「30歳までには、こんなことを達成したい」「5年後には、あの役職に就きたい」など、具体的な目標を決め、今すべきことを逆算して考えている若手ビジネスパーソンもいるのでは?
今回取材したのは、逆算思考ではなく、“今”を起点に「組織貢献」と「自身の成長」の軸でキャリアを築いてきた、ナイル株式会社の久保瞭也さん(25歳)。どのような軸でキャリアを歩んでいるのか、伺いました。
「デジタル革命で社会を良くする事業家集団」
ナイル株式会社は、「デジタル革命で社会を良くする事業家集団」をビジョンとし、デジタル支援、メディア運営、モビリティの3つの領域で事業を展開しています。
久保さんが所属しているデジタルマーケティング事業では、独自のSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)やコンテンツ制作、アクセス解析のノウハウを強みとして、10年以上、累計1500社以上のクライアント企業に対して、デジタル戦略の策定からマーケティング施策の実行までを一気通貫で支援しています。
「選んだ道を"正解"にする」逆算しないキャリア
久保さんは長期インターンを経て、2019年4月にナイル株式会社へ新卒入社。Webコンサルタントを経て、現在は営業の仕事に従事しています。
-----久保さんは、大学生の頃から、インターンをされていたと伺いました。
久保さん:大学2年生の時に「就職活動前に働くイメージをもっておきたい」と思い、長期インターン先を探していました。いろいろな企業を見ていたところ、たまたまビジネスSNS経由で人事担当から連絡をもらったのが、ナイルと出会ったきっかけです。面談を通じてデジタルマーケティングに魅力を感じ、長期インターンを始めることになりました。
-----そのまま2019年に新卒入社されたのですね。
久保さん:インターンを始めた当初の目的は、あくまで「働くイメージを掴むこと」。大学卒業後に社員として働くことは考えていませんでした。でも、実際にナイルでインターンとして働いてみたことで、仕事の楽しさに気づき、「もっと仕事ができるようになりたい!」と思い、そのまま新卒として入社しました。
当時は、デジタルマーケティングのことを何も知らない状態からスタートしたので、基本的な知識は書籍や社内に蓄積された過去の提案資料で学びながら、あとは実務を通じて社員からフィードバックをもらって知識を身につけていきました。
ナイルの仕事が楽しいと感じたのは、インターンという立場に関係なく、挑戦する機会を与えてくれたからです。内定者になったあとの大学4年時からは、Webコンサルタントとして上場企業の担当窓口を任せてもらったり、戦略策定から実行までを担当させてもらいました。自分の考えた方針や施策がお客様にご納得いただけた時や、成果が出てお客様の事業成長に貢献できたときは嬉しく、そのような経験を積んでいく中でナイルへの入社を決めました。
-----インターンとして実際に働いたからこそ、ナイルで働くというキャリアイメージがついたのですね。
久保さん:そうですね。僕は、目標を決めて逆算して行動するタイプではなく、 “今”を起点に「この会社に入って自己成長につながるか、仕事内容にやりがいがあるか」を軸にして、当時はキャリア選択をしました。選んだ道を正解にできるかは自分次第だと考えていたので、とにかく仕事に打ち込んでいました。
-----インターン時代からWebコンサルタントとして活躍されていたわけですが、入社後に自ら営業への転身を希望されたと聞きました。どうしてですか?
久保さん:インターン時代は「自己成長」をメインの軸にキャリア選択をしましたが、個人としてできることが少しずつ増えていく中で、より活躍の幅を広げるためにも「組織貢献」の視点を持つようになりました。 元々のナイルでは、反響営業がメインだったため営業が数名しかいなかったのですが、その頃は、お問い合わせの数も増えてきており、より高い目標を達成するためにも、営業組織をさらに強化して、事業を拡大していこうという方針に切り替わるタイミングでした。 そのタイミングで、「今、営業の強化が求められている。自分が異動して組織に貢献できるし、自分ももっと成長できる」と確信、当時の上司と営業マネージャーに相談をしたところ、希望が通り、異動することになりました。
自ら希望し営業になったものの、3カ月間は受注ゼロ
入社後に自ら転身を希望し、営業として働くことになった久保さんですが、どのような仕事内容だったのでしょうか。
-----営業として、どのような仕事を担当しているか、教えてください。
久保さん:新規・既存双方のお客様への営業活動を行っています。お客様から相談されるのは、SEOやコンテンツ制作など、私たちが強みとする領域に関することから入るケースが多いですが、本当に求められているのはWebサイトのアクセスを増やし、そこから売り上げを伸ばすこと。
営業の仕事は、SEOやコンテンツ制作など、自社のもっている商材をただ売ることではありません。お客様の抱える真の課題を理解し、その解決のために必要なソリューションを提案することです。
-----コンサルタントから営業になって、大変だったことはありますか?
