お通夜や告別式の際に飾られるお花を、故人に贈ろうと思っている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、お花を贈る前に知っておきたい基礎知識やお花の役割別の種類を紹介。宗教別のおすすめのお花や相場などを詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- お葬式に贈るお花について知っておきたい基礎知識3選
- お葬式に贈るお花の4つの種類と役割
- 宗教別のおすすめのお花
お葬式に贈るお花について知っておきたい基礎知識3選
お葬式にお花を贈る機会は少なく、どのように手配したらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
まずは、お葬式に贈るお花について知っておきたい基礎知識をご紹介します。
1.親族や親戚、親しい友人などが贈る
お花を贈る意味は、悲しみの気持ちを表すためや故人へのはなむけ、故人の気持ちを収めるためなどといわれています。
そのため、故人に花を贈るのは、親族や親戚、親しい友達などです。
親族で贈る場合は、兄弟一同・姉妹一同・孫一同のようにまとめて贈るのが一般的です。同様に友達や会社関係の人も、友人一同・〇〇会社一同と贈ることが多いです。特に親しい人の場合は、個人の名前で贈っても問題ありません。
ただし、お花を贈る際は、必ず喪主にお花を贈っていいかどうか確認をしましょう。スペースの問題やお花のお礼をする手間を省くために断られることもしばしばあります。
喪主にとって負担にならないように気を使うのも大切です。
2.花屋や葬儀屋を通して注文する
お葬式用のお花は特別なもの。「どこでお花を買えばいいのかな」と悩む人もいるのではないでしょうか。
お花は、花屋や葬儀屋、インターネットを通して購入するのが一般的です。
花屋やインターネットで購入する際は、お花の種類が選べることが利点です。しかし、葬儀屋が準備したものとは異なるイメージのものが用意されると、悪目立ちしてしまう可能性があるので、注意しておきましょう。
また、葬儀屋の中には直属の花屋があり、その店で購入したもの以外は受け付けないというルールがある場合もあります。
喪主の許可をとったら葬儀屋に連絡をして、葬儀屋に花を贈ってもいいのか聞くと安心です。その際に、お花屋さんを紹介してもらうのもおすすめです。
3.お通夜に間に合うように準備する
せっかくお花を準備したのに、お通夜に間に合わなかったら意味をなしません。
特にお花をインターネットや花屋で購入する場合は、必ず当日の午前中までには届くように手配しておきましょう。
喪主に何時頃に届くか伝えると丁寧です。
お葬式に贈るお花の4つの種類と役割
お葬式に贈るお花はその役割によって4つの種類に分けられます。
以下では、お葬式に贈るお花の4つの種類と、その役割について解説していきます。
1.供花
供花(きょうか・くげ)は、主にお通夜や告別式のときに使われるものです。供花は個人の名前で送られることが多く、故人と親しかった友人や親族は供花を贈ることをおすすめします。
祭壇の近くを華やかにするもので、一般的な葬式のお花のイメージは供花であることがほとんどです。
白のゆりや菊、カーネーションなどの花が使われ、緑色の葉っぱとのコントラストで美しい仕上がりになっていることが多いでしょう。
2.花輪
花輪(はなわ)は、お通夜や告別式の際に外に飾られることが多いものです。花輪は、故人や喪主の会社関係の人や親族によって送られることが多いもの。
お通夜や告別式の行われる場所によっては、スペースを取ることから花輪を飾れないことがあるので注意が必要です。花輪を購入する際には特に、あらかじめ葬儀屋に連絡をすることをおすすめします。
花輪は外に飾られることから、造花で作られているものがほとんどです。生花の花輪を贈りたいと思っている人は、葬儀屋や花屋に生花であることを確認してから頼みましょう。
3.枕花
枕花は、故人の枕元に添えることからその名がつけられました。
故人の枕元に添える大切な花なので、特に親しい人や親族が贈ることがほとんどです。
枕花は、落ち着いた色の花、特に白や青色の花を選ぶのが一般的です。
枕元に添えるものなので、小さなかごに入っているものを選びましょう。白いゆりや白い胡蝶蘭などのお花がおすすめです。
4.献花
献花はキリスト教のお葬式の際に祭壇に飾る花のことをいいます。一般的に教会が準備するものなので、個人で購入するものではありません。
「献花」と間違われがちな、仏教のお葬式の際に出棺前の棺に入れるお花は「別れ花」と呼ばれます。別れ花は供花から茎をカットして入れるのが一般的です。
最近では別れ花の色が白に限定されず、カラフルなお花を入れるようになりました。特に故人が好きだったお花を入れてあげるのもいいのではないでしょうか。
