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コトラーのマーケティング理論とは?STP理論・7P理論などを詳しく解説

U-NOTE編集部

2021/09/02(最終更新日:2021/09/02)


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近代マーケティングの父とも呼ばれる「コトラー」は、STP理論や7P理論、マーケティング本の執筆などで広く知られています。

本記事では、フィリップ・コトラーの時代の変化に即したマーケティング理論やSTP理論、7P理論などを詳しく解説。

コトラーのマーケティング理論を学びたい人は、参考にしてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • フィリップ・コトラーとは?
  • フィリップ・コトラーのSTP理論・7P理論
  • コトラーによるマーケティング理論の変化の流れ

 

フィリップ・コトラーとは?どんな人?

フィリップ・コトラーは、「現代マーケティングの第一人者」「近代マーケティングの父」として知られています。

コトラーが絶賛される理由は、約百本以上の論文を執筆し、産業革命の時代から電子機器の時代までのマーケティング理論の変化を的確にわかりやすく説明したことです。

コトラーの有名な理論にはSTP理論7P理論があり、利益のあげ方・価値の売り方を実践的に身につけることができます。

 

コトラーとドラッカーの考えるマーケティングの違い

「マーケティング」と聞いてコトラー以外に、ドラッカーを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。

1909年生まれのドラッカーと1931年生まれのコトラーは、マーケティングに対する考え方が似ています。

ドラッカーのマーケティングの考え方は著書『マネジメント』によると、「マーケティングの狙いは、顧客というものをよく知って理解し、製品が顧客にぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすること」としています。
 

一方、コトラーによるマーケティングの定義は著書『コトラーのマーケティング講義』によると、「ニーズに応えて利益を上げること」「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること。」です。

このように両者の定義の言葉は異なりますが、本質的には同じことを言っているのがわかるのではないでしょうか。

 

フィリップ・コトラーのSTP理論

フィリップ・コトラーが提唱した有名な理論にSTP理論があります。

STP理論は、ゼネラルモーターズ社の社長であったアルフレッド・スローンによって提唱された「顧客セグメンテーション」により始まったとされています。

ゼネラルモーターズを業界トップに押し上げたSTP理論とはどのようなものなのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。

 

S:Segmentation

STP理論のSは、Segmentation(セグメンテーション)のSです。セグメンテーションとは、市場を細分化するプロセスのことをいいます。

マーケティングを行うためには、顧客の需要が何なのかを知る必要があります。顧客といっても、高校生・大学生・社会人など人によって欲しいものは異なるのは想像に難くないでしょう。

そのため、そもそもどの層をターゲットにするかを考える前に、まずは顧客を細分化する必要があります。

セグメンテーションをする際に大切なのは、何を基準として市場を分割するかです。例えば前述の「高校生・大学生・社会人」は年齢を切り口にしています。

よく使われるセグメンテーションの切り口は以下の通りです。

セグメンテーションの切り口
  • 地理的変数:場所や気候、文化などで細分化
  • 人口動態変数:年齢や性別、学歴、世帯などで細分化
  • 心理的変数:価値観やパーソナリティ、社会的地位で細分化
  • 行動変数:何かに対する利用頻度、趣味などで細分化

このようにセグメンテーションの定石を使って分類すると、自分の力だけでは見いだせなかった需要が見えてくるかもしれません。

 

T:Targeting

STP理論のTは、Targeting(ターゲティング)のTです。ターゲティングとは、セグメンテーションによって細分化された市場から、アプローチする顧客を決定することをいいます。

ターゲティングをしないと、誰に対して売りたい商品なのかが明確にならず、結果誰にも見向きもされないものを作り出してしまうことも。需要に確実に答えるためにも、ターゲティングが重要です。

先程、セグメンテーションをして分割された市場からどの市場を標的とするのか、どの範囲を標的とするのかを考えることを「市場カバレッジ戦略」といいます。

市場カバレッジ戦略には、以下の3つのマーケティングが存在します。

市場カバレッジ戦略
  • 無差別型マーケティング
  • 分化型マーケティング
  • 集中型マーケティング

無差別型マーケティングとは、セグメンテーションをせずに同じ商品やサービスを提供することをいいます。無差別型マーケティングは「誰もが同じものを欲しがる」という状況が必要であり、市場も広いので需要を満たせる大企業向けの戦略だといわれています。コカコーラやトイレットペーパーのような生活必需品・誰にも愛されるものが、無差別型マーケティングの成功例になるでしょう。

分化型マーケティングとは、差別型マーケティングともいわれ、細分化された市場に即した商品を販売することをいいます。例えば、30〜60代ように苦いものを好む人には苦い缶コーヒーを、10〜20代の甘いものを望む人には甘い缶コーヒーを販売するのが分化型マーケティングの一例です。

集中型マーケティングとは、小さい範囲の市場を標的とした戦略のことをいいます。市場が小さいために利益を上げにくいことや市場が消えてしまう可能性がありますが、ニッチな需要を満たせるのでライバルがいないことがメリットです。

 

P:Positioning

STP理論のPは、Positioning(ポジショニング)のPです。ポジショニングとは、競合と自社の違いを見出し、自社の特徴を顧客に伝えることをいいます。

優れた商品でも同業他社との違いを見い出せなければ、購入してもらえない可能性は高いです。

競合を調べることは、自分の商品を知ることに繋がります。ポジショニングする際は、値段設定・商品の特徴・コンセプトなどを調べて見比べるといいでしょう。

 

フィリップ・コトラーの7P理論

フィリップ・コトラーの7P理論とは、エドモンド・ジェローム・マッカーシーの4P理論に3つの要素を足したものです。

フィリップ・コトラーの7P理論の要素は以下の通りです。

フィリップ・コトラーの7P理論
  • Product:製品
  • Price:価格
  • Promotion:プロモーション
  • Place:流通
  • Personnel:人、要因
  • Physical evidence:物的証拠
  • Process:プロセス(過程)

フィリップ・コトラーの7Pを全て満たすと、満足度の高い物やサービスを作り出せるとされています。自社の製品を分析する際に7P理論を用いてみてはいかがでしょうか。

 

コトラーによるマーケティング理論の変化の流れ

人の需要が時代とともに変化するにつれて、マーケティングは絶えず変動していきます。そのため、コトラーのマーケティング理論も1.0〜5.0までアップデートしています。

以下では、マーケティング理論で大切にされるものの変化を時代とともに紹介していきましょう。

 

製品中心のマーケティング1.0

1960年代以降に生まれたマーケティングの概念を、製品中心のマーケティング1.0と呼びます。

現代のように物が有り余る時代ではなく、安ければ安いほど売れた時代でした。

大量に安いものを作る時代では、顧客のニーズを現代ほど深く考えないProduct・Price・Promotion・Placeという4P理論が生まれたのです。

 

顧客・消費者中心のマーケティング2.0

1970年代になると、製品中心であったマーケティングから顧客・消費者中心のマーケティング2.0に変化します。

安ければ売れるという単純な考えから、安くていいものだから売れる、相手の欲しい物を売るという考えに変化したのです。

この時代にフィリップ・コトラーのSTP理論が誕生し、ニーズを考えた製品づくりが始まりました。

 

人間や価値主導のマーケティング3.0

環境にいいから・地球のことを考えているからなどの理由で商品を買ったことがある人もいるのではないでしょうか。

人間や価値主導のマーケティング3.0では、製品自体だけではなく、製品を取り巻く価値を大切にする考えが生まれました。

また、SNSが発達するにつれて、口コミによる消費者の声を無視できなくなり、まるで消費者と生産者がともに製品を作り出す時代に変化しました。

人間や価値主導のマーケティング3.0を詳しく知りたい人は『コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則』を手にとってみてはいかがでしょうか。
 

自己実現のマーケティング4.0

やりたいことと、やらなくていいことを選べるようになった2010年代では、自己実現に注目されるようになりました。

自己実現の欲求とは、マズローによる欲求の高次の欲求のことをいいます。自己実現の欲求を満たすためにも、ものを買った後に、どのように使用されるのか、何を実現できるのかを考える必要があります。これがマーケティング4.0です。

また、自社の商品を愛してくれる消費者を作る必要性をコトラーは提唱しています。

さらに自己実現のマーケティング4.0を学びたい人は『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』を参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

テクノロジー中心のマーケティング5.0

2020年代になると、テクノロジー中心のマーケティング5.0に変化しました。

コトラーは、子供のころから当たり前のようにスマホやパソコンに触れてきた1997〜2025年生まれの人間は、1996年以降の人間とは違う価値観や金銭の使い方をすることを指摘しています。

AIやIoT、ロボティクスなどの発展しているテクノロジーの技術を活用すること。そしてマーケティングの手法もビックデータやアジャイルマーケティングを活用するなどもマーケティング5.0で述べられています。

今までとは違う新しい世代に対して、テクノロジーを使った新しい商品や価値観を生み出すこと、そしてその技術をマーケティングにも活用することが大切になってきているのです。

 

コトラーのマーケティングを学ぶおすすめの本

コトラーのマーケティングをもっと深く学びたいという人も多いのではないでしょうか。

コトラーのマーケティングを学ぶには、やはりコトラーの本を読むことが一番です。

以下では、特におすすめなコトラーの本をご紹介します。

 

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント

マーケティングを始めから学びたい人は『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント基本編』をおすすめします。

本書では、マーケティングの初歩の初歩から学べ、わかりやすいマーケティングの実例が紹介されています。

基本編を身につけた後は、『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』の本編をチャレンジしてみるのもおすすめです。

 

Marketing 5.0: Technology for Humanity

最新版のマーケティング理論を学びたい人は『Marketing 5.0: Technology for Humanity』をおすすめします。

残念ながらマーケティング5.0は、日本語版が出ていないのですが、英語が読める人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

日本語版は、『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』が最新版です。『コトラーのマーケティング3.0』をさらに実践的にしたものなので、最先端の技術を知りたい人はこちらを手にとってみるのも一案です。

 

あわせてチェックしておきたいマズローの法則

先ほど少し紹介したように、自己実現のマーケティング4.0は、マズローの法則と深い関係があります。

マズローの法則とは、人間の欲求を段階に分けて分析したものです。

マズローの法則もコトラーのマーケティングと同様にマーケティングに活用できるものなので、気になる人は「【心理学】マズローの欲求段階説(マズローの法則)とは?6つの欲求の意味や活用方法を詳しく紹介」を参考にしてみてください。

 

マーケティングを学ぶならコトラーの理論は確認しておこう

本記事のまとめ
  • コトラーのマーケティングは「ニーズに応えて利益を上げること」
  • STP理論・7P理論を駆使して、顧客のニーズを見抜く
  • マーケティングの概念は時代とともに変化するもの

本記事では、コトラーのマーケティング理論やSTP理論・7P理論などを詳しくご紹介しました。

マーケティングは時間の経過とともに変化するものなので、常に学び続けることが大切です。

本記事を参考にコトラーのマーケティングを学んでみてはいかがでしょうか。
 

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