毎日仕事がたくさんあり「なんだかいつも体がだるい……」と体の不調に悩んでいる人は、オーバーワークの可能性があります。
本記事では、オーバーワークの症状の例やオーバーワークになりやすい人の特徴を紹介。オーバーワークを改善するための対策方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 仕事でオーバーワークをしているときの症状例・原因
- オーバーワークになりやすい人の特徴
- オーバーワークを改善するための7つの対策方法
そもそもオーバーワークの意味とは?
そもそも「オーバーワーク」とは、「働きすぎている状態」を表します。
オーバーワークに明確な基準はなく、人によって判断は異なりますが、一般的には厚生労働省が決めている「過労死ライン」を基準にすることが多いです。
過労死ラインとは2021年9月現在、「1ヵ月平均で残業時間が80時間を超える」ことを指します(参考:厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定」)。ただし、80時間という過労死ラインは高すぎるためWHOは65時間にするべきだと主張しています。
そのため、65〜80時間以上時間外労働をしている人は、オーバーワークの疑いがあるでしょう。
仕事でオーバーワークをしているときの症状例
オーバーワークが続くと、精神的にも肉体的にも症状が出る可能性があります。
以下では、仕事でオーバーワークをしているときの症状例を紹介します。
オーバーワークで体に不調が出ている人は、ワークライフバランスの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
症状1.体調不良・気だるさを感じる
仕事でオーバーワークをしているときの症状のひとつに「体調不良・気だるさを感じること」があります。
働きすぎていると自分で気づいて十分な睡眠を取った後でも、気だるさが続くこともあります。これは、オーバーワークでかけた体の疲労がなかなか取れないことが原因です。
また、オーバーワークをし始めてすぐは、体が緊張しているせいか疲れが出てないように感じて無理をしてしまう人もいます。緊張が切れた後、一気に体が負荷を感じてしまうので、体調にすぐ変化がなかったとはいえ、安心しないようにしてください。
症状2.精神的な不調・イライラしやすい
「精神的な不調・イライラしやすいこと」もオーバーワークをしている人の症状のひとつです。
オーバーワークをすることで、精神的にストレスがたまってしまっている可能性が高いです。また、ストレスが溜まることでなかなか寝られず、疲労を回復できないことも。
オーバーワークが原因で眠れなくなったという人は、薬に頼るのも一案ですが、オーバーワークしない環境に変えることもおすすめします。
症状3.仕事の効率が下がる
仕事を進めるためにオーバーワークを仕方無くしている人もいるのではないでしょうか。
しかし、オーバーワークをすることで結果的に仕事の効率が下がっている可能性があります。
ストレスが溜まり仕事に集中できない・眠れてないから頭が働かないなどの原因から、仕事の効率は下がってしまうので、しっかりと休んでコンディションを整えることも仕事だと考えてゆっくり休むことをおすすめします。
オーバーワークになってしまう原因
オーバーワークを改善するためには、オーバーワークになる原因を知る必要があります。
まずは、自分の働いている環境を振り返ってみましょう。
原因が思いつかない人は、以下で紹介するオーバーワークになってしまう原因を参考にしてくださいね。
人員不足や短納期などの労働環境に問題がある
オーバーワークの原因は、自分自身ではなく、労働環境自体に問題がある場合が考えられます。
仕事をするための人員がいない、納期があまりにも短すぎるなどの原因がある場合は、労働環境を見直す必要があるといえるでしょう。
自分自身では労働環境を変えられない、会社の環境を変えるための体力や気力がないという人は、転職を考慮に入れるのも一案です。
自分の体のことを冷静に考えられているうちに、オーバーワークをしなくてもよい環境を整えましょう。
そもそも残業することを前提にしている
残業することを前提にした働き方をしている人もいるのではないでしょうか。
残業が前提になっているのは、そもそも残業をしないと終わらないような仕事の量が与えられているケースと、残業を考慮に入れて日中はダラダラと仕事をしているケースの2つのパターンが考えられます。
前者の場合は、仕事量が多すぎることが問題です。仕事量の調節を行い、オーバーワークを防ぐ必要があります。
後者の場合はダラダラと仕事をする癖がついていることに注意しましょう。仕事は定時までに終わらせることを意識して、長時間仕事をする癖を改善しましょう。
自分のキャパシティを把握せずに仕事を受けている
「この仕事やっといてくれる?」と先輩や上司に言われるとなかなか断れないという人もいるのではないでしょうか。「自分のキャパシティを把握せずに仕事を受けている」こともオーバーワークの原因のひとつです。
