「この業界を変えたい」「この業界で活躍したい」などの強い想いがあったとしても、そのためにどう行動すればよいかわからず足踏みしてしまうことはありませんか?
花を贈るきっかけづくりのブランド『HANARIDA』を展開する僕と私と株式会社 代表・今瀧健登さん(23)は、「Z世代を代表する企画屋となり、ゆくゆくは教育業界を変えたい」という大きな志を抱いています。
一度は就職も経験したという彼ですが、なぜ起業家の道に専念することを選んだのでしょうか。そして、一見、教育とは関係性のなさそうな"花"でビジネスを展開している理由とは?
Z世代の起業家のなかでも一段と強い存在感をみせる今瀧さんを取材しました。
『HANARIDA』デジタルデトックスカフェ
Z世代に向けた企画・インフルエンサーマーケティング事業を手がける僕と私と株式会社は、花を贈るきっかけづくりのブランド『HANARIDA』を展開しています。1日で1カ月先まで売り切れた"食べられるお茶"や本物のお花が入った指輪"HANARING"など、花のある暮らしを支援する花のD2Cブランドです。
『HANARIDA』は9月、デジタルデトックスカフェを東京・原宿にオープン。
ドライフルーツ入りのハーブティーや、お花と茶葉で作られたドライフルーツシーシャなどとともに、スマホなどのデジタル機器を手放して非日常を体験することができる"大人の秘密基地"です。
就職を控え、学生起業へ
今瀧さんは、就職先が決まった後、大学4年の春に、花屋のコンサルティングなどを手がけるため起業しました。
大学卒業後2020年4月に大手コンサル企業へ就職し、同年11月に2社目となる僕と私と株式会社を創業。その後2021年6月末に大手コンサル企業を退職し、起業家としての道に専念することを決意しました。
-----就職が決まっていながら起業したのはなぜですか?
今瀧さん:ビジネスの勉強のためです。
そもそも大手コンサルに就職を決めたのは、大学時代に小学校の先生として非常勤講師を務めていた中で「教育業界を変えたい」「現場ではなく、そもそもの仕組みを変えたい」「であれば、民間から変えていこう」と思考が育っていった結果でした。
就職が決まってからも、インターンなど様々な選択肢の中から一番学べる範囲が広そうだと感じた「起業」に挑戦し、ビジネスを勉強しようと思ったんです。
-----起業後、具体的にどのような仕事をされていたのですか?
今瀧さん:1カ月に30軒以上の花屋をまわり、「花を贈る人を増やす」ためのコンサルを始めました。
花屋で花を選んでいる人って、だいたい皆、幸せそうなんですよね。「この花を大切なあの人に贈ろう」とか「自分の部屋に飾ろう」とか、ポジディブな気持ちで選んでいる人がほとんど。
そういった現場を見ているうちに、より一層花の魅力にハマっていきました。
「両方やってみてから決めよう」
花屋のコンサル以外にも、本の出版やイベントの企画・運営、グラフィックデザイナー、フォトグラファー、服のデザイナーなど、多彩な能力を発揮しながら「できることは何でもやってみた」と話す今瀧さん。
気が付くと、十分に生活していけるほどの収入も得られるようになっていたと言います。
----そんな状況の中で、就職への決意は揺らぎませんでしたか?
今瀧さん:就職すべきか、起業家としての道に専念すべきか、判断がつかなかったので「両方やってみてから決めよう」という気持ちでしたね。
会社員として1年間やってみてから、もう一度決めようと思って入社しました。
-----実際に就職して、どのような学びや気付きがありましたか?
今瀧さん:起業家って、基本的に「教えてもらう」機会が圧倒的に少ないんですよね。その点、就職先では先輩や上司から学ぶことも多く、ありがたい環境だと感じていました。
一方で、規模の大きな組織だったので、ルールの中で仕事をすることに対して少しストレスに感じる部分も。この点に関しては、どう感じるかは人それぞれだと思うのですが、自分にとっては少し大変でした。
-----色々な経験や学びを経て、約1年後に退職されたのですね。
今瀧さん:そうですね。入社7カ月後に僕と私と株式会社も創業し、メンバーが会社員をやめてこちらの仕事にコミットしてくれるようになったことも大きなきっかけでした。
就職と起業、どちらも経験したからこそ「自分にとって、起業家の道に専念する方が向いている」と自信を持つことができたと思っています。
5分以上は考えない
今では、アルバイトを含めスタッフは30人を超え、会社の規模も大きく成長していると言います。
手がける事業は、企画・コンサル・WEB・映像・ブランドの5つに拡大。ブランドとしては、『HANARIDA』を含め8つを展開しています。
-----仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
今瀧さん:まず、自分の強みと弱みを他の人に知ってもらうことが大切だと考えています。
「これは苦手」「ここは得意」と自分のことを周囲に理解してもらうことで、頼ってもらえる関係性・助けてもらえる関係性を築くことができるからです。
その他、謙虚さや即レスなど、"信頼"を醸成するために意識していることも多々ありますね。即レスは相手に安心感を与えることができるし、謙虚さは期待値調整にも繋がりますから。
-----コンサル企業に勤めていた時や起業した後など、力不足や経験不足を感じる場面もありましたか?
今瀧さん:もちろんありますが、そんな時は「とりあえず行動すること」を徹底するようにしています。
まだ20代前半で経験も少ないので、自分の知識と能力だと、"予測"ってあまり当てにならないと思っているんです。
「こうなるかな?」と予測したり、「こうなったらどうしよう」とモヤモヤ考え込んだりするよりも、まず行動してみること。私は、5分考えて結論や解が出ない時には、それ以上考えないようにしています。
Z世代の代表ブランドを目指す
このようにして、Z世代向けの企画・マーケティングや『HANARIDA』などの事業を拡大し続けている今瀧さんですが、変わらず根底にあるのは「教育業界を変えたい」という強い信念だと言います。
-----今後の展望について、詳しく教えていただけますでしょうか。
今瀧さん:ゆくゆくは大学の教授になって、幸せに生きる人を増やしたいと考えています。
今、ビジネスのツールとして"花"をよく扱っているのは、「花を贈る人が増えると、人々の幸福度も上がるだろう」という仮説があるためです。"花"以上にマイナスイメージのないものを見たことがないですから。
また、業界を本当に変えるためには、過半数の人に受け入れられるものをビジネスとしてつくる必要があります。
そのためには、仲間が必要。今、僕と私と株式会社には20人のフルコミットメンバーがいますが、近い将来その20人全員が会社を立ち上げ社長になってほしいと思っています。そうして、Z世代のグループカンパニーをつくりあげ、Z世代の代表ブランドになります。
「教育業界を変えたい」「幸せに生きる人を増やしたい」という強い信念を起点とし、今瀧さんはそこから逆算して行動を起こし続けているのです。そのためのツールとして"花"を活用していることにも、「"花"=幸せ」とイメージが繋がることで納得できますね。
どの道を歩めばよいかわからない時にも「両方やってみよう」「まずは行動を起こしてみよう」と、歩みを止めずに進み続ける彼の姿は、目標に向かって突き進みたいと願う同世代のビジネスパーソンにも眩しいほどの刺激を与えてくれるのではないでしょうか。
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