちなので、興味が持てることを自分で見つけに行くことをおすすめします。
ジョブホッパーと異なる「キャリアビルダー」とは?
ジョブホッパーと似て異なる存在である「キャリアビルダー」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
転職を何度も行うことは共通点ですが、「計画性」という点で全く異なります。
キャリアビルダーは、転職をすることをステップアップする手段だと思い、不必要な転職は行いません。
意味を持って転職活動をする人は、ジョブホッパーではなくキャリアビルダーだとプラスにとらえる企業も多いです。
キャリアビルダーになる5つのポイント
では、ジョブホッパーではなくキャリアビルダーになるためには、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。
以下では、キャリアビルダーになるための5つのポイントをご紹介します。将来を見越した転職をしたい人はぜひ参考にしてください。
ポイント1.徹底的に自己分析を行う
キャリアビルダーになる1つ目のポイントは、徹底的に自己分析を行うことです。
就活や転職を行う人は、「自己分析」というワードにうんざりしている人もいるのではないでしょうか。
しかし、就活における自己分析はとても大切なものです。自己分析をすることで、自分の特徴や性格、考え方を理解でき、就活のミスマッチを防げる可能性が高まります。
自己分析ができるサイトはたくさんありますが、大切なのは自分と向かい合うことです。
自己分析をもう一度やり直したい人は「【就活生向け】自己分析のやり方を徹底解説!5つの方法・進め方・注意点などを紹介」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
ポイント2.5年後・10年後の理想を実現するためのキャリアプランを考える
キャリアビルダーになる2つ目のポイントは、5年後・10年後の理想を実現するためのキャリアプランを考えることです。
キャリアプランを綿密に練ることで、今後どのように生きていくかを決められます。
将来的にやりたいことを決めたら、今どのようなスキルを身につければいいのか、今どのような会社に入るべきかなどを逆算して考えられます。
「将来の夢がない」という人は、まずはどのように生きていきたいのかを考えてみるのも一案です。理想の生活を想像したり、1日の流れを検討したりしてみると、自分の求めていることが明確になりやすくなります。
ポイント3.転職の軸を決める
キャリアビルダーになる3つ目のポイントは、転職の軸を決めることです。
転職の軸とは、転職をする上で譲れない条件を決めることです。転職をする際に会社に求める条件は人によって様々で、複数の条件をイメージしている人もいるでしょう。
まずは、自分の考えている条件を書き出し、その中で最も大切な軸を決め、優先順位をつけることをおすすめします。
なかなか自分の希望をすべて満たす企業がない場合は、自分の条件が現実的なものなのか検討したり、最優先の条件を満たしている企業を見つけたり、優先順位別にスコアリングしつつ総合点が高い企業を選んだりなどしつつ企業を絞ってみてはいかがでしょうか。
ポイント4.目先の条件で転職を検討しない
キャリアビルダーになる4つ目のポイントは、目先の条件で転職を検討しないことです。
「〇〇企業は給料がいいから」「福利厚生が充実しているから」と条件だけを見て就活をすると、さらにいい条件があるところに就活をしたくなってしまいます。
もちろんそれもひとつの生き方ですが、キャリアビルダーになるためにはこれからのキャリアを本質的に考えて転職をする必要があります。
「この会社に入って何が学べるのか」「若手でも活躍できる社風なのか」「自分のキャリアにプラスに働くのか」などの目先の条件以外のものにも目を向けてみると、キャリアビルダーに近づけるでしょう。
ポイント5.十分な実績や経験を積んでから転職をする
キャリアビルダーになる5つ目のポイントは、十分な実績や経験を積んでから転職をすることです。
仕事にやりがいが見い出せず、転々としてしまう人は、仕事を極めてからやめることを意識することをおすすめします。
直ぐに仕事を辞めてしまうと、表面的な仕事しか任されずやりがいを感じる仕事が任されない可能性は高いです。
仕事を辞めたくなった際は、自分のためになるものはすべて吸収したのかを考えてから転職しましょう。
ネガティブな意味でのジョブホッパーにならないよう、キャリアプランを検討しよう
- ジョブホッパーは短期間で職を変える人を指し、キャリアビルダーは計画性を持って転職する人を指す
- ジョブホッパーになる人は、向上心が高く行動力があるがネガティブのイメージを持たれることもある
- 自己分析や転職の軸を決めて、キャリアビルダーとして転職を検討する
本記事では、ジョブホッパーのメリットや注意点、キャリアビルダーになるためのポイントなどをご紹介しました。
ジョブホッパーやキャリアビルダーはひとつの生き方なので、どちらが優れているのかは価値観によって異なります。ただし、短期間で計画性のない転職を繰り返すことは、転職時にネガティブな影響を与えることもあるので注意しましょう。
大切なのは、自分がどのような生き方をしたいのかです。どのように生きていくのか考えてない人は、もう一度自己分析を行ってみてはいかがでしょうか。
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