「残業をすればできるかな」という考えで仕事を受けるのはやめ、定められた労働時間で対応できないものは、断ることも大切です。
スケジュール管理やタスク管理ができていない
スケジュール管理やタスク管理ができていないことも、オーバーワークの原因のひとつです。
スケジュールの管理ができていないと、頼まれた仕事を「なんとなくできるだろう」と引き受けてしまい後々苦しんで仕事をすることも。
また、締め切りが遠い仕事を放置してしまい、直前になって慌てて仕事をしなければいけないことも起きてしまいます。
スケジュールとタスク管理を日々しっかりと行うことで、計画的に業務を勧めましょう。
オーバーワークになりやすい人の特徴
「気をつけているはずなのに、どうしていつもオーバーワークになってしまうのだろう」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
オーバーワークになってしまう人には、以下のような特徴や性格があります。まずは、自分の性格を分析し知ることで、自分のオーバーワークになりがちな性格を把握しましょう。
1.頼まれた仕事を断れない
オーバーワークになりやすい人の1つ目の特徴は、頼まれた仕事を断れないことです。
頼まれた仕事を拒否できないのは、優柔不断や優しすぎる人、責任感が強い人にありがちです。
同僚や上司から頼まれた仕事を断らず、愚直に仕事に取り組めるのは素晴らしいことですが、しばしば自分自身が疲れて苦しんでしまうことも。
オーバーワークで体を壊してしまい、仕事に穴をあけてしまうことで周りに迷惑をかけてしまいます。また、無理に引き受けた仕事は期待された成果が出せないかもしれませんし、時間に余裕のある人が対応したほうがよい結果が出る可能性もあります。
仕事はチームで行うもの。「自分が引き受ける」以外の選択肢を考慮することも大切です。
2.完璧主義
オーバーワークになりやすい人の2つ目の特徴は、完璧主義なことです。
完璧主義な人は、自分の仕事を100%以上のクオリティで仕上げたいと思ってしまう人が多いです。そのため、「もう少し……」と粘ってしまい、納期ギリギリになってしまったり、想定されている労働時間より多くの時間をかけていることも。
プライドが高く自分の仕事に自身があり、誇りを持っていることは素晴らしいことです。しかし仕事とは、求められている期間や時間内に成果を上げることも大切です。
完璧主義な人は、まずは妥協点まで仕事をして時間があれば推敲するなどと仕事に工夫を重ねるのも一案です。
3.真面目すぎる
オーバーワークになりやすい人の3つ目の特徴は、真面目すぎることです。
真面目で責任感が強い人は、自分の手に余る仕事を頼まれたとき、期待に答えたいと頑張りすぎてしまう傾向があります。
自分のキャパシティを超えた仕事量でも、残業や休日出勤をしてこなそうとしてしまいます。また、難しい仕事を与えられたときは家で自習をし、プライベートな時間を潰してまで働くことも。
真面目な人は、周りの人に頼ることを悪いことだと思っている可能性があります。わからないことや辛いことなどを気軽に先輩や上司に相談してみるのも一案です。
オーバーワークを改善するための7つの対策方法
「このままでは体や心に支障をきたしてしまうかも」とオーバーワークを改善したいと思っている人も多いのではないでしょうか。
以下では、オーバーワークを改善するための7つの対策方法をご紹介します。すべての対処法を行う必要はないので、自分の必要な対処法だけをピックアップして試してみてはいかがでしょうか。
1.仕事量を把握し、できない仕事は断る
オーバーワークを改善するための1つ目の対策方法は、仕事量を把握し、できない仕事は断ることです。
仕事量をなかなか把握できない・納期が遠い仕事を後回しにしてしまう人は、手帳やタスク管理ツールを使ってみるのも一案です。
例えば、タスク管理ツール「Trello」では、タスクをカード化することで視覚的にわかりやすく、直感的にタスクを管理できます。
また、Googleカレンダーに、任された仕事にかかる時間を予めスケジュールとして入れてみるのもおすすめです。
自分にあったタスク管理を行って、タスクの把握に努めましょう。
2.仕事に優先順位をつける
オーバーワークを改善するための2つ目の対策方法は、仕事に優先順位をつけることです。
すぐに終わるタスクや仕事を先にやって、時間がかかる仕事は後回しにしてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、手を付けやすい仕事をからしていると、重大な仕事が残ってしまったり、納期に間に合わなくなったりする可能性があります。
タスク全体を見て、重要度と緊急度を鑑みて、毎朝やるべきタスクの順番を決めて仕事をすることをおすすめします。
自分の仕事を行っている途中で、仕事を頼まれる可能性もあるので、キチキチに仕事を詰めずにある程度ゆとりを持ってスケジュールを立てておきましょう。
3.仕事を効率化する方法を検討する
オーバーワークを改善するための3つ目の対策方法は、仕事を効率化する方法を検討することです。
