「お葬式やお通夜に何を着ていったらいいのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。
本記事では、お葬式やお通夜の男性・女性・子供別にふさわしい服装を解説。服装以外でも気をつけたい小物や服装についてよくある質問なども解説していきます。
- 喪服の主な3つの種類
- 男性・女性・子供別のお葬式・お通夜にふさわしい服装
- 服装以外でも気をつけたい小物・持ち物8選
喪服の主な3つの種類
お葬式やお通夜に着ていく服のことを喪服といいます。喪服には3つの種類があり、それぞれの格式は異なります。
以下では、喪服の主な3つの種類について詳しく解説していきましょう。
1.正喪服
最も格式高い喪服のことを「正喪服」といいます。正喪服は、喪主や親族などの葬儀の主催者が着るものです。
- 男性の場合:黒のモーニングコート・レギュラーカラーの白シャツ・黒のパンツ
- 男性の和装の場合:紋付羽織袴
- 女性の場合:黒のワンピース、アンサンブル
- 女性の和装の場合:黒無地の着物
最近では、正喪服を持っている人が少なくなり、葬儀の主催者側であっても準喪服を着ることが多くなっています。
必ずしも正喪服を用意する必要はありませんが、もし持っている場合は、葬儀の主催者側として参列者よりも格式が高い服装を身につけることをおすすめします。
2.準喪服
正喪服の次に格式高い服が「準喪服」です。準喪服は、参列者や葬儀の主催者側の人などのほとんどの葬儀に参加する人が着る服です。
男性の準喪服は、ブラックスーツ。女性の準喪服はブラックフォーマルといわれる服装が準喪服です。
喪服できるスーツと黒のビジネススーツでは、生地の質や色合いが異なります。喪服は光沢が出ないようになっているので、喪服の人の集まりの中、ビジネススーツで参加すると悪目立ちしてしまう可能性があります。
悲しいことではありますが、これから喪服を着用する機会は何度もあります。喪服を持っていない場合は、購入を検討するのも一案です。
3.略喪服
お通夜や弔問(ちょうもん)などで使われる喪服のことを、略喪服といいます。
略喪服とは、落ち着いた色のダークスーツ・ワンピース、アンサンブルことをいいます。
黒色が一般的ではありますが、黒以外の紺色やダークグレーなどの色でも問題ないとされています。
「平服でお越しください」といわれた際は、略喪服で参加するのが一般的です。くれぐれも、私服で参加することがないように注意しておきましょう。
お葬式・お通夜では、ふさわしい服装が変わってくる
お葬式に参加するかお通夜に参加するかによってふさわしい服装は変わってきます。
以下では、立場別のお葬式・お通夜のふさわしい服装をご紹介します。
お葬式・告別式
お葬式や告別式では、自分の立場にあった服装を身につけるのがよいとされています。特に親族である場合は、参列者が略喪服であったとしても、準喪服以上を身につけることが多いでしょう。
親族の葬儀に参列する場合、服装の格式に悩んだら確認しておくといいでしょう。
また、参列する場合は略喪服でと伝えられていない場合は準喪服で参列するようにすると安心です。
お通夜
お葬式とは違い、お通夜は急いで駆けつけるものとされています。そのため、ブラックフォーマルであれば正喪服でなくても問題ありません。
仮通夜
仮通夜とは、本通夜の前に行われる親族や親しい友人のみで行われるお通夜のことをいいます。
仮通夜で喪服を着ていくと、亡くなることを予測して準備していたと捉えられかねません。そのため、仮通夜では喪服ではなく、落ち着いた色の平服で参加することがよいとされています。
お葬式にふさわしい男性の喪服
以下では、お葬式にふさわしい男性の喪服についてご紹介します。
遺族や親族の場合
遺族や親族の場合、正喪服を身につけるのがいいとされています。
和服と洋服の2種類ありますが、一般的なのは洋服の正喪服です。
スーツは必ず光沢のない黒色のものを着用しましょう。特に喪主の場合は葬儀の代表なので、喪服を忘れずに準備することをおすすめします。
スーツは、ボタンが1列のシングルでも2列のダブルでも問題ありません。
和服の場合は、黒五つ紋付羽織袴と呼ばれる正装を着ましょう。
参列者の場合
参列者の場合は、準喪服を身につけるのが一般的です。
準喪服の場合、黒のスーツが好ましいですが、ダークグレーやダークネイビーのスーツでも問題ないとされています。
ネクタイは黒色のものを身につけて、ネクタイピンは外しましょう。
お葬式にふさわしい女性の喪服
以下では、お葬式にふさわしい女性の喪服についてご紹介します。
遺族や親族の場合
女性が喪主を務める場合は、和装の黒無地の染め抜き五つ紋付きを身につけるのが一般的です。
洋装の場合は、黒のワンピースやスーツを身につけます。
夏場であっても半袖ではなく、長袖であるほうが好ましいです。メイクは派手にせず、控えめにしましょう。涙でメイクが流れてしまう可能性もあるので、メイクをする場合はウォータープルーフのものにしておくと崩れにくくなります。
参列者の場合
女性の参列者の場合は、準喪服を身につけるのが一般的です。
黒やダークネイビーなどの落ち着いた色のワンピースやスーツを身につけましょう。
スカートは短すぎないもので、膝よりも下まで丈があるものが上品です。
後ほど詳しく紹介しますが、生足ではくのではなく、ストッキングを身につけることも忘れないようにしてください。
お葬式にふさわしい子供・赤ちゃんの喪服
赤ちゃんや子供の場合は、大人ほど服装に気を使わなくてもいいとされています。
特に赤ちゃんの場合は、黒やグレーなどの落ち着いた色の服装で問題ありません。
子供の場合は、制服があれば制服を着ることをおすすめします。
制服がない場合は、モノトーンの服装を身につけておけば大丈夫です。
服装以外でも気をつけたい小物・持ち物8選
大切な儀式であるお葬式やお通夜では、服装以外でも小物にも気を配る必要があります。
以下では、服装以外でも気をつけたい小物をご紹介します。
1.かばん
葬儀にふさわしいかばんは、つやがない黒色のかばんです。
黒色であっても、キラキラとしたアクセサリーや金具がついているかばんは避けておきましょう。
大きなかばんはカジュアルに見えてしまったり場所を取ったりするので、なるべく小さなかばんにまとめて持ち歩くことをおすすめします。
2.靴
靴は黒色でつやがないものを選ぶことをおすすめします。男性・女性ともに金具がついている靴は避けておきましょう。
男性の場合、靴のつま先部分に横一文字に縫い目が入っているストレートチップと呼ばれるデザインの靴が適しています。
女性の場合は、ヒールの高さが3〜5センチのパンプスがおすすめです。
葬式に履いていく靴の詳細を知りたい人は「お葬式にふさわしい靴は?女性・男性・子供別におすすめの靴や避けておきたい靴などを紹介」を参考にしてください。
3.数珠
仏式のお葬式で使われる数珠を持っている人もいれば、持っていない人もいるでしょう。
宗派によって数珠の種類は異なりますが、自分の持っている数珠を持っていけば大丈夫です。
持っていない人や宗教が違う人は、故人のために祈るための心さえあれば無理に買う必要はありません。
また、持っていないからといって家族や友達に借りようとする人もいるのではないでしょうか。
数珠は、仏様と自分を結びつける大切なお守りです。他人に貸したり、貸してもらったりするのは避けておくほうがいいでしょう。
気になる方は、これからお葬式に参列することを考え、購入しておくのも一案です。
4.袱紗(ふくさ)
香典を包む袱紗の色にも注意が必要です。
お祝い事に使う袱紗は赤やピンク、金色などの明るい色を使いますが、お悔やみごとの場合は緑やグレーなどの暗い色を使うのが一般的です。
まだ袱紗を持っていない人は、慶事でも弔事でも使える紫色の袱紗を購入することをおすすめします。
5.ハンカチ
ハンカチもフォーマルなものを持ち歩くようにしましょう。
ハンカチの色は白が一般的ですが、落ち着いた色なら黒や青、ピンクでもいいとされています。
刺繍が入ったものや派手な色のものなどは避けておくことを覚えておきましょう。
6.傘
細かいことですが、雨が降っている場合は傘の色にもこだわりましょう。
赤や黄色などの明るい色は避け、黒やグレーなどの暗めの色の傘を持っていくことをおすすめします。
落ち着いた色の傘がない場合は、傘を新しく購入するかビニール傘を持っていくといいでしょう。
7.靴下・ストッキング
服装にばかり注意してしまいがちですが、靴下やストッキングにも注意が必要です。
靴を脱ぐこともある葬儀では、意外と靴下やストッキングが見えてしまいます。
穴が空いた靴下や派手な靴下はNG。黒色の靴下を履いていくことをおすすめします。
また、女性の場合タイツではなく、ストッキングを履いていくほうが賢明です。ストッキングは30デニール以下の足を綺麗に見せるものであり、タイツは30デニール以上の防寒対策を目的としたものです。
寒い冬の場合は、タイツを履いても問題ありません。しかし、色は肌色ではなく黒色のものを着ていくことが好ましいでしょう。
8.アクセサリー・時計
アクセサリーは結婚指やパールのネックレスのような必要最低限のものを身につけましょう。
特にアクセサリーの重ね付けは、不幸が重なることを暗示するので避けるのが一般的です。
ヘアアクセサリーは、光沢がない黒色のものを身につけることをおすすめします。
腕時計の着用は問題ありませんが、華やかなものやカジュアルなものは避けておきましょう。
お葬式・お通夜の服装でよくある疑問Q&A
「ネイルを落としたほうがいいの?」「喪服を持っていない場合は?」などと慣れない葬儀の服装に対して悩みがある人も多いでしょう。
以下では、お葬式・お通夜の服装でよくある疑問にお答えしていきます。
冬の葬式では、喪服の上からコートを着てもいいの?
冬の葬式では、防寒対策にコートを着たい人も多いのではないでしょうか。
喪服の上にコートを着ることに問題はありません。コートはなるべく黒色のもので柄がないものがいいとされています。
ファーが付いているコートや動物柄のコート、フードやレース付きのコートは、殺生をイメージさせたり、カジュアルに見えてしまったりすることから避けておくほうが賢明です。
暑い夏であっても、ジャケットは着ないといけないの?
夏の暑い中、ジャケットを着るのは苦しいという人もいるのではないでしょうか。
儀式としての葬儀なので、なるべくジャケットを着ることが望ましいです。
少なくともクーラーが効いた部屋の中ではジャケットを着れるように、持参することをおすすめします。
ネイルをしているけれど、落としたほうがいいの?
ネイルをしている場合は、なるべく落としたほうがいいとされています。葬儀では、ブラックフォーマルの服装が多いので、手がキラキラしていると悪目立ちしてしまいます。
すぐに落とせるネイルの場合は、落としてから葬儀に参加しましょう。
ジェルネイルのようにすぐに自分で落とせないネイルをしている場合は、黒の手袋をつけるなども一案です。
喪服を持っていないけれど、どうしたらいいの?
まだ喪服を持っていない人もいるのではないでしょうか。
遺族の場合は、喪に服すためにも喪服は必ず必要です。急いで喪服を準備することをおすすめします。
ビジネススーツしかない場合は、ネクタイを黒色のものに変えておくとよいでしょう。
どうしても喪服を購入する時間がない場合は、私服でお通夜のみに参加するのも一案です。普段着ではなく、なるべく葬儀にふさわしい暗めの色の服を着ていきましょう。
妊婦も喪服を着ないといけないの?
妊婦は、体調を崩してしまう恐れや迷信によって参加を避ける人もいるのではないでしょうか。
大切な体であるからこそ、参加するかしないかは慎重に決めることをおすすめします。
悩んだ末に葬儀に参加することを決めた人は、喪服をどうすればいいか悩んでいる人もいるでしょう。
妊婦は喪服を無理して準備する必要はなく、ゆったりした黒の洋服であれば問題ありません。体を冷やさないためにもカーディガンを持参して行くことをおすすめします。
TPOにあった喪服を身につけて故人に敬意を払おう
- 正喪服・準喪服・略喪服から格式にあった服装を選ぶ
- 服装だけではなく、かばんや靴・靴下などにも気を配る
- コートを着ても問題はないが、コートの色や素材に注意する
本記事では、葬式にふさわしい服装や小物などを詳しくご紹介しました。
慣れない葬儀では、マナーがたくさんあり困惑する人も多いでしょう。
服装に気を配ることによって、故人への敬意を表しましょう。
本記事を参考に、葬儀に適した服装をして参列してみてはいかがでしょうか。
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