お葬式のお花の相場・花代
お葬式のお花の値段の相場が気になる人も多いのではないでしょうか。
お葬式のお花の数え方は「一基」と呼ばれますが、一基の場合は一般的には1万円〜2万円程度が相場です。
棺を挟んで対称になるように飾る場合は「二基」頼む必要があります。同じものを2つ頼むことを「二基一対」ということを覚えておくと便利ですよ。
お花の値段は、季節や栽培状況によって異なることに注意しておき、1万円〜2万円はあくまで相場であることを覚えておきましょう。
宗教別のおすすめのお花
葬儀屋でお花を頼むときも、大体のお花の種類を選べることが可能です。
以下では、宗教別のおすすめのお花をご紹介します。
「どのお花を選んだらいいのかわからない」と悩んでいる人は参考にしてください。
1.仏教
仏教のお花は、特に決まりがありませんが、白の花がメインで飾られることが多いです。
白以外の花では、派手な色ではなく、黄色や薄い青、ピンクなどの目に優しい色が使われます。
花の種類は、菊・胡蝶蘭・カーネーションなどが使われることが多いです。
同じく百合も使われますが、百合は他の花に比べて花粉が落ちやすいので気になる場合は避けておくようにしましょう。
2.神道
神道も白色の花がメインとして飾ることが多いです。差し色として、目に優しい色を入れると華やかになるのでおすすめです。
花の種類は、季節の花・菊・百合・カトレアなどが選ばれます。
クリスマスをイメージさせるポインセチアは、神道では避けておくほうが無難です。
3.キリスト教
キリスト教では、お花は白色の生花が好ましいとされています。
キリスト教の場合、造花を贈るのはNGとされているので注意しておきましょう。
お花は、白い百合やカーネーション、胡蝶蘭などが使われます。
教会に直接贈るのではなく、自宅に一度贈ってから教会に持っていくのが一般的です。そのため、持ち歩けるようにかごに入っているお花が人気ですよ。
仏式では、お花に名札をつけて誰から送られてきたのかわかるようにしますが、キリスト教ではお花に名札をつけません。マナー違反をしないように注意しておきましょう。
また、「どんなお花を送ったらいいかわからない」「全然想像がつかない」という場合は、お花屋さんに注文するときに宗教を伝えると対応してもらえるケースがほとんどです。細かく指定せず、イメージだけを伝えるのでも問題ないので、相談してみてはいかがでしょうか。
いただいたお花の並べ方のマナー
親族の人は、いただいたお花の並べ方があることを知っておきましょう。
祭壇の周りのお花は、故人に近しい人のお花を並べるのが基本です。地位が高い人順ではないことを注意しておきましょう。
親族・親しい友人・会社関係の人の順番に祭壇に並べていきます。喪主がお花を買っている場合は、喪主のお花が中央に来るように飾りましょう。
また、会場の雰囲気を考えてお花を並べると、美しい葬儀会場になり故人も喜んでくれるのではないでしょうか。
お花をもらった際のお礼・おすすめのお返し
お花をもらった親族は、必ずお花のお礼を贈る必要があります。どれくらいの金額のものをどのタイミングでお返しするべきかわからない人も多いでしょう。
お花のお礼は香典返しと同じタイミングでお返しします。香典返しを送る時期は以下の通りです。
- キリスト教カトリック:亡くなってから30日後から一ヵ月以内
- キリスト教プロテスタント:亡くなってから一ヵ月後から一ヵ月以内
- 仏教:亡くなってから49日後から一ヵ月以内
- 神道:亡くなってから50日後から一ヵ月以内
またお返しの相場は、3分の1から半額程度といわれています。お花の相場が1万円〜2万円なので、5千円〜1万円のお返しをするといいでしょう。
お返しは、不幸が重ならないようにタオルのような消耗品・食べ物や飲み物などの消え物がいいとされています。また、相手の欲しい物が好きに選べるカタログギフトもおすすめです。
お金をそのまま返すのは、目上の人に失礼であるといわれているので、避けておくほうが賢明です。
以下ではおすすめのお花のお礼をご紹介します。何を送ればいいのかわからない人は参考にしてください。
気持ちのこもったお花を送って悔いのない最後のお別れをしよう
- お花を贈る際は、葬儀屋や親族に確認をしてから贈る
- キリスト教の場合は、造花を贈ったり名前をつけて贈ったりするのはNG
- お返しの相場は、3分の1から半額程度
本記事では、お葬式に贈るおすすめのお花の種類や色などを詳しくご紹介しました。
故人のために選んだお花は、最後のお別れの時間を優しく華やかに演出してくれるでしょう。
本記事を参考にし、喪主や葬儀屋に確認をとりつつ、お葬式に贈るお花を選んでみてはいかがでしょうか。
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