久保さん:異動して3カ月ほど、受注を1件も取れなかったことですね。Webコンサルタントとして一定の知見があるから、それを活かして提案をすれば受注は難しくないと思っていたのですが、実際はそんなに甘くありませんでした。その時は会社に貢献できていないことに焦りを感じていましたね。
振り返ってみると、「お客様は何を求めているのか」「そもそもなぜお客様はナイルを選ぶのか」といったことを、僕自身がしっかり理解していませんでした。
とある企業への提案で、担当者の評価が良く、契約確度が高いと思っていた案件を失注したことがありました。あまりにも悔しくて担当者の方に時間をもらって電話をし、他社を選んだ理由や、社内でどんな意思決定の協議がなされたのかなどヒアリングさせていただきました。
そこではじめて、提案前のヒアリング段階で担当者が抱えている課題感をうまく引き出せていないことや、検討プロセスを把握した上でのナイルの価値付けなどが全くできておらず、独りよがりな提案をしてしまっていたことに気が付きました。そこから、ロープレや、受注・失注顧客へのヒアリングなど、インプットとアウトプットを繰り返していく中で、自分の中で情報が整理され、大きな案件も受注できるようになりました。
自分本位で成果につながらない提案はしない
-----営業をするうえで、久保さんの強みとなっていることはありますか?
久保さん:やはりWebコンサルタントの経験があることですね。お客様の成果を出すために、どういった戦略を持って施策を実行するか、Webコンサルタントとしての実務経験や知識があるのは、大きな強みだと思います。
提案するうえで特に意識しているのは、成果につながらない提案を絶対にしないこと。営業をしていると、受注したいという気持ちが強くなるあまり、「その課題を解決するには、我が社のソリューションが必要です」と自社商品を売るための提案になりがちです。しかし、お客様にとっては、受注状況なんて、関係のない話。求めているのは、今抱えている課題を解決し、事業成長につながる提案です。
仮にお客様からの相談内容がSEOだったとしても、僕はSEOに絞るのではなく、お客様が抱えている事業全体の課題を聞くようにしています。事業フェーズや目的、目標、予算によっては、ナイルが持っているソリューションが合わないこともあります。その場合は、他社を紹介することもありますし、中には、そもそも悩みを解決する方法はSEOではないということもありますしね。
お客様とコンサルタントをつなぐ橋渡し的存在として
久保さん:取引開始後にお客様の事業成長や課題解決を実現するのは、営業ではなく、施策を担当するコンサルタントの仕事です。これは僕個人の考えではなく、事業全体での考えなのですが、一人ひとりのコンサルタントメンバーが成果を出しやすい環境を整えるようにしています。営業の僕としてできることでいうと、成果を出すまでの時間軸の握りや期待値調整など、「こういう無茶な受注の仕方をしたら、コンサルタントは動きにくいだろうな」と思うことはしないことですね。
営業は、お客様とコンサルタントをつなぐ橋渡し的存在。うまくつなぐことができたら、結果として成果を出せると信じています。Win-Winの関係ですね。
お客様が「ナイルを選んで良かった」と満足し、コンサルタントが成果を出すことができる。その両方が叶った時、僕は震えるほど嬉しいです。
-----最後に、今後の展望を教えてください。
久保さん:一人の営業として、お客様の事業成長に貢献できる余地がまだまだたくさんあるのが現状です。SEOに限らず広告なども含めたデジタルマーケティングに提案領域を広げていくことはもちろん、所属するデジタルマーケティング事業部の事業や組織運営に関わる話もできるようになることを目指しています。「久保に相談すれば、解決してくれそう」と思ってもらえる存在になりたいです。
デジタルマーケティングとは無縁な状態からの入社、Webコンサルタントから営業への転身など、目標からの逆算ではなく、“今”を起点にキャリアを選択してきた久保さん。それが可能なのは、普段から結果にこだわり、皆がWin-Winの関係になることを大切にするなど、周りからの信頼が厚いからでしょう。
久保さんのキャリアの築き方は、若手ビジネスパーソンの参考になるのではないでしょうか。
出典元:ナイル株式会社
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