今まで行っていたマニュアルに反するやり方で仕事をするのは、とても勇気がいることです。しかし、いらない過程を省略したり、便利な電子機器を使って工程を簡略化したりすることで効率化をすると、オーバーワークを解消できる可能性があります。
常に「どのようにしたらもっと効率的にできるのか」を考えて実行することを実践してみてはいかがでしょうか。
4.上司や周りに相談する、他の人に仕事を割り振る
オーバーワークを改善するための4つ目の対策方法は、上司や周りに相談したり、他の人に仕事を割り振ったりすることです。
オーバーワーク気味の人は、ともすると進んで仕事を引き受けていると思われがちなことも。まずは、オーバーワークで体や心に不調がきていることを上司や周りの人に相談してみましょう。
また、誰かに仕事を任せられる場合は、他人を頼ることも大切です。相手の仕事量を考えて、自分の仕事を引き受けてくれないか交渉してみてはいかがでしょうか。
5.食事と睡眠を確保できる生活習慣に変える
オーバーワークを改善するための5つ目の対策方法は、食事と睡眠を確保できる生活習慣に変えることです。
仕事が忙しすぎて、ご飯を食べる時間がない・睡眠時間を削って仕事をしないといけないなどと、自分を犠牲にする仕事方法をしている人もいるのではないでしょうか。
短期的には、時間を切り詰めて仕事をするほうが効率化できることも多いですが、長期的に見るとそうではありません。無理をすることで、自分の体や心を壊してしまい、さらに悪化するとうつ病や心の病に発展して仕事ができなくなることも。
自分の体を大切にするためにも、食事や睡眠などの生活習慣の見直しをしてみてはいかがでしょうか。仕事を優先して、食事や睡眠時間を取るのではなく、最初から食事や睡眠時間は確保したうえで仕事のスケジュールをたてるようにするとよいでしょう。
6.運動や筋トレを行う
オーバーワークを改善するための6つ目の対策方法は、運動や筋トレを行うことです。
運動をする際は、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を取り入れることがおすすめです。
厚生労働省による「快眠と生活習慣」によると、運動習慣と睡眠には密接な関係があることが記載されています。
激しい運動は、逆に寝付きを悪くしてしまう可能性があります。運動をする際は、運動の激しさ・運動をする時間に気をつけて行いましょう。夕方や夜など仕事から帰ってきた後やお風呂に入る前に軽めに運動をしてみてはいかがでしょうか。
7.どうしても改善されない場合は転職も検討する
オーバーワークを改善するための7つ目の対策方法は、どうしても職場環境が改善されない場合は転職も検討することです。
自分の力ではオーバーワークを改善できず、職場環境が悪い場合は転職を考えるのも一案です。
「環境のせいにしたくない」という人もいるでしょうが、朱に交われば赤くなるというように、周りの環境は自分が思っているよりも自分に影響を与えます。
何度も改善をお願いしているにも関わらず、休みが取れない、80時間以上の残業が当たり前になっている、などの場合、改善の見込みがないのであれば自分を守るために転職することも検討する必要があるかもしれません。
オーバーワークだと認識したら早めに対策を行おう
- オーバーワークの基準は、残業が65〜80時間を超えること
- オーバーワークが続くと、体調不良や精神的な不調が起こる
- 自分の仕事量を把握し、優先順位をつけて仕事をする
本記事では、オーバーワークになる原因や特徴、対処法などを詳しくご紹介しました。
オーバーワークの原因が職場環境にあるのであれば、まずは上司と相談しつつ、職場の環境を変更できるようにアプローチしてみましょう。
オーバーワークになってしまう原因が自分にある場合は、原因を正確に把握して改善する方法を試してみてはいかがでしょうか。
【関連記事】
仕事人間ほど要注意!急にやる気がなくなる「バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)」の症状・原因と対処法とは?
「急に仕事に対してのやる気が無くなってしまった」という人もいるのではないでしょうか。突然やる気を失ってしまい、無気力状態になってしまった人もいるでしょう。 本記事では、急にやる気が無くなっ...
【向上心が高い人の7つの共通点】目の前の仕事に真摯に取り組む人だけが成長できる!
「向上心高く仕事に向き合いたい」と思っていながらも、なかなかやる気が出ない人も多いでしょう。 本記事では、向上心が高い人の特徴や向上心を持つためのポイントなどをご紹介します。 向上心...
定時で帰る「働きやすさ」を自分でつくる仕事術:『定時帰宅。』
業務が終わっていなくても、残業せずに定時で帰る。――このような残業を回避する行為は、日本企業では風当たりが強いケースも多いでしょう。しかし、残業なしで帰宅することは、誰しもが望んでいることではな...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう