「いきなり関係性を断ちたくなる」「人と関わることに疲れてしまった」といった経験がある人も多いのではないでしょうか。
本記事では、人間関係をやり直したくなる「人間関係リセット症候群」の原因や特徴、対処法などをご紹介します。
関係を切ってしまいがちな癖を直したい人はぜひ参考にしてください。
- 人間関係リセット症候群とは?
- 人間関係リセット症候群の人が行いがちな行動・原因・特徴
- 人間関係リセット症候群から脱却する5つの対処法
人間関係リセット症候群とは?
そもそも「人間関係リセット症候群」とはどのような状態のことをいうのでしょうか。
人間関係リセット症候群とは、人間関係をゲームのように0からやり直したい衝動に駆られて、実際に行動に移してしまうことをいいます。人間関係リセット症候群は、統合失調症やうつ病のような精神病ではなく、陥りがちな精神状態の造語です。
病気ではありませんが、あまりにもリセット癖がひどい場合は病院やカウンセリングに行き相談するのも一案です。
人間関係リセット症候群の人が行いがちな行動をチェック
「自分は人間関係リセット症候群なのかもしれない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
以下では、人間関係リセット症候群の人がやりがちな行動を紹介します。下記のような行動をしている人は要チェックしておきましょう。
彼女や彼氏との恋愛関係をすぐに終わらせたくなる
人間関係リセット症候群の人は、友達や知人の人間関係だけでなく、彼女や彼氏との恋愛関係であっても、終わらせたくなる傾向にあります。
例えば、喧嘩をしてしまったときや、嫌なことを言われたときなど「もういいや……」と面倒になりすぐに別れを告げてしまう人は、人間関係リセット症候群への注意が必要です。
SNSのアカウントを頻繁に削除する
SNSのアカウントを頻繁に削除してしまうのも、人間関係リセット症候群の人のやりがちな行動です。
SNSのアカウントを削除しても簡単に作り直せたり、データをバックアップできたりとやり直しができます。やり直せることに安心して、頻繁に削除したり、新しいアカウントを作ったりする人は気をつけましょう。
連絡を返信せず、相手をブロックする
毎日LINEやSNSで連絡がきていると、返信を返すのが億劫になるのも当然です。
しかし、連絡が面倒くさいからといってブロックしたり削除したりするのは、人間関係リセット症候群の傾向があるといえるでしょう。
たとえ親しい友人であっても後先考えずにブロックしてしまう人は、本記事下部にある対処法を試してみることをおすすめします。
新しいコミュニティに入ることがやめられない
参加するのが面倒になりサークルに行かなくなったけれど、一人でいるのは寂しいから新しいコミュニティに入ることを繰り返してしまう人もいるのではないでしょうか。
ひとつのコミュニティに属せず、特定の人と長く付き合えないのも人間関係リセット症候群のやりがちな行動のひとつです。
何度も転職する
仕事の場面で人間関係リセット症候群が作用してしまうと、何度も転職をしてしまうことになります。
転職をすることで、新しい人間関係を築き、新しい仕事を学べられますが、「やり直したい欲」から転職を何度も繰り返す人は注意が必要です。
人間関係リセット症候群に陥ってしまう原因
人間関係リセット症候群に陥ってしまうのには、どのような理由があるのでしょうか。
以下では、人間関係リセット症候群になってしまう原因をご紹介します。原因を把握して、人間関係リセット症候群を改善するためにはどうすればいいのか考えてみてはいかがでしょうか。
1.相手に怒られたくない気持ちが強い
人間関係リセット症候群に陥ってしまう1つ目の原因は、相手に怒られたくない気持ちが強いことです。
誰かに怒られることは大なり小なり皆苦手ですが、怒られたくない気持ちが強すぎるのは問題のある行動につながりかねません。
人間関係リセット症候群の人は、怒られるのを避けるために連絡を絶ったり仕事をやめたりして人間関係を0からやり直そうとします。
「怒られること=失望されてしまう」と思っている人は、「怒られること=期待されている」のように気持ちを変えるのも大切です。
2.気分にむらがあり突然無気力になってしまう
人間関係リセット症候群に陥ってしまう2つ目の原因は、気分にむらがあり突然無気力になってしまうことです。
「自分が率先してやると言ったけれど、今は気が向かない……」「突然忙しくなったから、連絡する気持ちの余裕がない……」と気持ちに変化が起こり、それを伝えるのも億劫になり、連絡することがはばかられ人間関係をリセットしようとする人もいるのではないでしょうか。
気分の変化に左右されすぎてしまう人は、自分の気分のコントロールをすることをおすすめします。
また、気分にむらがあったとしても、人間関係を断つのではなく、相手に理由を伝えて関係性を継続する方法を取ることも重要だといえるでしょう。
3.ネガティブ思考で嫌われていると疑心暗鬼になってしまう
人間関係リセット症候群に陥ってしまう3つ目の原因は、ネガティブ思考で嫌われていると疑心暗鬼になってしまうことです。
「挨拶をしたのに返してもらえなかった」「自分のことをみてヒソヒソ話されていたような気がする」のような些細なことから自分が「嫌われているのでは?」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。
自分のことを嫌っている可能性がある集団に属すことはストレスが貯まり、離れたいと思うのは当然です。
しかし、人間関係リセット症候群の場合、本当は相手に悪意がないのにも関わらず過剰に反応してしまい、人間関係をリセットしてしまうケースもあります。
相手が自分のことをどのように思っているのかは、想像だけでは判断できません。ネガティブに思い込みすぎず、「もしかすると挨拶が聞こえていなかったのかもしれない」「集中していて挨拶が聞こえていなかったのかもしれない」など他の理由がないのか想像することも大切です。
4.信頼して相談できる相手がいない
人間関係リセット症候群に陥ってしまう4つ目の原因は、信頼して相談できる相手がいないことです。
人間関係リセット症候群の人は、本当に信用して自分の話をする人がいないのでストレスを消化できず、ストレスから離れる対処法しかできない可能性があります。
誰かのことを信頼するのはとても難しいことですが、信頼してもらい心を許せる相手を作るためにはまずは自分から相手を信用することが大切です。もし身近な相手に話にくいのであれば、カウンセリングやコーチングなどを利用して、プライバシーを守って話を聞いてくれる相手を見つけてみることも方法です。
人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴7選
人間関係リセット症候群になる人には、以下のような特徴があります。
自分が当てはまっているか確認して、自分と向き合うための参考にしてください。
特徴1.完璧主義で、ミスを許せない
人間関係リセット症候群になりやすい人の1つ目の特徴は、完璧主義で、ミスを許せないことです。
完璧主義の場合、ミスがあるとなかったことにしたい、0からやり直したいという心理が働きます。
また、誰かにミスを責められたことからトラウマになってしまい人間関係リセット症候群になってしまった人もいるでしょう。
特徴2.自己肯定感が低い
人間関係リセット症候群になりやすい人の2つ目の特徴は、自己肯定感が低いことです。
「自分なんて……」が口癖になってしまっている人もいるのではないでしょうか。
自己肯定感が低いと自分に自信がなくなり、少しでも自分の自信がないことに関わるのを避けようとします。
自分を傷つける環境から逃げようとして、人間関係リセットになってしまうのかもしれません。
特徴3.めんどくさがり
人間関係リセット症候群になりやすい人の3つ目の特徴は、めんどくさがりなことです。
人間関係は、自分の都合のいいことばかりではなく、相手のために動いてあげることが多々必要です。
誰かのため行動することや、頻繁な連絡やメールなどの関わりがめんどくさくなり、ストレスを根本から絶とうとしてしまいます。
特徴4.周りに気を使いすぎる
人間関係リセット症候群になりやすい人の4つ目の特徴は、周りに気を使いすぎることです。
自分のことよりも周りを優先する生活を続けると、ストレスが知らないうちにたまってしまいます。
ストレスが溜まる環境を避けて新しい環境を選ぶことになっても、優しすぎる性格のために違う環境でもストレスが溜まってしまうかもしれません。
環境を変えてもストレスが減らないために、人間関係リセット症候群になる人もいるでしょう。
特徴5.マイペース
人間関係リセット症候群になりやすい人の5つ目の特徴は、マイペースなことです。
マイペースな性格だと、相手に合わせて行動することが苦手な人も多いでしょう。
一人でいたいのに、状況が許してくれない場合に「それだったらいっそ、関係を遮断しよう」と人間関係リセット症候群になりやすいです。
特徴6.ストレスの対処法がわかっていない
人間関係リセット症候群になりやすい人の6つ目の特徴は、ストレスの対処法がわかっていないことです。
楽しいことであってもストレスは感じるものなので、嫌いなことや苦労することならなおさらストレスはかかります。
自分のストレスを発散する方法がわからなければ、環境や人間関係をリセットしてストレスの根源を断ってしまうことを検討することもうなずけるでしょう。
特徴7.心の病にかかっている
人間関係リセット症候群になりやすい人の7つ目の特徴は、心の病にかかっていることです。
人間関係リセット症候群の人で、何度も転職したり、人を傷つけたりしてしまう人は、心の病にかかってしまっている可能性もあります。
「リセットするのをやめたいのにどうしてもやめられない」など、自分ひとりだけでは、解決できないことも。その場合は、然るべき病院に相談してみるのも方法です。
人間関係リセット症候群から脱却する5つの対処法
人間関係リセット症候群を改善したい・辞めたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
以下では、人間関係リセット症候群から脱却するための対処法をご紹介します。
すべてを試す必要はありませんが、できる範囲で試してみてはいかがでしょうか。
対処法1.自分の性格を受け入れる
人間関係リセット症候群から脱却するための1つ目の対処法は、自分の性格を受け入れることです。
まずは、自分の性格を知り、向き合うことが大切です。
例えばめんどくさがりな性格であることがわかっていると、友達に「SNSやLINEはあまりやらないタイプ」と先に予防線を張れます。また、「仕事が忙しいときには連絡を返す余裕がなくなってしまう」と伝えておき、仕事が忙しい時期には「今週はとても忙しいから連絡が途絶えがちになると思うけれど、心配しないで」などと予め伝えておくとよいでしょう。
自分の考えがちな行動を把握して、人間関係リセット症候群にならないためにはどうすればいいのか考えてみましょう。
対処法2.誰かに気持ちを相談する
人間関係リセット症候群から脱却するための2つ目の対処法は、誰かに気持ちを相談することです。
誰かに心配事や嫌なことを話すことで、ストレスも減り、客観的に自分の状況を見てもらえるようになります。また、自分の考えも整理されたり、新しい視点で物事を考えられるなど新たな発見もあるでしょう。
身近に話す相手がいない人は、カウンセラーや精神科の先生などのプロに聞いてもらうことをおすすめします。
対処法3.趣味に没頭し、メンタルをリセットする
人間関係リセット症候群から脱却するための3つ目の対処法は、趣味に没頭し、メンタルをリセットすることです。
不満やイライラから逃げるために人間関係リセット症候群になる人は、ストレスを開放してあげることを意識しましょう。
ストレスを開放する方法は、趣味に没頭したり瞑想したりなど様々な方法があります。
自分にあったストレス解消方法を見つけて、メンタルをリセットすることをおすすめします。
対処法4.自分らしく生きることを視野に入れる
人間関係リセット症候群から脱却するための4つ目の対処法は、自分らしく生きることを視野に入れることです。
誰かのために尽くしたり、自分を犠牲にしたりできるのはひとつの才能です。決して悪いことではありません。
しかし、自分を二の次に生きることは、ストレスを感じたり不満がでたりします。自分を大切な友人だとしたらどのように過ごすのが一番よいのか、どのように対応するのが本人にとってよいのかを考えて行動することをおすすめします。
自分らしく生きたいと思っている人は「自分らしく生きるための10個の方法とは?いますぐやめること、自分らしさを見つけることも紹介」を参考にしてください。
対処法5.自分の状況を客観的に分析する
人間関係リセット症候群から脱却するための5つ目の対処法は、自分の状況を客観的に分析することです。
自分をみる自分を想像して、客観的に自分を見ることを「メタ認知」といいます。メタ認知をすることで、自分の性格を認識したり自分の行動を制御しやすくなったり、自分の置かれている状況を客観的に見られたりします。
自分を物語の登場人物のように客観的に見てみることで、自分を制御してみてはいかがでしょうか。
自分自身と向き合って人間関係リセット症候群を改善していこう
- 人間関係リセット症候群とは、人間関係を0からやり直したいと行動に移すこと
- 人間関係リセット症候群になってしまう原因を把握する
- 自分の性格を見直して、どうすれば対処できるのか考えてみる
本記事では、人間関係リセット症候群の原因や特徴、対処法などをご紹介しました。
人間関係リセット症候群で人や自分を傷つけてしまっていることに罪悪感を覚えている人は、ゆっくりでもいいので自分と向き合うことをおすすめします。
あまり深刻に考えず、軽い気持ちでストレスと向き合うのも大切です。
本記事を参考に人間関係リセット症候群を改善する方法を試してみてはいかがでしょうか。
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